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概要

HELLSING』の原作、OVA共に4巻で登場する少佐のセリフ。


ミディアン(作中における闇の世界に跋扈する人外の総称)を使役してイギリスを脅かす謎の集団。

その正体が、第二次世界大戦の際にイギリスと敵対しその敗北と共に消え去ったはずのナチスドイツの残党であったことが発覚する。調査の結果、彼らの一部は中立なはずだったバチカンの内通者の手引きで密かに南米へと脱出していたのであった。

その後、内通者は裏切り者としてイスカリオテの手で宗教裁判によって射殺された。


そしてついに、映像回線を通してインテグラらイギリスとバチカン当局担当者らの前に姿を現した彼らの首魁こそが少佐ことモンティナ・マックスであった。

彼は「我々に目的などない」「手段の為には目的を選ばない者もいるのだよ」といった意味深なことを述べた後に吸血鬼化した部下に自身の上官を食殺させる様子を生配信する。この凄まじい行いに、イギリス側の円卓会議メンバーは騒然となった。


これを見たイスカリオテ機関長であるエンリコ・マクスウェル


「狂っているよ、貴様ら」


と吐き捨てる。

これに対して少佐は、


君らが狂気を口にするかね? バチカン・イスカリオテ。


ありがたい事に私の狂気は君達のが保証してくれるというわけだ。


ならば私も問おう・・・


君らの神の正気はどこの誰が保障してくれるのだね?


と余裕満々の笑みで言い放ち、マクスウェルはプライドを傷つけられながら戦慄する。


少佐は続けて「狂っている?何を今さら。 半世紀程いうのが遅いぞ!!自分たちナチス武装親衛隊と、お前たちのしてきたことに何かを違いでもあるのか?(大意)」と言い放つ。


よろしい、結構だ! ならば私を止めてみろ。自称健常者諸君。


しかし残念ながら私の敵は君らなどではないね。


私の敵は英国? 国教騎士団? いや、そこに嬉しそうにたたずんでいる男だ!


最後に少佐は、イスカリオテや円卓会議、さらにはその場を仕切っていた英国のクイーンといった面々を差し置いてかつて自分達を殲滅した長年の怨敵であるノーライフキングたるアーカードへと宣戦布告する。

これに対してアーカードは大笑いしながら「素敵な宣戦布告だ。良いだろう!何度でも滅ぼしてやろう!」と受けて立つ。


これを合図に、インテグラの命令でアーカードは少佐からの特使であるシュレディンガー准尉を銃殺。そして准尉が持参したモニター越しに哄笑をあげる少佐へ新米吸血鬼のセラス・ヴィクトリアが銃弾を打ち込んでモニターを破壊、これをもって彼らへの返答とした。


そして、英国のクイーンはその場の面々に対して、いずれ少佐らナチス残党によって行われるであろう第二次ゼーレヴェー作戦(=イギリス上陸作戦)、その迎撃を指示するのであった。




ここでは直接は触れられてはいないものの作中ではたびたび仄めかされていることでもあるが……

ここでの少佐の『問い』の意図とは、

マクスウェルらの勢力がバチカン(カトリックに属していることを踏まえたで、イエス・キリスト絶対さや自身ら精神の神聖さを謳いながら、実際にはご都合主義や人間のエゴ正義の名目で誤魔化したうえで十字軍による異教徒虐殺や破壊行為、世に名高い魔女狩り、あるいは侵略者コルテスフランシスコ・ピサロらによるアステカインカ帝国殲滅など(プロテスタントらも加えるなら原爆投下なども加算されると思われる)ジェノサイド案件を頻発させてきたキリスト教………

その歴史を踏まえたうえで、「人のこと言えた義理かい虐殺集団(ジェノサイダー)?自分の思想の為に虐殺するのは君らも自分たちも同じだろ?君らと違って私らは自分を正義だとは思ってないけどね(笑)」という冷笑であり究極の皮肉である。


そして、これは国益の名のもとに外道行為を繰り返してきたイギリス、その君主(当時)や指導部であるインテグラたち円卓会議や王立国教騎士団への批難も含まれると思われる。


とはいえ、「暴力を振るっていい相手は悪魔達と異教徒だけです」とかつてアレクサンド・アンデルセンが述べているように、この有り様こそが神への信仰正義の証しであると少なくともイスカリオテ関係者は自負しているために、自分たちの全否定ともとれるこの発言を受けたマクスウェルとアンゼルセンは


今度の(※滅ぼすべき)神はマーズ(戦いの女神)だ‼


いいだろうアバズレめ、神罰の味噛みしめるといい・・・


と怒りを滾らせている。

結局、神の名の元での暴力行使なのか……(困惑)


よろしい、ならば戦争だを筆頭とする彼の名言のひとつであり、それがそのまま少佐らミレニアム大隊やイスカリオテと共にアーカードがこれまで吸収した数多の命を兵隊として開放、放った死の河を浴びる形で跳ね返ってくるブーメラン発言の代表たる名シーンである。


とはいえ、そもそもHELLSINGのテーマは人間讃歌の皮をかぶった悪役讃歌であり、上述のように『自分たちも狂っていることを自覚したうえでの相手への意趣返し』というのが実態である。



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