スペック
英表記 | ZEROPHANTOTH |
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番号 | ZW43 |
所属 | - |
分類 | ゾウ種 |
骨格分類 | - |
異名 | 古の魔弾機 |
全長 | 6.7m |
全高 | 5.0m |
重量 | 59.0t |
最高速度 | 138km/h |
発掘地域 | 大陸北西部 地下神殿 |
IQ | 149 |
解放技名 | 破滅爆裂弾(ディゾルボム) |
搭乗者 | デニス・ニールソン(1機のみ) |
ステータス |
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武装 |
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装備 |
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クラス | M |
動力 | モーター |
発売日 | 2020年6月27日 |
価格 | 4,400円(税抜) |
組立時間 | -分 |
概要
人類未到の地、地下神殿エリアから突如出現したゾウ種のゾイドで、進化ゾイドや兵器ゾイドのどちらにも属さない謎の存在“原始ゾイド”。このゼロファントスはあるゾイドの尖兵ゾイドでもある。
眼の部分が兵器ゾイドのZ-Oバイザーのようになっているが、これはゾイドコアと直結した眼球が多数並んだ「アイブレイン」であり、広い視野を誇る。更にボディ自体もボーンフレームが無く、骨格とアーマーが一体となった強固な装甲を持つ。ボディ内部には毒液「バイオアシッド」が満ちており、コアリアクターの働きで全身を循環する。バイオアシッドが表面に浮き出た「リアクターライン」は、機動力の上昇や士気の高揚に応じて紫色に輝くという。
パワーノーズは重量がある物体を持ち上げ、投げつける事に特化している。先端にセンサー機能を持つため、標的に向かって正確に投げつける事が可能。象牙に相当するA-Zアンカーファングは単純な接近戦用の武器ではなく、敵ゾイドの動きを制限するための装備。ファング内部には先端部と繋がったワイヤーが格納されており、射出したファング先端部を敵ゾイドのボディに突き刺して動きを封じる事ができる。また、頭部にあるマインドホーンからは他のゾイドを操る強力な電波を発生させる事ができる。
これまでも偶然発見した人類によって幾度か発掘が試みられたが、作業中にバイオアシッドの毒によって命を落とす者が続出し、「禁忌のゾイド」と恐れられた。そのため当機の復活は断念せざるを得ず、発掘を完了させた人類はいないという。
本能解放技は進化解放でも兵器解放でもなく、原始解放(ゼロブラスト)と呼ばれる独自のもの。ゼロファントスの原始解放技は、現代の重火器に匹敵する破壊力を持つA-Zスリングボムをスリングボムマガジンから取り出し、パワーノーズを用いて投擲する『破滅爆裂弾』(ディゾルボム)。A-Zスリングボムにはバイオアシッドを含むと思われる猛毒が蓄積されており、その毒を散布して敵を腐食させる事もできる。
各メディアにおいて
ゾイドワイルドZERO
アニメでは第35話から登場したが、全貌は明かされず、全体像が判明するのは第36話の終盤。
後の第42話において、ランド博士から「ゼロファントスおよびゼログライジスは惑星Ziに由来しないゾイドである」という秘密が明かされる事になる。
アニメ版ゾイドの常として、キット版よりもサイズが大きく描かれている。ただし、M型ゾイドの中では特にキットとのサイズの差が大きく、体高がバズートルの2倍近い巨体となっている。流石にジェノスピノやオメガレックスには及ばないものの、この体躯はグラキオサウルスにも匹敵する。
劇中では霧に紛れてどこからともなく現れ、共和国及び帝国の軍事施設を壊滅させてはどこかへ消えていく、正体不明のゾイドとして初登場。この際、たった一発のA-Zスリングボムによって軍事基地ひとつを丸ごと消し飛ばす描写が見られた。
