概要
脚本家の青木良が立ち上げた「GIBIATE PROJECT」の中核を担うアニメ作品。
日本古来の文化=「和」をメインテーマに、キャラクターデザインに天野喜孝、監督に小美野雅彦、音楽に古代祐三、OP・EDの作編曲およびサウンドプロデュースにSUGIZO、OP演奏に吉田兄弟、ED主題歌に大黒摩季と超一流のクリエイターが集結し、「最初からグローバルスタンダードを目指した作品」として制作されている。
放送までの経緯
当初は地上波キー局での放送も視野に入れて準備が進められてきたが、コロナウイルス感染症「COVID-19」感染拡大に伴う制作スケジュールの乱れや、「新型ウイルスの蔓延によって世界が危機に陥る」というプロットが奇しくも現実と符号してしまったことから、一時は放送そのものが危ぶまれた。
最終的には予定通り2020年夏アニメとして放送されることとなったが、「この作品のキーワードを放送し辛い」との理由から地上波キー局での放送のみ断念。テレビではTOKYOMX・BSフジ・AT-X限定でのオンエアとなった。
評価
情報・映像公開当初より「超一流クリエイターが集結」という謳い文句に比してやけに動きの少ない画面や、「和」をテーマにしているとの触れ込みにもかかわらず「タイムスリップした侍や忍者とウイルスで変異した怪物が戦う」という二昔前の荒唐無稽な漫画のようなあらすじに不安を覚える声がちらほら聞かれた。
事実、放送された第1話は「古臭い絵柄」「安定しない作画」「止め画連発で動きに乏しいアクションシーン」「やけに冗長で違和感のある演出」「時間跳躍を当然のように受け入れる異常な順応力や、奇矯としか言いようのない言動を見せる登場人物たち」を妙に小気味よい時代劇風の劇伴とやたら壮大(だが絵は動かない)なOP・EDでサンドした、お世辞にも「最初からグローバルスタンダードを目指した作品」のクオリティとは思えない代物であった。当然ながら視聴者からの評価はお察しください。
その一方、時代考証や設定のあまりの適当さ加減や、癖のあるデザインに似合わず妙に愛嬌がありどこか憎めないキャラクターたち、緩急の狂った演出と停滞の一途をたどるストーリー展開が織りなす謎のリズム感に惹かれる視聴者も(わずかながら)存在していた。その後、第11話で描かれたあまりにもぶっ飛んだ超展開によってそうしたカルト的な視聴者の熱狂はピークに達し、本作を指してある種の「伝説」であるとまで称する者や、「実はかなり考え抜かれた作品なのでは?」と謎の考察を始める者まで現れた。
あらすじ
2030年。人間を怪物「ジビエ」に変貌させる未知のウイルス「ジビエート」の蔓延により、人類は滅亡の危機に瀕していた。
日本・墨田区の避難民キャンプでジビエを人間に戻すワクチンの研究を手伝う少女・船田 キャスリーンは、1600年からタイムスリップした侍・神崎 千水と忍者・真田 兼六に出会う。彼らの強さを見込んだキャスリーンの頼みを受け、千水と兼六は彼女と共にワクチンの研究をするヨシナガ博士に同行することになる。
登場人物
過去からの来訪者
神崎 千水(かんざき せんすい)
「民を守るためならば、今一度我が剣は稲妻と化す!」
声:柿原徹也
1600年から2030年にタイムスリップした侍。
島津によって滅ぼされた大友家家臣・神崎家の遺児。寡黙だが情に厚く、義を重んじる男。
第2話・第3話では前田から譲られた刀一振りで戦っていたが、本来は日本刀と西洋剣を用いた二刀流を得手としており、第4話で展示物として飾られていた自身の刀・水月丸と剣・ハルバートを回収してからはその二振りを用いて戦うようになった。
