クリストファー・ギレル
くりすとふぁーぎれる
CV:増田俊樹
帝国軍中佐。
初登場時は中尉だったが、後に昇格している。
搭乗ゾイドは赤いスナイプテラ。
目付きの鋭い赤毛の青年で、若手ながら単体で一師団を壊滅させる実力を誇る帝国軍のエースであり、共和国軍の一師団を壊滅させた際に、夕焼けに佇むスナイプテラが真っ赤な血に染まったように見えた様から『赤き死神』の異名が付けられた。
若いながらも常に冷静沈着で堂々とした武人肌な性格。
一方で、類まれな自身の実力と、それに対する絶対的自信から来る高いプライドを持っており、それ故に時に傲慢かつ自己中心的な物言いをする場面が多い。
しかも、そんな意識を隠そうともせず、自身より能力が劣る相手を平然と見下したり、自身が礼するに値しないと思えば、たとえ階級が上であっても格下のように扱ったり(上司であるアルドリッジ少佐に対して慇懃無礼な態度に出る、当人が居ない場でリュック隊長を愚弄する等)、あまつさえ本編以前の過去にて「無能と判断した上官を相手に(相手が先に手を出したとは言え)暴力沙汰を起こした」のを注意された際には、あろう事か「殴りましたが1発ではなく2発です」と、自身の印象を悪くする訂正を臆面もなく口にする始末(いかに事情があったとは言え、基本このような態度は軍人としては言語道断であり、余程の事情がない限りは擁護も難しい)。
自身も人を選ぶ傾向があり、自分にとって相容れない、受け入れ難い人間には何かと厳しい態度に出るのに対し、逆に敬意が持てる、信頼に足ると認めた相手には、たとえそれが敵であろうと紳士的に接し、時に向こうの個人的な頼みを聞き入れたり、自分から援助を求めたりするとその対人姿勢はかなり極端。
特に、直接の上司であったコリンズ准将は父親同然に慕っており、彼が病没後にシーガルの陰謀でジェノスピノを用いた共和国侵攻の首謀者に仕立て上げられた際には、独断で共和国陣営に接触し陰で共和国軍に加担する等、何よりも人間同士の義理を重んじている。
他にもレオからサリーの救出依頼を受けながら、結果的にそれが果たせなかった際にはレオにそれを咎められても「自らに非がある」として、その罵声を甘んじて受け入れる等、自身に課す責任感も非常に強い(この時の救出失敗の原因はサリーにあり、ギレルにはほぼ落ち度はない)。
自身の戦績を傷付けられた怒りや、格下と思っていた相手に返り討ちにされた戸惑いよりも、新たな好敵手が増えた事に歓喜の笑いを上げる等、好戦的な面も見せている。
また、国家への忠義自体に厚いものの、政治的な関心に乏しく出世にもあまりを興味を示さない、根っからの現場主義者であり、加えて上記のように上層部の意向お構いなしに、私情で軍人の枠を外れた行動(前述の共和国軍の作戦への関与も、端から見れば帝国への裏切りであり、幾ら上記の理由があったとしても、真っ当な軍人ならば安易に採るべき行為ではない)も取る等、以上の事実から彼を総合的に表すると、忠誠心や実力から見て一人の戦士としては優秀なものの、規律や規則を厳守する一介の軍人としては非常に問題があると、良くも悪くも破天荒な人間である。
それもあってか特定の部隊には入れられず、専ら単独で任務に当たるケースが多い。
女性の相手も苦手なのか、帝国皇帝フィオナの護衛に任ぜられた後もマイペースな彼女に振り回されがちで、傍目で見れば栄転なのだが、自身としては最前線こそが自分の居るべき場所であり、また護衛役として選ばれこそしたが、実際は「外での話を聞く為の話し相手」の側面が強く、上述の通り女性の相手が苦手なギレルからすれば「むしろ栄転どころか左遷させられた」と感じている。
初登場は第3話「飛べないライオン」より。
帝国の演習海域に誤って入ってしまったレオ達の頭上を、スナイプテラに乗りながら登場。
