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俺の歌を聴けー!!!!!

プロフィール

生年月日2024年 8月15日
血液型B型
身長184cm
体重75kg
趣味宇宙遊泳、昼寝、オレの歌を聴かせること
好きな食べ物激辛カレーライスキムチトムヤムクン
好きなアーティストオレ(もしくはオレが本気で歌えた時)
特技寝言で歌を歌える
CV神奈延年 / 歌唱パート:福山芳樹

俺の概要を聞けぇ!

本作品の主人公

ロックバンド「FIRE BOMBER」のメインボーカルとリードギターを担当する21歳の青年。

逆立った茶髪と丸縁の青いサングラスを付けている。

出生等に謎が多く、一時期は「リン・ミンメイの子供では?」との推測もされた。

そもそも過去描写自体がほとんど無く、現在判明しているのは少年期のごく一部とバンドメンバーのレイビヒーダとの出会い程度。

高度なドライビングテクニックや格闘能力を始め、相当数のスキルを身に着けているが、どのようにして習得したのかは一切分からない。

少年期に「歌で山を動かしたい」との思いを抱いてから歌うことにこだわり続け、

今では頭の中がそれで埋め尽くされている熱血歌オタク。

争いごとが嫌いであり、口癖は「戦争なんかくだらねぇ、俺の歌を聴けぇ!

『歌』があれば他種族とも理解しあえると『超本気』で思っている。

そしてその信念を証明するために改造バルキリーで戦場に乱入しては歌い続けていた。

この行動に最初はガムリン木崎を初めとした正規軍人からは頭がおかしいと思われていたが、その熱意に次第に周囲からも認められるようになる。

更に敵であるプロトデビルンたちも魅了していき、最後にはその歌の力によって戦う意味すら消し去ってしまった

音楽には一切の妥協をしないため、「FIRE BOMBER」のメンバーはミレーヌが加わるまで頻繁に入れ替わっていた。

女性にはモテる(ミレーヌ・シビル・花束の少女etc)が恋愛感情よりも先に歌を相手に届けることを優先しているためにそういったシーンはほぼない。(『突撃ラブハート』等、熱い恋愛ソングを数多く作っているため、恋愛を理解していないわけではないのだろうが、本人にとっては歌の題材の一つに過ぎないのだろう)

上記のみを見るとうるさいだけの男に思われるが、普段は意外と大人しく物静か。

一見粗暴だが実際は上記の通り暴力行為を特別嫌っており、作中、ミレーヌを守るためとは言え数人の不良を殴り飛ばしてしまった時には「歌で感動させなきゃならねぇのに……」と激しく自省している。

心根は優しい男であり、動物や子供に対してかなり柔らかな応対をしており、敵対種族であるプロトデビルンであろうとも手を差し伸べる度量の深さを持っている。

仕事の選り好みこそするものの、老人ホームでのライブでは演歌調の前口上を行い、幼稚園でのライブでは歌のお兄さんをきっちり演じる等、一度引き受けた仕事はなんだかんだきちんとやり通すプロ精神を持ち合わせている。

ライブでは予定していた曲を突然変更する事も多いが、ちゃんと場の空気や客の反応を見てからのサプライズとして行っており、言動に反して思慮深い面もある。

パイロットとして

ミュージシャンでありながらバルキリーにも搭乗し、その操作テクニックはガムリン木崎をして『天才的』と言わしめた。具体的には、ギター型の特殊な操縦桿をかき鳴らし、歌を熱唱しつつ超高等技術「QM69」を余裕で行う程。被弾率も低く、最終話で愛機を破壊された以外には、大きな損傷を受けた事はほとんどない。

『ダイナマイト7』においてはバルキリーをアコースティックギターをかき鳴らして歌いながら操縦するという荒業を披露する。ギターのネックと尻で操縦桿を叩き操縦する様はもはや異次元の領域である。しかもその時の乗機であるVF-19P 「じゃじゃ馬」と評されたYF-19とほぼ同じ性能であり、乗り手を選ぶ超ピーキーな代物である。

戦闘技能はともかく、単純な操縦技術だけなら歴代最高クラスのパイロットである事は間違いない(彼を上回るパイロットはマックスやメルトランディのクロレ等、ごく少数だが存在する)。