戦場においては鬼神のような強さを誇り「千人斬り」と恐れられた剣豪だが、現在は不殺を誓っている。ただしジビエは特に気にせず斬る。また、そのあまりの強さのせいかやたら燃費が悪く、全力で戦った後は寝込んでしまうことが多い。
元の時代ではかつて命を救った縁から松本 上善に仕えていたが、関ヶ原の戦いにおいて西軍に加勢したために処罰されることを恐れた上善に全ての責任を被せられ、流刑に処される最中の船上で兼六と共にタイムスリップした。
真田 兼六(さなだ けんろく)
「お前の相手はこの俺!真田兼六だ!」
声:東地宏樹
1600年から2030年にタイムスリップした忍者。一見軽薄だが、面倒にぼやきつつも困った者は放っておけない性質。
忍者ならではの身のこなしはさながら瞬間移動のようで、ジビエの攻撃はもちろん千水の斬撃も容易にかわすほどのスピードを誇る。爆弾の扱いにも長けており、現代においては手榴弾を用いてジビエと戦う。また、敵にワイヤーを巻き付けて切断する戦法も扱う。
特徴的な青髪は第2話でキャスリーンに染められたもので、自身はこの髪色について「忍びが目立っちゃおしまい」としてあまり快く思っていない。
元の時代では凄腕の忍として活躍していたが、ある時恋人のおくにを連れて出奔する。しかし彼女を悪徳領主に手籠めにされ、報復として領主を殺害したために流刑に処され、千水と共にタイムスリップした。
安土桃山時代の人間だが、何故か明治時代後期の言葉である「ハイカラ」と発言したことがある。
鬼倉 雪之丞(おにくら ゆきのじょう)
「なんだかよくわからんが……とりあえずわかったぁっ!」
声:羽佐間道夫
石山合戦の時代(1570~1580年)から2030年にタイムスリップした石山本願寺の僧兵。額に「凶」の一文字を刻んだ強面の巨漢で、見た目通りの豪快さと見た目によらない優しさを兼ね備えた男。
ワイヤー一本でヘリを引っ張るほどの人並外れた怪力を誇る。第4話でかつて死別した戦友・道山の金砕棒を手に入れてからは、これを用いて相手を殴殺する戦法を取るようになる。
僧兵として戦いに明け暮れていたため女を知らず、家庭を持つことに憧れている。また、どうやらユリカに気があるようで、彼女の前で度々赤面している。
元の時代ではあの織田信長をも手こずらせたとして千水・兼六らの時代まで語り継がれるほどの兵だったが、逃げ延びた洞窟の中で大軍に追い詰められたところを謎の光に包まれ(なぜか川の真ん中に)タイムスリップした。
第8話でキャスリーンを守るためにたった一人でジビエの大群に立ち向かい、命を落とした。打ち倒したジビエの死骸の中にはジビエ化したユリカと思しきものも含まれていたが、彼がいかにして想い人を殺めるに至ったかは戦闘シーンが一切描かれなかったため不明。
過去の人物
松本 上善(まつもと じょうぜん)
「て……敵は東軍!いやいや……西軍じゃーっ!」
声:坂東尚樹
千水が仕えていた戦国武将。
優柔不断を絵に描いたような人物で、関ヶ原の戦いで東軍に味方すると約束したにもかかわらず最後までどちらにつくか決めあぐね、千水に責め立てられてようやく決断するほど判断力に乏しい。
かつて大友家の援軍として島津家と戦い大敗したことがあり、その際に殿を務めた千水の功績を称えて水月丸を授けた。
関ヶ原の戦いの後、東軍について戦ったにもかかわらず西軍に味方した(※)として処罰されそうになるが、千水に責任を押し付けて流罪とし、自らは追及を逃れようとした。その後処刑されたようで、ユリカ曰く「裏切ってばかりで最後は斬首された」とのこと。
ちなみに上善は自身の領地を指して「我が藩」と発言しているが、大名(封建領主)の領地を指す藩という用語が公称となったのは明治時代である。
