四人でチームを組み、その内一人をストライカーとして画面内に
呼び出して攻撃させられるストライカーシステムが導入された。
ストーリーに属さない、お祭りゲーであるKOF98をはさんで
古代から続く武術と宿命を受け継ぐ主人公、オロチ一族という人外キャラ
といった伝奇作品的な雰囲気を持つオロチ編とは打って変わり、
クローンや超科学による肉体改造や能力移植などSF的要素が強くなっている(※)。
ちなみに香港のKOFファンではネスツ編が一番有名で、香港漫画家(SNKから承認済み)が描いた漫画が数多く存在する。中には女性の巻島博士や、クーラと同じく氷使いのK666や、KUSANAGIが「草薙京0号」など、数え切れないほど二次創作が作られていた。
主人公は草薙京から改造人間・K´に変更。K´たちと、彼らに草薙の力を移植した秘密結社「ネスツ」との戦いが描かれる。
※レオナ・ハイデルンのデザインにも大きな影響を与えたクローン人間:綾波レイを始めとする新世紀エヴァンゲリオンのブームと劇場版の公開(97年7月)や、97年2月のクローン羊「ドリー」製造成功のニュースが大きな話題になるなど、KOFに限らず「クローン」は当時流行の創作ネタの一つであった。
'99
K´、マキシマが初登場。二階堂紅丸と矢吹真吾とチームを組む。
この時点ではまだネスツ側の工作員だったが、最終ボスのクリザリッド(上司)
に殺されそうになり、ネスツを裏切る事になる。
怒チームにウィップ、韓国チームにジョン・フーン、サイコソルジャーチームに包が新キャラとして加わった。
2000
ネスツ編のヒロインクーラ・ダイアモンドが参戦。
ラスボスはクローンゼロ。ネスツと敵対する組織から衛星兵器「ゼロ・キャノン」を
奪い、その力でネスツに反旗を翻そうとしたが、結局その目的はくじかれることになる。
開発当時、すでに倒産が秒読み段階に入っていたため、シリーズ総決算という意味合いもこめて作られている。その代表たる物が各アナザーストライカー群+隠しストライカーであり、楓やネオ&ジオをはじめとする歴代タイトルの主役・人気キャラや霧島翔やコスプレイヤー京子など小説やムック等でのみ登場する小ネタキャラなどバリエーション豊かな面々が顔を揃えている。
また、ストーリー・演出・BGM共に'96に迫る水準に達しており、『対戦ゲームとしてはクソだが、演出やグラフィックは他シリーズには負けない』という意見も多い。
ゲームバランスの面ではあまりにも強化されすぎたストライカーシステムを利用しての即死コンボが横行し、治安の悪いゲーセンでは灰皿投げやリアルファイトなどが頻繁に発生した。が、これは所謂一般層間での話であり、上級者レベルに達すると、ストライカーやアーマーモードなどを絡めての独特な読み合いが発生し、非常に秀逸な対戦ツールに昇華する。
今作は当時でこそ異端ではあったが、AC北斗の拳・戦国BASARA Xによって『世紀末バランス』というジャンルが確立された現在、『出るのが早すぎた世紀末ゲーではないか』と再評価を促す声も少なくはない。ちなみに、ストライカーや各種お手軽永久を禁止にした場合のゲームバランスはかなり良好という声もかつてネットでは広まっていたが、結局は上位陣の高性能っぷりなどを考えるとあまり良くないのでは?という反論も現在では多い。
発売後に旧SNKは倒産してしまい、結果として旧SNK純正としては最後のKOFとなった。
『'99』からの変更点
アクティブストライカーシステムの導入
このゲームがリアルファイト量産機となった主な原因。 地上ニュートラル状態でしか呼び出せなかったストライカーが、今作においてはプレイヤーキャラがどんな状態でも呼び出せるようになり、加えて全てのストライカー攻撃が何でも判定(相手がダウン中などシステム的に無敵状態であってもヒットする)のため、ストライカーを絡めてのお手軽即死コンボが稼動初期から多数生み出された。
2001
