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鋼の錬金術師の編集履歴

2021-06-19 21:45:39 バージョン

鋼の錬金術師

はがねのれんきんじゅつし

『鋼の錬金術師』とは、荒川弘による日本の漫画作品。及びそれを原作としたアニメ等の派生作品である。

取り戻せ、すべてを――


概要

月刊少年ガンガン2001年8月号から2010年7月号まで連載された漫画。

作者は荒川弘で、単行本は通常版が全27巻、カラーページを再現した完全版が全18巻。

連載当時のキャッチコピーは『最強ダークファンタジー』。全世界累計売上部数は7000万部を突破している。

架空の世界を舞台にしており、科学水準は凡そ20世紀前半に相当する(旧アニメ劇場版『シャンバラを征く者』では地球に飛ばされてきたエドが1920年代のドイツで冒険する話だが、機械鎧関係以外の科学水準は変わっていない)


2003年版TVアニメ『鋼の錬金術師(通称『旧鋼』および「水島版」、「會川版」)は、毎日放送ホスト・TBSCBCおよび北は北海道放送から南は琉球放送までの、地方のTBSのお友達約25局アニマックスで放送された。全51話。当時は原作未完のため、漫画版とは世界観や設定、ストーリーが一部異なっている。主人公の人造人間錬成の経緯を受けてか、特に終盤や劇場版においては、フリッツ・ラングの「メトロポリス」へのオマージュが強い。

2009年版TVアニメ『鋼の錬金術師FULLMETALAL CHEMIST(略称『FA』)は、2009年4月から2010年7月まで放送された。ネット局は『旧鋼』と共通だが、アニマックスでは約3ヶ月遅れの放送となった。全64話。原作漫画に基づいたストーリーとなっている。


山田涼介主演で実写映画版が製作されている。2017年夏を目処に上映される予定だったが、同年12月までにずれ込んだ。また、こちらはノベライズも行われた(作者は新泉司)。


錬金術ブームの草分け

「こんな錬金術があるかい」(単行本1巻カバー裏より)


現在ではすっかり定番となったファンタジー要素の一つ錬金術を世に広く流布し、連載開始から数年後に到来した『錬金術ブーム』の草分け的存在ともいえる。

それまで、ガストのRPGアトリエシリーズ』で取り沙汰される程度の地味なファンタジー要素でしかなかったが、アクション漫画独特の迫力と『錬成陣』『等価交換』『合成獣(キメラ)』『ホムンクルス』と言ったディープな要素がうまく絡められ、それまでの錬金術のイメージにはない「凄味」が表れることとなった。

事実、この作品のヒット後から各メディア作品で次々と錬金術や錬金術師を扱う現象が増えており、錬金術を一躍メジャーコンテンツに押し上げた立役者と言っても過言ではない。


が、それゆえに「錬金術」という単語そのものを本作オリジナルの要素と誤解したファンも多く生み出した。上述したように「錬金術」という単語や概念そのものは本作以前より存在していた(そもそもが史実上においても登場している)ものであるにも関わらず、それを知らない一部のファンが他誌の別作で「錬金術」という単語が出ただけで本作の剽窃と勘違いして非難する事態が、一時期において出てくるようになった。実際に同時期の作品であった『武装錬金』(和月伸宏)も(使用する「錬金術」の設定が全く異なるにも関わらず)その非難を受け、両作者がこれに関して互いに「問題は無い」という旨のコメントをする事態になっている。


ストーリー

幼い頃、亡くなった母トリシャ・エルリックにもう一度会いたいという想いから、錬金術において禁忌とされる人体錬成を行った兄エドワード・エルリックと弟アルフォンス・エルリック。しかし錬成は失敗し、兄は左足を、弟は全身を失ってしまう。エドワードは自身の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成して、鎧に定着させることに成功し、なんとか一命を取り留めることができた。身体と左足右腕を失うという絶望の中、兄弟は「元の身体に戻る」という決意を胸に、その方法を探すべく旅に出る。


登場人物

詳細は鋼の錬金術師登場人物一覧を参照。


用語

錬金術

本作における錬金術は現実世界におけるそれと意を異にし、原子配列そのものを組み替える行為よりも既存の物体の形を変えたり、化学反応を起こしたりすることを主としている。本作における錬金術はれっきとした「科学」であり、等価交換の法則(質量保存の法則)を破ることはできない。そのため水属性のものからは水属性のものしか作れない、などと言った原則のルールが存在する。

