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エアーウルフ

えあーうるふ

「エアーウルフ」とはアメリカで製作・放映された特撮ドラマのことであり、および作中に登場する攻撃ヘリコプターの名称でもある。「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」のタイトルで日本でも放映された。
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作品概要

アメリカCBSにて1984年3月から1986年3月にかけて、3シリーズ55話が放送された。

その後1987年1月から8月にかけて、第4シリーズにあたる「新エアーウルフ 復讐編」全24話が放送されているが、放送局はケーブルテレビ向け番組配信会社のUSAネットワークに移動している。

日本でも1986年9月末から1987年11月にかけて日本テレビほかで放送された。元々は日曜22時30分-23時25分のローカルセールス枠であったため放送されない系列局も少なからず存在したものの、1987年3月に2話分のエピソードを金曜ロードショーの枠を借りる格好での全国ネット放送を実施した。その後諸事情により放送開始を見合わせるハメになったバラエティ番組「全日本お笑い研究所」のピンチヒッタープログラムという格好で水曜21時-21時54分の全国ネット枠放映番組に昇格した。そして視聴率も「ニュースセンター9時」(NHK総合)、「夜のヒットスタジオDELUXE」(フジテレビ系列局、ただし一部系列局除く)、「クイズ地球まるかじり」(テレビ東京テレビ大阪テレビ愛知テレビせとうち)と言った強敵を向こうにまわし大健闘、引き続き「新エアーウルフ 復讐編」が1988年3月まで放送されている。ただし「新エアーウルフ 復讐編」に関しては編成上の都合から一部エピソードの放送の断念を余儀なくされた。その後ケーブルテレビ向け番組配信会社のスーパー!ドラマTVの手によって2007年8月以降「新エアーウルフ 復讐編」全24話も含めた全編コンプリート放送を実施している。


大量の火薬を用いたド派手な爆発やフィルムの早回しによる高速演出、そして機体の外観と名称が異なるなどという細かい事は全く気にしない、80年代テイストにあふれた痛快活劇である。同時代の戦闘メカ系海外TVドラマとして、「ナイトライダー」と双璧を成すコンテンツであった。


物語の主役となる「エアーウルフ」は、驚異的な機能を有する戦闘ヘリである。

ヘリコプターとしての詳細は、下記参照。


スタッフ

原作スタッフ

企画 - ドナルド・P・ベリサリオ

製作総指揮 - ドナルド・P・ベリサリオ(シーズン1・2)、バーナード・L・コワルスキー(シーズン3)

撮影 - ハワード・シュワルツ

音楽 - シルヴェスター・リーヴァイ

エアーウルフのデザイン - アンドリュー・プロバート

制作 - ベリサリウス・プロダクション、ユニバーサルTV

日本語スタッフ

日本語版製作 - 東北新社

翻訳 - 木原たけし、佐藤一公

演出 - 伊達康将

調整 - 小野敦志

プロデューサー - 清水篤


ストーリー

中央情報局(CIA)の秘密作戦遂行のために、「悪魔的天才」とも揶揄される科学者チャールズ・ヘンリー・モフェットによって10億ドルの費用と20年の歳月をかけ開発された“マッハ1・プラス・アタック・ヘリコプター”「エアーウルフ」。軍関係者や連邦議会議員を招いて行なわれた実弾射撃を含む展示飛行の最中、招待者の一人である議員に働きを正当に評価されていないと思い込んだ当のモフェット自身がエアーウルフで招待者たちを攻撃。モフェットはそのままエアーウルフを持ち去り、リビアへ逃亡した。


開発計画の責任者で、先の事件でエアーウルフの銃弾を浴び、左目失明・左足不随の大ケガをしたCIA特別作戦部長マイケル・コールドスミス・ブリッグス3世(コードネーム「アークエンジェル」大天使の意)は、敏腕パイロットで、今は山荘で暮らすストリングフェロー・ホークにエアーウルフの奪還を要請。ホークは友人のドミニク・サンティーニと共に、北アフリカの「カダフィ大佐 夏の館」に潜入、モフェットと対決し、エアーウルフの奪還に成功する。しかし、今度はホークが中央情報局への機体の返還を拒否。

