概要
2015年7月28日に行われた「ドラゴンクエスト新作発表会」にて正式発表された。ドラゴンクエストシリーズの最新作にしてシリーズ30周年記念作品。正式名称は『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』。
なおpixiv上においては利便性を踏まえ、「DQ11」の略称タグ付けが最もポピュラーである様子で、このほか「ドラゴンクエスト11」、「ドラクエ11」タグも併用されている。
先行してPS4と3DSの2機種版が発表され、2017年7月29日発売。また「ニンテンドーSWITCH」でも追加要素を加えた『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて S』として2019年9月27日に発売が予定されている。
3DS版は2D/3Dのデュアルモード搭載であり、実質3機種4システム同時開発という、作る側からすれば苛烈な工程となっている。
なのでやはりというべきか開発は難航したが、これを解決するためにドラゴンクエストシリーズを統括する三宅有氏が齊藤陽介氏に全体を統括するプロデューサー就任を依頼し、齊藤は就任の条件として機種ごとにプロデューサーを付けることを求めたことがインタビューで語られている(ちなみに齊藤は当時ドラゴンクエストⅩのプロデューサーも担当し、更にNieR:Automataの開発中だった。このため若い面々に任せる意向もあってプロモ活動以外は関与度は抑えめだったとのこと)。
なお、齊藤が参加する以前の開発体制は不明。
ジャンプフェスタ2017でオープニングムービーなどが公開され、6人の仲間が登場する他、馬や飛行竜に乗ってマップギミックを攻略するシーンなど、ありそうでなかったシステムもいくつか取り入れられている。
シリーズ30周年内(2017年5月下旬まで)の発売を目指していたが、結局2ヶ月ほど後ろ倒しとなった。その気になれば出すことは可能だったとのことだが、より作り込みをするべくこの決定になったようだ。とはいえ、DQナンバリングにしてはこれでも誤差の範囲で順調な部類といえる。この恩恵により、発売時パッチなしで発売を迎えられた。
ちなみに、シナリオは2016年夏頃までに完成済と明言されており、また音楽についても2016年中に予定された全曲が完成したとされていた。
なお堀井雄二氏によると1機種でも発売のタイミングがずれるとネタバレが拡散してしまうので、出来るだけ3機種同時発売が理想だとしていたが、結局Switch版については後発となった。
そのこともあってSwitch版は「すでにプレイした人でも再度楽しめるもの」として追加要素が大量に詰め込められた実質リメイク版として制作されることになる(下記参照)
概要S
初期からニンテンドーSwitchでも発売が発表されていたものの、Unreal Engine 4(UE4)、つまりPS4版ベースでの開発ということを除いて長らく続報がなかった(このUE4対応が間に合わなかったことが、同発とできなかった最大の理由であるとのこと)。しかし発売に目途が立ったということでTGS2018で「ドラゴンクエスト11過ぎ去りし時を求めてS」とタイトルのみ告知となった、そして2018年12月22日のジャンプフェスタ2019にてボイス入りディザー画像を公開、さらに2019年9月27に発売する事E3任天堂Directで正式発表した。
上記の通りPS4版をベースにして最適化されており、ボイスが追加された。無論ボイスなしも選べる。3DS版にあった2Dモードも搭載。
堀井氏の発表によるとSはSwitchのSスペシャルのS喋るのSなどとの事。
さらに任天堂ダイレクト2019/2/14にて
「S」なポイントが一部発表された。
・オーケストラ音源/シンセサイザー音源双方収録、さらに切り替えが可能。
・PS4版をベースにした3Dモード/3DS版の2Dモードの切り替えが可能。
・各キャラクターをスポットを当てた追加ストーリーの発表がされた。
その後も
ボイスドラマDLC、バトルスピード設定などが追加要素として発表されている、他にも追加改善要素は多岐に渡り、リメイクレベルとなっている。
主人公についても声が当てられるが、基本的には息遣い等の「セリフではない声」に限られるとのこと。ただし例外として、幼少期の回想シーンのセリフには意味のある言葉の声がつく。しかしいずれもオフにできる。
PS4版は製作に使ったUnreal Engine4のバージョンが「11S」と異なり旧バージョンである事と「S」ではSwitchに最適化する必要性があり一から作り直しに近いものだったらしく、PS4版に「11S」の追加要素を入れるには更新データではなくまた一から作り直さないといけないとの事で、製作コストの関係からか現時点ではアップデートで対応する予定はないとしている。
なお、PS4版はソフトの大きさが30Gだが、「S」ではその約半分にできたとのこと。これはSwitchの内蔵記録領域が32Gである為にDL版で30Gもあったら大容量のSDカードならまだしも間違いなく容量を占有してしまう為である。
2020/年12月4日にPS4・箱・PCに移植される、これにより3DS/PS4で発売されSwitchで完全版がでて、更に後発で完全版がマルチになるというドラクエで類を見ない複雑な経緯を辿る事となった。
