CV:高橋広樹
概要
丸刈り系ヘアスタイルが特徴の帝国軍兵士。階級は明らかにされていない。
ランド博士から「共和国の都市モザイクにある“リジェネレーションキューブ”の回収」の指令を受けて帝国の最新ゾイド「ドライパンサー」で出撃し、初登場。搭載された最新鋭の機能と闇夜という圧倒的有利な状況でバーンとガトリングフォックスを圧倒するも、レオのビーストライガー(アーリータイプ)が乱入しランドから撤退するよう指示されたため対決はお預けに。ジェノスピノを止めるためレオがライガーで出撃した際、パンサーの消音機能で不意打ちして撹乱し背後から葬ろうとするも失敗、さらに進化したライジングライガーにパンサーを撃破される羽目に。それでもその後もパンサーを駆使しては共和国軍を襲い、その後も何度か共和国軍およびレオ達と交戦している。
あまり感情を表に出さず、ただ淡々と任務をこなす冷徹な性格の軍人だが、同胞への情は有しており、後にオメガレックス搭乗を志願したアルドリッジの身を案じる、後述の事態でシーガルに見切りめいた感情を懐くも「上官だからな」と見捨てずに救助、以後も行動を共にする等、相応に義理堅い所もある。
シーガルに帝国軍に就いた理由を尋ねられた際には「寒村地域の生まれ故に、とにかく暖かい場所で旨い料理を食べたかった」と話し、シーガル側に就いたのも「こっちの方が飯が美味かったから」と明かしており、シーガルやアルドリッジと違って『帝国に対する(過剰な)憧れや理想』はない為、客観的に事態を見れる。
ゾイドについては緊急時に乗り捨てるなどドライな対応をしているもののかといってぞんざいな扱いというわけではなく、終盤のミニコーナーでのドライパンサー拠点防衛仕様の紹介の回で「後は影から地球の未来を見学しようぜ。なあ、ドライパンサー!」と発言したり、搭乗したドライパンサーやハンターウルフが自主的に助けに来るなど互いに信頼がある場面が見受けられている。
彼もまたメルビルと同じようなランドの私兵か、あるいはシーガルに近い強硬派寄りだったらしく、そのシーガルとランドの謀反の際には、ドライパンサーと共に反乱軍側(後の真帝国軍)に寝返っている。
オメガレックスに対抗すべくジェノスピノの再生を進める合同軍に対し妨害工作を実行するが、バーンとフォックスによって阻止され、ドライパンサーを放置して逃亡する(後に密かに回収されたのか別機体なのか、真帝国軍基地に整備中のドライパンサーが登場する)。
後にシーガルからトラモント基地の自軍の加勢に向かうように命令され、放棄したドライパンサーの代わりに改造されたハンターウルフ改に搭乗。同じパンサーと同じ高速系ゾイド故かその相性は良く、基地の奪還に出撃していたギレル少佐のスナイプテラを追い詰めて撤退させている。
ゼログライジス及びゼロファントス出現後はさもそれを自分達の物のように見做して勝った気になっているシーガルに呆れたような反応を見せ始める。だが、ここに来て今まで協力関係にあったジャミンガや原始ゾイドの主がこちらを切り捨てようとしたのを受け、それに対して交渉を試みるもあえなく失敗し殺されそうになった彼を「それでも上官」なのもあり煙幕弾を投擲して救助。シーガルをファングタイガー改に乗せ、自身はドライパンサーに搭乗して真帝国基地を後にした(余談だが、以後はシーガルに対してタメ口で話す等、かなり気安い態度で接するようになる)。
先んじてキューブを確保したシーガルの合同軍に対する交渉工作にも協力していたが、合同軍との最終交渉の際には地球が滅亡しては意味がないと「妥協してキューブを譲渡すべき」と進言するも、この期に及んで自分の考えに妄執するシーガルに流石のスピーゲルも遂に離叛。直後のキューブを狙ったジャミンガとゼロファントスの襲撃の折には、合同軍に並んで相手の撃退に尽力した。その後の報道では、『シーガルと共に逮捕された』と報じられている。
ゾイドワイルド列伝