旧SNKの倒産と解体により世に出ることすら絶望的と見られていたが、旧SNK社員が立ち上げたブレッツァソフトに韓国のイオリスがスポンサーとなって開発資金を出資(+開発人員を派遣)したことでなんとか実現したものである。販売元もAC版はサン・アミューズメント、家庭用はプレイモアとどちらも旧SNK社員によって立ち上げられた会社が行っている。(尚、旧SNKの版権は破産宣告と同日にプレイモアが破材管理人より一括譲渡を受けたことで権利が引き継がれている。)
K9999は彼のパートナーアンヘルと共に人気は博したが、
元ネタを完璧にパクりすぎたため、ストーリーラインに属する作品では2001にしか登場していない。
お祭りゲーのKOF2002には参戦できたがリメイク作のKOF2002UMでは無理だった。
2002UMでは替わりにネームレスという性能の似通った新キャラが参戦している。
ラスボスの目的が妙に回りくどく、なおかつこんがらがっており、
オロチ編よりシナリオの質は落ちているとするファンもいる。
これは旧SNK倒産直後の混乱によるところが大きく、
むしろ会社倒産後にシリーズの灯を消さぬようにと涙ぐましい努力のあとが窺えるといえる。
更に出資者であるイオリスがキャラクター設定などに関してしつこいレベルでの要望を多く出してきたことも起因している。
2000からの変更点
実際に戦闘に出すメンバーとストライカーとを振り分ける「タクティカルオーダーシステム」が搭載された。これにより、2001ではシリーズで唯一ラウンド6~8が存在する。が、裏数値として『CAPCOM VS SNK』シリーズのレシオシステムのようなものが存在しており、戦闘メンバーが増えれば増えるだけ攻撃力が低下していくため、後述のストライカーシステムの調整もあり大会では2:2に振り分けられる事が多かった。
上記に加えて、ストライカーシステムが変更され、一度に複数のストライカーを呼び出せるようになった反面、呼び出せるタイミングが地上攻撃中、あるいは地上ニュートラル状態限定+ストライカーボムが廃止され1ゲージ技となった。各種ストライカー性能も著しく弱体化・変更されており、ストライカー3人を使用しない限り即死コンボは組めない。
キャラクターヴィジュアルが同年のCAPCOM VS SNK2で既に移籍していた森気楼氏からノナ氏へ変更となった。この変更は大人の事情で仕方ないのだが、旧作ファンの批判の声は大きかった。(反面、販促イラストや小説版のカバー、挿絵を手掛けたヒロアキのイラストには定評があり、パチスロ版KOF2では氏描いたの2001のメインイラストが流用されている)
あらゆる伏線は犠牲になったのだ……
ゲームバランス
このような理由により今作では当然ながらあってないようなものと比喩される程、フロアルールで禁止レベルとなった永久連続技から対戦では使い道のないネタ技に至るまで多数のバグが存在する。以下はその中でも特に有名なキャラ群だが、この他にも紅丸のJCやK´のミニッツスパイクが何でも判定だったり、新要素のワイヤーダメージが実装された技が不自然であったり(2002では大幅に削除されている)実験的な要素も多い。
なお、前述の家庭用移植作であるKOFネスツ編ではバグを取り除きアレンジ曲を搭載したDCベースの移植の他、アーケード版そのままの仕様で移植されたネオジオモードも収録しており、下記のバグが再現できるようになっている(一応家庭用ネオジオの時点で修正されるほどのバグもある)。その為取説にはご丁寧に対処法としてフリーズした場合のリセットの方法が明記されている。
その後
『2001』の翌年に『'98』に続くストーリーのないお祭り作品、そしてKOFの集大成と位置づけられた『KOF2002』が発売、新体制の先行きを不安視された『2001』から一転人気作となる。
その後はSNKプレイモアとして新たな体制を整え、『KOF2003』からアッシュ編の展開がスタートした。
主人公のK´を始めとする主要キャラクターは以降も(途中『KOFXII』を除いて)ストーリーに登場する。ネスツは組織として壊滅したこともあって表舞台に現れなくなるが、残党が未だに暗躍していることが語られている。