観察力や判断力にも優れており、先に到着していた船団が全滅しているのを見た際に「死体が一つもないのはおかしい」と状況の異常さをいち早く察知する等、高い知性が窺える。

ガウォークでの初飛行時も数瞬のレクチャーで理解し、ミリアを唸らせる準応力も持ち合わせている。

愛機VF-19改(通称「ファイアーバルキリー」)はその名のごとく、燃え上がる炎のような真紅のカラーリングが施されている。武装はそれなりにあるが殆ど使われることはなく、メイン武装となるのは彼の最大の武器である『歌』を響かせるための巨大スピーカーとアンカーである。(劇中では3回ファイアーバルキリーに搭載されたマイクロミサイルを撃つことがあったが、1度目はバロータ兵の襲撃を受けた民間人、2度目はガムリン木崎の窮地を救うためやむを得ずの使用で、撃ってしまったあとはかなり気分が沈んでいた。明確に自分の意志でミサイルを使ったのは3回目のガビルに対してで、この時はシビルに対して歌が届かず、ガビルも歌を聞くことを拒否していた事にとうとうブチ切れた事による。なお、ミサイルは着弾前にガムリンの乗るVF-17が身を挺して阻止。直後、ガムリンに「お前は歌うんじゃないのか!?」と説得され、再び歌い始めた。)

他のマクロスシリーズでもテーマとなっている歌を武器とするシーンはあるが、その為のスピーカーを搭載したり、空気が無くともアンカーを打ち込んで強引に歌を響かせるのは彼だけである。(余談だが、スピーカーポッドの命中率は百発百中レベルを誇る)

バサラにとっての歌とは

バサラは作中、他者の歌に対し上手い下手を言う事はない。ミレーヌに対し何度か厳しい事を言った事はあるが、それは彼女の歌に対する姿勢の低さに関しての事であり、彼女の歌そのものにダメ出しをした事は実は一回もない。

実際、プロトデビルンのギギル銀河クジラが歌った時はただそれだけで大喜びし、共にセッションしているが、逆にジャミングバード達の強制された歌に関しては、前者より歌自体は上手くとも、軽い嫌悪感を示している。

スーパーロボット大戦Z』シリーズではより分かりやすい場面があり、ランカバジュラをおびき寄せるために歌っている時には激しく怒り、強引にランカの歌を断ち切ると周囲に対して「お前らがこいつに無理やり歌わせてるのか!」と強く叱責した事もある。

つまりバサラにとっての歌とは、「自身の魂を表現する物」であり、たとえ歌が下手であったとしても、そこに魂さえ籠っていれば、必ず相手に伝わると本気で思っているのだ。だからこそ、強制されたりいい加減な姿勢で歌う「魂なき歌」には激昂し、熱い怒りを燃やすのである。

この信念を持つ故に、彼は戦場に飛び、歌を聞かせる。何故なら魂のない撃ち合いをするよりも、魂のある歌を聞いた方が、互いをより強く理解できるからと、本気で信じているからだ。

アニマスピリチア

バサラの歌には、人のスピリチア(生気のような物)を回復させる力が秘められている。

その力は非常に強く、プロトデビルンによって廃人となった人々を復活させ、更にはプロトカルチャーであるプロトデビルンの活動にすら影響を与え、彼らを無害な存在へ進化させる程である。

この力があるせいか、彼の発する歌エネルギーは個人で10万チバソングを軽々と超え、他の追従を許さぬ膨大なエネルギー量を秘めている。

プロトデビルンはこのスピリチアを吸収して生きているため、プロトデビルンの総帥ゲペルニッチは自分たちがスピリチアを吸収してもバサラにより回復させればまた吸収が可能になるという「スピリチアファーム」という構想を抱いていた。

ところがシビル・ギギルなどのプロトデビルンたちがバサラの影響で歌の力に目覚め、さらに最終話においてはゲペルニッチ自身も歌の力に目覚めて、自らの歌によって魂を喚起させることでスピリチアを生成することに成功。これによってプロトデビルンたちには人類と戦う意味がなくなり、戦いも終結した。

備考

本作が放送開始時には視聴者から「なぜ戦わせない!」等の抗議があったが、物語が進むにつれ、彼がミサイルを発射してしまった時には「なぜミサイルを撃たせた!」と逆に抗議があったとされている。

