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作品解説

黄金鯱伝説グランスピアーとは東海テレビで制作・放送された特撮ローカルヒーローである。キャッチコピーは【戦う名古屋名物】

東海テレビとしては初の特撮テレビドラマであり、2013年10月5日から12月28日まで全13話が放送された。

その後2014年4月5日から7月5日まで2ndシーズンが全13話、2015年1月4日に特別編「邪悪な剣ででらピンチ!」が放送された。

2ndシーズンではミニコーナー「大名古屋講座」などコメディタッチな演出も多い一方、終盤では悪徳ジャーナリストに陥れられた主人公たちが警察に逮捕されるなどハードな展開も見られる。

メイン監督は『ウルトラマンメビウス』のメイン監督を務めた佐野智樹だが、奇しくも特別編には後に『ウルトラマントリガー』の主演を務める寺坂頼我がゲスト出演している。

1stシーズン

世界征服を狙い「覇導石」を手に入れようとする妖神オソガイ一味と、先祖代々から伝わった鯱神の守護者たる「黄金の鯱の戦士」となった帯刀大河/グランスピアーの戦いを描く。

2ndシーズン

オソガイ一味との戦いが終わり平穏な日常を取り戻した帯刀家。しかし新たに世界征服をたくらむ謎の存在黒鯱が現れた。8つに砕け散った覇道石のかけら・覇道玉を巡りグランスピアーと黒鯱の戦いが始まる。

登場人物

帯刀家

江戸時代(慶長16年ごろ)から続く拳法の名門。読みは「たてわき」。

ある事件をきっかけにかつて徳川家康が覇道石を封印したとされる「鯱神(しゃちがみ)」を守る使命を与えられ、代々受け継いでいる。

  • 帯刀大河

本作の主人公。愛知大学2年生。帯刀流拳法師範代で道場の跡継ぎ候補でもある。

スポーツ万能だが勉強は苦手で大学では留年の危機にある。朴念仁。

  • 帯刀楓

大河の妹。高校2年生。棒術の名手で文武両道の優等生。拳法の腕前は大河にも引けを取らず、龍河からよく比較されている。

1stシーズン終盤でシャッチーナに変身する能力を得る。

  • 帯刀龍河

大河の母方の祖父。帯刀流拳法の師範。オソガイ復活に際し大河に鯱神の伝説を話し、ホコノコを託した。

  • 帯刀大吾

大河の父。愛知県警察名城警察署の警部。「スッポンの大吾」を自称している。

婿養子だったため鯱神の伝説やグランスピアーの存在を知らず、怪人の仲間と思い込んでいた。

なぜかオソガイと結託しているかのような不穏な動きを見せるが…

  • 帯刀千草

大河の母。喫茶店「グランパ」を営んでいる。

大河の友人

  • チャラ男

大河の大学の同級生。「チャラ男」とは大河からの愛称であり自らもチャラ男と名乗っているため本名は不明。

その通り自他ともに認めるチャラ男で、いつもナンパに明け暮れている一方楓に想いを寄せている様子。

  • 星名小春

大河の高校時代の同級生で東山動植物園の飼育員。飼育動物に並々ならぬ愛情を注いでおり、怪人たちが人間との共存について考えるきっかけとなった。

大河とは時々食事に行く関係だが朴念仁な大河にはいら立ちを見せている。

その他

  • 町山虎徹

名古屋市の市長。龍河とは幼馴染で林間学校以来の因縁がある。

  • 柊明日香

戦国時代末期に覇道石を巡る戦いで家族もろとも殺されてしまった少女。亡霊の姿で大河の前に現れ、大河を江戸時代に導いた。

後に大河に櫛を託すが、これが後に楓の手に渡り楓に新たな力を与えた。

  • 狭間

地元のゴシップ誌「フリャーデー」の記者。金に目がない性格で東山動植物園に現れたグランスピアーを見て金になると思い興味を示す。

かつて戦場カメラマンとして激戦地を渡り歩いた過去があり、「この世には正義も悪もない。あるのは人の欲望だけ」が信条。2ndシーズンの終盤で大河をバッシングする記事を書きグランスピアーを窮地に陥れる。

戦国時代末期に覇道石を手に入れた徳川家康の前に現れ、それを封印するように告げたとされる海の神。

世界の破滅を企てる風神ティフォンと対立しており、ティフォンを封じるために現代に現れる。

グランスピアー

戦国時代より伝わる鯱神の守護者とされる「黄金の鯱の戦士」。名古屋城の天守閣の瓦を模した緑色と金鯱を模した金色の体が特徴。

自我はあるが通常時は鉾の形をした変身アイテムホコノコに収まっており、大河が変身するとグランスピアーの人格が表に出る。ただし大河と意見が大きく対立すると変身が解けてしまう。

大河がホコノコを掲げ「まーかん!」と叫ぶことで変身する。

戦国時代より戦いを続けてきたためかつては命のやり取りも経験してきたが、大河に諭されてからは倒した敵にとどめを刺すことはせず、悪を懲らしめるためだけに己の力を使うようになった。

