「………おれはこんなんじゃ ダメだ…」
「………“青キジ”に敗けた時 おれは思ったんだ………」
「この先の海にまた こんなに強ェ奴が現れるんなら おれはもっと強くならなくちゃ仲間は守れねェ………!!」
「…おれには強くなんかなくったって 一緒にいて欲しい仲間がいるから………!! おれが誰よりも強くならなきゃ そいつらをみんな失っちまう!!!」
「力いっぱい戦う方法を考えた… 誰も失わねェ様に………!! 誰も遠くへ行かねェ様に…」
「お前はもう… おれについて来れねェぞ… おれの技はみんな… 一段階進化する」
「『ギア』 『2』」
概要
「ギア」とは、『ONEPIECE』の主人公、モンキー・D・ルフィの考案した戦法である(※1)。
パンプアップを応用することにより血液の流れを通常時より上げ、爆発的な瞬発力を得る。
常人ならば心臓が破裂するような血流速度、超スピードへの加速と、それによる高い威力の打撃が可能となるが、ゴムゴムの実の能力によりそれはセーブされている。
一挙一足のスピードが上昇することで六式の高速移動術「剃」を使いこなせるようになる(※2)ため、並みの敵なら目視することすら不可能なほどに機動力が大幅に上昇する。そのスピードは、エニエス・ロビー編時点でブルーノの4.87倍以上の道力・速度を誇るロブ・ルッチの「剃」と互角以上に張り合える程だが、さらにルッチは悪魔の実の能力によって身体能力が上昇する人獣型となっているため、正確にはルッチの道力以上の速度を誇る(※3)。そのため、ブルーノは全く目視不可能な状況に陥った。
スモーカー中将などとの戦いで、ギア2に切り替えることで連続突きを躱し、距離を詰めるといった戦法に出ることができる。
修業期間を終えた2年後はさらに速度が大幅に上昇し、見聞色の覇気と併用して使用している。実際に単純なパシフィスタのレーザー2発(つまり光速)を圧倒的なスピードで回避する荒業を見せており、シャーロット・カタクリと互角以上の速度を生み出すことができる。
発動時には血圧が上がることで肌が赤光りし、全身から湯気が巻き起こる。
ルフィがギア2を使用する際にはある技や動物の名前を使用した技を除、技の呼称を「ゴムゴムのJET○○」で統一している。
欠点としては使用しすぎるとスタミナが切れやすくなることだが、新世界編ではさらにそれに耐えられるだけの強靱な肉体を獲得したことにより克服したようである。
発動の際には初期には足をポンプのように踏み入れる動作が必要だったが、レイリーとの修業により手をポンプ替わり、或いは握るだけで発動できるようになった(※4)。
新世界編では2年間の修行で覇気を修得し、さらに肉体・格闘術の強化を行ったため、蹴りだけでもホーディを凄まじい速度で吹き飛ばし、彼が激突した衝撃で遠方のギョンコルド広場を囲む巨大な岩が大きく破壊される程のより強力なJET技が使用できるようになっている。
また、この際には動物の名称を付けた技を使うこともある。
体に負担がかかりすぎるために滅多に行わないが、ギア3にギア2を重ね掛けすることも可能。なお、新世界編からは2年間の修業によりそれに耐えられるだけの強靱な肉体を獲得した模様(※5)。現状本編では対ゲッコー・モリア(影1000体)に使用されている。
台詞から察するに対青キジ戦後にギア3共々習得したと思われるが、その間ルフィが特訓した描写等が存在しておらず、具体的にいつ習得したのかは不明。
※1 あくまでも体術に優れるルフィであるからこそ、能力に応用できるだけである。
※2 ルフィ自身はギア未使用の状態でも「剃」を使用できるため、ギア2に切り替えればさらに速度が上昇する。
※3 SBSによると、CP9の「剃」と100mを4秒台で移動できるキャプテン・クロの「杓死」はほぼ互角となっているが、この公式情報には複数の問題点があるため、あまり信憑性がない。詳しい理由などについては『六式』の記事を参照。
※4 『ONE PIECE WHITE』に掲載されたアニメの設定画によれば、この動作をやっても別にいいらしい。
