概要
映画「レディ・プレイヤー1」の名台詞。
本作における唯一の日本語台詞であり、
劇中では「I choose the form of Gundam」と英語字幕が当てられている。
台詞が使用された経緯
※以下ネタバレ注意!
物語後半、仮想現実世界「オアシス」の所有権を巡る「アノラック・ゲーム」はクライマックスを迎えつつあった。悪の企業IOI社の傀儡シクサーズは最後の「鍵」が隠された惑星ドゥームを封鎖して鍵の独占を図ったが、主人公のパーシヴァル率いるガンター(エッグ・ハンター)達はシクサーズの暴挙を阻止すべく、オアシスに集う全プレイヤーの手を借りて総攻撃を開始した。
戦況はガンター側優位に傾きつつあったが、シクサーズの親玉ノーラン・ソレントは対抗策として強力なレアアイテム・メカゴジラを使用。日本人には馴染み深い音楽と共に実体化したメカゴジラはパーシヴァルの駆るデロリアンを破壊し、ガンター側の巨大ロボット戦力アイアン・ジャイアントをも圧倒してしまう。
絶体絶命の状況下、何故か瞑想を続けていたパーシヴァルの戦友・日本人のダイトウが遂に参戦。メカゴジラに反撃する切り札として、本編冒頭で入手した「2分間だけ好きな巨大ロボットに変身できる」レアアイテム「グレガリアス120」の使用を決意する。そして、ダイトウがこの世界の運命を懸けるに相応しい姿として選んだ巨大ロボットこそが……
「機動戦士ガンダム」
「俺はガンダムで行く!」
満を持してダイトウはRX-78-2ガンダムに変身!!
どこかで見たようなポーズを決めつつ、メカゴジラに戦いを挑んだのだった。
が、この変身は上記の通り2分間しか持たないという致命的な弱点があり、どうにかビームサーベルの一太刀を入れることはできたものの、時間切れで変身が解除された所をメカゴジラの放射火炎を浴びせられてあえなくリタイアとなった。しかし後を継いだアイアン・ジャイアントとヒロイン、アルテミスがメカゴジラの撃破に成功しており、その奮闘は2人の勝利に多大な貢献をした。
余談
このシーンは日本限定プロモーションビデオで公開されており、映画公開前から多くの映画ファン、ガンダムファンの間で話題になっていた。実際に鑑賞した視聴者からは「クライマックスの重要なシーンで使用された台詞だったので、視聴前の想像よりも遥かに興奮・感動した」という感想も見られる。また、本作は映像面の情報量が多いことから字幕のない吹き替え版を勧める声も多いが、クライマックスで突然日本語台詞を放つダイトウというカタルシスは原語版の特権という評価もある。
本来ダイトウが日本語を話す予定はなく、脚本上には別の英語台詞が用意されていたのだが、本作の監督スティーブン・スピルバーグが突然「このセリフは日本語でいこう!」と言い出したことで日本語に変更された。しかも、撮影現場にはダイトウ役の森崎ウィン以外に日本語が堪能な人が居なかった為、演者の森崎氏自らがセリフを考える事になったという。
森崎氏はガンダムシリーズのセリフをパロディ化する案(例えば「ダイトウ行きまーす!」など)も考えたが、ガンダムファンが不愉快に思う可能性やギャグっぽくなってしまうことを考慮し、あえてこのオリジナルのセリフを選んだとの事だが自身が本当にガンダムになった点を含めるとこの名言を彷彿させるところがある。
この判断に関しては一部評論家などから「パロディの多い作品なのだからガンダムシリーズの台詞を使うべきだった」という批判の声もあったが、「このシーンはパロディをするべき場面ではない」、「ダイトウにとってガンダムこそが世界の命運を託すに相応しいロボットであり、その決意を表明するには彼自身の言葉でなければならなかった」と森崎氏の判断を擁護する意見も多く、安易なパロディ台詞を使わなかったことは視聴者から概ね好意的に受け取られている。
後述するようにシンプルゆえに改変ネタがしやすいのも評価されたポイントだろう。
2020年に本作が地上波初放送された折には、Twitter上にてなんとガンダム作品及びガンダム関連情報(サンライズ公式、YouTube公式チャンネル、ガンダム40周年プロジェクトなど)の公式アカウントが軒並み「俺はガンダムで行く」を各々のガンダムの画像とともにツイートするという公式が病気な事態が起こり、多くの視聴者の笑いを誘った。
その森崎氏、2024年公開の映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の新キャラクター、グリフィン・アルバレスト役で出演が決定。ガンダムで行った人がまさかの登場となった。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』単独インタビューでもその事について言及している。
国籍別ロボットネタ
公開当初、「ガンダムが登場するのは日本公開版限定」というデマが流れており、それがきっかけとなって「スピルバーグ監督がもし各国別公開バージョンを作ったならば、ダイトウはどんなロボットで出撃し、どんなセリフと共に出撃しただろうか?」というネタが生まれている。
例えば、
ってな具合。 ……って、全部日本のロボットじゃん!
実際に各国の本作視聴者がどういう妄想をしたのか不明だが、夢は果てしなく尽きないものである。
ちなみに変身時のガンダムのポーズが初代ガンダムではなく、ZZガンダムのものだった理由は、原作者のアーネスト・クライン曰く「カッコイイからだ!」。上記の公式Twitterがこの台詞に乗っかった際にはちゃっかりサンライズ公式がZZのこのポーズをチョイスしていた。
pixiv上では
他作品のロボットに同じポーズをとらせたイラストも存在するが、ポーズ関係なしにガンダムのイラストでタグが付けられているケースもあるようだ。