決め台詞は「お前たちは、愛を知っているか!?」。

怪人たちからは海虎(ウミトラ)と呼ばれていたが、大河は現代風に横文字の名前を考案。当初はシータイガーと名乗ろうとしたがエビの品種と同名になってしまったことから楓がシャチを意味する「グランパス」と鉾を意味する「スピアー」から命名した。しかしスピアーは厳密にはであり、第11話で大河が楓にツッコんでいる。

金鯱の守護者の一族である帯刀一族のみが変身できるとされており、劇中では大河のほか楓や龍河が変身したこともある。

シャッチーナ

1stシーズン最終回で楓が変身できるようになった金鯱の戦士。グランスピアーを擬人化したような姿が特徴。

戦国時代にとある合戦の犠牲になった少女・柊明日香の亡霊から大河を介して託された櫛の力で変身する。

当初は自力で変身することができなかったが、後に櫛を掲げて「私のハートは、ちんちこちん!」と叫ぶことで変身できるようになった。

念じた場所に瞬間移動する能力を持つ。

大河は楓版グランスピアーであることからグランメイプルという名前を提案したが、楓は「かわいい名前がいい」と即興で命名した。

オソガイ

人魂の姿をした妖神。400年前に封印されていたが突如として復活、覇道石を手に入れて世界征服をたくらむ。

その正体は覇道石を巡る戦いで死んだ人々の魂の集合体であり、世界征服をたくらむ主人格のほかに平和を願う善の人格を持つ。

怪人たち

オソガイの配下で動く怪人たち。復活したオソガイが見つけた野生動物に力を与えたもので、世界を征服したら動物たちが平和に暮らせる国を作ると意気込んでいる。

コミカルな一面が目立ち、大河が平和主義であることから倒されず生存するいわば三悪的キャラクター。

  • アブラゲ

リーダー格のキツネの怪人。「シャチホコを消す機械」などの様々な機械を開発して戦いを挑む頭脳派。テンションが上がるとなぜかオネエ口調になる。

好物は油揚げ。

  • コノハ

紅一点のコノハズクの怪人。魔法を使って人間に化けることができ、羽豆クノコを名乗って暗躍する。しかしフクロウミミズクと間違えると怒って正体を現す。

グランスピアーとは戦いを重ねるにつれて次第に恋愛感情のようなものを抱いていく。

  • ツキノワ

パワー担当のクマの怪人。いわゆる脳筋だが小心者。ひとりで6人前を平らげるほどの大飯ぐらい。楓に一目ぼれをして以来人間との共存を考えるようになる。

  • ドベドベ

いわゆる戦闘員だがふたりしかいない。「甲」と「乙」のコンビで怪人たちからも雑に扱われている。

2ndシーズンでは覇道玉の力でパワーアップし「デラデラ」を名乗って怪人たちを顎で使ったこともあった。

黒鯱

2ndシーズンの悪役。かつてはグランスピアーと共にトリトンのもとで修業をした鯱の戦士。そのためかグランスピアーが黒くなったような姿をしている。グランスピアーの兄弟子にあたる。

ティフォンに敗れてから力におぼれて世界征服をたくらんだことからトリトンと覇道石によって封印されていたが、オソガイとの戦いの後に復活。怪人たちを「覇道石がなくなったらお前たちは動物に戻ってしまう」と騙して配下に加えた。

普段は名古屋ジョーと名乗る青年の姿で行動し、漆黒のホコノコを掲げて「ジャン・ダラ・リン!」と叫ぶことで本来の姿に戻る。

楓に名前を尋ねられた時に視界に入った名古屋城を見てとっさに名古屋ジョーと名乗り、怪人たちが三河弁で漫才をしていたことから変身の掛け声を発想するなどダジャレ好きのひょうきんな一面がある。

キャスト

帯刀大河:辻本達規(BOYSANDMEN)

帯刀楓:木島杏奈

帯刀龍河:宮地佑紀生

帯刀大吾:宮本浩二

帯刀千草:古田敦子

ノブナガ:山口メリー

コノハ:河瀬鮎美

チャラ男:田中俊介

星名小春:鳥居ゆか

柊明日香:谷本琳音

町山虎徹:つボイノリオ

名古屋ジョー:南翔太

狭間:ラジバンダリ西井

トリトン:松平健

声の出演

グランスピアー:水野恭輔

オソガイ、黒鯱:鈴村一也

アブラゲ:花村広大

ツキノワ:手嶋政夫

ドベドベ:堀内理史

デラデラ:中根江深(デラα)、中川ひろき(デラβ)

スーツアクター

グランスピアー:南孝直

アブラゲ:奥谷志

ツキノワ:西岡利昌

ドベドベ(甲):竹腰伸矢

ドベドベ(乙):石原聖士

黒鯱:原隆太

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