※5 アニメSP『ONEPIECE ハートオブゴールド』・アニメ版のカイドウ戦より
技一覧
JET系列
- ゴムゴムのJET銃(ジェットピストル)
「おれは お前らとここで会ってよかった」
初めて使用されたギア2技。左掌を突き出して間合いを超高速で測り放つ「ゴムゴムの銃」の強化版。2年前の時点でもあまりの速さに、ブルーノですら全く視認することも敵わない。しかし、2年後のホールケーキアイランド編時点のルフィでも、シャーロット・カタクリなどのような圧倒的な実力を誇る相手にはあっさりと対処される。鉄塊の上からブルーノに血反吐を吐かせたほどの威力を有する。
2年後には修業により、覇気を纏った拳で軽くPXくまを一撃で破壊し、叩きつけた衝撃で地面が陥没してしまう程にパワーアップした(しかし、シーザー・クラウンには意外にも高い基礎戦闘力を誇っていたため、大した効果は得られなかった)。
- ゴムゴムのツインJET銃
両手で放つ「ゴムゴムのJET銃」の強化版。
- ゴムゴムのJET回転弾(ジェットライフル)
アニメ273話で披露したオリジナル技で、超高速の「ゴムゴムの回転弾」の強化版。
ブルーノに対して使用した。
- ゴムゴムのJETミサイル
アニメ273話で披露したオリジナル技で、超高速で空中から放つ攻撃用の「ゴムゴムのロケット」の強化版。
ブルーノに対して使用した。
- ゴムゴムのJETバズーカ
超高速の掌底を放つ「ゴムゴムのバズーカ」の強化版。ギア未使用の時点で「ゴムゴムの銃乱打」に耐えうる装甲を破壊していただけの事はあり、一撃で獄卒獣ミノタウロスを吹き飛ばし、最強の「鉄塊・剛(てっかい・ごう)」を掛けたブルーノを撃破した。
- ゴムゴムのJETスタンプ
超高速の前蹴りを放つ「ゴムゴムのスタンプ」の強化版。
新世界編からは、軽く海賊船などを食べ、鋼鉄のような硬さを誇る数百メートル級の怪物「オオムカデ」の倍以上の大きさを一撃で倒す程までにパワーアップしている。
- ゴムゴムのJET斧(ジェットアックス)
アニメ308話で披露したオリジナル技で、「ゴムゴムの戦斧(オノ)」の強化版。
ロブ・ルッチに対して使用した。
- ゴムゴムのJET鞭(ジェットウィップ)
超高速の回し蹴りを放つ「ゴムゴムの鞭(ムチ)」の強化版。
- ゴムゴムのJET銃弾(ジェットブレット)
至近距離から超高速で放つ「ゴムゴムの銃弾」の強化版。
- ゴムゴムのJET銃乱打(ジェットガトリング)
超高速の拳を無数に放つ「ゴムゴムの銃乱打」の強化版。ロブ・ルッチを撃破した。
チンジャオとの激闘により、衝撃がコリーダコロシアム全体に駆け巡った。
『ONEPIECE〝3D2Y〟エースの死を越えて! ルフィ仲間との誓い』では、実践の極限状態で覇気が覚醒したこともあって、ワールドの「モアモア100倍速(モアモアひゃくばいそく)」と打ち合っている。
- ゴムゴムのJETロケット
超高速で突撃する「ゴムゴムのロケット」の強化版。
- ゴムゴムのJET槍(ジャットランス)
アニメオリジナル技。「ゴムゴムの槍(ヤリ)」の強化版。後に原作で登場した「ゴムゴムのJET槍」とは読み方が違う。ラルゴ戦で使用した。
- ゴムゴムのJET攻城砲(ジェットキャノン)
超高速で放つ「ゴムゴムの攻城砲」の強化版。シャボンディ諸島編で、ロロノア・ゾロとサンジの合体技として初使用。
- ゴムゴムのJET身代り(ジェットみがわり)
超高速の「ゴムゴムの身代り」の強化版。ジュラキュール・ミホークに対して使用し、バギーを身代りにした。
- ゴムゴムのJETハンマー
足で相手を掴み、超高速で地面に振り下ろす「ゴムゴムの大槌(おおづち)」の強化版。
- ゴムゴムのJET鉾頭棒(ジェットメイス)
掴んだ相手を超高速で蹴っ飛ばす。
シーザー・クラウンを遠方へ蹴り飛ばす程の威力を誇る。
- ゴムゴムのJET槍(ジェットスピア)
足裏を合わせた超高速で足元に突く「ゴムゴムの槍」の強化版。
パンクハザード島にある研究所の鋼鉄製の床を砕く程の威力を誇る。
