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ああ、そう……やっぱり私は――生きても死んでも、ひとりきりというワケね――

概要

Fate/Grand Order』に登場するアサシンクラスサーヴァント。レアリティは☆4。

メインシナリオでは第1部1章『邪竜百年戦争 オルレアン』に登場。ジャンヌ・オルタに召喚され、同じ吸血鬼であるヴラド三世と共にフランスを蹂躙し尽くす。

真名

『EXTRA』シリーズでお馴染みのエリザベート・バートリーが成長し、完全なる怪物と成った存在にして、エリザベートの暗黒面を司る者。彼女が持っていた愛嬌はなく、ただただ残忍で血を追い求めた生涯を、その変名であるカーミラという名で表している。

姿は大きく変わっており、一見して全くの別人としか思えない。

特に肉体面では“永遠の少女”と言い得た未発達な少女時代に対し、カーミラは成熟した妖艶で扇情的な姿で現界している。

ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュが著した怪奇小説『Carmilla(カーミラ)』の中心人物の名を冠するが、これはエリザベート・バートリーが当小説のモデルとなったことに由来する。

『Fate』シリーズには「小説の登場人物など架空の存在をサーヴァントとして召喚しようとした場合、そのモデルとなった人物が召喚されることがある」という設定があるので、これに従い「エリザベート・バートリー」が「カーミラ」の名で召喚されたようである。

人物

一人称は「私(わたし)」

伯爵夫人として教養を身に付け、夫の代理で領主を務めただけに、気品と気位の高さは一級品。

しかし後年「血に狂った悪女」として座に刻まれたがゆえに、善政者として腕を振るっていた頃の穏やかな性質はなく、自己嫌悪を抱きながらも血を欲し、拷問に埋没する悲しい女となっている。変性によってかつて持っていた「カリスマ」も失われてしまっている。

ただ自身の悪行を恥じているのは事実であり、幕間の物語で生前自分が殺した娘の亡霊がマスター諸共自分を幽閉した際は「私一人を閉じ込めるなら仕方がないと流せたが、無関係なマスターを巻き込んだ時点で私と同類」と一蹴するなどただの悪女ではない。

また、カーミラとなった彼女はエリザベートとは全くそりが合わず、互いに殺し合う関係性。

これは若きエリザベートはカーミラに成ることを拒み、カーミラの側にとってはエリザベートは無知を貪り青春を謳歌する許し難い象徴だからだ。

カルデアに召喚されて以降は出来る限り接触を避けてはいるものの、どうしても顔を突き合わせなければならない場合もある。

そしてエリザベートが恥ずかしいトンチキを起こす度、出来る限り心を虚無にしてやり過ごしているが、それでも限界は来るもので、我慢が限界に達すると吐血する

エリザベートとは何処までも交われない関係ではある点は周知の事実。

しかし型月作品の伝統からは逃れられておらず、大人になろうとやっぱりエリちゃんは何処まで行ってもエリちゃん。

淑女然とした出で立ちやクールビューティーな声で覆い隠されてこそいるが、同一人物だけに根っこは割と同じ。イベントで登場するたびに化けの皮が剥がれ、「やっぱりエリちゃんだ」と生暖かい評価を下されることになる。

特に料理の腕だけは成長しても壊滅的らしく、バレンタインイベントでもエリザベートに対抗できるだけの未確認物体(見た目は素材アイテム「八連双晶」)なチョコを作っていた。

またツンデレポンコツなところもさほど変わっておらず、マイルームで絆Lv5に達すると(当初は触られることを嫌がっていたのに)触ってこないことをちょっと寂しがったり、バレンタインイベントでもツンデレ&ポンコツMAXで主人公にチョコを作ってきたりと、刺々しく冷淡な外面だけでは判別できない魅力を持っている。

