CV:三木眞一郎
概要
緩いウェーブ掛かったロングヘアーと、後ろのヘアバンドが特徴的な帝国軍所属の軍人。元は少佐であったが現在では後述の経緯から、国家反逆罪に問われ階級を剥奪されている。
普段は冷静かつ他者に対しては高圧的な態度を取るが、その本質は激情家なようで、激し易く冷静さを欠き易いのが欠点。
更に、階級剥奪と後述の経緯から、以降は落ちぶれた自身を自虐したかと思えば、“強大な力を用いての敵の蹂躙”に酔い痴れ易くなったりと、刹那主義の戦闘狂に成り下がった節が見られるようになった(ある意味、ギレルと真逆の立ち位置になったようにも見える)。
但し、真帝国に寝返ったのは「当時の帝国軍の穏健的姿勢に失望していた」のが理由であり、上記の軽薄そうな性格とは裏腹に軍人としての矜持・所属組織への帰属意識は未だに健在な上に、後のオメガレックスに搭乗する際にも「軍人となった時点で命を捨てる覚悟は出来ている」と宣言し、ジャミンガ達が行う耐Bスーツ・リンクを臆せずに実行する等、良くも悪くも実直な人間ではある。
佐官クラスに属しており、ギレル中尉(当時)やリュック隊長の上司に相当するが、当のギレルからは戦歴を理由に見下されている。しかし、ギレルのように異名を轟かせるような、華々しい戦果こそ持たないものの、若くして佐官クラスに就いている事実から、エリートに値する実力を持っているのは確かで、実際に4話で決行した自身を囮にしての陽動作戦は、レオとビーストライガーさえ居なければ、共和国の領土の1つを手に入れられた可能性もあった。本編終了後の「ゾイドワイルド戦記」の背景ストーリーでは共和国サイドの軍人をゾイド乗りとして復帰不可にする程の傷を負わせたリ、ガノンタス隊は壊滅寸前まで追い込む等、共和国軍サイドの脅威として立ちはだかっている活躍が明かされた。
当初はスティレイザーを乗機としていたが、後ろ盾が居なくなったギレルの代わりに、シーガル准将から最重要ゾイド・ジェノスピノのゾイドライダーに正式に任命されるに至った。狡猾で陰険なシーガルの人間性とジェノスピノの特性から、捨て駒にされる可能性が高いと見られていたが、後のシーガルの言動から捨て駒は疎か、ジェノスピノを動かすパーツ程度にしか見なされていなかった模様。
尚、番組の最後に行われるレオによるジェノスピノの解説では「極めて強力なゾイドだが、その分ライダーの実力がないと乗りこなせない(要約)」と評されており、それを過不足なく扱えている様子からも、彼のゾイドライダーの実力が決して低くない事実が証明された(だが、戦闘後には自身の体力を著しく消耗している様子も描かれており、ジェノスピノの操縦に掛かる負荷が、並大抵のものではない事実を暗に示している)。そのジェノスピノで共和国軍を次々に蹴散らしながら、共和国の領土奥深くにまで侵攻、挑んできたビーストライガーを機能停止寸前にまで追い詰めた。
しかし、ジェノスピノの力とその先の名誉に目が眩んだのか、すっかり慢心しきってしまい、碌な休息も取らないまま進撃を続けた結果、心身共に衰弱、更には判断力も鈍っていたのが仇となり、スナイプテラに搭乗したディアス中佐の挑発にまんまと引っかかっり、自身の身体状況を考慮せずにマシンブラストを多用した結果、ブラスト発生時の多大な負荷に耐え切れずに遂に意識を失ってしまう。ライダーからの操縦が絶たれたにもかかわらず、ジェノスピノは自らの意志で尚も暴れ続けたが、レオ達の活躍でスピノは活動を停止。コックピットで気を失っていたアルドリッジも、共和国軍に救出されると同時に身柄を拘束された。
その後は軍の医療施設にて療養の身となったが、その心身の消耗ぶりは桁違いだったらしく、長らく昏睡状態に陥っていた。昏睡状態から立ち直った後は退院と同時に、帝国軍の刑務所に収監されると思われたが、ランド博士から「サリーのペンダントを奪う」任務の遂行を条件に、博士が身元引き受け人となって釈放、更に新たな乗機に帝国軍仕様の黒いファングタイガーが与えられ、レオ一行を奇襲するが、これにも失敗して彼等を取り逃がしてしまった。
その後、ランド博士の許へ合流しようとしたものの、既に基地がもぬけの殻だった為、当てもなく彷徨っていた所をランド博士の所在を捜索するレオ、リュックに発見され一時的に身柄を拘束されそうになるが、直後にスピーゲルが駆るドライパンサーの援護を受けて、その場から脱出、そのまま成り行き的にシーガルの興した真帝国軍に加入した。