これとは別にピンポイントバリアパンチも緊急時に使用しているが、これは壁を破壊したり暴れる相手を無力化するため。シティ7の住民とミレーヌがバロータ軍の輸送機で連れ去られるのを阻止する際にも使っている。

ミンメイが「歌で戦いを終わらせた」と言われていても、実際は歌を聞いたゼントラーディ軍が混乱している隙に司令長官・ボドルザーを殺害したのが事実である。と言うか、そもそも「歌自体が武器扱い」(『マクロスΔ』では「プロトカルチャーが創造した生命体は歌でマインドコントロール出来るように設計されている」説が登場している)だった事に対するアンチテーゼとしての役割もあった。

最終的に彼の歌は他のロボットアニメは当然として、他のマクロスシリーズでも実現していない、さらには音楽系アニメでもラスボスを倒して(歌の力である種、無理矢理に改心させられて)終わりの作品も多い中で、『本当の意味で歌で戦いを終わらせる』と言う偉業を達成した。

その偉業の為、この後は設定が盛りに盛られ「歌うと問答無用で分かり合えてしまう」という域にまで到達してしまい、実は『マクロスF』でも出演する予定だったが「彼が登場すると数話で問題が解決して話が終わってしまう」から出演は無かった事になった、という都市伝説まである。

男性主人公がグッズやアイテム等の商品化になりにくいロボットアニメにおいて(メインはロボットであり、商品化もヒロインがなりやすいので、主人公でも男性ではほとんど商品化されない)、マクロスシリーズでは歴代の歌姫達のアイテムが定期的に商品化され、その中に歌い手の一人としてラインナップされる事が多いので、彼の商品化は男性主人公としては群を抜いている。

歌マクロス スマホ Deカルチャー』など他のマクロスシリーズの歌姫達が勢揃いする中にも居る、普通なら歌姫だけの中に男が居るだけでも騒動になりそうだが、メーカーも当然のようにラインナップし、ユーザーも当たり前のように受け入れられている、という他では見られない特殊な立ち位置のキャラクターとなっている。

2019年3月1日~4月21日に開催されて、5月4日に結果が放送された『全マクロス大投票』(総投票数は25万4131票、男女比は男性68.9%・女性31.1%)作品別キャラクター人気投票2位(TV版)35位(ダイナマイト7)50位以下(銀河がオレを呼んでいる!/マクロスFB7)総合ランキング2位と人気が高く男性キャラで1番人気がある。

スーパーロボット大戦シリーズ

古今東西のロボットアニメが参戦するゲームシリーズ『スーパーロボット大戦』にも『マクロス7』は参戦しており、加入直後は「敵味方関係なく、かつ所かまわず歌を聞かせる」という奇行をうざがられるものの、作品の枠を越えて徐々にファンを増やしていく。

また、同じく「歌」や「音楽」関係に深いキャラクターとのクロスオーバーイベントもあり、特に『第3次スーパーロボット大戦α』では、リン・ミンメイ渚カヲルらの協力によりゲーム主題歌でもある『GONG』を完成させ、αナンバーズと共に歌って勝利に導いた。

バサラも含めFIRE BOMBERは、なんと武装が無く敵に対して一切の攻撃ができない(代わりにレイ機に修理・補給機能がついている)。しかし代わりに歌の効果により、味方に使えば気力やステータス上昇、HP回復などであり、一部の敵に対してはダメージ(『D』のプロトデビルン『Z』シリーズケルビム兵など)もしくは気力低下(『第3次α』のプロトデビルン、バジュラ、一部のボス敵など)の効果あり、一定以下まで気力を低下させれば撃墜扱いで撤退する通称「歌撃墜」というシステムが存在する。

