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概要編集

1968年4月28日放送。

脚本:藤川桂介

監督:鈴木俊継

特技監督:的場徹


あらすじ編集

地球防衛軍参謀室からウルトラ警備隊に、明朝6時より星ヶ原一帯で野戦訓練が行われることが通達された。目標となる戦車隊はマグマライザーが遠隔操縦することになるという。

訓練であっても気を引き締めていくようにというキリヤマ隊長。


フルハシとアマギが射撃練習の一環でクレー射撃をしていると、アオキと名乗る一人の男がやって来た。アオキはふたりを挑発し、飛んできた的だけでなく鳥まで撃ち落とす抜群の射撃の腕前を見せつけた。

二人が本部に戻るとマナベ参謀とアオキが出迎えた。アオキはウルトラ警備隊が預かることとなる隊員で、明日の野戦訓練にも参加するという。将来的にウルトラ警備隊の一員として活躍することになるかもしれないと期待されている男だった。

そこに伊豆方面から国籍不明機が侵入したと通達が入った。

たかが1機や2機なら一人で十分と豪語し志願するアオキ。マナベ参謀からお目付け役にフルハシが指名されふたりで現場へ急行する。だが実はこれも訓練の一環であり、キリヤマとダンの乗るウルトラガードが吹き流しをつけて飛んでいた。

フルハシは安堵しつつアオキに「気楽にやれ」と呼びかけるが、アオキは吹き流しを撃ち落とすとウルトラガードに猛攻撃を加える。

フルハシは制止するが、アオキは「撃ち落として当然だ」と答える。

あの吹き流しが見えなかったのかと反論するフルハシに、アオキは「手心を加えろって言うんですか。私たちは敵機の侵入を告げられえて出てきたんですよ?そんななれ合いの訓練でお茶を濁して何の役に立つんです!?」と聞く耳を持たない。フルハシに「引き返せ」と一喝され4人は基地に帰投する。

参謀室でマナベはアオキにキリヤマとダンを紹介する。なかなかやるじゃないかとダン。キリヤマは笑顔で「危うく殺されるところだった」と小粋なジョークで答えるがアオキは「本当はウルトラ警備隊の欠員が2名出るところでした」と憎まれ口を叩く。マナベ参謀はハリキリ男なアオキをダンに預ける。了解するダンだが、アオキは内心そんなダンに対して「今に見ていろ」と敵意を抱いていた。


星ヶ原近辺に不審な地震反応が感知された。ただちに現場へ飛び出そうとするアオキを制止し、ダンはアオキとふたりで調査に向かった。

アオキがポインターの地中レーダーを起動すると異常な反応がこちらに向かってくる。ダンが外の様子を探ろうと外に出るとアオキはポインターを急発進させる。

砂山の付近で不審な反応をキャッチしたアオキは独断でポインターのミサイルを発射する。

追いついたダンが何かあったのか尋ねるがアオキは「あの辺が怪しい」とだけ答えてしらばっくれる。

相手がいるともいないとも分からないのに攻撃して何になるとダン。


野戦訓練は予定通り実行されるが、同時に砂山付近の調査も並行して行われることになった。

キリヤマ隊長はダンに砂山調査を任せる。ソガが付き合うというがダンは「もう一度彼を連れていこうと思います」とアオキを指名した。

そのころアオキはマグマライザーの格納庫にいた。操縦席で点検をする中西隊員に挨拶するアオキ。殊勲賞は必ず取ると豪語するアオキにあなたたちには負けませんよと自信満々の中西。

中西が立ち去るとアオキはマグマライザーに発信機を取り付ける。

発信機を頼りに敵がマグマライザーを襲ってくるかもしれない。アオキはそれを叩き潰して功績を挙げようとしていた。


翌日、ダンとアオキは砂山の調査に向かう。そこでふたりが見たものは真っ白に硬直し変わり果てた姿になった中西たちマグマライザー乗員の姿だった。

野戦訓練が行われている演習場でもソガとアンヌが動き出したマグマライザーが実弾を使っていると疑問を抱く。

4人はキリヤマ隊長に異常を報告する。

ダンはマグマライザーの奪還を志願する。アオキも志願するが思いあがるなとフルハシ。しかしキリヤマ隊長はふたりにマグマライザーの奪還を命じた。


ポインターで無人戦車隊に近づくダンとアオキ。

俺一人犠牲になったってやっつけてやるとアオキ。ダンは制止しようとするがそこに戦車隊の砲撃が着弾。ダンは気絶してしまう。

手榴弾を手に戦車に肉薄するアオキ。


「ダンに勝てたんだ…。栄光は俺がつかんだんだ…!」


しかしそこにマグマライザーの猛攻が迫る。

至近弾で重傷を負うアオキ。

「畜生、ダンに栄光を…!」

その間に回復したダンは手榴弾で戦車隊を撃破しつつマグマライザーに突入。そこにはプラスチック怪人プラチク星人の姿があった。

ダンはウルトラセブンに変身。プラチク星人も巨大化し、セブンと格闘戦を繰り広げる。背負い投げで昏倒したプラチク星人は岩陰に隠れ、降伏するかのような仕草を見せる

。命乞いに油断したセブンが両手を下ろして背を向けた瞬間、プラチク星人は後ろセブンにプラスチック液を噴霧する。

セブンはマグマライザーの乗員同様、巨大なマネキン人形のように固まってしまう。

勝ち誇ったプラチク星人はスペースタンクに帰還するが、セブンはすぐに復活。再度巨大化したプラチク星人と交戦。お互いのエネルギーがなくなる直前まで戦いは続き、セブンは必殺のエメリウム光線を発射。プラチク星人の体は一瞬で燃え上がった。