※戦への遅参による利敵行為を疑われた可能性もあるが、作中で語られたわけではないので詳細は不明。
ハルバート
「あらゆる知識を溜めこんでおくとよい。それが成長というのだ」
声:竹内良太
千水の剣の師匠であり、島津の襲撃から彼を救った命の恩人でもある西洋人。
不治の病に冒されており、千水に剣を託して息を引き取った。この剣は後にハルバートと名付けられ、千水によって水月丸と共に振るわれることとなる。
おくに
「だって、せっかく兼六が買ってくれたからさ。夫婦の証に、って」
声:M・A・O
兼六の許嫁であった女性。
紫苑の妹であり、兄の死をきっかけに兼六と結ばれる。その後は忍びを抜けた彼と共に幸せな日々を送るはずだったが、悪徳領主によって手籠めにされてしまう。その後どうなったかは不明。
紫苑(しおん)
「どういうわけか……今宵の月は赤く見えやがるんだよなぁ……」
声:入江玲於奈
兼六の戦友で、鎖鎌の名手。兼六に鎖鎌の扱いを伝授した。
故郷に伝わる「月が赤く見えたら死期が近い」との言い伝えの通り、赤い月が見えた翌日の戦にて兼六を庇って受けた吹き矢で絶命。死の間際、妹のおくにを兼六に託した。
道山(どうさん)
「お主の嫁の顔が見たかった……」
声:五王四郎
雪之丞の戦友であった僧兵。
雪之丞同様女を知らない身であり、どちらかと言えば妻帯に否定的だった雪之丞とは対照的に「愛する者がいた方がより生き残ろうとする」として妻帯を肯定し、憧れていた。
石山合戦に伴って決起した長島一向一揆の敗戦の後、落ち延びた先で雪之丞に得物の金砕棒を託し、命を落とした。
なお、雪之丞も道山も石山本願寺の僧であれば宗派は浄土真宗のはずだが、浄土真宗の僧は妻帯が認められている。
現代の人物
ヨシナガ博士一行
船田 キャスリーン(ふなだ キャスリーン)
「神様……私に、力を与えてください」
声:藤井ゆきよ
タイムスリップした千水と兼六を助けた少女。18歳。
アメリカ人の父と日本人の母を持つハーフで、ヨシナガ博士の助手として彼の研究をサポートしている。
ジビエが蔓延する世界でも希望を捨てずに生き抜く強い心を持ち、千水らと共に危険な旅路を進んでゆく。
高圧電流で一時的にジビエの動きを封じるワイヤー式のテーザーガンを携帯しており、度々これを用いて窮地を切り抜けている。
千水に指貫グローブと特に意味のない腕ベルトを勧める、兼六の髪を勝手に染めるなどファッションセンスはどこか独特。
ヨシナガ博士
「ジビエが存在するんだ。侍や忍者がいてもそこまで不思議ではない」
声:池田秀一
ジビエを人間に戻す「ジビエワクチン」精製のために研究をしている博士。やたら尖った顎が特徴。
ワクチンを「人類最後の希望」と称し、その開発に心血を注ぐが、いかんせん声が声なせいで怪しさ満点な人物。
拳銃の取り扱いもかなりのもので、メテオラが放った糸(兼六の手榴弾でも切断しきれなかった)に正確に弾を命中させて切断するほどの腕前を誇る。
第11話でメテオラが倒されたことをきっかけに、自身が宇宙人であることを唐突に暴露。己の目的を阻まれた怒りから一行の殺害を宣言、自らをジビエ化して千水らに襲い掛かる。
船田 ユリカ
「あとで江戸時代の話を聞かせてね」
声:伊藤えみ
キャスリーンの母。医師として怪我人の治療にあたる。日本史に詳しい。
過酷な環境に苛まれて精神を病んでおり、キャスリーンいわく「ジビエと人間の区別もつかない」とのこと。その一方でジビエ化のメカニズムや毒針の危険性については理解しているらしいが、いかなる窮地でもおっとりとした態度を崩さない様子はどことなく狂気を感じさせる。