アニメ1期では錬金パワーは術者本人の精神力とされていたが、後に原作では地下マグマの地殻エネルギーを使用していることが判明した。


本作では生物の身体は肉体精神の三つで成り立っているとされ、魂と肉体のリンクが途切れることを「」と呼ぶ。


賢者の石

紅きエリクシルなどとも呼ばれる深紅の物体。環境により鉱石、液体、ゲルなど様々な姿をとる。その正体は人間の魂そのものの集合体であり、使用することで属性や質量保存則を度外視した強力な錬金が可能。エネルギーを完全に消費して使い切れば塵となって消滅する。


ホムンクルス

賢者の石を核とした人造生命。七つの大罪に従った名称と性格を保有している。衣服の黒い部分は肉体と同一であり、身体を破壊されても賢者の石を使い切らない限り即座に再生するため、寿命も数百年単位と非常に長く老いることも無い代わりに生殖能力を持たない。

ただし、人間の肉体に無理矢理賢者の石を流し込んで作られた特殊なホムンクルスも存在し、これらは再生能力を持つものの不死ではないとされている。

アニメ1期では原作途中でこいつらの正体に触れねばならなかった為に、とんでもないどんでん返しが行われる事となる。


詳細はホムンクルス(鋼の錬金術師)を参照。


機械鎧(オートメイル)

作中に度々登場するサイボーグ技術。

手足の欠損などを補う節電義肢の一種であり、外見が無骨な鎧風。ただしこの技術は四肢に限定されたものであり、内蔵や中核神経など体幹を代替できるものは登場していない。

高額ではあるが、一般人や動物にも施されるなど、広く市井に普及している。

ちなみに一つ一つが専門の技師によって作られており、工業品というより工芸品的な趣がある。 その構造は極めて複雑かつ専門知識を要するためか、錬金術師でも機械鎧を錬金術で修復できない。


余談

鋼の錬金術師を担当していた編集者の下村裕一氏は現在、月刊少年ガンガンの編集長となっている。


テレビアニメ化を機に、爆発的に人気が上昇。そのため、ガンガンの発行数を16万部から40万部へ増やした。

裏を返せば、ハガレン終了後の現在は(他に人気作が終了していった事も大きいが)部数が大きく落ち込んでしまっている。


最終回を掲載した2010年7月号は、通常の2倍で発売したものの、全国の書店で売り切れが続出した為に、同年9月号に最終回を再録する事となった。

この最終回は110ページと約3話分のページ数だった事から、9月号については定価に収まるようにする為に、紙の厚さを薄いものにし、なんとか定価に収めた。


派生作品

小説

執筆は井上真氏。

原作本編ともリンクしており、原作の世界観を尊重しつつマイルドな雰囲気で読みやすい作品が多い。『砂礫の大地』はアニメ化前にドラマCD化された他、2003年版アニメでも物語に取り入れられている。その他にもエルリック兄弟を始めとした主要キャラ達の過去、本編では語られていないキャラクター達のサイドストーリーなども盛り込まれており、ファンならば読んで損のない作品となっている。一方で、ホムンクルスを初めとした原作の核心部分には、おそらく意図的に殆ど触れられてはいない。時系列的におそらく本編開始前だと思われるエピソードも多く、リン達シン国のキャラクターも殆ど触れられず、彼等が登場する以前のエピソードでほぼ構成されている。

そういった点では2003年版アニメ(旧鋼)と同じ範囲のエピソードで構成されており、原作のスピンオフであると同時に、2003年版アニメのスピンオフ作品でもあると言える(実際に、一部の小説エピソードや小説のキャラクターが2003年版アニメ本編に逆輸入されている)。


