あらすじ
人間と知性を持った動物が共存している世界にある学校「シートン学園」に通う唯一の人間で、大の動物嫌いの男子生徒・間様人(まざま じん)と、彼を無理やり自分の「群れ」に引き入れたオオカミの少女・大狼ランカを中心としたドタバタコメディ(たまにラブコメ)である。
ちなみに擬人化された動物は男は獣人(動物が立って服を着ただけ)スタイル、女は獣娘(ケモ耳と尻尾がある以外はほぼ人間)スタイルで、学園内の教職員は恐竜(教竜)。
また、動物豆知識が豊富にちりばめられている。
生徒は哺乳類が殆どである。教師が哺乳類以外の生物なので、無脊椎動物や哺乳類以外の生物も一応は人間のような知能を持っている世界観である事が伺える。
ちなみに学園内では学食として肉や虫が出されており、家畜の概念も存在する様子。一方で、家畜とされる動物もこの学校に通っている。(この為、人間は肉を焼いてもらうなり、弁当を持参する必要がある。)
また、上記のように絶滅動物が生き残っている為、時々重いテーマを扱う事も。
登場人物
シートン学園・料理部
間様人(ジン)
主人公。シートン学園に通う、唯一の人間の男子。クラスメイトにヒトミに恋心を寄せている。
かつては動物好きだったらしいが、昔クマに絡まれていた狼の女の子(ランカ)を助けようとして、逆にボコボコにされ、それがトラウマになったせいか、それ以来彼は大の動物嫌いになってしまった(ちなみにその時の狼がランカである)。
動物嫌いのレベルは、他の動物達を「ケダモノ」「クソ○○(種族名)」呼ばわりするなど、動物は人間扱いしないレベルである。
しかし、その割に動物に対して博識な面があり、シマウマの系統を言い当てて見せた事も(つまり、動物に対しては理解のある性格と言う事になる)。その上面倒見の良い所がある為、メスの動物だけでなく、オスにまで好かれる羽目に。
幼少期に無謀にもクマの群れに挑んで返り討ちにあった経験からか、動物と戦うような事態になれば文明の利器や知恵、投擲力などの人間の特性を活かして立ち向かう。一応、種族は人間ではあるものの、ヒグマのパンチを食らってかすり傷で済むぐらいには頑丈である。
名前の由来は「人間様」のアナグラムから。
CV:木野日菜
メインヒロインである狼の女の子。体格はかなり小柄。
ぼっちだったが、食堂でジンに少し優しくされたことから彼を気に入り、自分の群れに入れようとする。その後は結果的に料理部部長となり、念願の群れを手に入れた(ただし、料理スキルは作ったものにモザイクがかかるほど壊滅的)。 食材を洗剤で洗ったり、料理は愛情でなんとかなるという言葉を真に受けている事などが原因となっている。
狼がイエイヌの祖先とされる為か「種族の違う動物同士でも群れを作れる」という理想を掲げており、実際どんな動物とも分け隔てなく仲良く接しようとする(ジンとは一見対極ながらも、根底の思想は共通しているとも言えるだろう)。
狼と人間の生態が異なる為か、(人間の価値観からすれば)行儀が悪く、空気の読めない面があり、当初はジンやヒトミに対しては何かと突っかかっていた。走り去る時は四足歩行になる。
ジンたち群れのメンバーにはオオカミ特有の舌によるスキンシップ(狼の中でも最上位のスキンシップ)を図ろうとするため、ジンには度々煙たがられている上にイヌ呼ばわりされる。この為、アニメの解説でも犬と狼の生態の両方が解説される事も。
マジギレすると毛が逆立ち、牙と爪が伸びるが戦闘力は他の狼と比べても極端に低い。
所属する学校名から、「狼王ロボ」に登場するロボの妻・ブランカがモデルと思われる。
牝野瞳(ヒトミ)
CV:宮本侑芽
シートン学園に通う唯一の人間の女子。
「♀」マークの髪飾りを付けており、ジンの想い人。おしとやかで人当たりや面倒見も良く、この作品における数少ない常識人。
料理が好きで、私有の調理器具を持ち寄り、調理実習室を部室に料理部を立ち上げた。
また、本人の意思とは無関係にあられもない姿を見せてしまう為、「発情期ちゃん」などありがたくないあだ名を頂いている(人間の生態に擬えたあだ名といえばそこまでだが)。
名前の由来はそのまんま「人間の牝」。
CV:久野美咲
コアラの女の子。