旅路の中で次第に正気を取り戻しつつあったようだが、第7話で食品工場に残っていたジビエに刺され、第8話で一行の前から姿を消す。その後、第9話で雪之丞が倒したジビエの死骸の中に彼女の衣服をまとったものが混ざっており、経緯は不明だが彼に殺害された模様。
鳩波 彩愛(はとなみ あやめ)
「どうせ戦うなら、人間じゃなくてジビエにしなよ!」
声:七海ひろき
群馬県の長井坂トンネル内でジビエに襲われた一行に加勢した女性警察官。
窮地に陥ったキャスリーンを助けた後、ユリカの提案でそのまま一行の新潟行きに同行することになった。
トンファーやショットガンを武器として扱い、ジビエ相手に一歩も引かない武闘派。筋骨隆々の肉体には多くの傷が刻まれている。
鳩波 蓮司郎の娘であり、脱獄囚となった彼の逮捕に執念を燃やしていたが、幾度かの邂逅を経て第10話で和解。「すぐには許せない」としながらも彼と共に歩むことを選んだ。
第11話で逆上したヨシナガに「とばっちりもいいところ」と至極まっとうな反論をするが、当てつけとばかりに強力なジビエ化ウイルスを打ち込まれてジビエ化。蓮司郎以外のガリアンズメンバーを死に至らしめるが、千水によって倒された。
一行の近親者
ロバート
「地球の歴史を見ても、いつも終わらない戦争も災害もないんだ。明けない夜はない」
声:谷口悠
キャスリーンの父で、ユリカの夫。墓碑の表記によるとフルネームは「ロバート・マクドナルド」。
戦場カメラマンであったが、キャスリーンが幼い頃に戦地で流れ弾に当たって命を落とした。
彩愛の母
「彩愛、あなたは日の当たる場所を歩いてちょうだいね……」
声:大黒摩季
彩愛の母で、中国人。
蓮司郎と結婚し彩愛を授かるが、彼が極道であることが原因で別れ、親戚が営む中華料理店で働きながら彩愛を女手一つで育てた。
後にジビエートに感染し、ジビエになる前に彩愛によって止めを刺された。
墨田区キャンプの人々
ブライアン
「蕎麦もいいぞ……」
声:岩崎征実
墨田区キャンプを守る海兵隊員のリーダー格。
冷静な判断力と的確な指揮で部隊を率いる。焼酎は蕎麦派。
ジビエとの戦いで多くの仲間を失っており、彼らの形見のドッグタグを大切にしている。
第3話でヘリから飛び降りる際にメテオラの攻撃で負傷し、ジビエートに感染。その後明らかに5時間以上経ってからジビエに変貌し、ヨシナガに襲い掛かったがアダムによって撃退された。
アダム
「あぁ!?侍がタイムスリップ!?そんな戯言信じられるか!」
声:松田健一郎
墨田区キャンプを守る海兵隊員。
名前のある登場人物の中で唯一千水らのタイムスリップを超速理解しなかったある意味常識人。
粗野で乱暴者だが任務はしっかりこなす。焼酎は芋しか受け付けない。
第4話でジビエの群れを突破した際に毒針を受け、ジビエートに感染。その後第5話冒頭で窮地に陥った一行を救うため多数のジビエを巻き込んで自爆し、命を落とした。
前田
「か……刀、わしの家にあるよ!この近くなんだ。取ってくる!」
声:蓮岳大
髭を蓄えた小柄な老人。穏やかで鷹揚な性格だが、侍の千水が刀を持っていないと聞くや否やたった一人で自宅にある刀を取りに行くやけにアグレッシブな一面もある。
キャスリーンとは何かと行動を共にする仲だったらしく、彼女が千水らと初めて出会った時も同行していた。
第2話で刀を持ってキャンプに戻るが、直後に発生した停電によってキャンプに押し寄せたジビエに襲われ感染。彼の最後の頼みを聞き入れた千水によって自我を失う前に殺害された。
ちなみに、千水が彼から受け取った刀は第2話の乱戦時点でかなり刃こぼれしており、第3話でメテオラに斬りかかった際にあっさり折れている。
ガリアンズ
鳩波 蓮司郎(はとなみ れんじろう)
