概要
遊戯王OCGに登場するカードの種類。モンスターが描かれたカードであり、デュエルはこのモンスターでの攻防が基本となる。
モンスターには攻撃力、守備力があり、単純な戦闘では攻撃力が高いモンスターが勝利する。
もちろん、効果を発揮するカードや魔法・罠の存在もあるため、それだけにとどまらない。
「モンスター」という名称はカードとしての分類名であり、如何にも怪物といった様相のデザインも数多いが、それ以外にも人間であっても「モンスター」と呼ばれるし、ファンシーな動物さんでも血の通わないマシーンであっても、単なる魔法のアイテムであってもモンスターと分類されており、そのバリエーションは非常に豊富である。
世界観として「なんでもあり」なごった煮状況が遊戯王の魅力でありデザイン拡張性の高さに貢献している。
詳細な説明
遊戯王OCGには「空間」の概念があり、カードを出せる空間として「フィールド(場)」が設定されている。
モンスターカードは「フィールド」内の「モンスターゾーン」という区域に「召喚」されることで空間的に存在することができるようになる。
「召喚」されたモンスターは何らかの要因でフィールドから取り除かれない限りは以降もフィールドにとどまり続けて役割を発揮する。
召喚されたモンスターの主な役割は以下の通りである。
・戦闘に参加する
モンスターはフィールドに呼び出さなければ、戦闘に参加することができない。どれだけ高い攻撃力が書かれていても、呼び出せなければ基本的には意味がない。カードを装備することも、フィールド上でしか行えない。
・効果を発揮する
大半のモンスターのもつ特殊能力(効果)は場に存在することで発動される。召喚しなくても発揮される効果や、召喚自体を行う効果も存在する。
・素材やコストになる
リリースとしてさらに上位のモンスターを召喚するためのコストになったり、シンクロ召喚などのエクストラデッキから呼び出されるモンスターの素材となるためにはフィールドに存在している必要がある。
・表示形式を変更する
下記にて解説
遊戯王のざっくりしたイメージでいう「モンスターが何か実体化するやつ」の正体がこの「召喚」である。
遊戯王カードの元ネタである「マジック:ザ・ギャザリング」におけるクリーチャーと比較すると、
遊戯王ではモンスターの攻撃は相手の場にモンスターがいる場合必ずそちらを優先して攻撃しなければならないのに対して、
マジックではクリーチャー(遊戯王でいうモンスターに相当)の攻撃はプレイヤーへの直接攻撃であり、防御側がモンスターを壁にする選択をしなければモンスターがモンスターに攻撃するシチュエーションは起きないという違いがある。
このため、遊戯王OCGではモンスター同士のぶつかり合いがプレイングの中心になりやすく、モンスターはこのゲームの花形であると言えよう。
また、どんなにステータスが低くても場にいる限りは壁となって相手の足止めとなれるため数値に関わらず一定の役割を任せられる反面、ステータスが低いだけだとすぐに攻撃で撃破されてしまうため、能力値の貧弱なカードはそれ以外のメリットで採用意義を持つ必要がある。
表示形式
「フィールド」に「召喚」して「モンスターゾーン」に存在するモンスターは必ず以下の内いずれかの「表示形式」を取っている状態になる。
「表示形式」はカードの物理的な位相によって表現される。
・表側攻撃表示→カードが絵柄などの書かれた表面を見せるようにして、長辺が90度になるよう縦向きにして置かれる
・表側守備表示→カードの絵柄などが書かれた表面を上にして、横向きに置かれる。
・裏側守備表示→カードの絵柄などが書かれていない裏面を上にして、横向きに置かれる。
モンスターカードの種類
特性によって以下のように分けられる。
メインのデッキ
モンスターカードのステータス
モンスターカードは必ず「カードの名前」「属性」「レベル」「種族」「攻撃力」「守備力」が設定されている。
加えて、効果モンスターの場合は「効果」、融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターの場合は「召喚素材」が、ペンデュラムモンスターの場合は「ペンデュラム効果」が設定されている。
「攻撃力・守備力」は戦闘時のダメージ計算を行うためのステータスである。
自分から相手プレイヤーか相手モンスターに攻撃する場合か、相手モンスターから攻撃された際に攻撃表示だった時には攻撃力を、守備表示で存在しているモンスターが他のモンスターと戦闘する場合は守備力を使ってダメージ計算を行う。
リンクモンスターのみ「守備力」を持っていない。
「レベル」はカード名の下、イラスト枠の上に☆の数で表現されている。
レベルは召喚時に影響するステータスであり、レベル1-4はリリースが不要、レベル5-6なら1体、レベル7以上なら2体のフィールド上に既に召喚されている他のモンスターを召喚時の対価としてリリース(墓地に送ること。生贄。)しなければならない。
エクシーズ・リンクモンスターはレベルを持たない。代わりに、ランク・リンク数を持つ。
「カードの名前」「種族」「属性」はそれ単体では意味を持たず、特定の名前や属性などを指定した他の「効果」などによって参照されることで初めて意味を持つステータスである。
属性
モンスターカードには属性があり、闇属性 ・光属性 ・地属性・水属性・炎属性 ・風属性 ・神属性の7種類が存在する。
属性間の優劣関係は、公式ルール上は存在しない。
もっぱら魔法カード等の効果の対象になるか否かに関わる事項である。
原作やアニメでは優劣関係が描写されている。
種族
モンスターは属性とは別に、多くの種族に分かれている。
これも魔法カード等の効果の対象になるか否かに関わるもので、優劣関係は存在しない。
原作・アニメでは幻神獣族は効果に対して特殊な耐性を持っていた。
種族によって、種類の多さにかなり偏りがある。
戦士族・機械族・悪魔族・魔法使い族・ドラゴン族が多く、海竜族はかなり少ない。
詳細は遊戯王OCGの種族一覧を参照。
特殊なカテゴリー
属性や種族とは別に、特殊なカテゴリーに属するカードが存在する。
特徴として、専用のサポートカードがある。以下はその一例である。
・「~モンスター」と呼ばれるモンスター群
・カードの名前が共通するカード群
詳細は遊戯王OCGの特殊カテゴリー一覧を参照。
トークン
実体のカードとしては存在しておらず、何らかのカードの効果によってゲーム中に無から生成されてフィールドに特殊召喚されてモンスターカード扱いになるモンスターをモンスタートークンという。
モンスターゾーンでのみカード扱いとなるが、カードではないため、フィールド以外の空間に存在することはできず、手札や墓地に送られない、裏側表示が存在しない、などの制約を受けている。
トークンは攻撃表示・守備表示の切り替えを表現でき、「いること」が表わせられる物品であれば、何を使用しても良いことになっている。
公式ではトークン専用カードなども商品化されている。