概要
『小説家になろう』にて連載開始。
KADOKAWA(エンターブレイン)にて書籍化。 イラストはやすもが担当。既刊17巻。
KADOKAWA(富士見書房)によりコミック化する。作画は剣康之が担当。既刊13巻。
パソコン用ゲームのシナリオライターとして活動している内藤氏が「読んでいても疲れない、穏やかなストーリーの投稿小説が少ない」ということで思い立ち執筆開始。「小説家になろう」で多く書かれている異世界ファンタジーのテンプレートを踏襲しつつ、過激なバトル・凄惨な事件などの描写を極力抑えてのんびりした日常が描かれている。
ただし主人公が典型的鈍感なこともあって、彼を取り巻く周囲のパワーバランスは非常に危うかったりするので、妙なスリル感を味わえるのが本作の特徴。
ストーリー
街尾火楽は大卒後、運悪くブラック企業に入社してしまい、そこで体を酷使しつづけた結果、30代での長期入院の末に39歳という若さで人生を終えてしまう。
だが、死後の世界で創造神が登場。創造神の諸事情により、特に制約の無い気楽な異世界転移を頼まれる。
引き受けたお礼として『人の居ないところへの転移』『20代の姿に若返り』『健康な肉体』『万能農具』『初心者パック』を半ば強引に与えられ、生前に興味を持った『農業』を異世界で始める。
だが、そこは人外魔鏡な魔王国の中でも『死の森』と呼ばれる程、恐ろしい魔物たちが闊歩する呪われた陸の孤島であることも知らずに…。
登場人物
詳細及びその他の人物は『異世界のんびり農家の登場人物』を参照。
用語
死の森
主人公街尾火楽が転移した先である森林地帯。魔王領きっての危険地帯でもある。
- 強力な魔物が多数跋扈しており、攻撃性も高い。ここの魔物が街に出れば大被害、下手すればそのまま壊滅させられるとのこと。つまり害獣が多い。
- 地面は固く、浅い場所に塩の層があり、通常まともな植物は育たない。つまり開墾地として死んでいる。
- 生えている木々は特殊で、通常手段では加工出来ないほど硬い。つまり木材にならない。
- 雨季は無いが四季があり、冬季は頻繁に吹雪いてまともに行動できない。
- 落神となった魔神が封印されていたためか、聖女セレスによると「神託が非常に鮮明に聞こえる」との事。神のいる次元に近い場所なのだろうか?
確かにヒラクの希望通り人が少ない環境だが、ヒラクの万能農具でしか開墾出来ず、環境も過酷の極み。そのため開拓地としては、完全に事故物件である。
現在《大樹の村》の住人で元々《死の森》に住んでいる種族は、魔物系を除けばハイエルフのみ。他は、西のダンジョンを利用してラミア達が、北のダンジョンにて巨人達が、東のダンジョンにはゴロック族がそれぞれ生活している。あとは森外周の山に住む獣人族が狩猟のため入る程度。魔王領に属しているものの、これまでは管理者不在であった(ラミア族たち原住民との接触も無かった)。
なお、北 / 南 / 東のダンジョン(天然)とは別に《大樹の村》にもヒラク謹製のダンジョンが12年目の春に完成。転移門の設置箇所としての各種防衛設備のほか、村人たちの遊技場・子蜘蛛たちの住居・キノコやモヤシの栽培所など、色々と活用されている。
ハウリン村
《大樹の村》から東の山の中腹辺りにある村。人口500人程度で犬系獣人が多い。元々100人くらいの集落が5つあり、それをまとめて出来た連合村らしい。産業は採掘・金属加工が主体。鉱物の取れ高で採掘場所を変えて行くため、周期的に村の場所が変わる。寒村ではないがそれほど裕福でもない。
魔王国の国都からは非常に遠いが、魔王領に属している。今まで山向こうにある人間主体の《ヒュマ村》と取引をしていたのだが近年仲が悪化したため、新しい取引先を求めて《大樹の村》に遣いを出した。《大樹の村》のことは魔王の部下の通達で知ったらしい(徴税に訪れたビーゼル?)。
