概要
てんとう虫コミックス13巻及び、藤子・F・不二雄大全集18巻に収録。
プラスチック製の模造品の宝が中に入っているこの宝箱をロケットで打ち上げて、帰って来た地図を頼りに探しに出かければ、手軽に宝探しの気分を味わうことができる。
ストーリー
のび太は読んでいた漫画を読み終えるとその面白さに感激し、何かを思いついて行ってしまいドラえもんは気になってその本を手に取ってみると『どくろ山のたから』というタイトルだった。そしてそれは主人公の少年が倉の中で古い地図を見つけて、その謎を解いた末に宝を発見するという内容だった。
感づいて後を追ってみると案の定のび太は、影響を受けて家の物置を物色していて、そんな所から宝の地図が出て来る訳ないと説明。すると今度は「やっぱり倉じゃないと無理かねぇ」と、家の中に入って行き、ママに背後からしがみついてうちも倉を建てようと持ちかけていたため、「あれは作り話なんだから、本気にするばかがいるか」と説明。
「どうせ僕はばかだよ」とふてくするのび太だったが、夢のない世の中だとつぶやくとドラえもんは仕方なく「宝さがしごっこセット」を出してくれた。これの説明をした後これを使って宝探しの気分を味わうことを提案したが、のび太がプラスチックの宝に不満げだったためパパのカメラとママのネックレスも入れることにし、のび太は見つかったら大変なことになると大反対したが、その方が夢中で探すことになるからとドラえもんに言われそのまま宝箱が発射された。
宝箱が遠くの山の中目掛けて飛んでくと、その時ママがジャイアンから電話がかかってきたと知らせてきたので出てみると、八つ神山へハイキングに行くから連れて行ってやるとのことだった。この時のび太が断った際に宝探しのことを言いかけたためバレそうになったが、何とか誤魔化して部屋に戻るとロケットが帰ってきたことをドラえもんから知らされ、そこには「死神山のどくろが見つめる一本杉の根本に埋めてある」と書かれてあった。
始めはほんとの宝探しのようだと興奮していたが、その死神山がどこにあるのか分からなかったため地図で調べても載っておらず、ママに聞いても分からなかった。そこで先生に電話をかけてみたが、漫画ばかり読んでないで勉強するよう叱られてしまい、どうしていいか分からなくなりついにのび太は「こんなくだらない遊びより、八つ神山へハイキングに行けばよかった」と泣き出してしまった。
しかしその時、八つ神山というのは「し、に神」の暗号で4と2をかけるといくつになるか質問した。のび太は6と答えたがすぐにドラえもんは8と訂正し、つまり八つ神山のことを示していて、どこでもドアを使い現地に移動し捜索を開始。だがのび太がどくろが何か分かっていなかったため、そのことを説明しそれの形をした岩か何かがあるはずだと思い、その時岩に腰かけ休憩している一人の男性を発見したため尋ねてみると、彼からもこの辺でどくろ岩を見なかったか質問された。
どうしてそれを探しているのか驚きながら聞き返すと、そんなこと君達に関係ないだろと言い、知らなきゃいいんだとどこかへ行ってしまった。これにのび太はひょっとして自分達の埋めた宝を横取りしようとしているのではないかと不安になったが、ドラえもんはあの宝箱のことは自分達しか知らないはずだと言い、とにかく先に見つけようとのび太と共に探し回ったが一向に見つからなかった。
するとその時ママが昼食ができたと呼んできたため、一旦家に帰って大急ぎでそれを済ませ、ママは自分の作ったごはんがそんなに美味しいのかと笑顔だったが、のび太がうっかりネックレスとカメラのことを言いかけたため気付きそうになってしまった。ドラえもんは慌ててのび太を連れて山に引き返すと、そこでジャイアンとスネ夫に遭遇したためまた大慌てで逃げ出し、その先で現地の男性からどくろの形をした岩を知らないか質問。
しかしその岩は道路ができた時に削られてしまったとのことで、あった場所も全く定まらず古いことだから忘れてしまっていた。だがこの時ドラえもんが、あの紙にはっきり「どくろが見つめる」と書かれていたことを思い出したため岩ではなく他の物だと思い、その時先ほどどくろ岩を探していた男性が現地の男性にその岩について尋ねていたため、慌てて先を急ぎ、出会った少年にこの辺でどくろを見なかったか質問。
