テオドリック・オルタ
ておどりっくおるた
……我らは、予兆。
……我らは、残酷。
我ら、此岸の彼方より二度舞い戻りし影なる嵐。
我らを見る命どもよ、お前たちにも等しく破滅と喪失が訪れると知れ。
心あるものは震えよ。
我らは、おまえを殺す牙である。
『Fate/Grand Order』に登場するアヴェンジャークラスのサーヴァント。
オーディール・コール奏章Ⅱ『不可逆廃棄孔 イド』でNPCとして登場する。ラ・ベート・デュ・ジェヴォーダンと共に第五、第六の試練として主人公の前に立ちはだかる「死嵐大王」。
二騎合わせて『アヴェンジャー・ワイルドハント』として戦闘を行う。
実は巌窟王が生前対峙した存在であり、自身の復讐を阻む試練として、これを突破した事が判明。
それ故に、巌窟王の大敵が表舞台に現れた際、試練の1つとして組み込まれた模様である。
カルデアから現れた援軍も加えた総攻撃で遂に倒されると、人・神・魔の力を合わせる事で無理さえ通した主人公達を、何処か感慨深く感じる様な反応を見せながら退去していった。
東ゴート王国の王であった軍人、『テオドリック』。
イタリア領主であったオドアケルを暗殺し、東ゴート王国を興してその初代国王となった人物。
ドイツにおけるアーサー王の如き存在である『ベルンの英雄騎士ディートリヒ(ディートリヒ・フォン・ベルン)』。その伝説の源であり、嵐の王「ワイルドハント」を担う英霊の一騎。
同一視されるディートリヒ・フォン・ベルン(ディートリッヒ・フォン・ベルン)とは、テオドリックをモデルとした、ゲルマン叙事詩『シズレクのサガ』や『ニーベルンゲンの歌』等に代表される『ディートリヒ伝説(ディートリッヒ伝説)』に登場する英雄・主人公である。
『ニーベルンゲンの歌』において、ディートリヒはフン族の王・エッツェル(アッティラ)の宮廷で亡命生活を送っている。作中、ブルグント族との戦争においてエッツェル側として参加するが、ヒルデブラントを除く家臣を尽く戦死させてしまっている。最終的には、ブルグント王国の戦士・ハーゲンとグンター王を一騎討ちで打ち破り、捕虜にすることで戦争を終わらせる活躍をした。
『ヴォルムスの薔薇園』ではディートリヒとエッツェルは、共同してクリームヒルトの父ギューキ王の挑戦を受け入れ、先述した『ニーベルンゲンの歌』の主人公ジークフリートと御前試合を行った。御前試合が開催されるきっかけはクリームヒルトの思いつきによるものだったりする。
『シズレクのサガ』では、シグルズ(シグルド)と決闘を行った。
一人称は「我」。
異霊での現界、更に舞台となる世界に試練として登場した為、見せた言動のどこまでが本来の人格によるものかは不明。嵐の王としての側面故に、その言動や視点は人間よりも神霊に近いところがあり、無慈悲な一面を見せながらも、復讐の業火を体験しながらも進み続ける主人公を「星見の旅人」として認める等、物理的・概念的な「強大な嵐」そのものとして立ちはだかっている。
劇中では、命を含めた万物全てに終わりや破滅があり、誰もその運命からは逃れられない、という思想を語っており、先述した視点のあり方もあって、眼前の敵を滅ぼす死神の様にも見える。
復讐者で現界しているが、作中の言動からどちらかと言えば、復讐者の前に立ちはだかる英霊。
試練を担う意思によるものか、王としての矜持の表れか、手駒との戦闘で主人公達が苦戦しても自らは動かず、直接対決する際も正面から戦う等、正々堂々戦うタイプと思われる。
一応、生前は純粋な人間であったはずなのだが、伝説の要素が入った異霊化に加え、嵐の王としての具現もあって、見た目は異形の骸か鎧であり、人間としての生身の部分は一切確認できない。
馬代わりとしているジェヴォーダンの獣と合わせ、全長十数メートルの巨体と、明らかに史実よりも巨大化している体躯を生かして敵を蹂躙する。さらに魔力量は神霊級、それもサリエリの見立てでは機神級の魔力とされており、純粋に硬くて強いを極めた様な霊基をしている。
加えて物理的な力以外にも、現界と共に空は曇り、紫雷を自在に迸らせる上に、嵐の王の軍勢として、精霊種のサンダーバード(オリジナルそのものではなく簡易版)を何体も使役し、サーヴァントが苦戦する存在ですら替えの利く駒の一種として扱う等、色々と規格外な存在。
更に「見えざる嵐」で自身を覆うことによる防御も兼ね備え、その圧力は精神防御無しでは耐えられず、脳神経を直に苛む電磁的圧力のせいで、まともに対峙するのも一筋縄ではいかない。
ディートリッヒ伝説の起源ではあるが、伝説の剣であるエッケザックス、それに類似する様な剣は持たず、槍を武器とする。戦闘の描写からこの槍は嵐を操る力を持っているらしい。
モーション中では、槍を光らせて雷撃と竜巻を巻き起こしている。
Fate/Grand Order
過去の回想にて、生前のエドモン・ダンテスの前に立ちはだかった事が判明。
生前のテオドリックではなく『ワイルドハント』としての対峙であると思しい。
奏章Ⅱにおいて試練の番人としてコンビを組んだ、アヴェンジャー仲間。
両者共に、巌窟王と敵対した相手繋がりで霊基が複合されたと思しい。
シリーズにおいて登場済みの、テオドリックと同じく『ワイルドハント』の頭領とされる者達。
この内、アルトリアはスキル名に、ドレイクは宝具名に『ワイルドハント』の名称が冠される。
また、前者はオリジナルに先んじてオルタ霊基が登場したという共通点を持っている。
ディートリヒが食客として剣を預けることになるフン族の王「エッツェル」のモデル。
今のところ本人達からの言及がないため、TYPE-MOON世界での詳細は不明となっている。
伝説で御前試合の切っ掛けを作ったジークフリート及びアルテラの妃。彼女の復讐に巻き込まれた際、配下のヒルデブラントが、無抵抗のハーゲンを斬殺した彼女の行為に憤り、斬り殺した。
伝説で御前試合を行ったとされる、北欧・ゲルマン神話の英雄。
型月に設定が反映されていれば、年代的に後者と戦ったと思われる。
同じく、冒険譚に彩られた幻想の王のモデルとなった、現実側の偉大な王。
こちらは幻想側と現実側が分かれて現界を果たし、対立した経験がある。
舞台となる『イド』において、カルデア側とまったく接点の無いサーヴァントの一騎。
生前は人間であったが、原型の欠片も無い姿なので、突如現れて驚いたプレイヤーも多かった。
なお、彼は彼女と共に、オルタ霊基が先に登場したという異例のサーヴァントである。