2017年水着イベント第二部『デスジェイル・サマーエスケイプ』にて、大監獄の看守として登場。

ある意味これまでで一番のハマリ役となったが、予想外の事態に直面した際には「やっぱりエリちゃんなんだな」と思わざるをえない反応を披露してくれた。

能力

戦闘においては、生前身につけた拷問技術を用いて戦う。

モーション中では、棘付き杖で殴りつける他、長く伸びた手の爪で引き裂いたり、ブーツのヒールで踏みつけたり、腕を振って血液の大波を巻き起こしたりしている。

また、アイアンメイデンを自由に具現化させて打撃武器のようにして扱ってもいる。

ステータス

マスター筋力耐久敏捷魔力幸運宝具
藤丸立香DDACDB

保有スキル

気配遮断(D)元々気配遮断になり得るエピソードが弱いのでアサシンに在るまじき低さであり、サーヴァントであれば立ち所に気配を察せられてしまう。
吸血(C)血を浴びることによる体力吸収&回復。思い込みに近いが、原理は不明だが彼女の肌は確かに若返っていた。ランクが上がるほど、吸収力が上昇する。
拷問技術(A)卓越した拷問技術。拷問器具を使ったダメージへのプラス補正。カーミラの場合、捕まえた人間をアイアンメイデンに閉じ込めて血を絞ったり、指折り器や拘束器具で苦しめて狂わせたり、時には思いついたように指や腕、首筋、乳房に噛みついてそれを食いちぎったりと、その残虐行為は多岐にわたる。若年の頃よりは遥かに経験を積んでいる。
鮮血の湯浴み(A)詳細不明。その名の通り、ブラッドバスに浸かっていたとされる逸話が具現化したものだと思われる。

幻想の鉄処女(ファントム・メイデン)

  • ランク:C→C+
  • 種別:対人宝具
  • レンジ:1
  • 最大捕捉:1人

「良いわ、とても良いわよ……」

「血よ、血よ、血よ!永遠の美、久遠の宴……老醜は時の果てに!『幻想の鉄処女(ファントム・メイデン)』!!フフフハハハ……アハハハハハァ!!」

エリザベート・バートリーが使用したと言われる有名な拷問器具「アイアンメイデン」……であるが長年に渡る調査の結果、実在しないと考えられている。

しかしこの拷問器具を信仰するものは多く、無垢な少女を恐怖と共に殺害する絶妙な宝具として珍重された。カーミラの頭上を浮遊し、捕捉対象と冷たい死の抱擁を交わし、その血を一滴も残さず絞り上げる。

詳細は該当記事を参照。

ゲーム上での性能

レアリティは☆4(SR)。

初期から実装され、同じく初期実装のステンノとは、ある意味で対を成す(こちらが女性特攻のダメージ系、あちらは男性特攻のバステ系)サーヴァント。

☆4としては最大級のATKを誇り、序盤から召喚できるとあって、自身が敵役となる一章からライダークラスのワイバーン相手に無双が可能。また一章最初の壁となるマルタとも相性が良いため、活躍の場は意外に広い。

《Quick:3/Arts:1/Buster:1》と、アサシンとして妥当なカード配分をしている。

初期のスキルは、相手のチャージを吸い上げて自分のNPを増やす「吸血(C)」、敵単体の防御力を下げる「拷問技術(A)」の2つ。またクラススキルも「気配遮断(D)」のみと、スキル関連が結構ペラペラだったりする。

ただ彼女の真骨頂は宝具回転率の速さであり、QuickのNP獲得量がArts並に設定されているため、単独でQuickチェインが決まるだけでかなりの量のNPをチャージすることが出来る。加えて「吸血」持ちなので、宝具解放に足りない分は即行で補填可能。

うまくいけば宝具を短いサイクルで開放し、敵から容赦なく「血税」を一滴残さず搾り取り、更に簡単には沈まずに場に留まり続ける用心棒となり得る。

宝具の種類はBuster。効果は【敵単体に超強力な〔女性〕特攻攻撃〈オーバーチャージで特攻威力アップ〉+自身のHP大回復&攻撃力3ターンUP】

単体宝具として高い攻撃力を誇る上に、特効はオーバーチャージで倍率が上がるため、条件さえ噛み合えば更にその攻撃性が跳ね上がることになる。

特に☆4ライダーは殆どが女性なので、一発刺さるだけで彼女たちに致命傷を与えることが可能。曜日別の修練場でも、「騎の修練場」のボスとして登場するのは全員女性なので、周回が大幅に楽になる。

NP回収効率が元から高めなので概念礼装などで更にNP効率を高めれば敵陣はあっという間に血の池地獄に沈んでしまうだろう。

弱点としては、(Q主体のアサシンの宿命で)通常攻撃のダメージ量に結構なマイナス補正が掛かってしまっているため、火力不足を感じる点。

さらに気配遮断のランクが低めであることも手伝い、その主体となるQのスター生成能力はアサシンにしては芳しくない。その代わりと言っていいのか後述するスター獲得スキルを持つほか、とんでもないNP獲得量を持っているのでカード構成がチグハグとまでは言えないが。

