概要
1980年10月4日から1981年3月28日にフジテレビ系で放送された特撮人形劇。永井豪作で漫画化も行われた。製作は『仮面ライダー(新)』の着ぐるみ造形を担当したコスモプロダクション。
宇宙戦艦「Xボンバー」のクルー達と宇宙からの侵略者「ゲルマ帝国」との戦いを描く。
知らないと勘違いしがちだが、メイン画像で大きく描かれている巨大ロボは「ビッグダイX」と言う名前であり、Xボンバーは右上に描かれている宇宙戦艦の事である。
国内では『電子戦隊デンジマン』と『料理天国』(一部の地域では『太陽の使者鉄人28号』も)との裏番組だった事から視聴率が伸び悩んだうえに制作・撮影スケジュールの遅れにより幾度か総集編を組むのを余儀なくされている。それを見て2クールで打ち切りと思っている視聴者もいたが、制作費と人形劇特有の撮影による関係上当初から2クール放送と決めていた様子。
『サンダーバード』などの数々の特撮人形劇を生み出したイギリスでは『スターフリート』と名を改め、1982年に放送され人気を博した。一応国内でもカルト的な人気はあり、現存する人形やセット、資料を使用した展示会も開催されている。
あらすじ
第三次星間戦争が終結し平和を取り戻した太陽系に、「ゲルマ帝国」が出現。冥王星前線基地を壊滅させ、一気に太陽系へと進行してきた。
この危機に対し、人類はドクトル・ベン指揮のもと「X計画」を発動。地球防衛総合指令本部のジェネラル黒田は宇宙戦艦Xボンバーのクルーおよび艦載機「トリプルアタッカー」にして合体ロボット「ビッグダイエックス」のパイロットに宇宙戦士訓練学校の銀河シロー、ボンゴ・ヘラクレス、ビッグマン・リーの三人を指名する。
銀河の平和を守るため、そしてゲルマ帝国が引き渡しを要求している「F-01」の謎を解明するためXボンバーは宇宙へと飛び立った。
登場人物
地球
- 銀河シロー(CV:古川登志夫)
本編の主人公。Xボンバーの設計者である銀河三郎博士の息子。父親からプレゼントされたとされる銀色のヘルメットを被っている。ブレインダーのパイロット。
- ボンゴ・ヘラクレス(CV:千葉繁)
アフロヘアーの黒人。直情型でシローとよく対立する。ジャンボディーのパイロット。
- ビッグマン・リー(CV:龍田直樹)
小太りの白人。のんびり屋だが武器のスペシャリストでもある。レッグスターのパイロット。
- ドクトル・ベン(CV:寺島幹夫)
Xボンバーの艦長。銀河三郎博士の親友で、死んだ彼の遺志を継ぎXボンバーを完成させる。
- ラミア(CV:小山茉美)
ベンの秘書を務める女性。Xボンバー搭乗者の生活管理担当。
- PPアダムスキー(CV:三ツ矢雄二)
口うるさい球形ロボット。
- 宇宙怪獣キララ(CV:銀河万丈)
ラミアのボディーガードを務める毛むくじゃらの宇宙怪獣。
- ジェネラル黒田(CV:柴田秀勝)
地球防衛軍司令官。
- 銀河三郎(CV:寺島幹夫)
シローの父親で、調査中に消息不明になるが…
ゲルマ帝国
- ゲルマ魔王(CV:銀河万丈)
宇宙支配を目論むゲルマ帝国の魔王。
ゲルマ帝国太陽系方面先遣隊指揮官。顔の半分に男性の顔がついている。
- コズロ(CV:野本礼三)
ブラディ・マリーの手下。顔の半分にムカデが付いたようなデザイン。
- ゲドラ博士(CV:緒方賢一)
ゲルマ帝国科学部主任。兵器開発を担当するサイボーグの科学者。
- カスター司令官(CV:若本規夫)
地球防衛軍冥王星前線基地司令官で、シロー達の教官。ゲルマ帝国侵攻時に消息不明となるが、帝国に洗脳され敵として立ちはだかる。
- エイリアン
ゲルマ帝国戦闘員。蟻のような姿をしている。
- サイボーグコマンド
ゲルマ帝国特殊戦闘員。カマキリのような見た目をしている。
その他
- ハレー(CV:森功至)
謎の宇宙船ドクロ号の船長。ラミアの兄。
宇宙戦艦としてのXボンバー