人知れぬ土地(ネバダ砂漠の「神の谷」と呼ばれる地域)にエアーウルフを隠匿してしまう。


ホークは「エアーウルフを返してほしければ、ベトナム戦争で未帰還兵となった、兄のセント・ジョンの生死を確認し回答せよ」と政府に要求。ここでアークエンジェルは機転をきかせ、「政府のホークへの逮捕に関する情報をホークに教えること」や「CIAの情報網でジョンを探す」、代わりに「CIAの作戦にエアーウルフを使わせ秘密要員として参加する(経費はもちろん政府持ち)」取引をホークに持ちかけ承諾を取り付ける。


これをきっかけにホークはエアーウルフを使い、世界の各地でさまざまな事件を解決していく。


主な登場人物

ストリングフェロー・ホーク(演:ジャン=マイケル・ヴィンセント、吹替:磯部勉)

34歳。ベトナム帰りの敏腕ヘリコプター操縦士。ベトナムでヘリボーンの際に、負傷兵救出のため入れ替わりに解放戦線の捕虜になった兄のセント・ジョンをCIAの情報網で探すことを条件に、CIA特別作戦部の私的エージェントとしてエアーウルフを駆る。格闘のセンスにも優れ、特にキック技が得意なようである。

表向きの職業はドミニクの経営する「サンティーニ航空」のヘリ操縦士。普段は湖畔に面した山荘で愛犬のテットと暮らしている。山荘には祖父が集めたという絵画のコレクションが飾られている。屋外でチェロを弾くことが趣味。兄セント・ジョンの名は使徒ヨハネにあやかったものであることが『新エアーウルフ 復讐編』の劇中でセント・ジョン本人によって語られている。

12歳の時に両親をボート事故で、出征直前に恋人を自動車事故で亡くしている。さらに戦友たる兄とも生き別れとなったため、自分にとって大切な人達に不幸が及ぶのを嫌がるあまり、敢えて孤独を求めるかのような生活をしている。


ドミニク・サンティーニ(演:アーネスト・ボーグナイン、吹替:富田耕生)

ヘリコプターを使う中小運送業、サンティーニ航空の経営者。ホークの父親とは戦友であり、またホークの親代わりで心を許せる親友でもある。陽気で話し好きな性格であり、どちらかと言えば寡黙で内向的なホークを公私共に支え続ける。

エアーウルフの副操縦士ではあるが、エアーウルフの操縦をすることはほとんどなく、外部からの支援を殆ど受けられないエアーウルフの後席で航空機関士や兵装オペレーターとしてホークの補佐を務める。


ケイトリン・オシャネシィ(演:ジーン・ブルース・スコット 吹替:戸田恵子)

シーズン2から登場。元テキサス・ハイウェイパトロールの女性警察官で、エアポリスのヘリコプター操縦士。男勝りな性格で、ある事件でホーク達に助けてもらったのを機に、警察を辞めてサンティーニ航空で働くことになる。初めはエアーウルフのことは彼女には秘密であったが、ドミニクの入院がきっかけで3番目のクルーとなる。


