予告
「大変、町中で大暴れ。」
「え?妖怪?怪人?」
「シュシュトリアンの出番ね。」
「そ、それが…」
「ひえ~、バルタン星人」
「私たちの手におえないわ。」
「そうだ、ウルトラマンを呼ぼう。」
「月子何言ってんの?」
「来るわけないでしょ。」
「シュワッ!」
「うそ!?」
「やった。」
「次回の有言実行三姉妹シュシュトリアンは『ウルトラマンに逢いたい』。」
「お楽しみに。シュワッチ!」
東映不思議コメディーシリーズ・前後のストーリー
放送日:1993年10月17日
脚本:武上純希
監督:佐伯孚治
概要
ウルトラマン以外にもバルタン星人を始めとしたおなじみのウルトラ怪獣や快獣ブースカがオリジナルキャストで出演。さらにはウルトラマンに変身する怪獣おじさん役にハヤタ隊員役の黒部進氏や当時の円谷プロ社長の円谷一夫が出演。祖師ヶ谷大蔵にあった当時の円谷プロの登場など非常に豪華な一編。
あらすじ
ある夜、山吹三姉妹は流れ星に願い事をする。中でも次女の月子は憧れのヒーロー「ウルトラマン」に逢いたいとお願いした。しかしその流れ星は円谷プロの怪獣倉庫の中へと落ちていった。
翌日、一家そろってロブスターを食べようとしていた山吹三姉妹の前に、何と本物のバルタン星人が現れる。それだけでなく商店街の服屋にガラモン、ゲームセンターにエレキングが出現。しまいにはラーメン屋でブースカがラーメンをタダ食いしていた。逮捕されそうになったブースカだったが、円谷プロで怪獣の着ぐるみのメンテナンスをしている怪獣おじさんなる人物のとりなしで事なきを得た。
ブースカが言うにはあの流れ星の中には命が宿っており、その影響で自分達が動けるようになったという。このまま怪獣達が暴れ続ければ子供たちに怪獣が嫌われてしまうというおじさんのために何とか怪獣の暴走を止めることになる三姉妹。
ダダとゴモラまで現れ、事態が混乱する中、何とか怪獣達を説得しようとするが、バルタン星人は自分の仲間であるロブスターを食べようとする人間たちに復讐するために怪獣を利用しようとする。
シュシュトリアンに変身して戦う中、バルタン星人は巨大化。しかし怪獣おじさんは懐にしまっていたベーターカプセルでウルトラマンへと変身。シュシュトリアンもウルトラマンの力で巨大化し、合体技「ウルトラスペシウム・シュシュファイナル」でバルタン星人を撃退した。
ウルトラマンはバルタン星人を光の国へと連れて行った。それと同時に怪獣達も消えていく。
数日後、おじさんに会いに円谷プロを尋ねた月子。だがおじさんはあの事件以来いなくなってしまったという。倉庫の中でおじさんとブースカの幻を見る月子。空には一番星が輝いていた。
諺紹介
- E.T.曰く、ウィー・アー・ノット・アローン
- モロボシ・ダン曰く、戦いとは血を吐きながら続ける悲しいマラソンのようなものだ
制作の経緯
『ウルトラマンVS仮面ライダー』の製作後の打ち上げにて、円谷プロの円谷一夫社長が東映の日笠淳プロデューサーに『シュシュトリアン』のファンであることを打ち明け、「うち(円谷プロ)を舞台に三姉妹、来ない?」と冗談半分で話してみた所、既に決定していた追加エピソード3話(厳密に言えば打ち切りが決定したものの、後番組である『蒼き伝説シュート!』の放送開始スケジュール調整の影響で最終話のクランクアップ後に3話が追加で制作された)の内の1話を書き換えてもらい、円谷氏自身も本人役で出演が決定。話はとんとん拍子で進み、円谷側もノリノリでブースカのスーツも新調し、製作されたのだった。
余談
月子役の石橋けいは後に平成ウルトラマンにて多数出演する事となった。
今回ウルトラマンのスーツアクターを担当したのは、当時大野剣友会に所属していた城谷光俊。同氏は過去に『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』で仮面ライダーZXや『ウルトラマン物語』のウルトラマンタロウを担当しており、ウルトラマンと仮面ライダーの両方を演じたスーツアクターとなった。
また今回のバルタン星人のスーツは『ウルトラマン怪獣大決戦』や『ウルトラマン80』『ウルトラスーパーファイト』で使われたスーツ。(よく見るとブタ鼻部分が黒く埋められている)今作撮影後に破棄されたため、これが最後の出番となった。(80のDVDボックスでの解説書曰く「大往生を遂げた」らしい)。
なお、黒部氏は『ウルトラマンメビウス』以降の作品でしばらくの間ウルトラマンの声を務めているが、初めて「ウルトラマン」の声を担当したのは本作が初めてである。