これを利用して1ターンでバジュラを殲滅させる事も可能。

ちなみに初登場の『D』では歌うのに必要な歌ENが一切回復できず(回復できるパーツもない)、後の作品で気力の上昇と共に歌ENが上昇するようになった。

またFIRE BOMBERの熱烈なファンであるオズマ・リーのエースボーナスがバサラの歌絡みになっていることもある。特に本人と共演した時のボーナスは強力。

なお、歌の効果がない敵に対しても歌うことは可能で、中には特殊セリフを喋る一般兵もいる。

コメント

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  • マクロス7-オリキャラ歌手の話

    初恋、それは導く者

    バサラにゴシップネタが増える話。オリキャラの癖に性格が濃いのはバサラのキャラの濃さに負けないため。
  • 「REMEMBER16」ファーストコンタクト②

    暗い店内に、熱いサウンドが溢れていた。 (誰も…誰も聞いちゃいねえ) 店の客の反応は悪かった。 苛立ち気に立ち上がり野次を飛ばす者までいた。 「うっせえ!出ていっちまえ!」 「止めろ!耳障りなんだよ!」 罵声と同時に、飲みかけのビール缶が飛んできた。 咄嗟に避けたがバックの壁に当たった缶の飛沫がバサラに跳ね返った。 構わず、歌い続ける。 今度は、角瓶が飛んできた。 瓶は、バサラの左側を掠め壁に当り、派手な音を立て割れた。 危ない状況にバサラは、眉を寄せた。 (くそっ、何で分かりやがらねんだ!?) ギターが、唸る。 バサラは、悲痛な叫びをあげるように歌った。 そこにカウンターから、一人の女が歩み寄ってきた。 罵声を浴びせる客の間から、見えた。 彼女はバサラと目が合うとふと微笑して、瞼を閉じた。 たった一人、客の中で彼女だけがバサラの歌を聞いていた。 (たった一人…一人だって、いいじゃねえか!) 俺の歌を聞いている人がいる。 その事実が、バサラを奮い立たせた。 バサラは己の熱い魂を叩きこむように、ハートを込めて歌った。 その女に向けて。 周りの罵声やつまらないしがらみも、全て消えて身体中が歌だけになった。 心地よい感覚に身を任せて、バサラは最後まで歌いきった。 「聞いてくれて、サンキュー!」 彼は感謝の意を込めて、ピックを投げた。 その女に向けて。
  • 閃光のAXIA~FIRE!~

    閃光のAXIA~FIRE!~

    メ、メッサァァァァァァァァ!!(泣) 失意と共に書き上げたIFルートです。 スパロボ的な感じでマクロス7のバサラが助けてくれます。 時間軸や設定がメチャクチャな部分がありますがご了承ください。 メッサーは、デルタ小隊を去って数日が経って、近くの赴任先の星にいることになっています。 歌で戦いを終わらせたあの人なら、メッサーを救ってくれる筈! 助けてバサラァァァァァ!
  • ミュージック【マクロス7】

    マクロス7で小話。アプリゲームで再燃したので、サイトより加筆再掲。 ※ガムミレバサというかトリオ愛というか、特に何も起こらない日常小話3本。
  • A dream is surely a dream.

    A dream is surely a dream.⑫

    一番賛否分かれる部分だろうけど、自分なりの解釈って事で。 色々意見が聞きたいなぁ。
  • 「LOVE IT⑩」

    「はあ~あ……」 自宅に帰るなりミレーヌは、ソファに溜め息をつきながらドサッと 横になった。 運転している間に怒りもおさまり、冷静になると改めて彼にキスしたことを思い出し、その後のいつもと変わらぬ展開に虚しさを感じたのだ。 (何やってんだろ、私…) ミレーヌは、瞼を閉じて唇に指を当てた。 (バサラの唇、乾いてた) キスって、こんなだったんだと、彼女は他人事のように思った。 今だに自覚が無いのは、彼が眠っていたせいかもしれない。 (私、あの時どうして、バサラに気づいて欲しくないなんて思ったんだろう……) いや、そもそもどうして彼に告白しないのか。 今まで、バサラに女性関係が浮上したことはあったが、本人いわく全てマスコミが流したガセである。 一部の……シビルやラークなどの彼の音楽性に火を付けた女性も 恋と呼べるような感情では無いような気がミレーヌにはしていた。 彼は、歌を歌うことが中心に回っていて、他のことは見えていない。 どちらかと言えば、恋愛と言うよりも、もっと大きな人間愛的な感覚で女性を見ている。 そもそも、恋愛感情以前の問題で、ミレーヌはバサラに女性扱いされたことが無い。 練習が遅くなって彼に送ってもらう時も「ガキには、夜は物騒だからな」である。 (今だに、アイツにとって、私ってガキなんだよね) (私…もう17なんだよ?バサラ…) ずっとそばに居て、色々な面を見てきた。 良いところも悪いところも……。 バサラにしても、それは同じはずなのだ。 (アイツの中で、私はどの位置にいるんだろう……) ただの、バンドのメンバー……? 「やめた。考えたってしょうがないもん!」 益々ネガティブになっていく思考を頭を振って止めると、ミレーヌはソファから立ち上がった。
  • 大人の魅力に必要なこと

