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概要

2022年4月に公開され、物語は前作「霹靂戰魔策」に続く。「霹靂布袋戲」シリーズの主人公である素還真が化身も含め、一切登場していない。


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解説

前作までの戦いが一段落して、物語の主軸は前々作「霹靂兵烽決之碧血玄黃」の内容を中心に戻る。「霹靂兵烽決」シリーズの最終編とされ、視聴の際は「霹靂兵烽決」と「霹靂兵烽決之碧血玄黃」を併せて見ると、より理解しやすい。靖玄客と七大神秘の戦いに加え、今まで暗躍してきた謎の組織・六蝕玄曜が表舞台に浮上する。


タイトルの玄象は、天の物象であり、星の位置や状態を意味する。琵琶の名器である玄象(げんじょう)と異なる。靖玄客(北斗七星)と六蝕玄曜(南斗六星)が敵対することから、「玄象裂變」は、「星の状態が激しく変化する」という意味合いが含まれる。


声の出演

蔡易軒、賴紘源、呆之音の三人が主に担当し、第34章から新たに黃滙峰が加える。前作の第7章まで声を担当した黃文擇氏の引退により、本作から出演しなくなった。本作の公開時期に、黃文擇氏は病気により他界したが、次回予告の部分は変わらず「黃文擇布袋戲」と称する。


蔡易軒:ナレーション、談無慾意琦行、その他大半の登場人物

賴紘源:琥珀王、倦收天、偽青玉鏡、その他

呆之音:沐吟霜、一亭菊、命向幽泉、その他

黃滙峰:太玄封羲


あらすじ

天物之澤の最終決戦を経て、残された剣・孤憤搏が、謎の組織・六蝕玄曜に回収される。六蝕玄曜は、孤憤搏の力を利用して、長年封印された地域・深寰地宇(しんかんちう)を解き放つ。これにより、武林を脅かす七大神秘の一つ・日夜殊界の領地が深寰地宇から浮上し、中原侵攻を開始する。


それと同時に、深寰地宇から負の感情に固まった非命七異念(ひめいしちいねん)が、武林の各地に散らばった。六蝕玄曜の行動に加え、さらなる混乱に陥る。一方、七大神秘の一つ・古域王朝も、苦境に渾沌一族の瞳術が出現したことをきっかけに、深寰地宇から中原に進出。


三つの勢力と向き合うべく、中原正道と靖玄客たちが動き出した。談無慾意琦行、そして玉龍隱士。日夜殊界の侵攻と、六蝕玄曜の陰謀を阻止するために応戦する。七大神秘と対抗しうる、残された靖玄客の人選は、ついに明らかとなる……。


主な登場人物

談無慾

月才子と呼ばれる賢人。靖玄客の一人。

日夜殊界の中原侵攻を知り、深寰地宇から急遽帰還する。


意琦行

「絕代劍宿」と称される孤高な剣士。靖玄客の一人。

日夜殊界や六蝕玄曜と戦いながら、新たな人三脈の人選を探していく。


玉龍隱士

河圖十智の二位である賢人。

談無慾と共闘し、知略をもって日夜殊界や六蝕玄曜と対抗する。


鬱葬香(うつそうこう)

謎の貴公子。名もなき者たちと共に、古域王朝の闇を暴く。

記憶を失っており、謎の生命体「原罪」が体に纏っている。


一渡微塵(いちとみじん)

きれい好きな白い術士。鳳舞遲と友人になり、行動を共にする。

かつて汚れ仕事をしたらしく、その正体は……。


鳳舞遲(ほうぶち)

古雲莊の少荘主である少年剣士。

非命七異念が変化した剣・鳳華剎那を手に入れ、武林での冒険を決意する。


神荒子(しんこうし)

六蝕玄曜の一人「天梁座」。七大神秘の力を集める邪悪な策士。

深寰地宇と関わっており、玉龍隱士の親友を殺した仇敵でもある。


古域王朝

(こいきおうちょう)

七大神秘の一つ・渾沌一族が築いた王朝。深寰地宇から来た勢力その一。

特有の瞳術を持つ。構成員のほとんどが男性であり、童貞を保つことで、力を維持し続けられる。苦境に渾沌一族の瞳術が出現したことで、中原武林に進出する。


琥珀王(こはくおう)

古域王朝の君主。一人称は「不轂」で、意琦行と友人関係にある。

中原武林と平和を講じるつもりだが……。


孔雀公(くじゃくこう)

琥珀王の兄。古域王朝での地位が高く、本来は強硬派だった。


瑠璃王爵(るりおうしゃく)

琥珀王の長男。見抜く能力と雪を操る瞳術「雪琉璃之眼」の持ち主。

実力は辰砂より優れるが、周りの人が辰砂に対する優遇を気にしている。


辰砂王爵(しんしゃおうしゃく)

琥珀王の次男。負った傷を相手に移し替える瞳術「阿庇斯之眼」の持ち主。

碧血玄黃」時期は「辰砂十二爵」と名乗った。


鬼一法眼師(きいちほうげんし)