交易方法は《大樹の村》から《ハウリン村》へ品物を持ってきてもらい、そこで物々交換市を開く形に。理由は《ハウリン村》の住人が《死の森》を越えるのは命懸けになるため。《ハウリン村》の交換物資は塗料、鉄製品、銀製品、ガラス製品など。9年目からは《大樹の村》からの注文で、サスペンション用スプリングの生産も開始した。
今まで取引していた山向こうの村とは食料品と交換しており、他の村とは交易がないでもないが遠いため量の確保が難しく、少し危ない状況だった。そのため大樹の村との交易の続行・拡大と共に口減らしのための移住を大樹の村に依頼してきた。ただし、基本は子供でそれも女子ばかり22人。村長は条件として若い男を2,3人入れるようにして希望者全員を受け入れた。
移住者代表はハウリン村村長の娘セナ。この時の移住者の中では1番年長だがそれでも15歳程度。条件の若い男は幼児を3名、女子と合わせて25名が大樹の村に移住した。後にセナの兄であるガット一家や弟子カップル、ガルフ一家なども移住。なお、少年トリオは14年目に嫁探しも兼ねて魔王国の貴族学園に入学、圧倒的実力を背景に紆余曲折を経て学園の教師として勤務中。
勇者
人間のみから発生しうる、魔王を倒す宿命を背負った超人たちの総称。
「伝統勇者」と「教会勇者」の2種類が存在するが共存することはなく、6000年前から9年目冬までは後者のみが存在していたのに対し、それ以外の期間では前者のみが存在。前者は何の予兆もなく普通の人間が自然発生的に突然発現したもの(1/100万ほどの確率)で、他に例を見ない完全オリジナルの魔法を使うのが特徴。逆に後者は各地の教会で勇者認定を受けた者(手の甲に勇者の紋章が現れる)がなり、仮に死んでも登録した教会で自動復活してしまうため、敵に回すと厄介な存在。
本来は農業神が設定した「勇者システム」で、この世界の弱小種族である人間への救済策であったが、これにより人間の勢力が異常拡大したため、急遽対として魔神が設定した「魔王&四天王システム」が導入される。だが、落とされた魔神が封印中にその「勇者システム」を破壊できず逆に利用する事を考えた為、「伝統勇者」に代わり「教会勇者」が登場。これによって各国間のパワーバランスが大きく乱れてしまい、野盗化し悪事を働く勇者が増え世界の混乱に拍車をかける遠因となった。
だが9年目の冬、魔神の封印が強化されたことで教会勇者の復活パワーが途絶えてしまい、教会勇者はもれなく普通の人間に戻り、新規認定もできないようになってしまった。その一方で、その埋め合わせをするかのように伝統勇者が再び世界各地に現れるようになった。少なくともコーリン教の管轄下だけでも2名、さらに一ノ村に8名が存在している。ただし一ノ村の住人から総じて不評で、「望んでもない余計な宿命なんていらない」とか「そもそも実用性が無い」などと酷評している。
アニメ
2022年3月にアニメ化企画が発表され、ゼロジーの制作で2023年1月からテレビ東京、BSテレ東、AT-Xにて放送。テレ東アニメであるが、AT-Xの放送の方が早いという珍しい例。
関連動画
第1巻TVCM
関連タグ
のんびり農家100users入り のんびり農家500users入り
- 農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。:前シーズンにアニメ版が放送されていた作品で、農家×異世界の作品繋がり
- のび太の宇宙開拓史:開拓要素・赤い月と青い月の2つの月がある舞台などの共通点がある。
- ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん:放送時期が同じWEB小説原作もの。こちらも過去になろうで掲載されていたが、現在はカクヨムでの掲載になっている。
- 転生したらスライムだった件:こちらも小説原作な作品で、元日本人からの異世界転生もの・定住する土地がどんどん大きくなる開拓などの要素・主人公がその地域の長となる・多種多様な種族が集まるなど、共通要素が多数ある。