    大人の魅力に必要なこと③ 説得

    続きが遅くなりすみません。 ぜひ感想や文句などお願いします。
  • Special day

    バサラ誕生日に、バサラの心にラブハート!する強気ミレーヌちゃんのお話です。
  • やはり、俺はセンターノヴァになるのは間違っている。番外編

    番外編キャラクター紹介

    八幡が00の日常を描く番外編です。今回の参戦キャラはマクロスセブンの歌姫、熱気バサラやマッサマン/Snow Man00の初代向井康二や プリキュア5より弾けるアイドル、春日野うららが参戦決定!物語がますます盛り上がります。お楽しみ!
  • チェリーブロッサム⑤

    「あ~あ、行っちゃった……」 ミレーヌは息を切らせながら、たった今発車したばかりの星の手線の車両を恨めしげに見つめた。 昨日の花見で気を良くして、散歩がてら街を散策しようと、愛車以外で移動した日に限ってコレだ。 (参ったなぁ~…) 人気の無い閑散としたホームで、ミレーヌは独りごちた。 ため息をついて時刻表を確認すると、次の列車は最終だった。 危うく、終電に乗り遅れるところだった。…。間に合っただけでも良しとしよう、自分に言い聞かせる。 (あと、20分か……) この時間帯は本数が少ない上に、乗客も少ない。 先程の車両で、殆どの客が乗ってしまったのだろう。 自分の足音がやけに反響する構内に心細さを感じながら、彼女は息をついてベンチに腰掛けた。 ステーションの階段を昇る音がして、身構えて振り向くと、そこにバサラがいた。 彼女に気づいて皮肉気に笑い、お前、乗り損ねたのかよ?と呟く。 ミレーヌが目を見開いて、どうして……?と問うと彼はベンチに歩み寄り彼女の隣に座った。 ギターをベンチに立てかけて、何でもないように応える。 「……俺も、星の手線で来たからな」 (レイのワゴンがあるじゃない……) そう思ったが、彼女はそれを口にしなかった。 …………不器用な、嘘。 彼の優しさに甘えて気づかないフリをしていよう、とミレーヌは思った。 口元に笑みを浮かべ、顔を上げる。 天井を仰ぐと、透明な楕円形のドームの外には満天の星空が広がっていた。 ホログラムが映し出す偽物の夜空ではなく、雄大な天の川銀河…。 (バサラは、銀河に恋して旅に出るのかもしれない…) 星空をボンヤリと眺めながら、そんな事を考える。 それは、寂しいような、胸が焦げるような…自分でもよく分からない感情に苛まれる。 長い沈黙が二人の間を包んだ。 いつもより大人しい彼女を一瞥し、落ち着かない様子でバサラは前髪を乱暴にかきあげると、ミレーヌの手のひらに何かを寄越した。 「……何?…」 突然の彼の行動に驚き、そろそろと指を広げると、水玉模様の包み紙がコロンと転がっていた。 ミントキャンディと表記がある。 (辛党のバサラがキャンディ…?何で!?) 呆気にとられて彼を見ると、バサラは、やっぱりやるんじゃなかった、と決まり悪そうにして首筋を掻いた。 秋子の厚意に乗ってみれば、反応がコレだ。 今更、「秋子さんからだ」なんて言葉も言い訳がましい。 バサラは脚を組み片膝に頬杖をついて、大袈裟な溜め息をついた。 「………喉、使い過ぎだ。お前」 「え……!?」 意外な言葉に、ミレーヌは動揺した。 確かに、レコーディングで声を張り過ぎたかもしれない。 だが、自分でも自覚していない微妙な喉の調子まで彼は気付いていたのだろうか……。 「ったく、お前ボーカリストだろ!?それぐらい、判るだろーが?」 胸が一杯になって、もはや彼の溜め息混じりの皮肉も耳に入ってこなかった。 ミレーヌはベンチの上で両膝を抱え込み、その間に顔を埋めた。 勿論、自然に零れる笑みを隠す為だ。 (……ありがと、バサラ) 心の内で彼に感謝の言葉を述べ、手の中のキャンディをキュッと握りしめる。 「オイ、話聞いてんのかよ?」 いつもは自分が言っている台詞を、彼が吐いたことにクスッと笑うと、ミレーヌは顔を上げ、拗ねたようにポツリと呟いた。 「……バサラのせい、だもん…」 「アア!?」 何、人のせいにしてやがんだ、と言いかけてバサラは思わず口を噤んだ。 ミレーヌが真っ直ぐ自分を見つめ、可愛くない台詞とは裏腹に困ったような複雑な微笑みを浮かべていたからだ。 普段とは違うその表情に、ふと吸い込まれそうになってバサラはヒヤリとした。 またか、とバサラは思う。 昨日から、感じているこの既視感は何なんだ……? 広いステーションの中、此処だけが空気が密度を増した気がして、バサラは彼女の瞳から視線を逸らし、ぎこちない手付きで鼻を掻いた。
  • バサラ夢 ショートストーリー