古域王朝の王師。国の祭祀・子孫繁栄などを司り、陰陽道の造詣が深い。


日夜殊界

(にちやしゅかい)

七大神秘の一つ。深寰地宇から来た勢力その二。肉体改造・製造の技術を持つ。

深寰地宇で猂族と敵対し、長い間交戦を続いた。領地が苦境に浮上し、中原侵攻を開始する。


闕風策(けつふうさく)

日夜殊界の「戰魁」と呼ばれる戦神。猂族の玄魁敇天の好敵手。

先鋒部隊として苦境に進撃し、玄魁敇天との再戦を望む。


逸塵兒(いつじんじ)

日夜殊界の首席軍師である神童。

先鋒部隊の一員として、談無慾らと知略を巡った戦いを繰り広げる。


逆璽(ぎゃくじ)

日夜殊界の皇子。殊皇に脅され、苦境進軍の先鋒を務める。

闕風策などの将兵たちを率いて戦うが……。


青玉鏡(せいぎょくきょう)

日夜殊界の諭侯。元は古域王朝の王族だが、逆璽の母と恋に落ち、日夜殊界につく。

空間を歪ませる瞳術「驚鰲之眼」の持ち主。


巫門衍奇(ふもんえんき)

日夜殊界のマッドサイエンティスト。肉体の改造に長じる。


紅華雨(こうかう)

日夜殊界の王妃。逆璽の実母。

帝九重が逆璽をけん制するため、人質にされる。


帝九重(ていきゅうじゅう)

日夜殊界の皇帝で、「殊皇」と称される。中盤から登場。

穏やかな雰囲気を漂うが、何らかの秘密を隠し持つ。


少封離(しょうふうり)

日夜殊界の武将。殊皇に直属する護衛。

闕風策の弟であり、ディアボロ(扯鈴)を武器とする。


猂族

(かんぞく)

七大神秘の一つ。深寰地宇から来た勢力その三。

四つの種族によって構成される獣人族。「霹靂兵烽決」時期の戦いを経て、中原の人々と平和に共存することを選んだ。談無慾と共に、日夜殊界と交戦を続けている。


挹天癒

猂族の戦神・玄魁敇天。水を駆使して、治療をこなす青い医者。

睡眠状態の最中、日夜殊界にさらわれる。


藐烽雲

「掌死之智」と称される死の賢人。猂族の祇脈に属する。

玄魁敇天の思いを引き継ぎ、猂族のために日夜殊界と戦う。


長恨無疆(ちょうこんむきょう)

猂族劫脈の覇者。談無慾の策に従って、日夜殊界と戦う。


狩天獠(しゅてんりょう)

猂族祇脈の武将。「獠師」と称される。

玄魁敇天を慕い、猂族のために戦う不屈の戦士。


靖玄島

(せいげんとう)

武林を脅かす「七大神秘」と戦い、闇を平定する組織。

上位者は「靖玄客」、それ以外の構成員は「靖玄者」と呼ばれる。

本作における味方勢力の一つ。


羽麟兒(うりんじ)

戾禍と鱗族の力を併せ持つ少年剣士。意琦行に従って行動する。


沐吟霜(もくぎんそう)

声を失った元歌姫にして、靖玄者の一人。手話で意思を伝達する。

鬱葬香の出身について、ある程度知っている。


中原武林


太古雲(たいこうん)

古雲莊の荘主にして、玉龍隱士の友人。

かつて妻と子供を亡くしたことから、息子の鳳舞遲を過保護になっている。


寄塵寰(きじんかん)

玉龍隱士の従者。

六蝕玄曜と日夜殊界の攻撃から、命がけで玉龍隱士を守る。


偽青玉鏡(ていきゅうえん)

孤高な刀使いの師範。青玉鏡の名を騙って、中原で活動する。

中原が非命七異念に襲われる中、平民たちに護身用の武術を教える。


曲飛英(きょくひえい)

古雲莊の蒐塵衛である少女。主な任務は情報収集で、変装が得手とする。

偽青玉鏡に接近するが……。


百重泉(ひゃくじゅうせん)

侠客組織「俠音劍鳴」の盟主である青年剣士。

正道の一員として、談無慾たちと共に日夜殊界や非命七異念と交戦する。


剎紫煙(せつしえん)

百重泉の恋人である女侠客。彼と共闘する。

一度非命七異念に支配されるが、百重泉らの努力で正気に戻る。


六蝕玄曜

(ろくしょくげんよう)

秘密裏に七大神秘の力を集め、暗躍してきた謎の組織。中原に混乱をもたらす。


一亭菊(いっていきく)

神荒子の部下。非命七異念が戦乱をもたらす際に暗躍する。

武林で偽の情報を流し、さらなる混乱を招く。


命向幽泉(めいこうゆうせん)

元は懸賞組織「海市龍燈」の侠客。

非命七異念に支配され、殺戮兵器に変貌する。


新海鯪

鱗族の守護者。

理由は不明だが、六蝕玄曜に加担して、中原の武侠たちを攻撃する。


神諭(しんゆ)