食糞癖以外は常識人であり、巨乳。語尾に「ら」が付く。
ちなみにコアラは親の糞を食べてユーカリの消化に必要なバクテリアを継承するので彼女のみの特殊嗜好ではない。一応はユーカリ以外のものを食べてみたいという欲求はある。ちなみに食糞嗜好に目覚めたのはランカのダークマターを食べた為。本人が幼少期時代に好んで食べていたが、名前を思い出せない食べ物とは正に糞の事である。
比較的人間にかなり近い女子生徒とは異なり、母親を含めて鼻がコアラに近くなっているのが特徴。
ちなみに母親はかなりの美人だが、食糞のことに関してはあまり触れて欲しくないようだ。
ちなみに調味料の分量が適当で、火を扱うのは怖がるものの、料理の腕はそれなりに美味い。ただし、パスタにユーカリの葉を入れるなど食糞に目覚める前から料理の天災の才覚は現れていた。(一応、加熱すればユーカリの毒性は消えるらしいが、人間が食べるには危険すぎるらしい。)
火を怖がるのは単純に獣が火を怖がるからというよりも、オーストラリアは山火事が発生しやすい条件が整っているからだろう。
名前の由来はコアラの生態(子守)とユーカリから。
CV:小原好美
ナマケモノの女の子。人間以外の動物で一番人間の女性に近い外観をしている。しかも結構可愛い。
初登場時は全身がコケまみれでそのコケを食べている。ナマケモノゆえに行動は極めて遅く、いつもジンにおぶってもらって部室へ移動する。(具体的にはカブトムシより遅い。)
郊外ではユカリらがカートを使って移動させている。
変温動物であるナマケモノの特性故に死にかけやすい。(作中では運動をした、人間向けの料理を食べた、風呂に入ったなどの理由で死にかけている。)
しかし、自室はスポーツ用品で埋め尽くされており、曰く自分に合ったスポーツを探しているのだとか。
名前の由来はミユビナマケモノから。
CV:徳井青空
猫(ラグドール)の女の子。
学園随一のアイドルであり、その美貌と愛嬌から何をしても許される存在であったが、自分のワガママをピシリとはねつけた上に尻尾の動きから自分の本心を見抜いていたジンと料理部にむしろ好感を持ったらしく、幽霊部員として気が向いたら出向いている。
喉を鳴らして対象の養育本能を刺激して洗脳する能力を持つが、ジンとランカには全く効果がない。
苺苺(メイメイ)
ジャイアントパンダの女の子。
VIP待遇でやってきた、中国からの留学生。
クルミ以上に我儘で自己中心的であり、自分がちやほやされるのが当然だと思っていたが、彼女もまた全ての動物を平等に差別するジンと出会って変化した。というか、生まれて初めて冷たくされ、「クソパンダ」と呼ばれたことによってドMに目覚めた。
生き血を吸うのを嫌って血液パックで食事を賄っており、それを咎める両親に鍛え直す目的でシートン学園に入学させられた。
ヒトミの可愛いお弁当に憧れを持ち、またジンの血を吸おうとしたことがきっかけでジンの作ったレバームースのタルティーヌを食べさせてもらうも吸血コウモリは味覚が退化しているため味がせずに絶望する。
その後吸血コウモリについて調べたジンに梅干しを食べさせてもらい、吸血コウモリにも味わえる料理があることを教えられる。
料理関連で親切にしてもらったことと、血を吸うのが怖いのではなく他者を傷つけたくないのであり、それは悪いことではないと諭されたことからジンに好意を持つ。
シートン学園の生徒
CV:青山吉能
シマウマの女の子。
初登場時は校内最大勢力であるウマの群れのリーダーであり、ジンらには高圧的に接していたが、ジンに「シマウマは馬じゃなくてロバだろ」と指摘された挙句、証拠を示すために大勢の生徒の前でスカートをめくられて縞パンの尻を晒されるという屈辱を受けた挙句、 冴えないロバの群れに移籍を余儀なくされた。
アニメ版ではマイルドな描写になっており、馬からは(ロバの仲間であっても)『気にしない』と言われるぐらいには慕われていた模様。
眼鏡を掛けた二匹のオス。一見オタク然としているがノリはやたら軽い。トレーディングカードゲーム『マジック・ザ・ドンキーズ(MTD)』の熱狂的な大ファンで、クロエにも勧めたほど。
二匹ともクロエに想いを寄せているが、気付いてもらえない。