    Happy Birthday to BASARA NEKKI

    夢小説、主人公の女の子は名前が出てこないようになってます。 心の中でご自身を入れてお楽しみください。
  • グババの家出は、

    グババ、グババ。どうしてそんなにカワイイの。
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    当日中に上げようとして途中で寝落ちるという失態を犯してしまったレイの誕生日ネタ。 バンドメンバー以外が空気。 ケーキ感が薄い。 腐要素が薄いけどレイバサと言い張る。
  • 突発的に思いついたネタ~東方時空歌~アニマスピリチアの幻想入り

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  • マクロス7二次創作

    REMEMBER16 プロローグ

         プロローグ 一人の少年が、地元では『マウント・ドリーム』と呼べれる万年雪で覆われた山に向かって歌っていた。 目的はたった一つ。 (山を動かしてやる!) 少年は、今日も微動だにしない山に向かい、少年の体には大きすぎるギターを抱え心を込めて歌った。 山の周辺に住んでいる人々は、 『頭がイカレちまったのさ』と奇異な目で見ていたが、そんな事は少年は気にしない。 毎日欠かさず、少年は山に向かって歌った。 そんなある日の事である。 一人の男が砂塵の舞う荒野から歩いて来た。 30代半ば位だろうか、左手には殆ど空になったスコッチの瓶を持ち、その足取りはおぼつかない。 いわゆる飲んだくれである。 その男の虚ろな目が、ふと山に向かって歌う少年に焦点があった。 男は魅入られるようにそこに立ち止まり、少年の歌を最後まで聞いた。 ………今日も山は動かなかった。 少年は歌い終わり、ため息をついた。 ギターを抱え、ふと振り返ると見知らぬ男が立っているのに気付く。 「………」 二人はしばらくの間見つめあったが、男の方がゆっくりと、微かな笑みを浮かべ少年に呼び掛けた。 「山を一緒に動かしてみないか…?」と。 ……これが幼い頃のバサラと、レイの出会いであった。 あとがき 14~16歳のバサラのお話しです。 *途中から創作人物が登場します。 創作捏造にどうぞご理解下さい。 「LOVE IT」と、時系列は違いますが、話が繋がっているのでご注意下さい。
  • お前を きっと 待っている

    名前もないただのおじさんが歌を聞かされる話です。 昔から聞いて大好きな曲を題材に書きました。 ほぼ私小説みたいなものかも知れません。 バサラの口調が捉え切れていないのが否めないので、そこはお許しください。
  • DIAMOND STAR

    クリスマスのバサミレです。なぜかいきなり偽装結婚をする羽目になったバサラとミレーヌがクリスマスシーズンに突入した地球へ旅に出かける。そこでの二人の関係はどうなっていくか?なストーリーです。 一応、R18にはしませんでしたがギリギリと思います。よろしくお願いします(*^^*)
    13,468文字pixiv小説作品
  • プレリュード④