外宇宙からの侵略に対抗するための地球防衛プログラム「X計画」によりムーン・ベース地下で極秘裏に建造された巨大宇宙戦艦。1話時点では9割程度の完成度での出撃であったため初戦では苦戦し月面に不時着し敗北するという不名誉な成果を挙げてしまっている。
全長259mにも及ぶ巨体を持ち、X型の左右上下各対照な主翼と水鳥のように長い艦首が特徴。
光速飛行はもとより、亜空間航行も可能とした宇宙船である。
住居エリアや製造エリアといった生活環境に適したエリアを艦内に設置しており、生活資材や食料の長期保管、艦内での植物の栽培も可能としている。これにより長期間の宇宙生活(地球時間換算でおよそ1年以上)や作戦行動を実現。また製造エリアを使用しての武器開発・製造も行える。
左右両舷と艦底に艦載機である「トリプルアタッカー」各機を搭載、そのほかにも惑星探索用の小型艦載機やバギーなどを搭載している。
機首部分を上方に展開し、そこから出現する2連エネルギー砲・「ブレスト速射砲」や機首のX機関砲、翼部にあるX電磁砲、特殊ミサイルである電磁ナパーム、艦首ブリッジ左右側面にある二連装の回転式銃座や爆雷などの武装を装備しており、単機での戦闘能力は地球圏はおろか、外宇宙の戦艦の中でもトップレベルといえる。またスペクトル探査性能や航路追跡装置といった索敵機能類も装備している。
翼端にある4機の砲門から同時発射されるエネルギー光波「Xインパルス」がXボンバー最大の武器。ただし1回のチャージにつき1発の発射しかできず、全駆動エネルギーの90%を消費する関係上発射直後は戦闘能力が皆無となる弱点を持つ(その欠点を補うためにトリプルアタッカーが搭載されていると言えなくない)。劇中では切り札的扱いをされているがゆえに、使用回数はそれほど多くはない。
スペック
全高 39.5m
全長 259.5m
全幅 38m
総重量 7万600t
主題歌
オープニングテーマ「ソルジャー イン ザ スペース」
エンディングテーマ「銀河漂流」
作詞:藤川桂介
作曲:山本恭司
編曲:バッハリボリューション
唄:BOWWOW
各話リスト
放送日 | 話数 | サブタイトル |
---|---|---|
1980年10月11日 | 1 | スクランブル・Xボンバー |
10月18日 | 2 | 奇襲ゲルマ艦隊! |
10月25日 | 3 | F-01を探し出せ! |
11月1日 | 4 | 輸送船団消滅す! |
11月8日 | 5 | 謎の帆船ドクロ号! |
11月15日 | 6 | 旅立つXボンバー! |
11月22日 | 7 | 重力墓場の死闘! |
11月29日 | 8 | 涙を越えて銃撃せよ! |
12月6日 | 9 | 追いつめられた司令官! |
12月13日 | 10 | 銀河漂流 |
12月20日 | 11 | サヨナラ永遠の戦場! |
12月27日 | 12 | 宿敵はカスター大尉 |
1981年1月3日 | 13 | 激闘! Xボンバー対ゲルマ軍団 |
1月10日 | 14 | 宿命の少女ラミア |
1月17日 | 15 | XボンバーM星に死す! |
1月24日 | 16 | 連れ去られたラミア |
1月31日 | 17 | 氷の牢獄で眠れ! |
2月7日 | 18 | ブラディマリー昇進! |
2月14日 | 19 | 牢獄惑星を爆破せよ! |
2月21日 | 20 | F-01暗殺作戦 |
2月28日 | 21 | M13総攻撃開始! |
3月7日 | 22 | M13明日なき戦い! |
3月14日 | 23 | ゲルマ母艦へ突入せよ! |
3月21日 | 24 | 地球絶体絶命! |
3月28日 | 25 | 銀河新世紀元年 |
関連タグ
鋼鉄神ジーグ … 原作者繋がりで、主人公達の乗る宇宙戦艦にXボンバーのデザインが流用されている。
グロイザーX … 原作者繋がりおよびX繋がりのおよそ3年前の作品。こちらは主役機そのものがロボットに変形する。
フジテレビ系土曜日夕方6時台アニメ・特撮枠 … 6時台前半枠と後半枠を含め唯一の人形劇・特撮番組だった。