その他、成長曲線が凸型なため、ステータスは序盤に伸び悩む点が初心者にはツライ。

再臨素材も第三霊基の開放に、激レア素材「ホムンクルスベビー」を8個も要求してくるため、成長期終盤の仕上げ時にかなりの負担を要する。

もう1つ、弱点と呼んでいいものかはわからないが、敵として出て来た時が非常に厄介。

吸血でチャージを貯めつつNPを削り即死宝具を速射砲の如く連発してくる。

運が悪いと助っ人が即死され延々と倒せないままそのままゴリ押しを喰らい、コンティニューを使わされることになる。

しかしながら、2016年8月3日のサーヴァント強化クエスト第4弾にて、ついに第3スキル「鮮血の湯浴み(A)」が実装。効果は【3ターンの間敵単体のクリティカル発生率ダウン+3ターンの間自身に毎ターンスター獲得状態を付与】。前述の通り苦手だったスター生産をカバーしつつ、クリティカルを防ぐ事で生存率を上げるという、長所を伸ばし短所を補う良スキルとなっている。この能力の獲得により、高難易度クエスト等での活躍の可能性がより高まったと言えるかもしれない。

2018年3月4日、1200万ダウンロード記念の強化クエストキャンペーンでまさかの対象サーヴァントに。これにより、宝具の「敵単体に超強力な〔女性〕特攻攻撃」部分が強化され、素の威力・特攻倍率共に上方修正を受け、ますます使い勝手が向上した。

実はこれまでの彼女の特攻倍率は他の特殊特攻の基準値を下回っていたため、せっかくの特攻ダメージが下駄を履かせる程度にしか機能していなかった。

これにテコ入れが入ったことで、バフの盛り方次第では凄まじいダメージを叩き出せるまでになった。運よく宝具Lvを上げたうえで攻撃力・宝具威力・Buster性能に三重バフを仕掛け、「拷問技術」で防御デバフをかけると、そのダメージはサーヴァントの竦みの相性次第では最大で100万以上を叩き出すミンチよりひでぇや……(汗)

2017年10月25日、『ハロウィン・ストライク!』に合わせて立ち絵及び宝具含むモーション全てが変更。通常攻撃が謎の光弾ではなくなり、アイアンメイデンを使ったり爪で裂いたりと攻撃方法が多彩になった。

ちなみに、これまでの謎の光弾は彼女が「拷問したいなー」という想いを籠めてエネルギー塊として撃つ「拷問弾」という代物であることがハロウィンイベントで判明した。しかもその拷問弾は乗れるらしい。どういうことだってばよ

関連人物

生前

フェレンツⅡ世

夫にしてチェイテ領主。

カーミラの拷問癖は彼に影響されたのも一因だと言われている。

彼のことは今でも愛しているらしい。

Fate/Grand Order

エリザベート・バートリー

忌むべき過去の自分。

ハロウィンイベントでは、やりたい放題なキャスターと化した彼女にこき使われる羽目に……

その後も、年々増え続けるエリちゃん軍団に頭を痛めている。

藤丸立香

契約したマスター。

自分に正面から向き合ってくれる彼/彼女には感謝している。

悪に堕ちないように気を使ったりと結構情は深い。

ヴラド三世(狂)

第1部1章で「竜の魔女」の軍団の将として共に召喚され、吸血鬼コンビを組んでいた。

しかし「悪女に成り果てた」自分を忌み嫌うカーミラに対し、「吸血鬼(道化)と成っても課された使命を全うせんとする」潔さを持っていたヴラド三世なので、似た者同士だがあまり反りは合わなかった。しかし、実は遠縁の親戚である。

もっとも、もう1人のヴラド三世だとしたら「死んで罪を償え!」と命を狙われる羽目になるのでもっと相性が悪くなるのだが……

土方歳三

カーミラと同じく拷問に長けたサーヴァント。

もっとも「職務の拷問と一緒にするな」と、本人は憤慨気味にコメントしていた。

ついでに言うと、彼からはマイルームで「大層な別嬪」と評されている。カーミラから見た土方評は、「勇猛さと凶暴さは認めるものの粗食のせいか骨格に対して筋肉が少なすぎる」とのこと。

そして、2017年10月25日で追加されたカーミラのマイルームボイスによれば、彼のことを下の名前呼びしていることが判明し、その経緯からカップリング記事が存在する。

武則天

同じく拷問系支配者のアサシン。

仲が良いのか、「ふーやーちゃん」と愛称で呼んでいる。

荊軻

同じアサシンであり、中の人が同じ。

公式でも中の人ネタが拾われたのか、『閻魔亭繁盛記』では泥酔したケーカちゃんがエリちゃんの持ち曲「恋はドラクル」を熱唱、マシュに「エリザベートさんが成長して往年のベテラン歌手になったような声」と評された。

岡田以蔵

男だが多分幻想の鉄処女で弱点を突けるサーヴァント(彼は拷問が大の苦手)。

なお、想像すると危険な臭いがしてくる。

エミヤ(弓)

過去の自分を殺したいほど憎んでいるなど、設定がとても近い(料理の腕は真逆だが)。

メディア

中の人が同じサーヴァントで、過去の自分が天敵という共通点もある。

その他

とある学者

強いてあげるなら謝罪対象であろうか?

