「案ずるな 地獄と違って住みよい所ぞ」
概要
尸魂界(今のPCなら一発で変換できるので試してみよう)とは、漫画『BLEACH』に登場する死後の世界である。もう一つ別に大罪人の堕ちる地獄が存在するため、簡単に言ってしまえば天国・極楽・浄土と呼ばれる世界のようなものと考えればよい。
尸魂界が誕生したのは今から100万年前で、よほど悪いことをしでかさない限り死んだ人間は死神の斬魄刀の柄で額を押されることで成仏し、尸魂界に向かう。また、浮遊霊(死神は「整(プラス)」と呼んでいる)であっても、死神が手続を踏めば無事成仏できる。整が他の悪霊『虚(ホロウ)』に襲われ虚化・破面化しても、生前の罪がそれほどでない場合には死神が斬魄刀でぶった切れば罪が洗い流され、成仏する仕組みになっている。
構造
流魂街
瀞霊廷をぐるりと取り囲む下町。江戸時代の街並みを保っている。
一般的に地上(現世)で死んだ人間の魂が辿り着くのは流魂街であり、ここに辿り着いても現世における家族や恋人の魂と一緒にいられるかどうかは運次第である。生まれついての死神だけではなく、流魂街の住人が死神に志願することもある(朽木ルキア、松本乱菊、阿散井恋次他)。
餓死することはないが貧富の差はある。
瀞霊廷
死神や霊界貴族の住まう場所。白一色の無機質な建物が立ち並んでいる。瀞霊廷は円形をしており、東西南北に四つの門が存在する。その門の間は歩いて10日もかかるほど広いため、尸魂界全体は恐らく日本列島その物よりも広い。
また、瀞霊廷のはるか上空には霊王宮と呼ばれる尸魂界の全てを管轄する「霊王」の住まう場所が存在する。
死後の世界の住人
貴族という言葉を聞いて、「死後の世界にも血族なんてあんの?」の思った方も多いだろうが、実は尸魂界の住人は死神・非死神を問わず生殖能力がある。そして、尸魂界の住人は既に現世で死んでいる場合であっても更に死ぬこともある。
実はBLEACHの世界では霊体であっても死神や虚などの高い霊圧を持っていればそのへんの電柱やパイプ椅子で殴ってダメージを与えられるという実に大雑把な世界観をしており、死神や流魂街の住人も霊子と呼ばれる素粒子で構築されている生物なのである。
そのため、死神や志波家の皆様は公式設定に体重や好きな食べ物、血液型までしっかりと明記されている。海燕曰く霊体がこちらの世界で更に死んだ場合、その人物は(着ている服ごと)無数の霊子となって四散し、尸魂界を循環する霊子の一部となり、やがてそれは現世に放たれて新たに生まれた生命が持つ魂となるのだという。
彼らの寿命はかなり長く、昭和22年に死んだ少年が21世紀になってもまだ子供のままだったりと老化(成長)の速度は非常に遅い。まだ小中学生くらいに見える朽木ルキア(赤ん坊のころに死亡して尸魂界入りし、生前の実姉と一緒に流魂街で暮らしていた)が150歳以上であることから考えるに人間の十数倍の寿命を有するものと思われる。そのため、老化自体は存在する(バラガンによって強制的に時間を圧縮させられた砕蜂の腕が見る見るうちにしわがれ白骨化していった描写を見る限り)。特に死神は霊圧がある程度の段階に達すると極端に老化が遅くなるため、中には2000年以上生きている者もいる。
ぶっちゃけた話老化速度は住人によってさまざまであり、誰が若くて誰が年寄りなのか、見た目ではまず判別不可能といってよい。
瀞霊廷には朽木家を始めとした四大貴族が存在するらしい。過去は五代貴族だったものの、志波家は没落した。
関連項目
ネタバレ
尸魂界では敵対していた虚/破面、滅却師以外の尸魂界の住民や死神達は日本人(例外的に砕蜂のみ中国読み)で、西洋的な名前を持つ者が全く確認されていなかったが、後に発表された読み切り漫画『BURN THE WITCH』においてその理由が判明した。
イギリス・ロンドンにおける尸魂界である“尸魂界・西梢局(ソウル・ソサエティ ウェスト・ブランチ)”の存在が明らかになったことで、今までBLEACHの世界で知られていた尸魂界というのは日本方面における尸魂界であり、地域・国別によって別の尸魂界が存在しており、体制もそれぞれでかなり異なっていることが明らかになった。
西梢局では死神にあたる存在が魔女、虚(悪霊)にあたる存在がドラゴンと呼ばれ、日本では斬魄刀による浄化によって霊界へと送るのが主体なのに対し、西梢局での対応は人に仇なすドラゴンとなってしまったモノ以外は資源・養殖などで共存しているという方針の違いがある。
なお、BLEACHにおいて朽木ルキアに対し「東梢局(とうしょうきょく) 十三番隊所属 朽木ルキア」という表記がされたことがあり、BLEACHに登場した尸魂界は厳密には“尸魂界・東梢局”と称すると推測できる。