超音速攻撃ヘリ「エアーウルフ」

戦闘ヘリとしてのエアーウルフは、驚異的な性能を持つ。

設計・制作は、チャールズ・ヘンリー・モフェット博士。悪魔的天才とも言われる彼の手により、単なる兵器として以上の機能を有した存在になっている(後述)。

パイロットは、ライフデータを表示できる専用フライトスーツ、及び照準装置内蔵バイザーを装備した専用フルヘルメットを装着する。

乗員は三名。

1番目のクルーは機長。操縦・標的捕捉・武器システムの選択などの全責任を負う。

2番目のクルーは砲手兼副操縦士。機長が負傷した場合に備え予備の制御システムを管理する。

3番目のクルーは航空機関士。電子データによってターボの温度、燃料及び潤滑油の圧力、ローターのシンクロ状態など、フライトシステムを管理する。

劇中では、ホークが1番目クルーとして操縦、ドミニクが2番と3番クルーを兼任して運用していた。

座席に設置されたコンピューターターミナルのモニターには、システム立ち上げの際、エアーウルフのシンボルである、「羊の皮を被り翼が生えた狼の頭」の線画が現れる。


以下、機体スペック。

防弾装甲。ボロン繊維でカバーされた装甲板で守られており、銃弾程度は弾き返す。ウィンドウも防弾。

チェーンガン。二連装30mm機関砲4門に40mm機関砲2門、合計6門を装備。通常時はボディ両端に内蔵しており、戦闘時には銃身が展開する。原語版では、2連装12.7x99mm NATO弾機関砲、および30mm単装機関砲となっている。

3連装ADFポッド。ADFとは「All Directional Firing―全方位回転式」の意。以下のミサイルを発射可能。また、270度回転し各方向への発射、および連射も可能。装弾数は合計24発。

ヘルファイヤー。空対地短距離ミサイル。装弾数6発。

レッドアイ。地対空短距離ミサイル。装弾数12発。シーズン3からは空対地ミサイル・マーヴェリックに変更になった。

コパーヘッド。対戦車用空対地長距離ミサイル。装弾数6発。

主に使用されるのは、上記三種類のミサイル。また、下記のミサイルも劇中では使用されている。

ファルコン。空対空長距離ミサイル。ADFポッドの両脇から発射された。装弾数4基。自動(手動)誘導弾。

シュライク。核弾頭装備可能な長距離ミサイル(番宣では核弾頭装備と言われていた)。シーズン2内で一度だけ使用。ADFポッドの真ん中から発射された。装弾数不明。

サンバースト(太陽弾)。機体側面のランチャーより、後方に向けて放たれる高熱源体。赤外線追尾式ミサイルの囮として用いられる。

ターボシステム。胴体部に内蔵された二基のターボジェットエンジンを点火させ、9.6秒で標高0から2万メートルの空間で超音速に到達し、「マッハ1プラス」の最高速度を出せる。このターボシステム使用と同時に駆動系が切り替わり、超音速飛行中はジェットエンジンと小翼で飛行、メインローターは空転させているという設定(この時のエンジン音が狼の咆哮にも似ている事が、エアーウルフという機体名の由来らしい)。

なお、機内は密閉され、与圧システムが内蔵されている。

:レーザー。「新エアーウルフ」以降に装備。機首部分から放たれる。


その戦力は歩兵1個師団分に匹敵し、空飛ぶ小型要塞とも呼ばれている。

機首に口を開けている、空中給油用プローブが唯一の弱点。この部分に弾丸を当てれば、拳銃でも誘爆させる事が可能。


また、これらの他に特筆すべきは、機体に内蔵されたコンピューターシステムである。

これは戦闘を行うたびに学習し、様々な情報を経験として蓄積。その経験を用い、次回の戦闘へと活用するシステムである。更には、学習し蓄積したこれらの情報を、次世代機へ伝達する事も場合によっては可能である。これは、生物の遺伝子情報の蓄積と継承と同じであり、曰く「エアーウルフは兵器ではなく生物」。

設計図はモフェット博士自身により、エアーウルフのコンピューター内に隠されている。それ以外には情報流出を防ぐため、残されていない。故にエアーウルフは一機のみが存在し、エアーウルフが破壊されたらこれも消滅し、存在しなかったことにされる。