余談

『カーミラ』との関連

カーミラの名で現界している彼女だが、実際の所、原作『カーミラ』に登場する吸血鬼カーミラとはほとんど関係がない。一応カーミラ本人と言う設定ではあるが、設定の9割9分がエリザベート要素である。

真名を借りた別の存在が英霊として召喚される例は少なくないが、ここまで真名を思わせる要素が存在しないと言う例はなく、極めて異質な存在である。

そもそも原作における吸血鬼カーミラは、若い少女として書かれている。『カーミラ』のストーリーは「19歳の若い少女ローラと、同年代の外見をした謎の少女カーミラのミステリアスな交流(と百合)」と言うものであり、大人の女性であってはストーリーが成り立たないのだ。

確かに原作『カーミラ』はエリザベートをモデルとして描かれたとされているが、実際の所、共通点はかなり少ない。あくまで「女性の吸血鬼伝説」と言う点を参考にした程度と考えられる。

逆にエリザベート・バートリーは夫と結婚した後の方が伝承としては全盛期であるため、サーヴァント「エリザベート・バートリー」よりもむしろこちらの方が、一般的なイメージのエリザベートに遥かに近い

幼名や霊基変化などで別の名前を名乗るサーヴァントは多くいるが、英霊の全盛期でありながら、全く別の真名を名乗ると言うのは、(意図的に別のサーヴァントになりすましている場合を除いて)他に例がない。

他の英霊に倣うと、こちらこそが「エリザベート・バートリー」で、あちらを「エリザベート・リリィ」(あるいはいっそ「カーミラ」)とした方が違和感がないのである。

これに関しては、『CCC』で先に少女の姿のエリザベートを出してしまったため、あちらを「リリィ」にする事ができず、大人の方は別の名前で出すしかなかった、と言う事情だと推測される。

現在では李書文と言う類例もあり、必ずしも別名義が必要な訳ではないのだが、初出より未来のサーヴァントとして登場したのはカーミラが初めてかつ当時唯一であり、方針として定まっていなかったのだろう。

また、『カーミラ』は『ドラキュラ』に多大な影響を与えた作品として、名前だけはかなり知名度が高いが、その原作は短編集に収録された1本の作品に過ぎない。しかも、語り手に未成年の少女をおいて多くの謎を残す、と言う作風であるため、カーミラ自身の設定は非常に曖昧。

1人のサーヴァントとしてキャラクターを成立させるだけの情報は乏しいため、ここで名前を使っても問題ない、むしろここ以外に名前を使える場所が無い、と言う考えもあったのではないだろうか。

大人の女による“夏の本気”

2016年8月11日から開催された2016年水着イベント『カルデアサマーメモリー』のアイテム交換の概念礼装「サマータイム・ミストレス」のモデルに抜擢されたのだが……

センシティブな作品センシティブな作品

なんということでしょう

悩ましげなわがままボディボンデージの意匠が凝らされた赤いビキニで着飾り、サングラス越しの妖艶な金色の瞳とは対照的に表情はどこか複雑で眉もハの字に垂れている。

髪もポニーテールに結い上げ、いつもとは一味も二味も違う雰囲気を醸している。

パラソルの下でサンオイルを片手に、物憂げにこちらを見つめるその在り様は、多くのマスターの心臓に“ときめき”という鉄処女の棘で刺し貫くことになった。

そして2018年の『FGO』3周年記念として発表された英霊旅装では……

ちゃんと服を着ているのに色気を隠しきれない貴婦人の姿になり、多くのマスターの間で騒ぎになった。

田中敦子氏の逝去

声を担当した田中敦子氏は、2024年8月に61歳の若さで逝去。

訃報が発表された8月20日は、開催中だった水着イベントの更新分シナリオに水着の彼女が登場していた。このこともあり、彼女の名と併せて田中氏の死を悼んだ者は多い。

なお、後任・代役声優についてのアナウンスは現時点ではされていない。

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