「見た」と言われたので付いて行ってみるとそこは学校で、更に見せられたのは校長先生の鼻の大きなほくろだった。これにのび太は絶望して再び泣き始めたが、その時ドラえもんが理科室の骨格人体模型に気付き、これが見つめる先に一本杉もあったため急いで行ってみると、先ほどの男性が同じ場所をシャベルで掘り返していた。止めに入ってもここ宝を埋めたのは300年前も昔の人で、自分は古道具屋で見つけた昔の巻物を手掛かりしたと言い出した。
中身の文字は待全く読めなかったが、男性曰く簡単に言えば「どくろ岩の下に宝が埋めてある」とのことで、それをたった今突き止めたとのことだった。そして両者共先に宝を掘りだそうと必死になり、そこへドラえもん達を付けて来たジャイアンとスネ夫が現れたためシャベルを貸して手伝ってもらうことに。2人も出た宝を半分もらえることになると夢中になって掘り始め、ついにジャイアンが何かを掘り当てたが、それは古びた汚い箱で、のび太は「これじゃない」と男性の方に放り捨ててしまった。
そして今度こそ宝箱を掘り当て皆は大喜びしていたが、その中の宝がプラスチック製だったためドラえもんとのび太はジャイアン、スネ夫から睨まれることとなり、一方男性は、箱の中身が大量の大判小判だったため大喜びして万歳三唱していた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版においては1979年9月17日及び1988年8月12日に、水田版では2012年3月30日及び2024年11月30日にそれぞれ放送している。
1979年版
- サブタイトルは「宝さがしごっこ」。
- 冒頭でドラえもんはボーっと窓から外を眺めており、のび太が物置を物色する下りはカットされている。
- ドラえもんが宝さがしごっこセットの説明をするシーンではイメージ映像が追加され、ドラえもんはこれを打ち上げる際カウントダウンを行っている。
- ママがのび太にジャイアンからの電話を知らせる描写は描かれていない。
- のび太はどこでもドアで死神山に行った際、リュックを背負い、水筒も持ってきている。
- ドラえもんとのび太がママに昼食に呼び出されたり、村人の男性にどくろの岩の場所を訪ねる下りはカットされている。
- ドラえもんとのび太はジャイアンとスネ夫を穴掘りに手伝わせた際、宝を半分あげるとは言っていない。
- ラスト、ドラえもんとのび太は本物の小判をよこせと追いかけて来るジャイアンとスネ夫から逃げている。
- 本編終了後のショートアニメは海賊の衣装を着たドラえもんが宝箱を開けると、その中には大量のどら焼きが入っていて、同時に上からもどら焼きが降ってきたため、喜んで大口を開けてこれを食べているというもの。
1988年版
- サブタイトルは「死神山の宝物」。
- 冒頭でのび太は真剣な顔で机に向かっていたので、ドラえもんは進んで勉強しているものだと勘違いして涙ぐんでいたが、本当は漫画を読んでいた。更に漫画の中身も全編映っており、のび太はこの漫画の主人公とヒロインをそれぞれ自分としずかに置き換え、倉で巻物を発見して、解読し、宝がある地獄嶽に登り、武者人形に襲われながらもの洞窟で宝を見つけ、夕日を見つめるまでを想像している。また、のび太は神無月の意味が分からなかったので、ドラえもんに意味を尋ねており、最後のび太が本当は漫画を読んでいたことを知ると、ドラえもんはあきれ果てている
- のび太は物置の中で巻物を見つけ、宝の地図かと思ったが、本当はだるまの掛け軸だった。またこの後、のび太に後ろから抱き着かれた際ママは、初めお小遣いのことだと勘違いし、小言も色々早口で言っている。
- のび太はいやに倉に執着しており、宝さがしごっこセットを出された時も最初は倉を建てるための道具だと勘違いし、中の宝物を見た際も、この宝で倉を建てようとしていた。
- 宝さがしごっこセットを打ち上げた音に違和感を感じたママは、またドラえもんとのび太の仕業だと思ったが、その直後にジャイアンから電話がかかってきたので、のび太に知らせた。
- ジャイアンはスネ夫に荷物を持たせるからと言ってのび太をおびき出そうとしていた。しかし、のび太が誘いを断ったので、荷物は全部スネ夫が持つ羽目になった。
- のび太はヒロインが必要と思って、しずかも誘い、彼女も乗り気で参加している。その後地図を広げ皆で死神山を探すも見つけられず、のび太は「かみ」が付く山の名前をふざけて幾つも列挙するが、「そんなんあるわけないでしょ!」とドラえもんにツッコまれ、八つ神山に行けばよかったと弱音を吐いたことで、しずかが死神山の本当の意味がそれであることに気付いた。このため、死神山の場所をママや先生に尋ねる下りは描かれていない。