基地に到着後、整備中のオメガレックスを発見するや、ジェノスピノ搭乗時の高揚感を思い出したのか、「オメガレックスのライダーはオレか?」と嬉しそうに漏らしていた(尚、隣に居たスピーゲルは呆れ気味に「あぁ、そうだ」と適当に相槌を打っていた)。
真帝国軍による帝国首都への本格的な侵攻が始まった際には、オメガレックスの運用に消極的なメルビルに代わり、希望通り自身がオメガレックスのライダーに選ばれるが、その矢先に若返ったランドに強引にライダーの座を奪われてしまい、基地待機を余儀なくされた(尚、この時の事を根に持っていたのか、侵攻作戦に失敗して帰還したオメガレックスのコクピットに、生命反応が無い旨を伝えられると、アルドリッジは「ランドが死んだか」と半ば喜ぶような態度を見せている)。
上記の侵攻戦後は特筆すべく活躍はなかったが、共和国・帝国合同軍による真帝国本部への武力斥候の際には、真帝国首脳陣及びオメガレックスを逃走させる陽動として、スピーゲルと共に出撃。ジャミンガが発生させた濃霧を利用し、仇敵のギレルが駆るスナイプテラと交戦を開始、陸戦ゾイドのファングタイガーで、空戦ゾイドのスナイプテラに肉薄し格闘攻撃を命中させる等、ギレルを追い詰めて彼等を撤退させ、シーガルの脱出作戦を成功させた。
それでも状況的に追い込まれる真帝国の現状を憂い起死回生を賭け、ジャミンガを操る者の協力で修理がほぼ完了したオメガレックス(荷電粒子砲の修理には至らなかった)の搭乗に自ら志願し、以前のように暴走し自らの死を前提とした覚悟で、各地の共和国軍・帝国軍の施設の襲撃を開始した。
上記の通り荷電粒子砲こそ使用不可能だったが、持ち前のパワーと武装で敵勢を蹂躙していたものの、レオ達が発見した古代兵器「ロングバスターキャノン」によりオメガレックスは沈黙、コックピットから引きずり出されても尚「真帝国に……栄光あれぇぇぇっ!!……」と叫びながら抵抗をしていたが、敢えなく拘束され、再び古巣の帝国に囚われた。
後のギレル達からの取り調べでも不遜な態度を崩さなかったが、オメガレックス搭乗の反動か、或いは対Bスーツ・リンクの負荷か、医療施設(軍人が警備していた様子から、恐らく軍の施設と推測)に送られてそこのベッドで微睡む風なアルドリッジだったが、施設内放送で流れた“シーガル確保と真帝国軍の鎮圧完了”の通信を聞くや否や、「シーガルのヤツ……(要約)」と微かな悪態を漏らしたのだった。
余談
当初はジェノスピノでの暴走における狂気さの強烈さ、野心的な性格等から印象に残り易く、特に真帝国側になって以降は暴走したにもかかわらず、オメガレックスのパイロットに拘りメルビルに対しイキリ散らす等と、全く懲りず悪びれない態度等から、三木氏の演技も合わさりネタキャラ的ポジションとして扱いを受けていた。
一方、終盤において帝国の現状を憂いており、目的の為なら(あれほど乗りたがってたオメガレックスに乗る際も喜び様子が一切なく)自らの死を厭わない熱い部分が見られ、特に愛機のファングタイガーに対しては「さらば、我が同志」と別れの言葉を残すなど帝国サイドの人間としては珍しく愛着を持っている様子が見られた。
こうした背景から作中キャラ内やゾイドアニメシリーズ内でも人気の高いキャラであり、公式から専用のファングタイガーの販売、アパレルグッズ等の商品面でも恵まれている。
『ゾイドワイルドZERO』において三木氏は、アニメゾイドシリーズ出演経験者の1人でもあり、『ゾイド-ZOIDS-』ではガイロス帝国側の軍人にしてカール・リヒテン・シュバルツのライバル格のラルフを演じている。奇遇にも彼もまた帝国と共和国の協調路線に反発し、テロリスト同然の立場に身を窶すと、アルドリッジと似たような顛末を迎えている。
関連タグ
ゾイドワイルドZERO 帝国軍(ゾイドワイルドZERO)
スティレイザー ジェノスピノ ファングタイガー
ナンバー(ゾイドジェネシス)
ザイリン・ド・ザルツ:終盤でゾイドを動かす生体ユニットに扱われ掛けたが、アルドリッジと違い主人公と和解する道を選択した為、救われている。