- ゴムゴムのJETスタンプガトリング
アニメ649話で披露したオリジナル技で、「ゴムゴムのスタンプガトリング」の強化版。
チンジャオと互角に打ち合い、その衝突によって起こる衝撃が、コリーダコロシアムにいる観客を巻き込んだ。
動物の名前を使用した技
- ゴムゴムの鷹(ホーク)ライフル
武装色の覇気を纏い硬化して放つ「ゴムゴムの回転弾」の強化版。
チンジャオに一撃を与える程の威力を誇るが、そこまで効果は無かった模様。
- ゴムゴムの鷹銃乱打(ホークガトリング)
武装色の覇気を纏い硬化して放つ「ゴムゴムのJET銃乱打」の強化版。某ライダーとは関係ない。
- ゴムゴムの鷲(イーグル)バズーカ
武装色の覇気を纏い硬化して放つ「ゴムゴムのJETバズーカ」の強化版。
- ゴムゴムの鷹鞭(ホークウィップ)
武装色の覇気を纏い硬化した足で放つ「ゴムゴムのJET鞭」の強化版。
- ゴムゴムの鷹(ホーク)スタンプ
武装色の覇気を纏い硬化した足で放つ「ゴムゴムのJETスタンプ」の強化版。
- ゴムゴムの鷹銃弾(ホークブレット)
アニメ743話で披露したオリジナル技で、武装色の覇気を纏い硬化して放つ「ゴムゴムのJET銃弾」の強化版。
藤虎に対して使用したが、あっさりと相殺された。
- ゴムゴムの鷹斧(ホークアックス)
アニメ743話で披露したオリジナル技で、武装色の覇気を纏い硬化した足で放つ「ゴムゴムのJET斧」の強化版。
藤虎に対して使用した。
- ゴムゴムの鷹ツイン銃(ホークツインピストル)
アニメ855話で披露したオリジナル技で、武装色の覇気を纏い硬化させた両手で放つ「ゴムゴムのツインJET銃」の強化版。
シャーロット・カタクリに対して使用した。
必殺技
武装色の覇気を纏い硬化した腕に、さらに炎の爆発を伴った「ゴムゴムのJET銃弾」の強化版(武装色の覇気を使用した火拳のようなもの)。
エネルギーステロイドの服用によりギア2の攻撃すら通じなくなったホーディ・ジョーンズが遠方へ吹き飛ばされ、意識も吹き飛ばされる程の威力を発揮する。
※炎の発生メカニズムなどの詳しいことについては該当項目参照。
ギア2を使用した連携技
- ゴムゴムの悪魔風羊肉JET六百煩悩攻城砲(ディアブルムートンジェットろっぴゃくポンドキャノン)
ルフィの「ゴムゴムのJET攻城砲」、ゾロの「百八煩悩砲」、サンジの「悪魔風脚 羊肉ショット」の同時攻撃。PX4戦で使用。
- ゴムゴムのジャイアントJET槍(ジャイアントジェットランス)
アニメオリジナル技。小さくなったリリーがルフィの中で大きくなり、巨大化した状態で放つ「ゴムゴムのJET槍」。シューゾ戦で使用。
巨大化しているために威力は凄まじく、小島を大きく破壊し、風圧によりサウザンドサニー号が大きく1回転してしまう程。
初出
ブルーノ戦で初出と思われることの多いギア2だが、実はそれらしきものが劇場版で登場している(多くの場合ONE PIECEの映画は、直接物語が本編と時間軸が合わない以上、パラレルワールドであるので、本編初出はあくまでブルーノ戦。なので、映画全てを別物として捉えてしまう人もいるかもしれない。しかし、要素によっては先に映画で伏線として描いた後に、本編で回収されることがあったりする以上、どこまで要素が本編と関連しているのか考慮する必要があるため、見る視点と作品によっては注意しなければならない)。
劇場版ONE PIECEからくり城のメカ巨兵にて、敵であるドクター・ラチェットからの攻撃を受けた際、足がポンプのようになり、体から蒸気を発し出した。その後に繰り出したのは「ゴムゴムのバズーカ」と言っているが、速度描写や体の様子はまさにギア2のそれである。気になる方はぜひ映画をご覧あれ。
関連項目
- TRANS-AM(機動戦士ガンダム00) 界王拳(ドラゴンボール)…赤は速い繋がり。
- 波紋法(ジョジョの奇妙な冒険) 全集中の呼吸(鬼滅の刃)…方法は違うが血の流れを加速させて身体能力を上げるという点は同じ。