ポケモンWCS
ぽけもんわーるどちゃんぴおんしっぷす
ゲーム『ポケットモンスター』シリーズの世界一を決める大会。
正式名称は「ポケモン・ワールド・チャンピオンシップス」。「ポケモンWCS」「WCS」等と略され、開催年を入れて「WCS20○○」と呼ぶこともある。
メインシリーズの大会の他にも、ポケモンカードゲーム、ポケモンユナイト、ポケモンGOのPvPに関する大会も同時開催される(後者2つは2022年から)。
年に一度の開催が基本だが、東日本大震災の影響で日本代表予選が行われなかったり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会自体が中止となったりした年もある。
オンライン予選は選抜対象地域のプレイヤー以外も参加できる場合があるが、その場合対象外地域のプレイヤーはライブ大会出場権を獲得できない。
なお、予選および本戦終了後には、チャンピオンが使っていたのとまったく同じステータスに調整されたポケモン1体が配信されるのが恒例となっているので、大会に参加できなかったorそもそも参加する予定がなかったプレイヤーにとってもかなり重要なイベントとなっている。
そのまま実戦投入するもよし、厳選用の元手として有効活用するもよし。
このほかにも、参加賞や開催記念として伝説ポケモンの色違い個体や、幻のポケモン等の非常に貴重なポケモンが配布されることもある。
ただし、いずれも配信期間は短いので受け取り忘れのないよう、情報はこまめにチェックしておこう。
2009:アメリカ合衆国・サンディエゴ
2010:アメリカ合衆国・ハワイ
2011:アメリカ合衆国・サンディエゴ
2012:アメリカ合衆国・ハワイ
2013:カナダ・バンクーバー
2014:アメリカ合衆国・ワシントンD.C.
2015:アメリカ合衆国・ボストン
2016:アメリカ合衆国・サンフランシスコ
2017:アメリカ合衆国・アナハイム
2018:アメリカ合衆国・ナッシュビル
2019:アメリカ合衆国・ワシントンD.C.
2022:イギリス・ロンドン ※
2023:日本・横浜
2024:アメリカ合衆国・ハワイ
2025:アメリカ合衆国・アナハイム
2026:アメリカ合衆国・サンフランシスコ
※2020年大会及び2021年大会が中止になったための延期分。
今やポケモン最大の祭典と言っても過言ではない規模にまで成長を遂げた本イベントであるが、問題点も数多く指摘されている。
開催地の偏り
上記の開催歴を見ればわかるように、2019年までの開催都市はすべて北米であり、どういうわけかポケモン発祥の地である日本での開催は2023年まで実現できなかった(※)。
コロナ禍が明けた2022年以降はアメリカ以外の場所でも開催するようになり、ようやく事態が改善されるか…と思ったのも束の間、2024年からは再び北米圏に戻ってしまった。
開催地までの渡航費や宿泊費は原則参加者の自己負担となるため、経済面・アクセス・スケジュールおよびコンディション調整の面で北米在住のプレイヤーが必然的に有利になりやすいという批判の声がある。
日本等、年々自国の通貨安が進んでいる国では海外への渡航が難しくなりつつあり、せっかく予選を勝ち抜いて本大会出場の権利を獲得できたのに渡航費の捻出やスケジュールの調整がつかずに出場を辞退せざるを得なかったという嘆きの声も往々にして聞かれる。
このため、年度毎に開催場所を変えるのは良いとしても、本大会へ出場資格を得た者が大会に参加しやすい仕組みを整えるべきではないかという意見が出されている。
※ ただ、北米での開催地はハワイやアメリカ西海岸のカリフォルニア州など、アジアからも比較的アクセスしやすい場所が多く、主催者側も日本に対して一定の配慮はしていたのではないかという見方もある。
データ改造の蔓延
(改造ポケモンの記事も併せて参照)
2023年には、改造ポケモンを手持ちに加えて大会に参加したとして多くのプレイヤーが失格になるという事態が起きている。
しかも、失格になった参加者の1人は、「ポケモンのトッププレイヤーの8~9割は違法なデータ改造に手を染めている。この界隈ならば誰でも知っていることだ」と述べていた他、同大会の予選の解析を行ったあるプレイヤーも、欧米圏や中国・韓国等を中心に多くの参加者が改造ポケモンを使用していたと主張している。
これが事実だとすれば、
- 上記の摘発者は氷山の一角にすぎず、主催者側の監視の目を搔い潜って試合を勝ち上がったプレイヤーが相当数存在していた可能性があるということになる。
- 歴代の優勝者の中にも改造ポケモンを使用していた者がいたのではないかという疑惑が持ち上がっている。
- 大会に併せて公式が配布する優勝者の使用していたポケモンの再現も、データ改造により不正に産み出された個体の再現である可能性がある。実際、2022年に配布されたウオノラゴンの元になった個体の所持者は、予選でパーティー内に多数の改造個体を入れていた疑惑が持ち上がっている(ただ、肝心のウオノラゴンが改造により生成された個体かどうかは裏付けが取れていないという)。
- 一応、公式が配布した個体は正規の手段と手続きを経て配布されたものなので、当然受け取っても何も問題はないが、そのデータの大元が改造によるものであったとすれば、受け取る側としても手放しでは喜べないのではなかろうか。
…等々、といった様々な問題が浮上することになる。
これを受けて、2024年大会ではより監視の目が強化されることになったが、今度は過去に公式から配布されたポケモン(色違いザシアン)が改造産扱いされて使用者が失格になるという事態になった。
運営側の不手際なのか、はたまた公平性を担保するためのやむを得ない措置なのかは現状不明だが、これでは改造ポケモンを規制するどころか寧ろ蔓延を助長させることになりかねないだろう(改造配信者に対して「公式が率先してデータを改造して生み出したポケモンを配布していた」というある種の“お墨付き”を与えてしまいかねないため)。
加えて、大会のルールの中でも「配布個体は正規の個体とは見做さないといったルールは特に設けられていなかった。もしも配布個体の使用を禁ずるのであれば、それを予めルールに明記しておくべきであり、どの道主催者側にも重大な落ち度があったと言わざるを得ないだろう。
いずれにせよ、このまま改造行為に対して手をこまねいているようでは、大会そのものの公平性や信用性が疑われることになりかねない。
大会のみならず、ポケモンというコンテンツの存続のためにも、今後、ポケモン開発陣および主催者側には今よりももっと具体的かつ踏み込んだ対応が求められると言える。
パチリスさん:2014年大会で観戦者の度肝を抜いたパチリス。詳細はリンク先を参照のこと。
世界コスプレサミット:単に「WCS」とだけ言う場合こちらの略称にもなるので、タグ付けの際は注意。
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