CV:井上麻里奈
概要
16歳の高校1年生で、りんねのクラスメート。
様々な霊に遭遇してきたために肝が据わっており、非常に冷静沈着で何事にも動じない強靭なメンタルを持つ。神隠し以前は年相応に無邪気な様子を見せており、現在の冷静さは、数々の霊視体験を経て身に付いたものと思われる。
クールで淡々としているが、物腰が柔らかく、困っている人や幽霊のためならばすすんで尽力する心優しい性格。時として大胆な行動に出ては、優れた洞察力と機転でりんねのピンチを要所で救っている。
しっかり者で面倒見がよく、作中では数少ない常識人にしてツッコミ役だが、本人もやや天然おっとりであり、若干ズレた発言をすることも。
また、るーみっくヒロインでは珍しく、暴力を振るわない稀有な存在である。もっとも、怒っていても通常運転で顔色を変えないため、実力行使以上に恐ろしかったりするのだが……。
そんな彼女も一度だけ本気で怒った時があり、その剣幕はりんねが腰を抜かすほどであった。
ちなみに彼女の体質は、堕魔死神によってあの世に連れて行かれそうになったところを魂子に助けられた際、輪廻の輪の世界で売られていたべっこう飴をうっかり買い与えられたことによる。
この出来事を忘れさせるために魂子から催眠術を掛けられるも、微かに記憶が残っており、りんねとの出逢いを通じて記憶が完全に蘇った。以降はりんねと積極的に行動を共にすることになる。
貧乏なりんねや六文の事情を理解しており、浄霊の手伝いがてら頻繁に差し入れをしている。料理上手で、ときどき手作りの弁当を携えていくこともあり、りんねには「宝石箱」と好評である。
人物
紫紺色の瞳をもち、基本的にはふんわりとゆるいウェーブがかかった茶色の長い髪を三つ編みに結わえているが、服装によって三つ編み以外の髪型をすることもある。
基本的に服装は高校の制服である紺のブレザーにミニのプリーツスカートを着用しており、空を飛んでいても中身が見えない鉄壁スカートの持ち主。
作中や扉絵では晴れ着・浴衣や水着姿を頻繁に描かれている。
アニメ第14話と36話と62話では浴衣姿を、14話と37話と62話では、魅惑的な水着姿を披露した。
私服は常にスカートやワンピースを着用することが多いが、ジーンズやショートパンツ等のパンツスタイルも披露している。
作中の出来事も彼女目線で語られており、語り部も担っている(アニメでの字幕文字は黄色、主人公カラーとなっている)。
かなりの美少女で、りんねをはじめ、小学生時代から十文字に惚れられており、霊からも告白されるなど非常によくモテる。また、三界高校の多数の男子生徒からは同学年・他学年問わず密かに思いを寄せられている。しかし、いかんせん恋愛に鈍感であり、本人に「好かれている」という自覚がないケースが多い。ただし、告白されたら、相手の気持ちを慮りながら丁重かつストレートに断っている。
面倒見がよく、つきあいも良いため、人間関係もほぼ円滑に回す。
特に六道家の面々との結びつきが強く信頼を得ており、当然のごとくりんねの嫁のように扱われている。
能力
幽霊が見え、意思疎通ができること以外は普通の人間と変わりないが、悪霊化した霊たちをたびたび改心させたり、良心を取り戻させたりと、彼女の優しさや行動力で救われた霊は数知れず。
りんねからは浄霊の素質を見込まれており、彼曰く「修行すれば一流の死神になれる」とのことだが、当の桜はその気が全くないため、死神になれなくていいと直後にアッサリ断りを入れている。
りんねの仕事を傍で手伝い続けてきたため、浄霊の手順を心得ており、その作法はベテラン死神の魂子も感心するほど。物語中盤頃には死神道具を自身の手で使いこなしている。
桜の死神道具
- 除霊砂時計
例の神隠しからの帰り道で貰った試供品。虹色の砂が落ち切るまで霊を寄せ付けないという強力な死神道具。有効期限は約10年。桜は自室の机の引出しに入れている。
- 霊が見えなくなるキャンディー
魂子から貰った開発中の試供品。その名の通り、舐めると霊が見えなくなる飴玉。効き目は3日間。
- 追萩月(おいはぎづき)
萩の文様と三日月をあしらった神秘的な死神の鎌。キツネその他の憑依型の霊に対応しており、通常の浄霊だけでなく、人間から取り憑いた霊を分離する追い出し機能を備えた伝説の死神道具。
魂子の死神道具だが、桜が鎌から持ち主認定されたことにより一時的に所持した。最低7体の霊を浄化すると、持ち主認定が解除される。
- 退魔結界ヘアゴム
りんねから貰った死神道具。泡玉の中に貝殻が入った可愛らしい髪飾りだが、身に付けることで破魔の結界を放ち、あらゆる悪霊から身を守ることができる強力なアイテム。
桜に関係があるもの
- イルカのぬいぐるみ
りんねがとってくれた大きめのイルカのぬいぐるみ。あまり可愛くない見た目だが、桜に気に入られているのか常にベッドの上に置かれており、作中でも頻繁に登場している。
アニメ第3期では、エンドカードにイルカのぬいぐるみを抱いた桜が描かれている。
- 境界石のブレスレット
りんねと日帰りデートした際に、三途の川で拾った境界石を加工してブレスレットにし、りんねからお揃いでプレゼントされた。物語の終盤で、二人にとってキーアイテムとなる。
りんねとの関係
詳細は、カップリング記事「りんさく」を参照。
りんねのことは「六道くん」と呼んでいる。
出会った当初は半ば巻き込まれるような形で浄霊に協力していたが、りんねとの関わりを通じて次第に自分の意思で彼の仕事を手伝うようになる。
自ら霊に関する依頼を引き受けることも多く、真っ先にりんねに提供・相談するなど、りんねと彼の浄霊の実力を誰よりも信頼している。
逸話
名前
初期構想段階での名前は「七穂」(苗字は「真宮」のまま)であったことが、原作者の初期ネームで明らかにされている。
また、主人公のりんねも初期構想での名前は「りん」であった。
その他
漫画家・あだち充は、一番好きなるーみっくヒロインに桜を挙げている。
りんねを演じた石川界人も、最も理想で一番好きな高橋留美子作品の女キャラに桜を挙げている。
声優
アニメ化にあたり、声優はオーディションで選ばれた。桜役の井上麻里奈は、当初から桜役で指名を受けており、オーディションを受けるチャンスをもらえて嬉しい反面、これまで演じてこなかった役柄のため、「自分は桜に合わないのではないか」という悩みもあったとのこと。
しかし後日、井上を桜役に選んだのは、原作者である高橋留美子であったことを高橋本人から告げられたという。
ちなみに高橋は自身の作品がアニメ化される際、キャラクターの声優選びは基本的にスタッフや制作側にお任せするのが常であるため、今回のようなケースは非常に稀である(同例だと、過去に犬夜叉(主人公)役に山口勝平を指名したことがある)。
上記の経緯もあり、井上は非常に驚いたと同時にとても光栄でしたと語っている。(なお、これらのエピソードは、2022年9月11日に福岡で開催された、桜の母役で共演した平野文とのトークショーにて明かされた。)
後に高橋は、「RINNEで声がついて一番生き生きしたキャラクターは?」という質問に桜と答えており、井上の声と演技力、そしてアフレコ現場での共演者への気配りを絶賛している(『境界のRINNE』原作者の高橋留美子先生に聞いてみた!前編-NHKアニメワールド)。