概要
金大正とはアルファシステムのシューティングゲーム『式神の城』シリーズに登場する術者プレイアブルキャラクターである。
シリーズ内の登場作品は式神の城(以下I)、式神の城II(以下II)及び七夜月幻想曲。
プロフィール
人物
―祖国は二つ、御母は七人。儒家の教えに背き、弟子の仇を探して戦う重罪人―
在日三世の道士。Iでは在日朝鮮人と表記されて居たが、II以降は在日韓国人に改められた。本家がソウルにある事から、国籍変更では無く半島籍の総称であると思われる。
従妹の金美姫が登場した他、本編未登場の姉も仁王剣の所有者であるらしい。
喫煙者であったが、年長者の前で喫煙を禁じる儒家の掟から喫煙の機会がなかなか来ない。
外国人街の住民として『年端もいかない子供は国籍を気にせず触れ合うべき』との考えを持つが同時に在日韓国人である自身の立場を苦々しく思う節があり、旧軍化自衛隊の首魁である醜藤島や外国人時代劇役者の悪バウマンと対峙した際には真っ先に被害者の国籍を口に出して居た。
特殊攻撃を不法購入した銃器に頼る辺り、術者としての素養はプレイヤーキャラ中最低であると思われる。人類の決戦存在や世界の未来等人間やめて居る奴等が集まる本作では、道士一族の家柄など紙切れ以下に過ぎないのだ。
本筋から外れた所で絶体絶命の大ピンチに陥ったり腐女子のエサにされる等ストーリー上の扱いも不遇である。
性能
だがそれは設定上の話であり、ゲーム中の彼は恐るべきキャラ性能を持つバランスブレイカーである。大体STGの特殊攻撃など回数制限があって滅多に使う物では無いので、そこまで気にする必要など無かったのだ。
通常攻撃は正面に菱形の2WAY弾を連射し、同時に渦状の誘導弾を6個1組でばら撒くもの。
一見他のSTGでもよく見る普通の攻撃だが本作内で複数種類の通常弾を撃てるのは彼だけであり、特に誘導弾は回避に専念する間にも勝手に敵を蹴散らしてくれる事から重宝された。
式神は二振りの剣を進行方向前後に切っ先を向けて纏わり付かせる。リーチは短いが威力は相応に高く、レバガチャで振り回せば周囲の敵を一掃可能。レベルアップすると三振りの剣をY字型に展開する様になり、敵に密着する事で2本を同時に当て高火力を出すことも可能。
この段階になるとリーチもかなり長くなり、画面中央で敵弾を避ける内に勝手に振るわれて大量の敵を倒してくれる。
また通常時と式神使用時の速度差が大きい事も、動きに緩急を付けて敵弾を避けやすくする事に繋がった。
尤も式神の城が弾幕シューティングである以上プレイヤーに弾避けの技術が無ければゲームの進行すら儘ならない上、Iは稼ぎポイントであるラスボス第一形態での稼ぎ性能でスコアが決まる様なゲーム構成だった為当時そこまで問題視する声は聞かれなかった。
問題はIIになり、バリエーションの弐式を手に入れてからである。
上下の動きに合わせて振るわれる左右二振りの巨大な剣を浮遊させるもので、Iの最大レベルに相当する壱式より若干移動速度が速い。
しかしこれが画面の横幅に匹敵する長さを持った剣とは名ばかりのVレーザーであり、大抵の式神は威力が極端に低いか攻撃範囲が特殊過ぎて使いづらい本作で威力範囲使いやすさの3拍子が揃った狂性能であった。
大抵の道中では画面の中央に陣取って剣先が画面の上両端に来るよう調整し、あとは敵が撃って来る弾を左右にチョコチョコ避けてさえ居れば飛び回る雑魚が剣に引っ掛かって勝手に倒されてくれる。
仮に雑魚敵が四方八方からワラワラ湧いても剣を上下にバタバタ振れば画面の大部分を薙ぎ払ってしまう、正に至れり尽くせりの式神なのである。