作品において「正体不明な敵」の演出でよくある夕闇や霧に紛れての登場、銃撃しても霧の中にすぐに消えてしまい(実際、作中でも「幽霊ゾイド」と比喩されていた)、霧の中でぼんやりと光るイヤーシールドのリアクターラインとアイブレイン。さらに基地の警報音や同時期に謎の喋るジャミンガが襲撃してきたことも相まって、演出面でも不気味さが際立っている。
その姿は上記の通り、36話終盤に晴れかけた霧をソニックバードが吹き飛ばすまでは明かされることは無かった。
ゾイドとの戦闘においては、イヤーシールドで敵の銃弾を弾き、遠距離からスリングボムを投擲する戦法を基本とする。ただし先述の基地襲撃時とは異なり、スリングボムは直撃しなければダメージが無い程度の出力に抑えられている。
ガトリングフォックスによる一斉掃射を防ぎ切るイヤーシールドや、ソニックバードのスカイスラッシュでも損傷を受けるどころか逆に向こうのラダーソードを損傷させる程のスリングボムマガジンなど、その装甲は桁外れの耐久性を誇る(スカイスラッシュの衝撃でマガジンの脱落を起こす描写はあった)。また、バズートルを鼻のひと振りでひっくり返す、飛びかかってきたライジングライガーを直接掴んで投げ飛ばす、ガトリングフォックスにA-Zアンカーファングを突き刺し相手ごと振り回すなど、肉弾戦をこなせる膂力も兼ね備える。
一方でA-Zスリングボムは衝撃に弱いらしく、ボムを直接狙った銃撃などで暴発した他、マガジン内のボムまで誘爆する場面も見られた。また、キットで触れられているバイオアシッドによる腐食の描写は一切なく、ボムも純粋な爆発物として描かれている。
なお、劇中でゼロファントスが明確に撃破された場面は全話を通じて片手で数える程度であり、活動を停止して間もなく全身が石化し、第38話で発見された化石と似た状態となる。ガトリングフォックスが撃破した際はゼロファントスの真下から集中砲火を浴びせていたため、機体の下部は唯一守りが薄い弱点であると考えられる。
第47話では、一時行方を眩ませていたゼログライジスの繭の周辺に数機が出現し、合同軍のキャノンブル・バズートル・スティレイザー部隊と対峙した。この際彼らは全身を紫に発光させた後、地面にリアクターラインのような紫色の光の陣を描く。その光は接触したゾイドを一瞬にして石化(=絶命)させる特性を持ち、繭への接近を許さないというもの。通常の遠距離武器は持ち前の装甲で防いでしまう為、数で勝る帝国軍のゾイド部隊を逆に壊滅寸前に追い込んでいく。
しかし、修復が完了したジェノスピノやオメガレックスが相手では流石に分が悪く、紫色の光も容易く無効化され、いざ対峙すればジェノスピノのキックやオメガレックスによる踏みつけ等であっけなく撃破され、格の違いを見せつけられることとなった。だが、ゼログライジス復活までの時間稼ぎという役割は充分に果たし、この後にゼログライジスは完全体として復活するに至る。
ゾイドワイルド戦記
第2話より登場。爆発的な人口増加に伴う資源の枯渇により再び戦争に突入した共和国軍と帝国軍の前にゼログライジスと共に再び現れ、両軍に見境なく攻撃を仕掛ける。だが、かつての戦いを経て対処法が確立されていたのかギルラプターLCやバーニングライガーによって容易に撃退されている。
また各関節の耐久性もこのゾイドでは低い事が判明し、脚部の関節をやられると行動不能に陥る模様である。
第4話では帝国軍に鹵獲され、兵器ゾイドに改造された個体が登場(バリエーションを参照)。
バリエーション
重武装砲撃仕様
帝国軍がゼロファントスの危険性に気づく以前に考案された改造プラン。背部のスリングボムマガジンを廃して大口径砲を搭載し、パワーノーズの尖端に2連砲、頭頂部にはA-Z3連チャージミサイルを装備し、A-Zアンカーファングはパワーライフルに換装して遠距離砲撃に特化。全身にも重装甲を施し、防御力を大幅に向上させるという計画だった。
掘削運搬仕様
活発化した神殿一帯に埋没するゾイドの復活を促進させるために何者かによって改造された機体。目には暗視スコープが装備された緑色のアイブレインが取り付けられ、岩盤を掘削・粉砕するためのドリルやスパイクを各部に装備。遺物を発見すると鼻先のドリルを外してそれを掴み、背部の荷台に乗せて運搬する。
帝国軍仕様
上記のゾイドワイルド戦記第4話に登場。帝国軍に鹵獲され、兵器ゾイドとして改造されている。
ボディカラーは黒主体になり、リアクターラインは暗めの赤に変更されている。更に目にはZ-Oバイザーを取り付けており、ナレーションによると完全制御に成功したとのこと。