ただし、閲覧することで同一性能の機体を製作する事は可能。後に、レッドウルフといった二号機が製作された(下記も参照)。


ひとたびメインテーマが流れエアーウルフが戦い始めると、ほぼ一方的に敵を血祭りにあげていた。

屠った対象はヘリはもちろん、天敵のはずの戦闘機すらも凌駕。対地攻撃も強力であり、敵に奪われた際は米軍の駆逐艦を撃沈したこともある。

そのため本作で一番恐れられていたのはエアーウルフが敵に撃墜、破壊されることではなく、エアーウルフが奪われて敵の手にわたることである。


なお、劇中ではあまり触れられないが、北米大陸から海を越え、中東にまで行けてしまう(しかも道中は戦闘行動を含む)、ヘリコプターにあるまじき航続距離を備えている。


その他

2号機「レッドウルフ」

シーズン3第2話「レーザー発射!新開発レッドウルフを撃破せよ」に登場。

モフェットの一番弟子、ハーラ・ジェンキンスにより開発された、エアーウルフの2号機。

ジェンキンスはホークの航空学校の同期であり、ホークにライバル心を抱き、モフェットの一番弟子になっている。モフェットの死後、特別作戦部と協力してレッドウルフを開発した。


レッドウルフは、エアーウルフとほぼ同じ外観だが、エアーウルフの白い部分と機首部が真紅に塗装され、空中給油口及びターボエンジンが未搭載(つまり、弱点が克服されているが、マッハ1プラスで飛来する事は不可能)。

※見た目は、エアーウルフのベースヘリであるベル222を赤く塗装しただけ。


武装は、エアーウルフと同様に、胴体両脇部に機銃(内蔵されているが、銃身は露出していない)。

機体下部には、ミサイルポッドを主要装備として搭載。

ただし、ミサイルポッドは単装一門のみ。また、連射及びある程度の方向変化が可能。搭載可能なミサイルは、エアーウルフ同様に、ヘルファイヤー、コパーヘッド、マーヴェリックの3種。

更に機種部分には、エアーウルフには無いレーザー砲を追加(エアーウルフも、後に搭載する)。


レッドウルフとしての登場は1話のみだが、『新エアーウルフ 復讐編』にて、3号機(もしくは、バージョン3)「スコーピオン」という同型のヘリが登場。レッドウルフの映像が流用されている。


撮影用機体

エアーウルフ役となった原形機はベル222で、ヘリコプターでは多い固定式スキッド(そり)ではなく、いかにも高速を思わせる収納式の車輪を備えるオプションタイプを使用している。

元のベル222は流線形ではあるが軍用ではなく一般向けの貨客ヘリであり、後部は通常の客席となっている。そのためエアインテークを模したパーツで後部の窓を塞ぎ、民間のヘリっぽさをうまく消してある。

主脚を格納する小翼部分にはジェットエンジンのノズルや格納式の武装等を模した撮影用プロップパーツが取り付けられた。


撮影に使われたオリジナルの機体は撮影終了後に全米各地の航空ショー等で人気を博した後に、撮影用プロップ部分を取り外して元のベル222となり、ドイツの航空会社に売却された。その後救急ヘリとして従事していたが、1992年に救急任務中に悪天候で失われている。

オリジナルの機体は失われてしまったが、取り外された撮影用プロップは今もなお現存している模様で、後に別のベル222に取り付けられ、現在まで博物館やコレクターの間を転々としている。



商品化

放映当時は米AMT社より1/48スケールで、2010年代にアオシマより同じく1/48スケールでプラモデルキットが発売されている。

AMT社のキットは「自社製のベル222のキットにエアーウルフのプロップ部分を足したもの」であり、ある意味本物と同じ改造経緯を味わえるものでもあったが、古い米国製キットということもあり完成には多少腕が必要であった。

アオシマ版は2010年代のエアーウルフ専用の完全新金型であり、部品点数は多いものの割とストレス無く組めるキットである。

人気のキャラものヘリコプターということもあり、ラジコンではボディのみキットという形で数多くモデル化されている。安価なホビーラジコンでもエアーウルフとは言ってないが、明らかにモデルにした商品は多々存在する。


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