「生きてる者から奪うのが極道者の仕事。死人を辱めるのは道に外れるってもんだ」
声:石井康嗣
荒廃した世界に跳梁する無法集団・ガリアンズの頭。
刑務所から脱走した元ヤクザの親分であり、得物として長ドスを携えている。
第5話で千水と対決するが峰打ちであっさり倒され、ガリアンズのメンバーに連れられて逃走。以降、千水らの強さに目をつけて尾行していたが、千水らにメテオラの襲撃から救われた上、娘の一喝を受けたことをきっかけに改心。その後第10話で合流した際にジビエの大群を相手に千水らと共闘し、仲間となった。
祖師谷 紅蓮(そしがや ぐれん)
「親父のためならいつでも死ぬ覚悟はできてるよ」
声:郷田ほづみ
ガリアンズのNo.2。
蓮司郎の右腕的存在で、二挺拳銃を武器とする。
元孤児であり、施設を出たところを蓮司郎に拾われた過去を持つ。
第11話でジビエ化した彩愛から蓮司郎を庇い、30年間の感謝を述べながら死亡した。
美樹本 伊佐夫(みきもと いさお)
「ったく……おめぇがカップ麺なんか食いたいって言うから!」
声:崎本大海
ガリアンズのメンバー。
元オリンピックの棒高跳びの選手で、槍を得物とし棒高跳びの技術を駆使して戦う。
通り魔から彼女を守ろうとしたところ勢い余って殺害してしまい、その罪で服役していた。蓮司郎や紅蓮の男気にシンパシーを感じている。
第11話でジビエ化した彩愛に立ち向かうが敵わず、殺害される。
葉室 克典(はむろ かつのり)
「む……またカツカレー……」
声:木村良平
ガリアンズのメンバー。物静かな性格で、あまり多くを語ろうとしない。
元漁師で、仲間内の喧嘩で過失致死を犯して服役していた。
第5話では投網を用いてキャスリーンを捕らえたが特に人質にしたりはせず、蓮司郎が倒されるとそのまま撤退した。
第11話でジビエ化した彩愛に毒を注入され、ジビエ化しかけたところを紅蓮に殺害される。
佐久間 秀典(さくま ひでのり)
「な……なんてことないんだな。好きなだけなんだな」
声:落合福嗣
ガリアンズのメンバー。ふくよかな体格で、語尾に「~なんだな」とつけて話す。
元爆弾魔で、第10話冒頭で自ら語ったところによると日本政府に不満を持ついわゆる政治犯であったらしい。服役中に蓮司郎の男気に惚れ込み、彼の弟分となった。
爆弾の調合や電気系統の修理に長けるが、主武装が爆弾である都合上屋内での戦闘では全く役に立たない。ガリアンズの中では料理担当でもあり、どのような材料からでも必ずカツカレーを作るというある意味すさまじい才能を持つ。
第11話でジビエ化した彩愛に襲われ、何もできないまま殺害される。
用語
ジビエート
作中世界に蔓延するウイルス。感染・発症すると水が滴る音が脳内に響き始め、次第に身体が異形へと変異し、最終的に自我を失いジビエと化す。
空気感染や体液からの感染はせず、感染経路はジビエが持つ毒針のみ。
発症してからジビエに変異するまでの時間は最長で5時間ほどとされるが、個人差があるらしく、毒針を刺された直後に怪物に変異する者もいる。
2028年8月21日、ヴェネツィアを旅行中の若い女性の発症を皮切りに世界中へと広がり、人類を滅亡寸前にまで追い込んだ。
ジビエ
ジビエートに感染した人間が変異した怪物。
感染した人間の年齢・性別・人種によってさまざまな種類の姿になる様がさながらジビエのようにバラエティに富んでいることから名付けられた。ヨシナガ博士によれば、人のDNAに含まれている進化の過程の全情報が過剰反応し、暴走した結果このような多彩な姿になるのではないか、とのこと。