ダンは瀕死のアオキに駆け寄る。アオキはダンに自分のための栄光が欲しかったと伝え、本当はスペースタンクを目撃していたことを教える。

それを報告しておけばとアオキ。貴様の独断で何十人もの隊員が犠牲になったとダンはアオキを殴打する。許しを請うアオキにダンは生きて償いをするんだと答えた。

その時、後ろから骨だけになってもまだ生きていたプラチク星人が迫って来た。それに気づいたアオキはダンのホルスターからウルトラガンを取り出しプラチク星人を撃ち抜いた。


「ダンさん、これがあなたへの償いです……」


そう伝えるとアオキは力尽きた。


「馬鹿だな、貴様……」


ダンは自分のヘルメットをアオキの亡骸の胸に置いた。駆け付けたフルハシとソガもアオキに敬礼する。


「アオキ…ウルトラ警備隊の栄光は…必ず守るぞ…!」


余談編集

最後の成田怪獣編集

ウルトラQ』からウルトラ怪獣のデザインを担当していた成田亨氏は今話を最後に降板し、次話『悪魔の住む花』からは池谷仙克が担当する。


ゲスト出演編集

アオキ隊員を演じたのは、『仮面ライダーV3』の結城丈二/ライダーマンや『電人ザボーガー』の大門豊で知られる山口暁氏。円谷作品では『戦え!マイティジャック』にも出演している。

満田かずほ監督によると『戦え!マイティジャック』にレギュラー出演したのは本話ゲスト出演というよりは『忍者部隊月光』と担当プロデューサーが同じだったからと語っている。

プラチク星人に殺されてしまったマグマライザーパイロットの中西隊員を演じたのは『スーパーロボットマッハバロン』の嵐田陽一郎博士や『電磁戦隊メガレンジャー』の校長先生役で有名な小倉雄三氏。


エリートと風来坊編集

異様なほどダンをライバル視するアオキ。ダン役の森次晃嗣は後年「ダンはいきなりウルトラ警備隊の隊員になってしまったから他の地球防衛軍の隊員からやっかみを受けたんじゃないだろうか」と語っているが、アオキは突然現れた風来坊にウルトラ警備隊隊員の座を奪われたと感じていたのかもしれない。


またアオキは参謀本部期待のエリートで中西たち一般隊員からも一目置かれている相応の自信家である一方、ダンは独断専行の気があるためか終始厳しい態度を見せている。ひとりで突っ走ろうとする後輩に厳しい姿は後のMAC隊長としてのダンの片鱗がみられる。


脚本との相違編集

脚本ではアオキは荒木という名前で、彼を紹介する参謀もマナベではなくタケナカだった。

また独断でスペースタンクを攻撃した際に負傷した荒木がメディカルセンターでアンヌの治療を受けるというシーンがあった。

そのほかダンが荒木と共に参謀室を退室した後、キリヤマが「何か足りない。おかしい奴だ」と荒木がウルトラ警備隊の隊員になるには足りていない要素があることを見抜く台詞があった。

エンディングでは荒木がダンにタンク目撃の件を告げたり殴られる場面はないが、調査時にタンクから攻撃される展開もない。完成映像ではダンも姿を現したタンクからはっきり攻撃を受けており、矛盾した展開となっている。


地球防衛軍の火器・兵器編集

演習に参加した一般隊員が持っている小銃はM1カービン。東宝の『殺人狂時代』で使用されたものを流用したと言われている。

アオキの持っている拳銃は上下に太い銃身を備える独特の形態であり、おそらく発火ギミックも仕込まれていたと思われるが劇中で発砲することはなかった。

アマギとフルハシが射撃練習で使っていた散弾銃は実銃ではないかと言われている。


地球防衛軍の無人戦車はIV号戦車に酷似している。当時発売されていたラジコンを改造したものではないかと言われている。一部カットには東宝特撮映画でおなじみ61式戦車も映り込んでいる。


ロケ地編集

射撃訓練は八王子市御殿山のクレー射撃場。

演習場は千葉県館山市の平砂浦。助監督の安藤建己が幼少期から慣れ親しんだ場所だったため推薦したが、何度もポインターがスタックしてスタッフ・キャスト総出で押し出したという。


関連項目編集

ウルトラセブン


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