    確かに、合わせてみなければ分からなかった。 バサラは隣りでプラネットダンスを熱唱する彼女を見つめた。 自分のギターに合わせているというよりは、この曲を己の物にしていた。 なのに、今までのメンバーの誰よりも演奏し易いのだ。 まるでパズルのピースがピタリと嵌った時のような感覚。 音がゾクゾクする位、溶け合っていた。 鼻にかかった甘い歌声が。 あっという間に、己の世界観に引き込んでいく。 少女は弾けるように、歌う事の喜びを溢れさせていた。 音を、歌を、楽しむその姿に、バサラはしてやられたような気がした。 自分はこれほどまで、楽しんで歌っていただろうか。 感じるままに歌いたいように、自分の歌を歌う。 それが最優先で、その他の事は二の次だった。 歌を楽しむ、そんな単純な事を忘れていたから。 今まで誰とも、合わなかったんじゃないか。 そう思わせる程、少女は楽しげで。 バサラは彼女と初めて会った時を思い出した。 ただのうるせーガキだと思っていたけれども。 あの時キラキラと輝いて、眩しく見えたのは気のせいじゃ無かったのだ。 へえ……。 結構、やるじゃねえか……。 歌い終わり沈黙が広がると、少女はおずおずとレイを見上げた。 「あの…」 不安そうな少女を放ってギターをスタンドに掛ける。 歩き出した背に、レイは声をかけた。 「バーサラ」 「俺は、レイに従うよ。リーダーはレイだからな」 その宥めるような声音に、振り返り応える。 何より、レイが跳ねっ返りのその少女をメンバーに決めたのは、その満足げな表情で火を見るより明らかだったから。 例え自分が反対したところで、その決定は絶対に覆らないだろうとバサラは確信していた。 反対するつもりも、微塵も無いが。 「ま、俺はグババが気に入ったけど」 そう言い残してバサラは練習場を出、屋上に出た。 大きく伸びをして崩れ落ちた壁に両肘をかけ、独りごちる。 「グババが、か……」 あまのじゃくな自分の台詞に苦笑する。 レイ以上に、生意気な飼い主が気に入ったなんて事は。 悔しいから、言わない。 見上げれば、アクショの空は雲一つ無くスカッと晴れ渡っていて。 先程、見た空とは違い。 大きく広がり、どこまでも続いているような気がした。 バサラは微笑して燦々と照りつける太陽に身を委ね、その光を吸収するように静かに目を閉じた。 じんわりと暖かさを感じる瞼の裏に、黒い円が浮かび上がり。 眩しい程、全体が白色に滲んでゆく。 先程の少女の歌声が、優しくバサラの体中を満たしていた。 ………サ…ラ。 バ サ ラ! 「バサラってば~、ねえ、何時まで寝てるの~!?レイ達待ちくたびれちゃうよー?」 困惑した声音に薄目を開ければ。 サングラスのテンプルがパールピンクの爪先に持ち上げられ、視界に入ったのはレンズの色と変わらない抜けるようなブルーの空と、対照的なピンク色の髪の持ち主だった。 サラサラのその髪が頬に掛かり、少しくすぐったい。 直に人工の太陽光に晒され、バサラはその眩しさに目を細めた。 翳した指を伸ばして無意識にその毛先を掴むと、傍らに座っていたミレーヌに寝ぼけた顔を向け、ぼんやりとした思考で幾度もまばたきをした。 段々、状況が読めてきた。 屋上で休憩してたら、ミレーヌがホットドックを持ってやって来て、口も付けず美味いのかじっと見るから、結構食っちまって、それから…。 …………。 「食べてすぐ寝たら、太るんだから~!!」…何たらかんたらキャンキャン喚く声が遠くの方で聞こえていたような気がする。 「何だよ?ったく、起こすなよ。人が寝てんのに」 掠れた声で恨めしげに呟くと、もぉー、とミレーヌは両腕を組み拗ねたように唇を尖らせた。 「こんな所で寝たら風邪ひいちゃうでしょお!何よぉ、そーんなに機嫌が悪くなる位、良い夢でも見てたんだ?」 「まあ、な」 あっさり肯定するとミレーヌの顔にクエスチョンマークが浮かんだ。 きょとんとしたその顔に、笑いが零れる。 夢に出てきた張本人に起こされるなんて、何てお約束だ。 「ねえ、どんな夢なの?」 「さあ?」 「さあって、良い夢見てたんでしょ~~!?そぉやって、まぁたはぐらかすんだからー!すっとぼけないで教えなさいよーー!!」 「ヤダね」 起き抜けの体に、ミレーヌの声が耳をつんざく。 夢でも、リアルでも、ミレーヌは相変わらずだ。 お転婆で、生意気で、心に届けとばかりにいつも五月蝿い。 だけどもその声が、何故か胸のど真ん中にストレートに響くのだ。 初めて逢った時と、変わらず。 バサラは苦笑してワシャワシャとミレーヌの髪の毛を乱暴に撫でると、その手からサングラスを取って顔に掛け、立ち上がった。 「いーんだよ。お前は分かんなくて」 分からなくていい、アイツは。 その存在が、どれだけ俺を解き放ってくれたか…。 いや、多分この先もずっと…口にすることなんて出来やしない。 ジーンズのポケットに両手を突っ込み、振り返ってニヤリと笑う。 「ミレーヌ、練習するぜ!」 「なーによぉー、もう!教えてくれたっていいじゃない~!!」 ミレーヌは不服そうに、眉を八の字に曲げてバスケットを持ち、バサラを追い駆けた。 奏で合う事が、楽しくて。 二人で歌えば、どこまでも響き渡るような気がした。 あまりにも満ち足りてたから、忘れかけていたんだ。 遥かな、空の青さを。 その向こうには、何があるのか。 ……カナリアが。 あんまり良い声で鳴くもんだから。 もう少し、聞いていたかったんだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  • 「LOVE IT⑧」