六蝕玄曜の一人「天樞座」。輿の中に身を潜める謎の女性。

裏側で古域王朝や鬱葬香の崩壊を狙い、その正体は……。


太玄封羲(たいげんふうき)

六蝕玄曜の一人「天相座」。幻術に長じる道士で、終盤に登場。


用語

靖玄客(せいげんかく)

武林を襲う災いや闇の勢力と対抗するために、選ばれた者たち。

「靖玄」という単語は、「闇を平定する」という意味である。靖玄島を修行拠点として、時に応じて姿を現すとされる。靖玄客を補佐して、その候補生となる者は「靖玄者(せいげんしゃ)」と呼ばれる。

本作にて、靖玄客の人選がすべて明らかになる。モチーフは北斗七星


名称対応する星読み方備考
意琦行開陽武曲星かいようぶきょくせい
倦收天瑤光破軍星ようこうはぐんせい
原無鄉天權解懸星てんけんかいけんせい
劍風雲天樞貪狼星てんすうどんろうせい死亡
月無缺天璇龍琴星てんせんりゅうきんせい死亡
問菩提天璣伽藍星てんきがらんせい
地冥玉衡冥神星ぎょくこうめいしんせい加入を拒む
談無慾輔星ほせい
挹天癒弼星ひつせい

七大神秘(ななだいしんぴ)

劍謫仙が生前に、靖玄島のリストに記載した謎の存在、または勢力の総称。「霹靂靖玄錄」から本作にかけて登場し、将来の武林に大きな脅威をもたらす恐れが秘めていた。本作開始時点で、七大神秘のうち、五つが中原正道によって平定された。

公式サイトはページによって「七大神秘」「七大神祕」と、表記が統一されていない。


名称読み方主に活躍する作品
鱗族りんぞく霹靂靖玄錄霹靂靖玄錄下闋
猂族かんぞく霹靂兵烽決
地獄鳥じごくちょう霹靂朝靈闕
天地主宰てんちしゅさい霹靂兵烽決之碧血玄黃
天物之澤てんぶつのたく霹靂戰魔策
渾沌一族こんとんいちぞく本作
日夜殊界にちやしゅかい本作

六蝕玄曜(ろくしょくげんよう)

秘密裏に七大神秘の力を集め、暗躍してきた謎の組織。主な構成員は六人。

中原に混乱をもたらし、靖玄客をはじめ、中原正道の人々と敵対する。初代天物之澤が残した剣・孤憤搏を利用して、深寰地宇と苦境の通り道を切り開いた。本作では、天梁座の神荒子が主な敵として活躍する。

モチーフは南斗六星


名称読み方対応する星読み方
諦禍ていか天同座てんどうざ
太玄封羲たいげんふうき天相座てんしょうざ
神諭しんゆ天樞座てんすうざ
十惡崇黓じゅうあくすうよく天機座てんきざ
神荒子しんこうし天梁座てんりょうざ
命君孤羅めいくんこら天府座てんぷざ

非命七異念(ひめいしちいねん)

深寰地宇を封印する七つの鍵。六蝕玄曜によって解放され、中原に散らばった。

それぞれ異なった負の感情(冷淡・憤怒・恐怖など)の塊で、武器の形に変化して現れる。負の感情によって力が増幅し、所持者や周りの者に悪影響を及ぼす。最終的に所持者を完全に支配してしまう。

六蝕玄曜の策によって、各勢力が奪い合う標的となった。


深寰地宇(しんかんちう)

中原に属しない地下の世界。悪意と魔性溢れる生物が中に潜む。かつては中原と繋がっていたが、はびこる悪意を抑えるため、先人たち胤世五烈(いんせいごれつ)によって封印された。

七大神秘のうち、四種類(猂族、天地主宰、渾沌一族、日夜殊界)がこの世界から来たものである。各勢力が群雄割拠する中、資源不足に悩まされ、猂族と天地主宰が最初に中原侵攻を図った。本作では六蝕玄曜が封印を解放し、残された古域王朝と日夜殊界も中原に進出した。


帝九淵(ていきゅうえん)

日夜殊界の皇族。帝九重の弟で、明宗(めいそう)と称され、刀術を長じる。ある日に記憶喪失になり、皇子の逆璽と王妃の紅華雨を連れて、行方不明になった。噂によると、現在は中原武林のどこかで暮らしているが……。


血凋零(けつちょうれい)

かつて深寰地宇の罪惡禁地から発生したウイルス。感染者は肉体が蝕まれ、最終的に死に至る。伝染力が強く、当時の深寰地宇に大きな被害をもたらした。起源となる病原体は罪惡禁地に住む魔物で、玉龍隱士の友人・君昊の死体を乗っ取り、後の神荒子になった。

日夜殊界はこのウイルスを利用して、実験を行っている。


関連タグ

霹靂布袋戲 霹靂兵烽決 霹靂兵烽決之碧血玄黃


談無慾 意琦行



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