現在では、ガンガンONELINEの小説コーナーにて無料で読む事ができる為に、この機会に一度読んで見るのもいいだろう。

表題作以外にももう一作載せられる事もあり、こちらはコメディ主体のドタバタ劇がメインとなっている。

  • 『砂礫の大地』(2003年2月)…小説第一作目。廃坑の町ゼノタイムを舞台に、エルリック兄弟が自分達の偽物とそれに関わる騒動に挑む。
  • 『囚われの錬金術師』(2003年9月)…連続テロ事件と連続誘拐事件を調査するロイと、それに巻き込まれたエルリック兄弟の物語。
  • 『白い花の舞う谷』(2004年4月30日)…マスタングの代理で南部の視察に向かったエルリック兄弟が、『等価交換』を規律とする村の謎に迫る。
  • 『遠い空の下で』(2004年10月29日)…リゼンブールを旅立って1年後の兄弟を描いた過去物語。
  • 『それぞれの絆』(2005年6月30日)…ダブリスの師匠・イズミの元に滞在する兄弟(単行本7巻)の下に舞い込んだ、とある『禁書』の情報と、ロイが追う合成獣事件の顛末を描いた物語。
  • 『新たなはじまり』(2007年3月22日)…ウィンリィのラッシュバレー機械鎧技師修行の奮闘記。

ゲーム

ゲーム作品も多く発表されており、その多くはオリジナル展開をメインとしたものが多い。

中には完全に2003年版のアニメ設定に基づくものや、曖昧なものもいくつかある。


原作及びアニメ『FA』設定のゲーム作品

ただしこちらの作品群も、原作及びFAの設定とは食い違いや曖昧な部分も複数見られる。


映画化

アニメーション映画は2005年2011年にそれぞれ公開された。

共にL'Arc~en~Cielがテーマ曲を担当している。


シャンバラを征く者

2005年7月23日公開。

第一期(旧鋼)の最終回からの後日談で、1938年のナチス政権下のドイツとアメストリスという次元を超えた二つの地を舞台に、兄弟の絆と時空を謎の秘密組織の陰謀を描いた作品。

第一期ハガレン(旧鋼)の事実上の完結作である。


嘆きの丘の聖なる星

2011年7月2日公開。

原作並びにTVアニメ第二作(『FA』)の最終回を迎えた後に公開された。

一応は原作11巻(45話)の時間軸にあった『語られざる物語』として制作されており、それまで原作で殆ど触れられていなかった「西の国境地帯」を舞台に、そこに渦巻く陰謀と「嘆きの丘(ミロス)」の伝説に迫った作品なのだが、原作やFAの設定とは食い違う部分も多く、全体的に独自色が強い。また、主人公のエルリック兄弟を含めた原作キャラの出番や活躍が全体的に薄い。


実写版 鋼の錬金術師

2017年12月1日公開。

ミロ星でハガレンのシリーズ展開が一段落してから、実に6年後に公開された初の実写化作品。


物語はほぼ完全なオリジナルであり、全体の流れを大まかに言えば原作の第一話のリオールの話から、ホムンクルス・ラストを倒す辺りまでの話を、多数改変して短縮したエピソードである。その為に、全体的な物語や設定の改変も多く、各キャラクターの設定も一部変更されている。

演者と原作キャラのミスマッチ感や、各エピソードや設定の変更による突っ込みどころの続出、また一部の演者の演技の酷さ(特に批判を集めたのがウィンリィ役の本田翼)などから、人気漫画実写化作品としては久々に現れた地雷として、原作ファンからは烈火の如く叩かれて一部炎上した。


ストーリーは行き当たりばったりかつ継ぎ接ぎな部分も多いので、原作未読勢が初見で話に着いていくのは難しく(原作ファンですら一部置いてけぼりにされる程である)、その為に純粋に一本の映画作品として見に来た映画ファンからも批判が続出した。

ただし、一部演者のファンからは好意的な意見も寄せられており、特にグラトニー役の内山信二氏と、エンヴィー役の本郷奏多氏については、原作ファンからも評価は高い。


最終的には映芸の季刊誌「映画芸術」にて、2017年の日本映画ワーストテンの第5位に選ばれてしまった。


関連イラスト

取り戻せ、全てを。ハガレン

おつかれさま!(´▽`)約束の日


関連企画

ハガレンモザイクアート」2009年7月20日 - 8月16日

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST みんなでモザイクアートを作ろう! ~新章放送スタート!&8.26 DVD&Blu-ray発売記念!~ イラストコンテスト。


関連タグ

鋼の錬金術師 ハガレン

旧鋼 FULLMETAL ALCHEMIST

荒川弘 スチームパンク



関連用語

錬金術 錬金術師

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真理の扉 真理

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外部リンク

公式サイト

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST公式サイト


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