式神での撃破スコアが高く式神の強さが稼ぎ性能に直結する本作で彼が稼ぎ頭となるのはある意味当然の結果であり、おまけに通常攻撃も死角無しと非の打ち所が無い。これによって全国の稼働店ではゲーム内の総合ランキングを上から下まで金弐式が席巻する事となり、この惨状から当時プレイヤーの間では、「製作陣が韓国からゴネられた」『エンディングで収監されたのはスコアアタックで暴れ過ぎたのが原因』と囁かれた物である。(テコンドーの師範であった事から、同じ苗字の格ゲーキャラをもじって『偽善者』とも)
尤も当時先鋭化と高難易度化を極めて居た弾幕シューティングに於いて(シリーズ内で見ても奇跡的に完成されたバランスの)本作が初心者の入門用として推奨されたのも確かであり、(ゲームシステムの根幹に関わる様な能力とは異なるシンプルで)使い勝手の良い強キャラの存在は初心者救済の為に必要だったのでは無いかとする意見も否定できない。
容姿
逆立った髪と無精髭の骨張った輪郭の顔。糸目で表情に乏しく、会話の際には身振り手振りを交える。
Iでは黄褐色のトレンチコートを着込み、片手には銃器が詰まったギターケース。
IIではトレンチコートを脱ぎ、龍の模様が入った道士服で登場。
IIのエンディングでは収監されて囚人服姿となり無精髭を剃り落としたが、七夜月幻想曲では囚人服のまま再び無精髭に戻って居る。
経歴
―輝け!我が仁王剣!
仁義礼智信厳勇!
すべての徳を携えて!―
大久保の生家で道士として修行する傍ら外国人街に国際交流の場を作ろうとテコンドーの道場を開設したが、2005年7月に門下生の一人(ステージデモ及びボス戦での台詞から日本籍の女性である事のみ判明)が悪美代子とその式に惨殺され仇討ちを決意。
ヤクザを脅迫して密売品の銃器を買い占め道家の教義に反する敵討ちに乗り出した事で、本家と警視庁の両方から追われる身となった(暴力団からの落とし前は警察が捜査に乗り出した事で有耶無耶になったと思われる)。
Iでは定年退職間近の刑事山下浩太郎からの依頼で事件の真相を調査するも、途中で山さんが何者かにでっち上げられた架空の存在である事を察知。エンディングで電話越しに問い質した所、中の人・RSは黒幕セプテントリオンの存在を告げて連絡を絶つ。
以降、警察の追手から逃亡しながら事件の真相調査に乗り出す事となる。
山さん及びセプテントリオンの扱いについては媒体毎に異なり、ファミ通文庫版では一年がかりで正体を突き止められたものの翌夏に行われた大規模儀式魔術で玖珂光太郎への攻撃用に顕現し討伐された。以降セプテントリオン日本支部から事件の関係者として捕獲対象になり、逃走時の巻き添えで大勢の一般人が犠牲となって居る。
電撃版ではIIの時点でも正体が割れずに、山さんは組織公式の任務でRSへと押し付けられた。
ゲームでは再来日したRSから、Iの山さんは組織の計画とは無関係な自身の私的利用であった事を明かされて居る。
IIでは異世界人・マイトさんからの依頼でねじれた城の最奥部に有る世界の秩序討伐と三剣の回収に赴く事となる。
また本作から何をトチ狂ったのか大悪女ふみこ・オゼット・ヴァンシュタインにぞっこんであり、空気を読まずに告白しては煙たがられて居る。
IIのエンディングで自首、七夜月幻想曲では収監中の彼に度々面会する事となる。IIIでは表向き収監中であるものの、司法取引の結果並行世界で戦っており未登場である。
未公開シナリオによると、釈放されはしたものの儒家に戻れず行き場を失った彼は萩邸の居候としてヒモ生活を送る事に成った様である。遥か未来の絢爛舞踏祭では、当時のふみこであるニャメ=ナナ=ニャンコポンが彼と思しき亡夫の事を語って居たが・・・
関連人物
金美姫 - 本家出身の従妹だが、入れ違いで登場した形になり未だに共演を果たせて居ない。尤も、本家の目的からして会わずに越した事は無いのだが・・・
ふみこ・オゼット・ヴァンシュタイン ― 想い人。
ヘイハチロー=ノギ - 息子疑惑アリ。尤も彼自身実父の死後数百年経ってから生まれた試験管ベビーなので、生前顔を合わせる事など叶わなかった事に成るが。