概要
『地獄のデビル・トラック(Maximum Overdrive)』とは1986年に、ホラー小説家のスティーヴン・キングが、彗星の接近とともに機械が暴走し人々に襲いかかるという自身の短編を脚色し監督したホラー映画。
ビデオソフトとして『ザ・トラック』という題名でも販売されており、1998年には『トラックス』という題名でリメイクされた。
あらすじ
1月14日、地球に接近した謎の彗星がアメリカ上空を通過するのと同時に、様々な機械装置が意思を持つことで暴走を始め、次々と人々を襲い始めた。
ノースカロライナ州の町ウエリントンでは、たまたまガソリンスタンドおよびドライブインにいた店員と客達は、大きなグリーンゴブリンの仮面を付けたトレーラーをリーダーにしたコンボイ軍団の襲来を受け、ガソリンを給油し手入れしないと命は無いと、機械と人間の立場が逆転し支配されてしまった。
しかし、人が使う道具を含めた銃器類は暴走せずに使用できることに気付いた、ドライブイン「ディキシー・ボーイ」の厨房で働くビル(演:エミリオ・エステベス)を初めとした生存者たちの反撃が始まるのだが...
余談
ベストセラー作家であるキング初監督作品であるが、この作品によって映画監督の才能は無いと評価されることとなり、キング自身もこの作品は失敗作であったと認めている。
キングは冒頭で暴走したATMが「ASS HOLE(ケツの穴)」と画面いっぱいに表示し始め、現金を引き落とすことができなかったマヌケな客役で出演している。
音楽はロックバンドAC/DCが担当。
人々を襲い始めた機械の描写はバカバカしいものが多い(電光掲示板が「FUCK YOU」と表示、自販機が缶ジュースを飛ばして殺人、ラジオが大音量で鼓膜を破る、アイスクリーム販売車が明るい曲を流しながら生存者を探しまわるなど)が、この描写が大好きだというB級映画ファンも一定数いる。
その他キングの小説の映画化作品には、邪悪な意思を持った器物が人を襲う『クリスティーン』や『マングラー』、異常事態になった世界をミニマムな視点で描き高い評価を得ている『ミスト』などがあり、シチュエーションの一部に共通点が見られる。
関連タグ
※器物が謎の力で意思を持ち人間に反乱を起こす作品群
- MOTHER:キングの小説の影響が見受けられるアメリカ風の世界が舞台のFC用RPG。黒幕によって操られ人を襲うようになったモノ系という分類の敵モンスターがおり、系統上位のモノはデビルトラック、マッドトラック、デストラックである。
- 戦国魔神ゴーショーグン:主役ロボゴーショーグンの必殺技ゴー・フラッシャー・スペシャルは、宇宙の意思ともいわれるビムラーエネルギーで機械に自我を持たせるものである。
- ウルトラシリーズ:カナン星人のオーロラ光線は電子頭脳を操り、機械に負の感情を持たせるものであるといわれる。