概要
CV:川上とも子(アニメ版)
CV:今井由香(ドラマCD版)
生年月日/1908年1月23日 身長/162cm 体重/47kg 3サイズ B/84 W/59 H/85
マグダラ修道会に所属する問題児シスター。アメリカ人なので、16歳で運転免許を所得している。
修道女(シスター)に似合わぬ破天荒で活動的な性格で、彼女が出動すれば必ず何かとんでもない物が大破する。いつも身に着けている懐中時計は、クロノとの契約の証であり、彼の悪魔の力の半強制的な封印でもある。クロノの力を使う毎に彼女の寿命は削られている。
アメリカの孤児院出身であり、悪魔(アイオーン)にさらわれた弟のヨシュアを探す為に、彼と敵対する悪魔のクロノと契約をした。
銃を武器として操り、特殊な弾丸を放って悪魔退治を行う。弾丸には連射可能な「聖油を詰めた聖火弾、聖弾(セイクリッド)」と、単発で強力な「福音弾(ゴスペル)」がある。物語後半では「四聖文字砲(テトラグラマトン)」というさらに強力な武器を装備する。
銃は破天荒さやギャップやRPGらしさを表す使い方をされており、「両手銃を片手で持つ」「経口の大きさが異なる二丁拳銃を振り回す」といった重力を意識しない描写をされていて、原作者とアニメ版のキャラデザの両方に「世界一銃の扱いがいい加減」「完全に見栄え重視」と言い放たれている。
『超解!クロノクルセイド』では『銃を乱射して敵の全身に一瞬で大きな十字架を切り刻む』という福音弾以上の物理法則無視の初期設定画が公開されていて、これまた解説者に「かなりの技術がいる」と突っ込まれている。
たまにシスターケイトのような体術を使う姿も見られる。
孤児な上に、いつも修道服を着ていて黒ずくめなため、たまにお洒落をすると舞い上がる(その最終形態がアニメ版の黒くて華やかなゴスロリ衣装なのかもしれない)。
50年前にクロノとアイオーンが対立する原因となった聖女・マグダレーナと髪と眼の色(アニメ版では声優も)が一緒である。
原作ではレミントン牧師への憧れ、ヨシュアと二人でした誓い、マグダレーナの幽霊に見守られて成長する姿など、「大人」という存在に固執する性格が目立つが、アニメではサテラのショタコンと同様に控え目になっていて、原作のラストの24歳版ロゼットやリリスが登場しない。
ロゼットが24歳で没したのと、サテラとフロレットが誕生石で編んだ12匹の晶喚獣を使役しているのはおそらく「時計」のイメージで、断じてオールドミス(サテラが転生した現代世界では死語)を意味するクリスマスケーキが由来ではない。
中盤のヨシュアと対峙したサンフランシスコの広場、シスターケイトの名前も時計のイメージなのかもしれない。
原作では口の大きい丸顔だが、ユニセックスな童顔にすることで、男主人公のサポーター役ではない女主人公らしさを表現しているのだと思われる。
アニメでは顎が細く女性らしい顔立ちになっているが、アニメ限定の設定(後述)以外が似合わない。
胸は序盤は普乳程度に描かれていた(孤児院時代はパンケーキみたいに薄い胸扱いされていた)が、アズマリアや日本人から見れば大きいらしく、アニメでは更に大きくなり、新装版では連載当時よりも大きく描かれている。
アニメ版は全体的に女性たちの胸が盛られて足が長くなっており、なぜか、サテラよりもロゼットの胸のほうがよく揺れる。
孤児院時代のロゼットの三つ編み二本はアニメでは描くのが大変なため、現在と同じか話ごとに変わる髪型で済まされる予定だったが、第一話から回想シーンが登場するため、急遽描き加えられた。
ネタバレ1
原作版ではあくまでも非力な元一般人の人間だが、マグダラで得た体術と各種武装、自らの信念と守るべきもの、そして戦いの中で得た絆(本来ならロゼットには使用が認められない極大効果武装すらも、この絆で使用可能にしてみせた)、その全てを武器として運命に立ち向かい勝利する、まさに絆を背負って人々のために立つクルセイダー(戦士)としてのキャラ付けがされている。