共和国軍の最新式M型ゾイド・ゼノレックスの初陣の相手となり、序盤は圧倒的体格差で優位に立つ。
だが、ゼノレックスの秘められた力が発動し相手が自身と同等の大きさになったことで形成が逆転、徐々に押されていきトドメの一撃を食らう。
5話冒頭にて帝国軍の偵察部隊により大破された姿が移し出される事になる。
無関係だが、『ゾイドワイルド バトルカードハンター』に登場するゼログライジスバーサークとは配色が同じである。
キットについて
ボーンフレームが存在しないという設定を反映してか、装甲を外した骨格形態が存在せず、ゾイドシリーズ第2期のキットのような構造となっている。特徴的なリアクターラインやアイブレインは、塗装により再現。パワーノーズ、A-Zアンカーファング、イヤーシールドは手動で動かすことが可能で、アンカーファングの尖端は取り外し式となっており、5mmジョイントの接続部には他のゾイドの武器を取り付けられる。
下顎、胴体、側面の肋骨パーツはキャノンブルと同一のものだが、四肢を中心に多くのパーツが新規造形であり、印象は全くと言っていいほど異なる。また、背部に原始解放に関わるユニットが存在するが、その上部にスリングボムマガジンが取り付けられている。地味な特徴ながら、キットのスイッチ部分にライダーが騎乗するのも『ゾイドワイルド』シリーズのキットでは初となる。
スイッチを入れると、鼻や耳を前後に動かしながら歩行し、原始開放は、手動で鼻を持ち上げて固定することで発動。歩行すると同時に背中のユニットからスリングボムを捕球し、前方に投擲する。マガジンの装弾数は4球なので、歩行を続けると連続で4球まで投擲させることが可能(ただし、投擲距離はかなりあるのでボムの紛失には注意)。
ちなみに、先述の通りマガジンは動力と連動していないが、その下の基部から鼻にかけては動力と連動する一連のパーツである。そしてこの部分を取り外すことで、なんと他のゾイドに搭載する事が可能。ライジングライガー等が頭上から鼻を生やし、スリングボムをぽいぽい投げる光景は非常にシュールであるめ、これらのゾイドを持っていれば試してみるのも良いだろう。
余談
- 公式冊子の『オペレーションZマニュアル Vol.1』で先行公開された。
- 紫と白というカラーリングは、80年代の旧々シリーズにおける暗黒軍仕様のゾイドの色を反転したようなものになっている。これが意図的なものかは不明であるが、ボーンフレームを持たないボディは『ゾイドワイルド』以前の多くのゾイドに近いと言える。
- アニメでゼロファントスが登場する際に発生する霧との関連性も、アニメ『ゾイド新世紀/ZERO』においてゾウのゾイドの先輩たるエレファンダー登場時の描写と共通する。
- 『ゾイドワイルド』シリーズにおいて遠距離戦闘が可能なゾイドは、シリーズ第1期の時点でガノンタスやハンターウルフなどが登場していた。しかし、キットで実際にギミックとして飛ばせるようなパーツが付属しているものはおらず、このゼロファントスが初のキットとなった。
- これまでのシリーズのキットにおいても、アイアンコングやサラマンダーのようにスプリング仕掛けで砲弾やミサイルを発射するギミックを持つゾイドこそ存在していたものの、このゼロファントスはゾイドとしては初となる「本体の駆動と連動して“物を投げる”ギミック」を搭載しているのが大きな特徴である。
- 奇しくもゼロファントスという名前は、エレファンタスの『メカボニカ』時代の名前であるメカファントスと似ている。ゼロ→原点回帰という意味で捉えれば、どこか意味深なネーミングである。
- 付属のシールには、80年代のゾイドシリーズ最初期に設定されていたゾイド文字が記されたものと、過去に惑星Ziに存在していたゼネバス帝国の紋章が描かれているものがあるが、キットの箱裏の記述や「復元の書」には言及されておらず、過去のアニメシリーズに至ってはゼネバス帝国そのものが一切登場していないこともあり、本機とゼネバス帝国との関係性は不明となっている。
関連タグ
エレファンタス/ゾイドマンモス/ツインホーン/エレファンダー/パワーマンモス:同じゾウ科モチーフのゾイド
ワイツウルフ:当初はゾウ型ゾイドとして企画されていた。