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プロフィール編集

生年月日2019年3月5日
英字表記Speedy Kick
性別
毛色栗毛
タイセイレジェンド
デザートフラワー
母の父サイレントディール
競走成績17戦9勝(2023年7月6日時点)
管理調教師石本孝博 (北海道)→藤原智行(浦和
馬主加藤鈴幸
生産者熊谷武

2019年3月5日、北海道浦河町の熊谷武氏生産の日本の現役競走馬(22世代)。


父はタイセイレジェンド。芝では結果が出ず、3歳夏にダートに転向。4歳秋に短距離に挑戦すると頭角を現し、5歳でJpnIII・クラスターカップを制し、その勢いでJBCスプリントを制覇、その後も7歳まで活躍したダートのトップスプリンター。しかし父がキングカメハメハ、母父がメジロマックイーンでは血統的魅力に薄かったか、あまり繁殖牝馬を集められずにいた。

母の父サイレントディールはダートでも活躍したトゥザヴィクトリーの全弟で、自身も芝とダート双方で活躍した。けれども種牡馬としては大成できなかった。


スピーディキックが生まれた牧場は繁殖牝馬3頭の小さな牧場で、生産馬が思うように売れず悩んでいたが、オーナーが母デザートフラワーを預託していた。牧場主の熊谷さんは「本当にありがたい話でした。スピーディキックの配合もオーナーが考えてくれたのですが、生まれた頃から馬体も良かったですし、気持ちも前向きで、いつ見ても元気な馬でした」と語っている。(リンク


主戦ジョッキーは御神本訓史。藤原智行調教師も、担当厩務員も、御神本ジョッキーも今はなき益田競馬場出身であり、チーム益田としても注目されている。


経歴編集

2歳(2021年)編集

他地区でデビューするプランもあったが、北海道の石本孝博厩舎に入厩。6月30日のJRA認定フレッシュチャレンジ(門別競馬場ダ1100m)に出走する。ここで66.1倍の9番人気から2着と好走すると、7月15日のJRA認定アタックチャレンジ(門別ダ1200m)も2着とし、7月29日のJRA認定アタックチャレンジ(門別ダ1200m)で1番人気に支持され快勝し勝ち上がる。


次走のオープン戦(門別ダ1200m)では2着に敗れるも、重賞H3・リリーカップ(門別ダ1200m・牝馬限定)を勝利し重賞ウィナーとなる。


2歳牝馬チャンピオンへ編集

そのままの勢いでJpnⅢ・エーデルワイス賞(門別ダ1200m・牝馬限定)に参戦。中央馬を差し置いて3番人気に支持された。レースでは前半600m33秒台とも言われるハイペースを中団で追走し、直線粘る1番人気ヒストリックノヴァをゴール前差し切って勝利した。


陣営は手ごたえをつかんだのか、一気に距離を延長し、JpnIII・JBC2歳優駿(門別ダ1800m)に挑戦。しかしさすがに急な距離延長が堪えたか、同じように後方に陣取っていたアイスジャイアントが豪快に差し切るのについていけずに7着と大敗する。


年末にホッカイドウ競馬の開催が終了すると浦和の藤原智行厩舎へ移籍。地方2歳牝馬の最高峰、SI・東京2歳優駿牝馬(大井競馬場ダ1600m)に出走する。前走の敗北と血統的不安から5番人気と人気を落としたが*ヒストリックノヴァやクールフォルテを置き去りにし、周りより1秒以上早い上がり600m38.9で突き抜けて完勝。


ダートグレード競走と東京2歳優駿牝馬の勝利で2歳女王の地位を確固たるものとしたスピーディキックは、地方の最優秀2歳牝馬を受賞した。


3歳(2022年)編集

南関東牝馬三冠への挑戦編集

南関東に移籍したスピーディキック。狙うはもちろん南関東牝馬三冠路線。ジョッキーはこの年から御神本訓史に乗り替わり、以後主戦を務める。


一冠目はSI・桜花賞(浦和競馬場ダ1600m・3歳牝馬限定)。しかしスピーディキックが引き当てた枠番は8枠11番の大外枠。浦和の1600mというコースはスタート直後にコーナーがあり、「大外に入った時点で切り」とまで言われるコースであり、人気は1番人気ではあったが、内枠のクールフォルテや前哨戦を勝ったスティールルージュと人気を分け合う形。しかしそんな不安をよそにスピーディキックは後方2番手から先行馬を飲み込み完勝。


