竹本テツ
たけもとてつ
主人公・竹本チエの父親。本作の主要人物であり副主人公格。
アニメ等でのCVは芸人の西川のりおが務めている。
元々はホルモン焼き屋『テッちゃん』の主人だったが、博打やケンカに明け暮れるようになってから、娘のチエが小学生ながら代わりに店を働くようになってしまった。
チエの他にも、彼のせいで周りの人間が不幸になったという出来事が起こる。
その被害者である百合根光三やカルメラ兄弟のようにその『不幸』が堅気稼業への更生の一因になったり、彼の活躍で万年ヒラ巡査だった丸山ミツルが所長(派出所長)に出世したこともあり、一概に悪とも言えない部分もある。
人外ともいえる体力と喧嘩の強さを有しており、ボクシング国内チャンピオンを一撃で倒す、世界最強ボクサーを戦意喪失させるぐらいまでボコボコに殴る、酒の回った幕内力士3人を相手に複雑骨折させるほど打ちのめす、ヤクザ数十人を相手に圧勝する、など強さは桁外れ。もっとも、初期には「テツが勝てるのは三人までや、それ以上増えると頭が混乱する」と菊(テツの母)に言われ、(以前各々ボコボコにした)ヤクザ四人が組んで襲ってきた時は返り討ちにされてしまっていたこともある。
また、恩師の花井拳骨、実母のオバア(竹本菊)にも勝てない。ただ、花井曰く「ワシがアイツに勝てるのは相手が苦手意識を持っているから」とのことで、実際相手が特定できなかった闇夜ではオバアをボコボコに返り討ちしたことがある。それを以てしても猫(小鉄だけでなくアントニオJr.にも)には勝てない。あと、酒の入った百合根光三も本人が逃げ出すなど、身内に勝てない相手が多い。
一方、ヤクザや警察からは屈指の危険人物として目をつけられるほどであり、実際にヤクザをボロボロになるまでブン殴ったりカツアゲするなど、命知らずな場面がある。そのためテツと鉢合った際ヤクザが直ぐ様逃げ出し、それをテツが追い回すのはお約束となっている。なお、他のフィクションのように銃を使えば簡単にテツ退治ができると思われがちだが、連中がそれをできないでいたのは知人に警察官がいる上に西萩がテツの島(まだ他に黒幕がいる、取り巻きの復讐を恐れていたなど)だと思われていたからでもある。
そのような噂が立つのも無理なく、受けた恨みは必ず仕返しすることを信条とする執念深さを持ち、往生際も悪い。その相手は人間でなかろうとお構いなしで、自分に敵意を見せた犬とまともに喧嘩して7回も噛み付くほど(その犬は実はアントンを噛み殺した張本人ならぬ張本"犬"で百合根の近所の家に住む少年の飼い犬だった)。それが、テツ本人とは知らず何者かにやられたという話を又聞きすればヨシ江曰く「怖い人」、チエ曰く「ケダモノみたいなおっさん」という感想だったが、百合根にしてみればアントニオの仇討ちをしてくれたと大喜びだった。
周囲からはクズテツなどと散々な評価をされているが、チエには甘く、親子としてお互いを大事に思っている。また妻のヨシ江・母の菊、そして恩師の花井拳骨には頭が上がらず、騒動を起こしたりよからぬことを企んで彼らにしっぺ返しを食らわされることが多々ある。
男相手の喧嘩には売り買い問わずに参戦する。女性に手を上げることはないが、事故やそこに居ることに気づかずに無意識に拳が当たったことも(小林マサルの母など)。テツの喧嘩っ早さを心配した母の菊から「不良とヤクザであればド突いてもえぇ」と教わったことも影響している。
一度だけ彼女と知らずに返り討ちにしたことすらある(後にリターンマッチで敗れる)。一方、他所の子供相手にも容赦無く手を上げる大人気ないところがあるが、天野コケザルのようにタバコを吸っているところを注意するなど例外もあり、ここぞというときには大人の威厳を見せることがある。
本能の赴くままに生きているため物事を深く考える事を知らず、そのためチエ達に行動パターンを把握されやすい。たまに悩むような素振りを見せるが、拳骨曰く「悩み方を知らない」であり、はたから見れば歪なポーズを取っている。
趣味はヤクザをどつくこととカブをすること。しかし、負けそうになったらイカサマを平気でするなど周囲の迷惑にもなっていた。また、チエ曰くすぐ顔に出るので、彼女は彼を鴨にしていた。それでも持続力は高いので、チエが惨敗した朱先生とは互角に戦っていた。
強面で喧嘩が強い反面、下戸で酒が飲めず非喫煙者というアンバランスな激しいギャップの持ち主でもある。大の甘党で特にかりんとうが好物、かりんとうの噛んだ時の音で自分の体調を確かめられるほど。また、天丼と天ぷらうどんも好物で、よくおごらせている。そんな偏った生活をしている割に、健康状態は極めて良好(まるで某警察官のよう)。
一方、常に腹巻きを巻いているため少しでも外すと途端に腹を下すという致命的弱点があり、後述のボクシング編の際には(ヒラメがスケッチのモデルにした際に上記の弱点が発覚したのもあって)ボクシングの際には腹巻きが出来ない事に真剣に悩んでいた。
注射が苦手でカナヅチという子供っぽさもある。方向音痴でもあり、オバア曰く「一人でひょうたん池より遠いところへ行ったことがない」そうである。
上述の通り、ヤクザも彼を恐れているため、ヤクザの間でテツやテツの身内に対し、非礼なこと《劇中ではスリ、窃盗など》が起きたりすると、上から落とし前を付けてこいといわれるほど。
また、常連客が、チンピラからテツに助けてもらったと発言している場面もあり、テツが大活躍する話も多い)、テツによってある意味周囲の治安が保たれている一面もある。
更にテツに潰されたやくざ「地獄組」組長のレイモンド飛田がボクシングジムを経営してテツをプロボクサーに仕立てようとするが失敗している。
元々菊がテツに店を持たせるためにホルモンを焼く技術を叩き込んでいるため、焼く技術は相応に持っており(チエより上とも)、作中では厚生させる目的で一時期ホルモンチエちゃんで焼かせていたこともある。だが、誰もが怖がって店に来なくなったので、丸坊主に髭を剃らせて別人として焼かせていた(のちにテツとは知らず毎回嫌がらせをしていたヤクザが、髪と髭が伸びてテツだと分かって地獄を味わった)。また、黒星が込んでいた関取たちがゲン担ぎで食べると、半ば病みつきになるが、同時に性格も粗暴になってしまったこともある(三人ともテツ一人に完膚なきまでにやられる)。
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