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「ナタク…俺を導いてくれ…正しき道へ!」


アルトロンガンダム(AItron Gundam)は、テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する機動兵器。


データ編集

型式番号XXXG-01S2
全高16.4 m
重量7.5 t
装甲材質ガンダニュウム合金
開発者老師O
パイロット張五飛

アビリティレベル編集

※リーオーをオールレベル100として換算

ファイティングアビリティレベル170
ウエポンズアビリティレベル140
スピードアビリティレベル130
パワーアビリティレベル140
アーマードアビリティレベル120

東洋の龍をモチーフとする格闘戦用ガンダムタイプMSモビルスーツ)。

主要人物の1人である張五飛(チャン・ウーフェイ)が後半に搭乗した。

機体名の「アルトロン」とは、「二頭龍」の中国語読み。


機体説明編集

アルトロンガンダム(TV)

より強い力を求めた五飛の意思に応え、OZ月面基地に拘束されていた5人のガンダム開発者達が、同基地に鹵獲されたシェンロンガンダムを、同じく鹵獲されたガンダムデスサイズと共に密かに修復・強化した機体。


彼等が開発したガンダムは基本的に地上戦仕様の機体であったため、改修は宇宙戦に対応した強化が主となっている。本機の場合は、背部左右にスラスター内蔵の可動翼ランダムバインダー、両スネにサブスラスターを追加し空間機動力を強化されている。


何故この2機だけが大幅改修されたのかと言うとOZが宇宙圏コロニーを騙し味方につけようとしたことに気付いたガンダムパイロット達も宇宙に戻り、ウイングとヘビーアームズはパイロットのヒイロとトロワの判断で「ガンダムに価値はなくなった」と地上で乗り捨てられ、残る3機は宇宙に持ち込む際にOZ地球軍からの妨害を受けサンドロックの自爆を囮にしてこの2機しか持ち込めなかったため。


武装はアルトロン(二頭龍)の名の由来となった両腕の改良型ドラゴンハング、ビームグレイブに代わり装備されたツインビームトライデント、背部の2連装ビームキャノンという構成になっており、格闘機であった原型機の長所を伸ばしつつ、弱点であった射撃能力も補ったものとなっている。


元来高い格闘性能をはじめ、機体性能を全てを強化され、デュオ・マックスウェルが驚嘆した、ゼロシステム搭載MSにも、真っ向勝負を挑めるほど。

EWにおいてはウイングゼロとDBのような超高速戦闘をするほどで、ゼクスがベース機より強化されたトールギスⅢをもってしても相手に出来るか不安を漏らしてた程。(性能でガンダム以上のものはないと語られている)



外見面では機体色をシェンロンのブルーからグリーンに変更。

ファイティングサイトは円形から六角形状になり、頭部やスネにたてがみや牙の意匠を取り入れるなど、よりのイメージを強く打ち出している。


関連動画編集


アルトロンガンダム(EndlessWaltz版)編集

ガンダムナタク


OVA『新機動戦記ガンダムW EndlessWaltz』用に、カトキハジメ氏がデザインリファインを行なった機体。

設定上はTV版と同一の機体。

TV版よりも大型化したドラゴンハングを全面に押し出したデザインが特徴的だが、一方で2連装ビームキャノンなどは廃されていて、よりスマートな外見になっている。

当時のプラモデルでは1/144、1/100共にガンダムナタク名義で販売されていたが、後にプレミアムバンダイ限定で発売されたMGキットでは他の同作品のMGキットの商品名のパターンに合わせ『アルトロンガンダム(EW版)』名義になっている。

EndlessWaltzの世界観で本編を描いたコミック新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光ではTV版と同様に背部にウィングバインダーと2連装ビームキャノンを装備した形状で改修されている。


武装編集

ドラゴンハング(火炎放射器)編集

両腕をドラゴンハング化した事で弱点であった左腕側の死角を解消。

他の武装を組み合わせた多彩な攻撃パターンの展開が可能となった。

クローの形状もより龍に近いデザインに変更されている。

両腕の火炎放射器から放たれる「ダブルドラゴンハングファイヤー」は、片方のみと比較して約10倍もの破壊力を持つ。

EW版ではより大型化し、シールドとしても使用可能。火炎放射器がオミットされたがTV版よりもリーチは長くなっている。


バルカン編集

シェンロンガンダムからの引き継ぎ武装で、改修後も武装コロニーの二連装ビーム砲を破壊する時などに使われている。

公式の資料ではなぜかほぼ省略されている。


ツインビームトライデント編集

ビームグレイブに代わり装備された格闘ビーム兵器。

その名の通り柄の両端から三又槍(トライデント)状のビーム刃を形成する。

更にメリクリウスのクラッシュシールドの粒子加速技術を応用することで、ビーム刃自体の出力も大幅に向上している。地味に珍しくTV版・EW版共にデザインが変わっていない武装である。