二冠目はSI・東京プリンセス賞(大井ダ1800m・3歳牝馬限定)。1.4倍の圧倒的人気に押され、直線でも堂々と先頭に立つも、レディオスターに食い下がられ、さらにコスモポポラリタの急追を受ける。しかしこれをしのぎ切り見事に二冠を達成した。


こうなると三冠の機運が高まってくる。しかし三冠目のJpnⅡ・関東オークス(川崎競馬場ダ2100m・3歳牝馬限定)は交流重賞であり、中央の強力な馬たちが出走する。そのため三冠達成者はチャームアスリープただ一頭しかいない。しかしスピーディキックは1番人気に支持された。3番手を追走するスピーディキック。しかし直線、前の馬を交わすことができない。逃げるラブパイローをとらえて勝利したのはグランブリッジ。三冠の夢は惜しくもついえた。


地方最強牝馬へ編集

夏は完全に休ませることなく適度に運動しながら過ごしたというスピーディキック。秋の3歳限定戦、ロジータ記念に照準を合わせ、SI・戸塚記念(川崎ダ2100m・3歳限定)に出走する。ここでは御神本騎手が休養中のため山崎誠士に乗り替わったが東京ダービー馬カイルを差し置いて1番人気に支持されると、3コーナーからひとまくり、牡馬相手に軽く3馬身をつけ圧勝。


目標のSI・ロジータ記念(川崎ダ2100m・3歳牝馬限定)ではもはや同世代に敵なしと1.2倍の人気。レースでは同じタイセイレジェンド産駒のティーズハクアを直線で軽々6馬身突き放しての圧勝。


名実ともに世代チャンピオンとなったスピーディキック。古馬への挑戦として年末のSⅢ・東京シンデレラマイル(大井ダ1600m・牝馬限定)に参戦する。このレースが引退レースの地方の女王ダノンレジーナをはじめとする古馬勢の中、堂々1.3番人気に支持され、レースでも4コーナーからまくって軽々3馬身突き抜け、古馬を粉砕。


2冠を獲得、秋の3戦圧勝によって名実ともに南関東最強牝馬となったスピーディキックは、地方の最優秀3歳牝馬を受賞した。


4歳(2023年)編集

中央への挑戦編集

地方最強牝馬となったスピーディキックだが、年明けになんと中央GIフェブラリーステークスへの参戦が決定した。藤原調教師は非常に悩んだものの、最後はオーナーの後押しで決意したという。


この年のフェブラリーSは前年に連覇していたカフェファラオが不在であったが、前哨戦根岸ステークスを勝利した期待の上がり馬レモンポップ、追い込み脚質のトップスプリンター・レッドルゼル帝王賞メイショウハリオ、同世代の2歳チャンピオン・ドライスタウト、このレース史上初めて参戦した外国馬シャールズスパイトといった個性豊かなメンバーが揃った。この中でスピーディキックは6番人気に支持された。


スタートを決めたスピーディキックだったが、ダートに入ると少しずつ後ろに下がっていく。やはり中央の壁は厚かったかに思われたが、直線で馬群の中央に突っ込んだスピーディキックは馬群を捌いて伸びてくる。最後は前の馬に詰まり掲示板を惜しくも逃す6着となったが、地方の、それも牝馬でのこのパフォーマンスには大きな称賛が寄せられ、スピーディキックは地方競馬を代表する一頭となった。


フェブラリーSを終えた後はしばらく休養に入り、JpnⅠ・かしわ記念から再始動。

実績や55㎏の軽斤量もあって地方勢では最高の4番人気に推されるが、中央勢の上り37秒台の豪脚の前に完敗。メイショウハリオの6着に終わった。

またしばらく間隔を開け、次走はJpnⅢ・スパーキングレディーカップへ挑む。

本番では中央勢を抑えて単勝2.0倍の1番人気に推され、レースでは先行するレディバグ、ノーブルシルエットらを見据えて後方からの競馬となる。レースはそのまま進み、最終直線で先頭集団を上り最速の37.6の末脚で猛追するも、逃げるレディバグに僅かアタマ差及ばず2着。悔しい結果となった。


余談編集

  • 同期のクールフォルテは「ニコニコ動画」の公式企画「リアルダービースタリオン」で生まれた馬であり、スピーディキックは同馬に立ちはだかる圧倒的なライバルとして知る人も多くなった。
  • 藤原厩舎で担当の末田厩務員によると、やんちゃな性格でレースが近づくと闘争心をみなぎらせるようだ。(リンク)

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