概要
『機動戦士ガンダムSEED』の最終回「終わらない明日へ」において遂に始まったキラ・ヤマトが駆るフリーダムガンダムとラウ・ル・クルーゼが駆るプロヴィデンスガンダムの最終決戦。
その決戦において、クルーゼは叫ぶ。
クルーゼ「知れば誰もが望むだろう!君のようになりたいと!君のようでありたいと!」
人間は、自分にないものを持つ者を妬む。
自分より優れている者を妬む。
それが差別を生み出し、戦いを生む。
だから、クルーゼは言う。
クルーゼ「ゆえに許されない!君という存在を!」
しかし、呪詛に満ちたクルーゼのこの言葉に対して、キラはこう反論した。
キラ「僕は…それでも僕は、力だけが僕の全てじゃない!」
そう叫んだキラの脳裏には、自身が無事に帰って来るのを祈っている養父母のヤマト夫妻や双子の姉であるカガリ・ユラ・アスハの姿が過ぎっていた。
クルーゼ「それが誰にわかる!?」
上述したキラの台詞に対してクルーゼがそう糾弾した直後に、ドミニオンから退艦したフレイ・アルスターの姿が映る。そう、フレイが。
彼女も最初はキラをザフトに殺された父・ジョージが嫌悪していたコーディネイターとして見なしていた。
しかし、キラと一緒にいる内に、誰よりもキラのことを知った。キラを一人の人間として見るようになっていったのだ。
実の父によって最高のコーディネイターとして生み出されたことから高い能力を持つがゆえに妬まれ、疎まれ、利用され、傷ついてきたキラ。
序盤から中盤におけるアークエンジェルでは能力だけをずっと見られ、人間なのに人間として見られることがなかった彼の心からの叫びと言える。
余談
ゲーム『スーパーロボット大戦Z』のミネルバ一時残留ルート第51話「決別」or原作再現ルート第56話「最後の力」のエンドデモにおいて、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公「シン・アスカ」がキラと再会した際、キラも迷いながら戦っていたことを知り、キラは血も涙も無い悪魔などではなく自分達と同じだったのだと理解を示して、こう言った。
シン「…あなたも人間だったんですね…」
台詞回しとしては一見突拍子のないように聞こえるが、第1次連合・プラント大戦ではスーパーコーディネイターとしての人生に翻弄されてしまっていたキラを「普通の人間」であると認識した台詞とも取れるため、スパロボZにおけるキラにとっては救いのある台詞だったのかもしれない。
また、アーケードゲーム『機動戦士ガンダムExtream Versus 2 Over Boost』にて、ドレッドノートイータで参戦した「カナード・パルス」(C.E.73年時)が、前大戦時におけるプレア・レヴェリーとの出会いと戦いによって丸くなったお陰か、各時代におけるキラに対して、
カナード「キラ・ヤマト、俺もお前も生き方は違う。代わりなどいない、1人の人間だ」
と、唯一の同胞であるキラを諭すような台詞が存在する。
関連タグ
キラ・ヤマト:言った側
ラウ・ル・クルーゼ:言われた側
???:アンサーとも言える台詞。※ネタバレ注意