不使用時には柄を縮めた状態でランダムバインダー(TV版)にマウントされる。


2連装ビームキャノン編集

シェンロンの弱点であった射撃能力の低さを補うべく背部に装備された連装ビーム砲。

ヴァイエイトのビームキャノンの技術が用いられており、出力・射程共に優秀な性能を発揮する。

また、銃身部はドラゴンハングと同様の多関節アームで接続されており、背面等多方向への発射が可能。EW版ではオミットされているが上述したように「敗者の栄光」では装備されている。


アルトロンシールド編集

カラーリングが青から赤に変更されているが、基本的にシェンロンシールドと同一の装備。

左腕のドラゴンハング化に伴い、設置位置が左肩に変更されている。

EWではオミットされ、ドラゴンハングにシールドの機能が追加された。


バリエーション編集

ティエンロンガンダム編集

詳細はリンク先参照。


ガンダムジーエンアルトロン編集

TVアニメ「ガンダムビルドダイバーズ」に登場するアルトロンガンダムのカスタムガンプラ。

両肩に虎と狼の意匠のパーツが追加されており、ドラゴンハングを発展させたジーエンハングを備えている。背部にはジーエンシールドが装備されている。

獣のしなやかさと機敏さ、猛々しさを内に秘めているガンプラ拳士。


立体物編集

ガンプラ編集

アニメ放映時は1/144とHG1/100が発売。 双方ドラゴンハングとビームキャノン展開やランダムバインダーの稼働など劇中同様のギミックが組み込まれている。


HG1/100には一部メッキパーツが採用されているが、HGシェンロンのもの一式をそのまま流用しているため、相対的に使われるメッキパーツは減っており、ホイルシールで補完する形になっている。

ドラゴンハングの可動面においては改善されており、ブロックに回転軸が加わったことでよりフレキシブルな動きが可能となった。しかし、改修型にありがちなギミックの増加に伴い使えるポリキャップの数が不足したのもあり、回転軸はPS同士の接続となっておりドラゴンハングの摩耗はシェンロンより早くなってしまっている。


上述のシール補完にしても問題があり、あろうことか目立つ箇所の一つであるドラゴンハングのクローは無塗装だと真っ白という有様で、シールを貼らない場合は要塗装となっている。これは同じく改修型のHGガンダムデスサイズヘルも抱えている問題である。


ツインビームトライデントに至ってはもっとひどく、柄部分は収納・展開形態共にボディカラー成型色ランナーの緑のまま、ビームエフェクトの方も白成形な上にシール補完すらないため、どちらも塗装しなければ話にならない。そもそもデュアルアイにもクリアパーツが使われていないため、実はWのHG 1/100で唯一クリアパーツランナーが存在しない機体となっている。


しかし、腐っても出来が良いとされるHGシェンロンがベースになっているため、今の時代で見てもプロポーションは十分通用する優秀さがある。ちゃんと塗装してやるなどして丁寧に仕上げれば特に改造などしなくても見栄えの良いものが出来上がる。



また、またアルトロンベースの改造ガンプラHGBDジーエンアルトロンの立体化にあたって一部モデラーの間で以下のちょっとした騒動が話題になった。



HG 1/144シリーズ化にあたってのフレーム変更編集

アルトロンガンダムは長らく放送当時の1/144とHG1/100の2つしかガンプラが存在しなかったため、最新フォーマット化が待望されていた機体の一つだった。


そんな中、上述のガンダムジーエンアルトロンがHGACウイングガンダムの関節フレームのランナーをベースに発売。その中にはアルトロンガンダムとの共通パーツも数多くあったため、「これをベースにHGAC化されるだろう」と期待を膨らませる者も多かった。


ところが。2019年9月に発売されたHGACガンダムサンドロックでは、関節をウイングガンダムに準拠せず新たに「ガンダムWフレーム」と呼ばれる新規の専用関節が採用されたのである。


ウイングガンダムの関節フレームとガンダムWフレームはアレイ型の腕関節などパッと見似たような構造のため特に外装を改修する必要はないのでは?と思われがちだが実は結構違う。