こうしたキャラクター性にはロバの良く言えば駆け引き上手、悪く言えば保守的な性格に由来しているものと思われる。
ハダカデバネズミの女の子。
生徒会長であり、質実剛健でまじめな性格。しかし、種族特有の価値観である「服を着ていることは破廉恥、裸が健全な姿」との信条から、生徒会室などの他者の目がない場所では下着姿で過ごし、地上では服を着なくてはならない羞恥心に耐えながら職務に励んでいる。
取り巻きであるオス個体達も他者の目がない場所では皆ブリーフ一丁の姿で過ごしており、女王であるミキを崇拝しているが、天敵であるクルミに遭遇する度に弄ばれている。
ブチハイエナの女の子。
オレっ娘で、男子の制服を着て男子っぽい髪型をし、自分は男だと主張している。
ジンにハイエナはメスにも付いていることを知らされるまで実は自分にペニスがあることから、最初は本気で自分を男だと思い込んでいた。
シートン学園の教師
現生生物の先輩という立ち位置からか、全員絶滅生物になっている。
CV:玄田哲章
ティラノサウルスの先生(123歳)。
ジン達のクラス(1年1組)の担任(担当教科は歴史)。生徒達のことを「クソ哺乳類(ガキ)」と呼び、怒ると「絶滅したいかね?」と脅して(経験者が言うだけに重い発言である)喰い散らかそうとする非常に厳しい性格から、ヒグマのような大型肉食獣の生徒達からにも恐れられている。
荒本
アラモサウルスの先生。普段は穏やかだが、怒ると踏み潰そうとする。
元ネタが元ネタ故に校舎に入りきらない。
恐らく数ある雷竜の中で彼が選ばれたのは隕石衝突後もしばらく生き延びた恐竜だからだと思われる。
野戸
プテラノドンの先生(担当教科は体育)。怒ると目玉を突こうとする。
三角
トリケラトプスの寮長先生。怒ると串刺しにしようとする。
名前の由来はトリケラトプスの語源(三本角を持つもの)。
桑野
イグアノドンの校医。
CV:龍田直樹
アノマロカリスの学園長。水棲生物なので水槽に入っているが、ランカに水槽を壊された挙句、食べられそうになったりする苦労人。
何気に珍しい無脊椎動物枠である。
その他の生徒・関係者
狼の巨群を束ねるボスにして、ランカの姉。
ランカとは対照的に4mを超える長身と怪力を持ち、ヒグマのような大型肉食獣すらまるで相手にならず、教職員の恐竜達とも渡り合ってしまうほどの強さを誇るが、妹を溺愛する病的なシスコンで、ランカのことになると周りが見えなくなる。
フェリルの群れのナンバー2で、右腕を務めるシンリンオオカミのオス。
フェリルに忠誠を誓っている硬派な不良(3留中の20歳)。しかしフェリルが異常に強すぎるため目立たないが実力は備えているため、配下の狼達からもなんだかんだで慕われている。
名前の由来はそのまんまドイツの黒森と狼(英:wolf)から。
度々物語に登場する動物で、ジンが動物嫌いになった原因。
学園にのさばる不良生徒として登場するが、寺野をはじめとする教職員の恐竜達やフェリルの足元には及ばないかませ犬ならぬ、かませ熊である。
幼少期にランカをいじめた三匹は見た目はそのまんま熊である事からオスである事が伺えるが、赤い服を着たぬいぐるみのようなデザインとなっており、リアル調のオス達と比べて異彩を放っている。
ヒトミを襲ったコディアックヒグマも奇しくも三匹で行動しており、ジンに熊除けのスプレーを浴びて悶絶するも、水道で洗い流すなど熊の学習能力の高さを伺わせる描写も存在する。この世界の動物達が文明の利器を扱えるだけあり、中々に厄介な性質であると言える。と言っても寺野先生が抑止力になっているおかげでそこまで脅威にはなっていない。
余談
- 風紀委員会のポスターに作者の前作『キュピコ!』の登場キャラクターであるティコのイラストが描かれている。
テレビアニメ
2020年1月からTOKYOMX、サンテレビ、KBS京都、アニマックス、BS11で放送。
アニメーション製作はStudio五組。
制作に当たっては、群馬サファリパークや千葉市動物公園といった動物園の協力を得ている。
関連イラスト
関連タグ
キュピコ!(←作者の前作品)
けものフレンズ:同じくアイキャッチにモデルとなった動物の映像を使用している。