おそらく時系列は「戦士の資格」がZERO22話、「疾風の黒狼」が34話の直後だと思われる。
「戦士の資格」
フォロー・記録係という名目のアルドリッジの監視のためウルフに乗ってアルドリッジの乗るファングタイガー改にこっそり付いていくが、キャノンブルに背後を取られてしまい、アルドリッジに助けられる
(その気迫に、スピーゲルはアルドリッジが興奮状態で敵味方区別が付かなくなったと誤解しマシンブラストを発動してまで迎撃しようとしていたが、その後今まで抱いていた「功名心に駆られる無鉄砲な軍人」という印象を「経験と実力に裏付けされた凄腕のライダー」と改めている)。
「疾風の黒狼」
真帝国軍がエースライダー専用機として従来を遥かに上回る機動性と出力を与えるランド博士が開発した全天候型ハイパワーブースターを搭載しているハンターウルフ改だが、その圧倒的な加速と引き換えに掛かるGによりテストライダーのミヤーチ軍曹が訓練中に意識を消失しており、スピーゲル専用に開発されたとはいえ彼でもこの機体を乗りこなせるか不安視されていた。
その後トラモント基地に集まる帝国軍の多数のゾイドを迎撃するためにウルフに乗り出撃。
この時、訓練でミヤーチ軍曹が意識を消失していたハイパワーブースターの50%もの出力を平然と乗りこなしていた。
帝国軍と相対したスピーゲル・ウルフはハイパワーブースターに加えマシンブラストを発動してのソニックブースターも併用し(この際ハイパワーブースター出力は90%)、レーダー越しに見るとウルフが複数いると錯覚させる程の音速に近い速度で敵を翻弄しつつ撃破するが、その分さしものスピーゲルでも耐Bスーツ越しとはいえ耐え難い負荷に襲われていた。
なおこの際、ドライパンサー(武装がなくスピーゲルは代わりにウルフで出ていた)がウルフの雄叫びを聞いて、自らの意思でカタパルトを操作して戦場に赴く。
一方、負荷でスピーゲルが疲弊している間にキャノンブル2機がマシンブラスト。ナインバーストキャノンを放ちながら挟み込むように突進してくる。
だが彼に諦めるなと語っているかのようにキャノンブルへ攻撃態勢を取るとスピーゲルもそれに応え再びハイパワーブースターを最大出力で点火。
キャノンブルをギリギリまで引きつけると、ソニックブースターの力もあり空中へ駆け上がって回避するという陸上型ゾイドとは思えない機動力を発揮(なおこの際のハイパワーブースターの出力ゲージは最大出力の100%を超えたエラー表示となっていた)。
しかしマシンブラストを最大出力で長時間使用した上絶体絶命の状況から脱出すべく限界突破の力を引き出した事で今までの蓄積された負荷もあって意識が朦朧となるスピーゲル。
その瞬間、彼の身を案じたのかウルフがコクピットの緊急脱出装置を起動しスピーゲルを強制射出。
射出されたスピーゲルは遂に意識を失ってしまった。
数時間後、スピーゲルが目を覚ますとハンターウルフは既にキャノンブルを撃破しその場にはおらず、変りにウルフの雄叫びで迎えに来たドライパンサーが。
自分を迎えに来たと気づいたスピーゲルはドライパンサーに乗り、帰還した。
その後ウルフは半径100キロに渡る大規模な探索でも生体反応はおろか、その痕跡も全く掴めることはなかった。
また戦闘データを解析した結果、ハイパワーブースターの出力100%の状態はスピーゲルが搭乗した時のみでスピーゲルが意識を失ってからは30%まで低下しており研究者は「ランド博士が件のウルフはスピーゲルとの相性まで考慮して開発したのでは?(要約)」と推測している。
余談
フルネームはアニメ放送終了後に展開された、アニオリ機体販売シリーズ“ゾイドワイルド列伝”にて発売された『ビクター・スピーゲル専用ハンターウルフ』(ハンターウルフ改)にてようやく判明した。
関連タグ
ゾイドワイルドZERO 帝国軍(ゾイドワイルドZERO) 真帝国軍(ゾイドワイルドZERO) ドライパンサー ハンターウルフ