概要
1992年7月の東映アニメフェアで公開された劇場用新作の3作目。
フレイザード戦終結からマァムの一時離脱までの間に起きた出来事で、当時のアニメ第37話と第38話の間にあたる(原作では第71話と72話の間)。
原作序盤にアニメオリジナル要素を加えた第1作、アニメオリジナルながらも原作キャラを中心にまとまった第2作に対して、この第3作はアニメオリジナルキャラとのアクションをメインとする東映まんがまつり風に仕上がっている。
もっとも上映時間39分に敵7人というのは詰め込み過ぎの感が否めない。また原作完結後に見るとツッコミどころが多い。だがそれがいい。
あらすじ
バルジ島の戦い直後、勇者ダイとの戦いで6大軍団長の内、半数を失った魔王軍。その事に焦る魔軍司令ハドラーの前にハドラーの影武者を務める豪魔軍師ガルヴァスが現れる。ガルヴァスはダイを打ち倒すことにより、失態続きのハドラーから司令の座を奪おうと画策しており、ハドラーに対し自分がダイを討伐することを宣言、配下の6大将軍を率いて、復興中のパプニカ王国を襲撃した。ダイとその仲間たちが迎撃し、激闘が繰り広げられる。その戦いの最中、マァムが魂を抜き取られてしまう。マァムの魂を人質にしたガルヴァスの要求通りダイは指定された決戦場に赴くが、それはガルヴァスの罠であった。はたして、ダイは、マァムの魂を取り戻し、ガルヴァスを倒すことができるのか?
登場人物
アバンの使徒
(映画での)主要人物の関係者
魔王軍
魔王軍(アニメオリジナルキャラクター)
今作の敵役。魔軍司令ハドラーと六大軍団長にとって代わるため動き出した魔王軍内の集団であり、長年ハドラーの影となっていたガルヴァスと、その配下の幹部である新生六大将軍で構成されている。配下のモンスターはベグロムが騎乗するワイバーンしかいないが(あくまで魔軍司令と軍団長の影武者・代理・代行・候補・補欠・予備とでもいうべき部類の者達なので、自身の兵たるモンスター達=軍団を持たされていないのは当然と言えば当然)。
前作のベルドーザと同じく、キャラクターデザインは原作漫画の稲田浩司が描いているため違和感はない。本物の六大軍団長とは異なる個性が付けられている。
なお、全員「〇〇将軍」なので、ブレーガンのみフレイザードと二つ名が丸被りしている。
ちなみに当時の玩具であったダイコロで全員が立体化されていたりする。
ハドラーの影武者役の屈強な魔族の男。ヒュンケルとクロコダインの同時攻撃に巻き込まれて戦闘不能になるが部下たちの命を得て強化復活を果たす。最後はダイのアバンストラッシュによって跡形もなく消滅した。
六大将軍最強たるアンデッド。ヒュンケルとクロコダインの同時攻撃の前に倒れる。
妖艶な美女に化けた植物系怪物。ダイが投げた、メラを宿すパプニカのナイフで背中を貫かれ全身を燃やされ焼死する。
牛に似た獣人族の巨漢。クロコダインと一騎討ちを繰り広げるがパワーでもタフネスでも及ばず敗死した。
炎と氷を操る三節棍を使う魔族の武道家。ヒュンケルと一騎討ちを繰り広げるがあと五歩のところでアバンストラッシュで胴体を切断され敗北した。
- 魔影将軍ダブルドーラ(CV:江川央生)
分離合体するリビングアーマー。ダイの空裂斬で肉体を破壊されて砕け散る。
ガーゴイルのドラゴンライダーで六大将軍最弱。ダイに一刀両断され呆気なく退場する。
余談
本作の決戦地となったベルナの森は、後に原作にも逆輸入されピラァ・オブ・バーンが落とされた場所の一つとして語られている(地名のみの登場)。
本作ではマァムの救出に向かえるのは1人だけという状況であり、名乗りを上げたポップに対しダイが腹パンをして気絶させるという展開がある(絶対に負けられない戦いのため最大戦力をぶつける必要があった)。
読者的にはダイの行動は意外に思うかもしれないが、このシーンは表現やシチュエーションを変えて逆輸入されていたりする(壮絶なネタバレになるので、気になる読者は原作を最後まで読むべし)。