どの個体も必ず、ジビエートの唯一の感染源である毒針を持つ。この針は一度刺すと24時間は毒が溜まらないようになっているが、後述の性質によりもし毒を受けず感染しなかった場合でも針を連続で刺されてしまうためどっちみち危険。
強い増殖欲を持ち、人間に毒針を刺してジビエートに感染させることに激しく執着する性質がある。そのため、一度人間に毒針を刺して毒を注入できなかった場合ムキになって何度も刺してくる。
総じて光に弱く、投光器などの強い光で照らされた場所には寄り付かない。その一方、千水らが最初に遭遇したもののように夕方でも普通に通りをほっつき歩いている個体や、篝火程度の灯りなら恐れず向かってくる個体もいる。さらに第4話や第10話ではただ曇っているというだけで真昼間から群れを成して襲ってきていたため、たとえ光のある場所でも油断はできない。
場面によって銃弾が通る場合と通らない場合があったり、千水の刀や兼六のワイヤーで斬れたりするあたり、その表皮の強固さについてもバラエティに富んでいるらしい。
ソーマ
地球とは異なる別の星で「神の血」と称される生命力増強薬であり、「ジビエート」と名付けられたウイルスの正体。
ソーマに適合する人間は超人的な力を得るが、適合しない人間は怪物と化す。
ヨシナガがメテオラを元に戻すための研究材料として宇宙船に積んでいた「ソーマによって怪物化した者の血液」が事故でメテオラもろとも地球に墜落したため、ジビエートが地球に蔓延することとなった。つまり全部ヨシナガのせい。
メテオラ
女性のような姿をした新種のジビエ。
他のジビエとは違い光を克服しているほか、状況によって体を変異させる特徴を持つ。劇中では下半身が蜘蛛のようになった姿や、恐竜のような姿に変異していた。
その正体はヨシナガと同郷の宇宙人。ソーマを人工的に生み出す研究をしていたヨシナガの師匠の娘で、ヨシナガの許嫁でもあったが、誤って人工ソーマを口にしたために怪物化。冷凍カプセルで眠らされたままヨシナガと共に母星を脱出するが、事故で地球に墜落してしまう。
ヨシナガの精神波を辿って一行を追跡しており、三度にわたって彼らに襲いかかったが、第11話で千水らの総攻撃の前に撃破される。だがその死はヨシナガを激昂させ、一行を更なる窮地へと追い込むこととなる。
スタッフ
- 企画・原作・製作総指揮・企画プロデュース:青木良
- 監督・アニメーションキャラクターデザイン:小美野雅彦
- 副監督:玉田博
- キャラクター原案:天野喜孝
- モンスターデザイン:芹沢直樹
- 音響監督:郷田ほづみ
- 音楽:古代祐三
- アニメーション制作:ランチ・BOX&スタジオエル
- 製作:GIBIATE PROJECT
楽曲
OPテーマ
「GIBIATE」 吉田兄弟 feat.SUGIZO
EDテーマ
「ENDLESS〜時を超えて〜」 SUGIZO feat.大黒摩季
放送リスト
話数 | サブタイトル | 放送日 |
---|---|---|
第1話 | 神隠し | 2020年7月15日 |
第2話 | 渦の向こう | 2020年7月22日 |
第3話 | 第三の男 | 2020年7月29日 |
第4話 | 危険地帯 | 2020年8月5日 |
第5話 | 悪 対 武士道 | 2020年8月12日 |
第6話 | 絶体絶命 | 2020年8月19日 |
第7話 | 死への夢道 | 2020年8月26日 |
第8話 | 別れの手紙 | 2020年9月2日 |
第9話 | 燃え尽きるまで | 2020年9月9日 |
第10話 | 新たなる仲間 | 2020年9月16日 |
第11話 | まぼろしの愛 | 2020年9月23日 |
第12話 | 命の果てには | 2020年9月30日 |