概要
能條純一が1987年から1989年にかけて「週刊モーニング」(講談社)で連載したピカレスク劇画。
若くして日本の頂点に立った悪のカリスマ・竹田翔丸が権力を握るきっかけになった「翔丸組事件」について、本人や関係者が回顧する。
話らしき話はなく、雰囲気を楽しむ漫画。
あらすじ
中学時代、竹田翔丸はいじめられっ子だったが、ある日自分の顔にカッターで傷を付けた事で、顔に傷をつけた者を洗脳する能力が覚醒。いじめっ子の渡辺清等を配下に加え、中学を首席で卒業する。
翔丸は敢えて底辺校の曙高校へ入学、数日で掌握する。
その後、極道・佐伯組や米軍関係者を支配下に置き、日本のフィクサー・神堂一に戦いを挑む。
登場人物
本作の主人公で悪のカリスマ。自分が支配したい者に対して「翔丸組に入るんだ」と言い、カッターで顔に傷をつける。翔丸組を率い日本掌握を目指すが、理由は「生きること……ゲーム」「死ぬこと……ゲーム」「人生……すなわちゲーム」「……とりあえず日本が欲しい」。
翔丸を苛めていたが、顔を切られ手下と共に忠実な配下となる。神堂が差し向けたヘリコプターに機銃で撃たれ、志半ばにして戦死。本編の一部と言える「翔丸組回顧録」を遺した。口癖は「翔丸組はヤワじゃねえ!!」。
佐伯組組長の息子。曙高校の支配者として傍若無人にふるまっていたが入学してきた翔丸に屈服し、後藤に「器が違う」と忠告する。
佐伯組を取り仕切る若頭。翔丸組入りを拒否し必死に抵抗するが、在日米軍も取り込まれているのを知り降伏。
佐伯組組長。「東のドン」と呼ばれる。後藤の紹介により翔丸と会い、息子の明男に銃で威嚇され、翔丸組に入る。
神堂コンツェルン総帥。地元「神堂市」に「神堂駅」を造り「神堂祭」を開催させ、「日本はこのわしだ」と自負するフィクサー。自分が作った新興宗教「水明新教」の信徒などに翔丸を襲撃させるも失敗。最後は屈服し、自宅の窓から外を眺め、見過ごしてきた世界の美しさに涙する。
朝売新聞の記者。顔に傷を持つ人物を調査し翔丸の存在を知る。本作で関係者が過去を語るシーンは、田所によるインタビューと思われる。
BEFREE!との比較
同時期に連載されていた江川達也作の人気漫画『BEFREE!』とは何かと比較された。
共通点
- 学校が舞台
相違点
【BEFREE!】
- 戦いではなく対話で日本の解放を目指す
- 日本のフィクサー・虎子光秀一郎(元祖)に一度は敗れるも、30年後に笹錦洸が文部大臣になり、勝利する。
【翔丸】
- 暴力と恐怖で日本征服を目指す
- 最終的に日本の支配者に勝利する。
パロディー
小林まことのギャグ漫画『ホワッツマイケル』に「ニャー丸」と言うエピソードがある。
ニャー丸は他の猫の顔を爪で引っ掻いて「翔丸組に入るんだ!!」と言い、支配していくが、ある時、突然姿を消す。正確には7日と10時間23分45秒まで……!
実はあちこちで子供を作りまくって迷惑を掛けたため動物病院で去勢されていたのであった。その後は一転してオカマくさくなった。
関連タグ
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