概要
日本の「おでん」は大根や餅巾着等と言った野菜や小物類が沢山入ったイメージだが、韓国のおでんは違い、「韓国おでん」とは、韓国屋台「ポチャ」で提供される韓国料理の一種。
煮干しや昆布から出る魚介類出汁をベースにした味つけがオーソドックスだが、お店の種類によってはネギ、干しエビ、干しダラ、唐辛子と言ったラーメンスープの様に他の食材を追加してよりパンチの効いたスープに仕立てるお店もある。
見た目は「油揚げ」に見える薄いものがクネクネと串に刺さったものがメインの具材となっている。
この串に刺さった具材は魚介類を使った練り物で、韓国語では「어묵:オムク」と呼ばれる。
主な原材料はスケトウダラやタイと言った魚類を使って作られる。日本でもはんぺんやつみれ、さつま揚げ等の練り物がおでんに必要不可欠である様に、このオムクも「韓国おでん」を象徴する食材となっている。
また、オムクの他には、こんにゃくや大根と言った日本のおでんで馴染み深い具材や韓国らしく「トッポギ」が入っている店も存在するよう。
提供方法としては、普通に皿での上に出される事や、紙コップが用意されている店もあり、ドリンクの様におでんのスープだけを楽しむ事もある。
寒い冬の時期に、熱々で辛味のある韓国おでんのスープが冷えた体を温めてくれると、具材を食べずにスープだけ飲みに来る客も少なからずいる。
オムクの歴史
オムクの歴史は朝鮮時代に遡る。当時の宮中での宴の内容を記した書物には、魚の骨(あら)を取りスライスしたものに肉や野菜等を混ぜて食べたと記されていたようである。1970年代末に入ると魚を加工技術等が発展し専用機械の開発が進められ、韓国のオムク製造業は一気に成長する事となった。
韓国では
韓国で最大の漁港街である釜山はオムク市場で早くから栄えた町とも言われており、街のいたる所にオムク工場や直売店が点在している。特に市場にはオムクを扱う多くの店が軒を連ねており、具材や形、色合いの異なる色々なオムクを味わえる。