その後とある理由によりレオ達を拘束すべく、ビーストライガーと対峙した際は、スナイプテラの性能と自らの実力によってビーストライガーを圧倒。
共和国の横やりによって惜しくも捕え損なうも、レオとビーストライガーに初黒星を付ける。
その後もレオとは何度か会敵及び交戦する機会があり、次第に彼らの実力を認めるようになる。
その後、帝国軍で復元作業が行われていた最強ゾイドの一角・ジェノスピノの正規ライダー候補に選ばれるが、そのコリンズの死去に伴ってジェノスピノ再生計画の責任者がシーガルに移ると、彼によるコリンズを首謀者に仕立てた、強引な共和国領侵攻計画に不満を覚え、密かに共和国軍と接触を図るとレオ、ディアス、バーンを含んだジェノスピノ討伐作戦にも参加(スナイプテラを「自分が捕まって鹵獲された」と言う名目でディアスに貸渡し、自身はキャタルガに乗って支援した)してジェノスピノを倒し、同時にコリンズの名誉も守り抜いた。
上記の件での行動は「そもそもがシーガルの独断であった」と「結果的に共和国との全面戦争を回避出来た」の2点の事情もあってか、特に罰則された様子は無く、むしろその功績が帝国の現皇帝であるフィオナの目に留まり、(恐らく)皇帝直々に自身の護衛役に任命され、任務地も最前線から首都勤務となるが、間もなくしてシーガルとランドによる反乱が勃発し、再びレオや共和国軍と共同で、それの対処に当たる事態となる。
そして反乱軍の切り札であるオメガレックスに対して、共和国のシェリー・ハント大佐の提案でジェノスピノの復活が検討され、当初はジェノにはディアスが搭乗する予定だったが、ゾイドコアの異常で負傷した(とする演技をしていた)ディアスの代わりにジェノスピノに搭乗してオメガレックスと戦い、そのオメガレックスの荷電粒子砲を受けてジェノスピノが破損して修理を余儀なくされた後は、スナイプテラに戻って反乱軍(真帝国軍)との暗闘を続ける。
次に現れた新たな脅威であるゼログライジスに対しては、修理の終わったジェノスピノに再度乗り込み、更にディアスの乗るオメガレックスと共に立ち向かうが、向こうの圧倒的な力の前にはジェノスピノでも敵わず、1度はディアスともども異空間に飛ばされて行方不明となる。間もなくその異空間から生還をするも、復活を遂げて暴れ続けるゼログライジスを止めるべく、既に全武装を失ったジェノスピノを動かして最後まで奮闘した。
戦いが終わった後はプライベートでもディアスの友人となり、そしてこれまで通りフィオナ皇帝の付き人として働き続けている。
最初期から情報公開された軍所属の人物では、唯一名前と使用するゾイド以外の情報が公開され、更に帝国サイドで初めて担当声優が発表、フルネームも放送開始前から判明していた人物である。
レオとの戦闘では2連勝しており、異名に恥じない実力を見せたが、実際の所「『射撃主体の空戦機』対『格闘限定の陸戦機』と、そもそも主戦場と主力武器が違う=相手の頭上からの攻撃が容易なスナイプテラが基本的に有利」な事を考慮すると、純粋に彼の実力なのかは少々の疑いが残る(『シールドライガーVSセイバータイガー』のようだったら、疑いを挟む余地はほぼなかった)。
ジェノスピノ撃破の為に捕虜となったものの、その際にもアルドリッジ少佐を扱き下ろす、ディアス中佐の腕を信頼しつつも「自分が乗ったジェノスピノには勝てない」と豪語する等、TPOを弁えずに「自分が誰よりも優れている」アピールを忘れなかったのは残念と言わざるを得ない。
演者の増田俊樹氏は次回作『ゾイドワイルド戦記』にてブレイズ・ジュールを演じている。彼もまた、帝国軍側の赤いボディに緑のバイザーのゾイドのライダーである。
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