曖昧さ回避
本項ではいずれも取り上げる。
アーサー・ヘイリーの大空港
1968年に発表された。
シカゴの空港を舞台に、様々な出来事がやがてひとつの大事件へとつながってしまう様子を描く。
ユニバーサルスタジオ(ユニバーサル映画)の手によって映画化され、1970年3月にアメリカで公開された。
監督はジョージ・シートン。出演はバート・ランカスター、ジョージ・ケネディほか。後述のドラマとは関係はないが、どちらもオールスターキャストによる大作という共通点がある。
エアポートシリーズ
映画のヒットを受けてジョージ・ケネディ扮する整備士ジョー・パトローニの活躍を描く続編が制作された。制作にはアーサー・ヘイリーは一切関与しておらず、作品ごとにパトローニの立場は異なる。
このほかにもアルバトロス社によって「エアポート○○」という邦題がつけられた作品が多数存在する。
松竹の大空港
「大空港…。そこには、人の出会いがあり別れがある。人生の始まりがあり、終わりがある。そして、時にさまざまな人間の欲望が渦巻き、犯罪が侵入し、また脱出しようとする。これは、その大空港と大空とを、命をかけて守る男たちの物語である」
※全話で使われたオープニングナレーションより。
本作は1978年7月から1980年3月にかけて、フジテレビ系列局(一部系列局除く)・月曜21時台にて放送された。全78話。
成田空港(=成田国際空港/旧・新東京国際空港)を舞台に、そこに設置された警察庁・国際刑事課直属の特殊セクション・空港特捜部に配属された総勢11人の刑事達の死闘を描いたもの。
アクション描写の充実を特色とし、特に爆破やカーアクションは松竹のカラーを否定したもので垢抜けないながらもとにかくド派手。
知らずに観れば「これは本当に松竹なのか!?東映か東宝、あるいは大映テレビか石原プロモーションの間違いだろ!?」と言いたくなるほど凄まじかった。
ちなみにカースタントは西部警察と同じ三石千尋とマイク・スタントマンチームと、現在でもニチアサでおなじみのタケシレーシングが担当している。
出演者は、現在の目から見ても豪華絢爛な面々だった。
【熱い心を強い意志で包み非情の掟に命を懸けた、心優しき空港特捜部の11人の戦士たち】
- 加賀弘之(鶴田浩二)
- 空港特捜部の部長で通称チーフ。警視。鶴田の「特攻崩れ」というキャラを活かした描写が多い。
- 海原保(高岡健二)
- 特捜部の通信担当。ヘリコプターの操縦免許を持っており上空からの偵察も行う。
- 立野謙一(岡本富士太)
- 特捜部の射撃の名手。海原や後述の鯉沼とは同期なのか息のあった行動を見せる。
*全話出演。ただし岡本扮する立野は最終回で殉職したため、ラストシーンまで出たのは鶴田(加賀)と高岡(海原)のみだった。
- 鯉沼三郎(中村雅俊)
- 特捜部の熱血刑事。中村の代表作『俺たちの旅』を思わせる性格が特徴。第36話で殉職。
- 神坂紀子(片平なぎさ)
- 特捜部の紅一点で通称ノンコ。格闘戦の名手。第51話で海外に転属するが、その後アムステルダムで殉職したことが明かされる。
- 梶大介(緒形拳)
- 加賀と若手刑事の間を取り持つ中堅刑事。警部。通称長さん。加賀から自身の後任として期待されていたが第14話で殉職。
- 薮下行男(田中邦衛)
- 殉職した梶に代わって本庁から来た2代目長さん。警部。かつては加賀の部下として活動していたこともある。英語以外の外国語が得意。
- 菊池徹(黒沢年男)
- 殉職した鯉沼に代わって神奈川県警から来た刑事。その無鉄砲な性格からついたあだ名はバクダン。最終回で殉職。
- 西條慎吾(永島敏行)
- 沖縄県警から特捜部に志願した刑事。第55話で恋人との婚前旅行を間近に控えていたところで銀行強盗と相討ちになって殉職。
- 水島さゆり(石川さゆり)
- 神坂の後任としてSPから来た特捜部の紅一点。かつてサッチャー首相の護衛を担当したことがある。特捜部での初任務で修道院に潜入したことから通称シスター。最終回で突然加賀への愛の告白をしてしまう。
- 紺野真(三浦浩一)
- 殉職した西條に代わって所轄から来た刑事。通称バッタ。所轄では問題児だったらしく特捜部でも暴走気質。
*殉職交代等のメンバー。最終回のラストシーンまで出たのは田中(薮下)・石川(水島)・三浦(紺野)のみだった。
成田空港の開港のいきさつがいきさつだったからかかなりハードな展開が多く、放送期間1年9ヶ月の間に6人の刑事が殉職してしまった。最終回でも黒沢(菊池)と岡本(立野)が殉職。転勤した神坂(片平)も殉職した設定にされた。
本作以上に殉職者が多かった警察署やここ以上にハードな犯罪に立ち向かうハメになっていたあの警察署でもここまでハイペースで殉職者は出ていないような気もするが…?
またスポンサー絡みからか、一時期の筆頭株主絡みからそれらの親会社が車両スポンサーになっていた(共同で日本航空も協賛)。
また制作体制も過酷で、成田~東京~大船と複数のロケ地を転々としていたという(海外や地方ロケもやっていた)。
*故に羽田空港(=東京国際空港)でのロケはザラで、施設内〈特に駐車場や免税店〉も大船撮影所近隣での撮影が多かったようだ(最終回のロケ地は横浜ドリームランドだった)。
末期になると予算が削減され過去のカーアクション映像の流用や、中期でも「こっちだってスケジュールが手一杯なんだ‼」と言わんばかりにゲストキャラを小人数にし空港特捜部・本部のセット中心の舞台劇に近い密室ミステリー話も作られた。
本作の第1話と最終回は鶴田浩二のキャラクターを象徴するかのように「同期の桜」と「車の特攻」で始まって終わる。
正に「ウチのトレンディは、派手なアクションと悲壮な殉職話だ!!」といえる名作だった。
ベストフィールドからDVDボックスがリリースされているが、放送期間や話数の多さ故に全6セットとなっている。
また勇壮なメインテーマ曲である菅野光亮による『大空港のテーマ』は、『刑事魂』(=UPCH-1320/ユニバーサルミュージック)にシングルヴァージョンが収録されている。
外部リンク
関連タグ
大空港'92:空港特別管理官という肩書きのチームが活躍する捜査ドラマ。