完全無欠のハッピーエンドとまではいかないものの、アズマリアや、悪魔(罪人)から解放されたヨシュアなど、後に続く者たちの脳裏に永遠に焼き付く生き様の背中を鮮烈に見せつけ、名も無き一般人として果てながらも後世を生きる人々に確かな希望を与え残して逝った。
一方のアニメ版では地上代行者の一人という設定になっており、聖女マグダレーナ(正しくは、マグダラのマリア)の転生体として特別な力と役割を持つ設定になっていて、アイオーンに攫われて囚われの姫状態となり、アイオーンに洗脳されて世界を混沌に陥れる黒い装束の(偽りの)聖女にされた。
当初こそ原作同様に運命に抗い続けるものの、原作と比べて精神的に追い詰められる描写が目立ち、最後にはアイオーンに捕らえられ悪魔たちの道具として洗脳され、人々を操るための(偽りの)聖女として仕立て上げられ、その後正気を取り戻すものの衰弱し、ヨシュアも記憶を失った廃人のままであり、最後は削られた寿命のリミットが迫り「死にたくないよ!」と泣き叫んだ後息を引き取るという悲劇のヒロインとしての結末を迎えている。
ただ全く救いがないという訳ではなく、クロノと共に最期の時を過ごし一緒に逝けた(最期の言葉は「クロノ...ありがとう...」)という部分では寧ろ原作より救われているのではないかという見方もある。
アニメ版は原作版の「非力な囚われの姫ではなく女主人公」「超人ではない、か弱い一人の人間」という最も重要なテーマを否定しているため、原作ファンには受けが悪いが、「元は普通の人間だったが、アイオーンに地上代行者に変えられてしまった」という設定にすれば、さほど批判はされずに済んだのかもしれない(ハッキリとパラレルにしないといけず、中途半端に原作に似せるのが許されない時代だった)。
後者の設定は、原作のロゼットが魔界の中枢部に憑依されそうになるシーンが近い設定であり、原作者がアニメ版の黒聖女ロゼットをDVD-BOXで描き下ろしていたのは、部分肯定の気持ちがあったのかもしれない。
ネタバレ2
ロゼットが敵だけではなく味方にも乱暴な言葉使いをするのが気になった読者がいるかもしれない。
序盤はギャグとして描かれており、ドラマCD版とアニメ版ではロゼットが常に愛嬌、ドジ、気遣いを交えたたトーンで話している。
実は、マグダレーナとリリスのある重要な設定とリンクしている。
リゼール戦のロゼットを見れば分かる通り、ロゼットは恋愛関係の不平不満があったらハッキリと口に出す性格で、悪女であるリゼールを撃つのも躊躇するシスターらしく慈悲深い性格なのが分かる。
余談
某ヨーヨー使いの男の娘(や、後発の数多のそっくりさん)に似ているが、登場はこちらが先であり、カジノでのドレス姿が某アスカとも言われてしまうが、『超解!クロノクルセイド』での初期設定画を見る限りは、最も影響を受けたのは某凶悪赤ずきんちゃんであるらしい。
中盤から00年代に流行していた絵柄に寄っていったせいか、某男主人公とも見間違えられやすい(アニメで中の人が同じになったのは偶然かもしれず、故・川上とも子女史に「死にたくないよ!」と言わせたのは完全な偶然である)。
手袋がナコルルに似ていて修道騎士の衣装が春麗に似ているが、こちらは意識しているかは不明。
ロゼットと本作は「男主人公の補佐役、守られ役、攫われ役ではなく、女主人公としてのヒロイン」(と、流行りの萌え漫画要素)を強く意識して作られているため、それに相当する有名作品を意図的にオマージュしているらしく、ストーリーがベタな王道少年漫画風なのも、その要素(ギャップ、インパクト)を強く引き立てるためである。
『クロノクルセイド』の物語のコンセプトは『RPG風』であるらしく、作者は『ドラゴンクエスト4』(勇者が男か女かで物語の解釈が変わり、恋愛要素を介するか介さないかで世界の見え方が変わり、ラスボスが同情の余地があるイケメンだった有名TVゲーム)のカットを商業誌で描いたことがあったりする。