CV:下屋則子
『Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ』の世界の間桐桜。
「…先輩には選んでもらえませんでしたけど、でもやっぱり大好きだから、わたしが護ります」
イリヤたちのいる世界
私立穂群原高等部1年。
この作品では、魔法少女となったイリヤと美遊の活躍を描いているため、イリヤたちのいる世界にはほとんど登場しない。
それでも(少なくとも表向きは)平凡な女子高校生として暮らしており、凛やルヴィアの知らないところで積極的に弓道部の先輩・士郎にアプローチをかけているもよう。その様子を目撃したルヴィアは桜に「なんですの!? あの泥棒猫!!」と激怒していたが、同じく現場を見ていた凛は、その様子を見て過剰に客観性を保とうと努めている複雑な表情を浮かべていた。
しかし実は、この世界でも間桐家は魔術家系。美遊の本来いた世界(後述)で士郎に、この世界の冬木市における魔術の家系について尋ねた凛の挙げた家系に間桐の名もしっかりと入っていた。
並行世界
私立穂群原学園高等部1年。
本作では彼女を圧迫する家族が"5年前の災害"で死亡して全員いない(間桐のみならず遠坂も全滅している為、凛も死亡済)。そのため本編よりも明るい性格となっている。弓道部の先輩である衛宮士郎を慕っており、衛宮邸にたびたび訪れている。
その正体は、第五次聖杯戦争を起こしたジュリアン・エインズワースの部下。並行世界でも本編と同じように間桐の人間として聖杯戦争に関わっていた。
この世界でも穏やかな暮らしをつづけていたが、美遊がジュリアンの手で士郎のもとから連れ去られて一ヶ月が過ぎた日、士郎に自分の正体と聖杯戦争が始まったことを告げる。
取り乱しかけるも平静を保った士郎に桜は、美遊を助け出すなら聖杯戦争の勝者になる必要があることを説明。このカードでなら不可能ではないと『英雄王ギルガメッシュ』のクラスカードを差し出すが、もしもうひとつ許されるなら、美遊と魔術のことを忘れて自分と共に冬木市から逃げてくれと泣きながら訴える。
士郎は一瞬ためらったあと桜の訴えを断ろうとするが、直後に桜の兄が2人を襲撃。アサシンのカードを夢幻召喚した兄に対して、桜も士郎を守るためギルガメッシュのカードを夢幻召喚しようとするが、桜に与えられていたのは桜が裏切ることを想定済みだったジュリアンによって用意された、どの英霊とも繋がっていない屑カードだったため失敗、抵抗する間もなくアサシンの宝具『亡奏心音』によって心臓を抉り取られて殺されてしまった。
その後、士郎は思いもよらぬ形で彼女と再会することになる。
士郎から桜の話を聞いた凛は、別の世界での出来事とはいえ、その残酷な最期に言葉を失うほど動揺。しかし直後に無理矢理その感情を「余計な雑音」として抑え込み冷静さを保とうとしていた。
同じく話を聞いていた美遊も、桜の変わり果てた姿を見て、『友達』(より穿てば「姉妹」)になれた未来を想像し、それがもう絶対に叶わないということに悔しさを滲ませていた。
黒桜の部屋
『雪下の誓い』ディスクメディア版の(イロイロとヤバすぎる)特典映像「黒桜の部屋」では、コーナーのMCを務める。しかしゲストの先輩にイロイロと(特にあの人たちへの苦情を)ぶっちゃけ過ぎて件のゲストを焦らせることに。
さらにはルビーとサファイアによる各バージョンのプリズマ☆サクラ姿(※桜のイメージです)まで披露した。が、衣装的にイロイロと出っ張ってて、とっても危険な姿に……。
さらに『プリズマ☆ファンタズム』では、この「黒桜の部屋」がメイン軸のひとつとして物語のスターターを担った。ゲストは兄であり、ここから彼の七転八倒が綴られるが、案の定兄に殺されたことは、しっかり根に持っていた。
余談
本家の世界線で引き起こした因果応報によるものなのか、Fateシリーズの長い歴史の中で美遊世界は唯一、桜が逆に慎二の手で殺害されてしまった世界線である。
さらに『亡奏心音』で心臓ごと潰されて人体に開いた穴の形は、本家世界の彼女の『令呪の形そのもの』というこれまた因果を感じるものであった。
またジュリアンより自身に与えられたクラスカードが「ギルガメッシュ」だと嘘をつかれていたのだが、自身の立場がどんなもの(士郎に情を寄せる可能性がある立場)であるかを省みる事もせずにジュリアンを疑わず、その真相を知らされたのが兄である慎二に殺害される直前であった事が悲劇の原因のひとつになっている。
ぶっちゃけ、よりにもよって遠坂家の「うっかり」と間桐家の「道化」を同時に、しかも最悪のコンボタイミングで発現してしまっていたわけで、まさに血筋と育成環境に裏打ちされた、完膚なきまでに逃れる事が叶わない、まさに産まれ落ちた時あるいはその前から決められたが如き「運命(Fate)」に翻弄されてしまった桜の姿は、多くの者を納得せしめた一方で、あまりにも哀れでしかなかった。
2017年夏に公開された『雪下の誓い』と『Heaven's_Feel第1章』の収録はほぼ同時期で、両作品に2人の間桐桜を演じることになった下屋則子氏は地獄のような思いをしたとコメントしている。
また、こちらの世界で死亡した桜と本家の世界の上述ルートで救われた桜の正反対の結末は一部のファンの間で話題になっている。
関連タグ
美遊「忠告します。これより下には、漫画版「プリズマ☆イリヤ ドライ!!」のネタバレが存在します」
美遊「最後に確認します。本当に良いんですね?」
衛宮邸での最終決戦で、美遊世界でも桜と姉妹であったことを知り安心した遠坂凛がルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと同時に放ったガンドで吹き飛ばされた桜は、アンジェリカの空間置換によってその真上に転移した士郎が最後の力で投影した『偽・螺旋剣Ⅱ』で身体を貫かれる。
「ああ――――」
「星が」
「綺麗ですよ」
「先輩」
その直前に正気を取り戻したのか、そう呟いた桜は士郎と共に泥の海へ沈んでいった。
それが、虚数属性を持たない者ではアクセス出来ない安全圏へと逃げたように見えた凛は、「 桜は士郎と虚数空間で心中するつもりなのでは…? 」と危惧していた。
だが……虚数の海の中で、士郎が慎二に殺された桜の死体と慎二の宝具【亡奏心音(ザバーニーヤ)】で破壊されたと思われていた桜の心臓を見つけ出し共に泥の海から浮上した結果、精神共々復活する。
「……先輩が…」
「見つけてくれたんです」
「無くしたと思っていた私の心臓は…」
「ずっとここにあった」
「このうみ(虚数)の中に」
桜のこの台詞から、慎二に殺されそうになった時、(恐らく、無意識に)咄嗟に発動した虚数魔術によって心臓を虚数空間に転移させたため、衛宮邸で殺害されてはいなかった真実が判明した。
そして、クロエから奪っていた『破戒すべき全ての符』(ルールブレイカー)の投影品を士郎に刺したことで彼の置換を破棄し、まさかの両名無事での生還となった。
同時に、美遊世界における士郎に力を貸していた無銘の弓兵が召喚され、ダリウス・エインズワースとの最終決戦に赴くこととなった。