ウイングガンダムは他4機にはない変形機構を持っているため、どうしてもこの4機とはフレームにも異なる構造が出来てしまうのだ。


特に大きく異なるのは上腕と腿の接続。

現在の一般的なHGの上腕関節は「肩アーマーパーツにPC3を挟み込み、上腕先端のダボと差し込む」構造を取っている。しかしウイングはバード形態時の肩アーマー収納時に腕の付け根部分を隠すブロック関節を挟んでいるため、この時代のガンプラにしては珍しく胴体に直接つく構造のキットになっている。なので上腕の先端部も近年のHGフォーマットに多い方式の肩アーマー内のポリキャップに差し込むダボではなく、上からダボを差し込まれるダボ受け側になる。

ジーエンアルトロンではこの弊害を解消するため、「上腕部を両方ダボ」にするという力業で解決していた。


膝関節の方も、現在の一般的なHGは「腿パーツにPC8のみを挟み込み、膝関節のダボと差し込む」構造で非常に塗装派に優しい構造となっている。しかしウイングは変形時に両足がクランク式に折れ曲がる構造上三重関節となっているため、上から二番目の関節も挟み込み式構造でPC8用のダボが上から三番目の関節になってしまっている。当然他4機は二重関節のため三番目の関節は不要で、ウイングガンダムのフレームのまま流用するとなると腿は必然的に旧式に多かったパーツ同士での挟み込みになってしまう。

実際ジーエンアルトロンの腿も挟み込みになってしまっていた。


他にも股関節フレームがガンダムWフレームではフレーム単位で構造成立するのに対し、ウイングガンダムはリアアーマーで蓋をするような構造になるため、リアアーマーに至っては全く別物の規格になるという弊害も抱えている。


そのためガンダムWランナー準拠でシェンロンを作るとなるとジーエンアルトロンとはまた別に外装を一から作り直す必要がある。この事から「HGACシェンロン(アルトロン)は『HGACウイングガンダムのフレーム』と『ガンダムWフレーム』どちらが使われるのか?」は一種の議論にもなった(アルトロンはドラゴンハングを持つ関係上両腕の構造自体が他のガンダムと異なるので上腕の弊害はそこまで大きくないが、改修前のシェンロンの左腕は普通の物のため結局は通るべき道となる)。

結局、4年後発売されたHGACシェンロンガンダムはガンダムWフレームベースでの開発となり、それに合わせた外装が新造されるという結論となった。



上記のような一悶着あったが、

2024年10月にプレミアムバンダイ限定としてHGAC版が発売。

TVシリーズ後期の5機のガンダムのうち最後の商品化となっており、HGACウイングゼロの発売から実に10年以上かかっている。

上記のジーエンアルトロンからの流用はない新規造形となっており、フレームも『ガンダムWフレーム』がベースとなっている。(実物を比べてみるとわかるがHGジーエンアルトロン自体かなりアレンジが施されている。)


最新キットなだけあり、シールもセンサー類やごく一部の色分け困難な部分にのみ使用されている程度であり、素組みでも非常に出来がよい。


また、ツインビームトライデントには専用の持ち手が両腕分付属しており、肩部引き出し関節と合わさってポージングに幅を利かせている。


アクションフィギュア編集

2001年にMS IN ACTIONシリーズが発売。同ブランドのシェンロンベースなため、可動もほぼ同じ。


2012年には念願のROBOT魂化。

最新フォーマットのため高い可動範囲を持ち、ランダムバインダーの拡張ギミックが追加された。

その他ドラゴンハングの延長用パーツやシェンロンシールドの掴み手などが付属している。


2022年にはプレミアムバンダイ限定でMETAL ROBOT魂化された。

ROBOT魂と比べかなり骨太なマッシブ体型にアレンジされ、中華風のマーキングが多数施されている。



他の作品では編集

新機動戦記ガンダムWが登場している作品には、メインキャラクターの機体とあって確実に参戦している。武装の都合でシミュレーションゲームでは有効射程に難があることが多い。

ガンダムVSシリーズではNEXTPLACEにEW版が、現在稼働中のEXVS2にはTV版が参戦している。


関連項目編集

新機動戦記ガンダムW ガンダムW 張五飛 シェンロンガンダム ガンダムナタク ドラゴンハング

トレーズ・クシュリナーダ


ウイングガンダムゼロ ガンダムデスサイズヘル ガンダムヘビーアームズ改 ガンダムサンドロック改


タリスマン:あるいみ兄弟機

ガンダムヴァサーゴ:似たような伸びる両腕を持つ機体

ガンダムダブルドラゴン:名前的にはアルトロンと全く同じ意味である

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