解説
『ファイナルファンタジー』の「エルフの村」にある墓地の墓石を調べるとその中に一つだけ「リンク ここにねむる」と表示される墓石がある。
いわゆるこの当時のゲームにおける「他社作品のキャラ名を使ったネタ」のひとつ。ちなみに『ファイナルファンタジー』がリメイクされても、このネタはきちんと残っている。
大元のネタ
実はこのお墓ネタは、1987年1月発売の『リンクの冒険』が家庭用ゲーム作品では最初であるのが有力な説。リンクの冒険では、とある墓石を調べると「ユウシャ ロト ココニ ネムル」と表示されるネタが存在し、まさか同じ年の12月にファイナルファンタジーでリンクの墓が出るとは任天堂も思っていなかったであろう。
見方によっては非公式ながらも初めて任天堂キャラとスクウェアキャラの共演だったとも言える。
相手は墓だが。
余談だが、ゼルダの伝説には「THE HYRULE FANTASY」の副題があったりするので、リンクの墓はハイラルファンタジーとファイナルファンタジーをかけたネタの可能性もある。
リンクはエルフ耳である為、エルフと思われがちだが彼はあくまでも耳が尖っている特徴を持つ「ハイリア人」である。
なお、海外版リンクの冒険ではこのロトの墓が存在しないとのこと。逆にリンクの墓はNES版FF1では海外版でのロトの名前「Erdrick」の墓になっているという。しかも生没年まで詳細に刻まれており、
Here lies Erdrick
837 - 866
R.I.P.
…となっている。となるとこの墓に眠るロトは29歳の若さで亡くなっている事がわかる。
※この800年代とされる時代かつ一体いつの人物なのかまでは不明。なお、リメイク版は日本語版と同じリンクに訳されている。
その為「ロトの墓」は日本ではリンクの冒険、海外ではNES版FF1を指す事となる。
よって当然であるが両者の公式設定では何も繋がりも無い。
ところが二十年以上の時を越えて、この墓に刻まれた者達が…(後述)
時をこえて…
まさかのご対面!?
リンクの墓ネタから二十年以上過ぎた2015年、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』にDLCとしてファイナルファンタジーシリーズからクラウドが参戦し、リンクと共演するといった事態が発生。
なんとも不思議な運命の巡り合わせとなってしまった。
ちなみに参戦イラストは野村哲也氏が手掛け、リンクとクラウドが鍔迫り合いをしているというもの。なお、リンクは肝心の勇者ロトとはこの時は出会う事はなかった。
そして2019年、まさかの展開が起きた。
まさかまさかのご対面!?
なんと、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』にこれまたDLCとして勇者ロトが現れたのである。
これは勇者の参戦によって実現した上に、なんと絶体絶命のピンチに陥ったリンクに駆けつけて助太刀に現れた。
しかもこの勇者こそが初代ロトの勇者であることが近年明かされており、カラーバリエーションでももう一人のロトの称号を持つ勇者が参戦した。
なお、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』のリンクはゼルダの伝説シリーズの中でも時系列的上は時代不明(ただし「最後」であることだけは明かされている)の『ブレスオブザワイルド』でのリンクであり、『ドラゴンクエストⅪ』勇者はロト三部作よりもはるか昔の時代の人物である説がある。
その為、厳密には『リンクの冒険』でのリンクは違う時代の別人であり、「ロトの墓」に遭遇したリンク自身は勇者ロトとは結局は実際に会った事が無い。つまり『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』でロトに直接会った事があるリンクは「英傑リンク」「トゥーンリンク」「こどもリンク」の三名のみ。
全ては勇者ロトの墓から始まった墓ネタ。ここにきて当時のゲーム業界では考えられなかった事が実現したのである。
更に勇者ロト(『ドラゴンクエストⅢ』の勇者)の声を担当する人が檜山修之で、初代ロトの勇者(『ドラゴンクエストⅪ』の主人公)を担当するのは斎賀みつき。かつてはリンクを担当した声優でもあった。思わぬ偶然に驚いた人もいたとか。しかも梶裕貴(『ドラゴンクエストⅧ』の主人公)もゼルダの伝説シリーズでリンクを担当した声優である為、三人もリンク役に縁があった事となる。
派生する『勇者の墓』
その後、ナムコのケルナグールでは『フリオニール、ここにねむる』(※フリオニールは『FINAL FANTASY Ⅱ』の主人公)も存在する他、「ゆうしゃのはかは めぐりめぐる ロトしかり リンクしかり」と、2019年現在からすると、まるでスマブラのことを予言しているかのようなものも言及している。
【ドラゴンクエスト(ロト)→ゼルダの伝説(リンク)→FF(Ⅱ・フリオニール)→ケルナグール】
ただ、ハドソンの『天外魔境Ⅱ』では名だたるゲームの勇者達の墓が、「外人墓地」という場所にフリーダムなくらい登場する始末。(※さすがにリメイク・移植では削除されている。)
↓
- 呂戸(ロト)
- 麻里魚(マリオ)
- 林句(リンク)
- 亜土留(アドル/イース)
- 競押王子(セリオス/ドラゴンスレイヤー英雄伝説)
- 嗚呼佐亜(アーサー/魔界村)
- 悪胡瓜(ワルキューレ/ワルキューレの伝説)
- 死門(シモン/悪魔城ドラキュラ)
見逃せないのは、ロト・マリオ・リンクそしてシモンがあるという事。ちなみに死門はコナミの月風魔伝に骸骨のムチ使いの敵として存在する。
『スターオーシャン Till the End of Time』(スターオーシャン3)には、「ユウシャ ロト ココニモネムル。」という墓がカルサアの町の墓地に建てられている。
関連タグ
ドラゴンクエスト ゼルダの伝説/リンクの冒険 ファイナルファンタジー