概要
学年誌「小学三年生」1974年7月号に連載された内山まもるによる漫画版『ウルトラマンレオ』第4話「マシンロボ・ギリシャス」に登場するオリジナル怪獣。
別名は「ロボット」
博士と呼ばれる老人が15年の歳月をかけて建造した巨大ロボットで、博士が口の中にあるコックピットに乗って操縦する。
単独での飛行や頭部のトサカのようなパーツをアイスラッガーの様に飛ばすことができる他、手の甲からは針を連射する。また円盤のような高機動形態に変形も可能。
日本の某所にある山奥の研究所から発進すると、街中で暴れ回るマグマ星人と宇宙星獣ギロに苦戦するウルトラマンレオの前に現れると、空中からの不意打ちでギロを撃破。
中から現れた博士の言葉(後述)に激怒したレオと、その言葉に便乗したマグマ星人を攻撃。マグマ星人は撤退するが、ここで逃げだしたら根拠のない言葉が真実だと教えるようなものだとその場に残ったレオを攻撃。
地球人との争いは好まないと説得するレオの言葉に耳も貸さず、高機動形態に変形してレオのタックルとぶつかろうとしたが、咄嗟に体を小さくして首筋にしがみついたレオが消えたと判断し、探しだそうと再びコックピットのある頭部を出してしまった事が災いし、再度巨大化したレオに組み付かれ地面にきりもみ回転攻撃を受ける。
ギリシャス本体は無事だったが、人間である博士はただでは済まず目を回してダウン。そのまま機能停止した。
博士
ギリシャスのパイロット兼開発者である狂人。
常日頃から目を回し、「ウヒャヒャヒャ」と笑い声を上げるなど明らかに危ない人物。
過去に他の科学者達にギリシャスのような巨大ロボットを作ることなど不可能と自身の研究を否定された上に変わり者(現在の版)と馬鹿にされた事を恨みに思っており、15年の歳月をかけてギリシャスを開発した。
「地球はウルトラマンの力を借りることなく、地球人の手で守るべき」とご立派な思想を持っているが、その実態は多くの怪獣・宇宙人を撃破し、地球人から感謝されるレオへの「嫉妬」の念であり、レオとマグマ星人の戦いに乱入してギロを倒し、二人の前に現れると自身の研究を否定した恨みつらみを叫び、これからはレオに変わりギリシャスが地球を守る事を宣言。
挙句の果てにはレオがいつもマグマ星人を取り逃がすことに関して
「お前たちは最初からグルなのだ。だからレオはいつもマグマ星人を逃がしているではないか!」
と故郷を滅ぼされたレオにとっては最も許しがたい最低な侮辱を行った。(あろうことかマグマ星人も「ついにばれてしまったか」と悪乗りした)
それでも地球人との戦いは望まないというレオの言葉にも耳を貸すことなくギリシャスで攻撃を加えたが、所詮は一地球人に過ぎない点をレオに見破れ、高所からギリシャス諸共叩き落されコックピットで目を回してしまう。
その後、ギリシャスが動かなくなったことでとうとう発狂したのか、ギリシャスの上で小躍りしていた。また博士の発言に関しては街の人達は「こんな変な博士の言った事なんか誰も信じてない」と相手にもされていなかった。人望の差である。
レオからは「ロボットは最高だったが、中の操縦士が最低だった」と評された。まったくである。
余談
本エピソードが掲載されていた頃、学年誌ではアニメ『ゲッターロボ』を掲載しており、「ウルトラマンレオとゲッターロボ、もし戦わば」的な企画もあった。ギリシャスもロボットアニメブームに乗った怪獣なのかもしれない。
なおギリシャスは準地球製のスーパーロボットとしてはウルトラシリーズ初の存在である。
以降も『平成ウルトラセブン』『ウルトラマンコスモス』では宇宙人が開発した機体を改造したキングジョーⅡ、ヘルズキング改が登場している。純粋な地球製メカ怪獣は『ウルトラマンティガ』のゲオザークが初。ウルトラマンと協力して戦うのは『ウルトラマンサーガ』のUローダーまで待たねばならなかった(何? マウンテンガリバー5号? あれは夢オチだってえの!)
そう考えると、製作者の(人格はともかく)技術は本物と言わざるを得ないだろう。