- ドラえもんたちが会った宝を探している男性はサングラスをかけた白髪白ひげの壮年の男性。
- スネ夫が重い大量の荷物を運ぶ中、ジャイアンが歌を歌いながら意気揚々と山を登る下りや、ドラえもんたちが川辺で昼食を取っている下りが追加。そのため、今回もドラえもんとのび太がママに昼食に呼び出される下りは描かれていない。
- ドラえもんたちがどくろの形の岩を訪ねた村人の男性曰く、その岩はもう30年前になくなっており、なくなったのは開発が進んだから。
- 校舎の中で骨格標本を見つけたのはしずか。
- ジャイアンとスネ夫は歌いながら下山しているところに、ドラえもんたちが通りかかったため、急いで宝は渡すまいと穴を掘った。
- 先ほどの男性が捜していたのはドクロ岩という、どくろの形をした大岩で考古学的にとても貴重なものだったのだが、開発で地中に埋もれてしまったため、捜し回っていたとのこと。
- これにより、男性は代わりに掘り出してくたことをドラえもん達に感謝し、ハッピーエンドかに思われたが、「どこが素晴らしいんだよ!」とのび太はジャイアンとスネ夫に追い回されるんのだった。
2012年版
- 今回のび太が読んでいた本は漫画ではなく、イラスト付きの小説で、タイトルは『どくろ山の秘宝』に、内容も洋風のものにそれぞれ変更されている。
- のび太はママに倉を建ててとお願いするも、「バカなこと言ってないで、倉が建つくらい勉強なさい」と言い返されてしまった。
- ドラえもんが宝さがしごっこセットを取り出すと、のび太はさっそく物色を始めるが、中身がプラスチック製だと分かると、途端にやる気が失せたため、ママのネックレスだけ入れることにした。
- 隠し場所のヒントは庭に勢いよく刺さり、ジャイアンの電話から戻ってきたのび太は危うくこれに刺さるところだった。
- 今回もドラえもんとのび太は1988年版と同じく死神山の場所を地図で探すが、見当たらなかったので、ママに訪ねおり、その後先生にも訪ねた。
- ドラえもんからどくろの概要を聞いた際、のび太はガイコツの海賊が迫りくる姿を想像し、一人怖がっていた。
- 今回ドラえもんたちが会った宝を探している男性はガイコツのような顔をしており、体系もやせ型。
- ドラえもんとのび太が昼食を急いで食べる様子は原作通り描かれているが、食事中のママのセリフはカットされ、その代わり2人にネックレスを知らないか訪ねており、これに慌てた2人は宿題があると言って急いで引き返した。また、2人が引き返してきた時、ジャイアンとスネ夫は昼食におにぎりを食べていた。ちなみにスネ夫が食べていたおにぎりの中身はキャビア。
- ドラえもんとのび太は少年に出会う前、大きな穴が開いた大岩を見つけ、これをどくろ岩だと勘違いした。ちなみに2人と会った時、少年は虫取り網と虫かごを持っていた。
- 一本杉を見つけた際、先ほどの男性も同じく一本杉を目指していたので、慌てたドラえもんとのび太は陸上ボートを全速力でこいで一本杉にたどり着いた。
- その後、この2人はスーパーてぶくろと普通のスコップを使ってたからを掘り出そうとし、そこへやって来たジャイアンとスネ夫にも宝を半分あげると持ちかけたが、「全部よこせ」と交渉決裂したので、別々に掘っている。
- 大判小判が入っていた箱は千両箱で、最後怒ったジャイアンとスネ夫は「宝の代わりにお前を埋めてやるぅ~!」と言い放ち、のび太はドラえもんに助けを求めている。
2024年版
- のび太が本を読んでいた一方で、ドラえもんはジュースと共にプリンを食べていた。
- 倉を建てようというのび太に対しママは、「お金持ちの家じゃあるまいし、そんなもの建てられるわけないでしょ!」と言っていた。
- ジャイアンはスネ夫の家から野比家に電話をかけていたため、そばにはスネ夫もいた。
関連タグ
ドロンボー:昭和版では「ドクロストン」という1988年版に登場したドクロ岩と似た見た目のアイテムを捜しまわっていた。また、大山版での、のび太とジャイアンの中の人は女ボスとその怪力担当の部下を演じている。ちなみにもう一人の部下の中の人も別の藤子作品でレギュラーキャラを担当していた。