    夕暮れを浴び、機材に反射した茜色が目に飛び込んできた。 何もかもが、オレンジに染まっていた。 風がそよいで手元の草を揺らしている。 ……この景色のせいかもしれない。こんな気持ちになるのは。 (そうだ。この色……!) ミレーヌはハッとしてポケットから、彼から貰ったピックを取り出して、目の前に上げた。 丁度、スクリーンは夜に変わろうとしていた。 ブルー、オレンジ、イエローが微妙に混じり合っている。 (似てる……) ピックと空の色を重ね合わせて、しばらく見つめる。 (宝物、また一つ増えたね) 肩にいるグババに微笑むと、賛同してキィと鳴いた。 ミレーヌは大事にピックをポケットにしまい、隣りにいる彼に声をかけた。 「バサラ」 瞼を閉じたまま、反応が無い。 不思議に思い顔に耳を近付けると、かすかな寝息が聞こえた。 「……バサラ、寝ちゃったの?」 (そっか、疲れてるんだ……) 身を起こしてすぐそばにある寝顔を見つめ、ミレーヌはそっと彼の髪を優しく撫でた。 夕闇に映る、精悍な頬。 その指が下に下り、躊躇いがちに半開きになった唇で止まる。 (…………好き、だよ。バサラ) 愛しさが込み上げて、彼女は瞼を閉じて顔を近付けた。 一瞬、唇が触れる。 一方通行の、ママゴトみたいなキス。 唇を離すと、彼の寝顔が目に飛び込んできて、ミレーヌは恥ずかしさのあまりビクンと身を起こした。 早鐘のように鳴っている心臓に、手を当てる。 (初めて、キ、スしちゃった……) 今更ながら、自分の行動が信じられない。 その時、一際強い風が二人の間を吹き抜けていった。 一面に生えた草がザアッと音を立てる。 「……ん、いつの間に、眠っちまったか……」 (!!) その音に目が覚めたのか、バサラは大きな欠伸をして身を起こした。 ミレーヌは驚いて、後ろに手をついた。 (もしかして、起きてたの……!?) 立ち上がった彼は、何時まで経っても座っているミレーヌを訝しげに見下ろした。 「どうしたんだよ?」 その不思議そうな顔に、ホッと胸を撫で下ろす。 (良かった。気付いてないみたい) 「な、何でもない!!」 真っ赤になってミレーヌは、慌てて立ち上がった。

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