Sでは主人公がエマ以外とも同棲できるイベントも追加しており、カミュなどの男性キャラも選べる。
あくまでパートナーで結婚式を挙げられる訳ではないが、しっかり二人きりのイベントも用意されており主人公への思いを見る事が出来る。
キャラストーリーは操作するキャラやパーティーも専用の物となっている。
戦闘ではボイスによる掛け合いの他、ドラクエⅦ以来の会話が復活しておりドラクエⅦ程ではないが状況に応じたコメントを見る事が出来る。
縛りが追加され、特に「全ての敵が強い」は実質ハードモード的な楽しみ方ができ、熟練者でもしっかりしたレベル上げと戦略が必要となる手強い物になっている。
更に裏の裏ボスが追加され、それは縛りなしでも脅威的な強さだと言う…
登場キャラクター
メインキャラクター
()はSでの声優となる
イシの村で暮らす16歳の少年。公式デフォルト名はイレブン。ある日自分が「勇者」の生まれ変わりである事を知り、課せられた使命を果たすべく旅に出る。
スマブラSPに参戦する事も発表されている。
逆立った青髪が特徴的な「盗賊」の青年。素早さを活かした盗みや特殊な技を得意とする。義理人情に厚く、ある場所で出会った主人公の親友となる。
強大な魔力を使いこなす「魔法使い」の天才少女。セーニャの双子の姉で、怖いもの知らずの勝気な性格。
治癒と演奏を得意とする「僧侶」の女性。ベロニカの双子の妹で、おっとりとしたお人好しな性格。
笑顔にあふれた世界を夢見るオネェの「旅芸人」。誇り高い精神と多芸かつ確かな実力を秘めている。
ロウと共に行動している、凛とした「武闘家」の女性。豪脚と美貌を武器とし、何やら複雑な過去を持っている模様。
マルティナと共に行動している、大荷物を背負った「賢者」の老人。ある目的の為世界中を旅している。
サブキャラクター
()はSでの声優
イシの村に暮らす少女で、主人公の幼なじみ。
主人公の母親。
大陸一の大国「デルカダール」を治めている国王。聡明な君主であったが、ある日を境に勇者を「悪魔の子」と罵り敵視する様になった。
デルカダールの国防を担う屈強な将軍。戦いでは無敗を誇る、王への忠義に厚い実直な武人。
デルカダールの国防を担う二枚目の軍師。グレイグとは対照的な謀略家で、数々の卑劣な行いで主人公を追いつめる。
とある街で主人公と闘技大会に出場する。
大陸の南に位置する「サマディー王国」の王子。国民からは模範的な王子として知られている。
白の入り江で人間の恋人キナイを待ち続けている人魚の女性。
カミュの妹。一人称は俺で男勝りな性格。
ユグノア王家と関わり深いドゥルダ郷の最高僧の女性。
かつて勇者ローシュと共に世界の危機に立ち向かった女賢者。
クレイモラン王国の禁書に封印されていた魔女。
黒髪にとび色の瞳を持つ男性でユグノア国の戦士。
茶色の髪に青い瞳を持つ女性。
新モンスター
- ランタンこぞう
打ち捨てられたランタンがモンスターしたもの。人間に憎しみを抱いている。
大針を武器に戦う小人型のモンスター。覆面からはみ出している綿毛が特徴的。
スライムみたいな顔した植物系のようなモンスター。(しかし実際はスライム系である)雄叫びを聞いた者はすくんで動けなくなるらしい。
いつもムカムカしている喧嘩っ早い小鬼型のモンスター。
- ビーライダー
巨大なハチに乗ったオコボルト界のエリート。ハチの針と槍で巧みに組み合わせて攻撃してくる。
真珠に似た輝きを持つ未知の金属で作られたマシン系モンスター。身体を痺れさせるガスを出す。
- シーゴーレム
はるか昔に破壊兵器として作られたというサンゴで作られたゴーレムの派生種。
体の先にある鋭いカギツメを持った傘型のモンスター。
自分がかわいいと理解しているあざといモンスター。お色気攻撃っで攻撃してくる。
コウモリのような姿をした女性型モンスター。フェアリーバットの亜種。
顔のついたタイコに操られた屈強なお化け。バチさばきで魔物を呼びだしてくる。
スロットで勝ちたかった男が、スロットの姿になったモンスター。
腕が4つある筋肉質の一つ目の巨漢のモンスター。ポージングのバリエーションは多彩。
博識でドラゴン界では有名な指揮者のモンスター。
赤色のドレスを着た金髪の女性型人形のモンスター。
システム
スキルパネル
DQ8以降恒例のスキルシステムがマイナーチェンジした。パネル毎に設定されたスキルポイントを消費するとスキルを習得し、同時に隣り合ったパネルが習得可能な状態になる。FF10のスフィア盤やFF12のライセンスシステムと言えばイメージしやすいだろうか。これにより、スキルを習得する順番を、ある程度プレイヤーが選べるようになった。
また、ストーリーを進めると教会でゴールドを支払うことでスキルポイントの振り直しも出来る。値段も安く気軽に利用できるため、「せっかく新しい武器を手に入れたのにスキルを振ってない…」という事態にも対応できる。
Sではリセット可能なタイミングが大分速まり、序盤から気軽な振り分けが出来る様になっている。
ゾーン
こちらもDQ8以降定番だったテンションシステムだが、今作では廃止され、代わりに登場した。戦闘中特定の確率でゾーンに入り、能力が強化される。主人公なら力と身の守りが上がるが、ベロニカなら呪文の威力が、シルビアなら魅力とみかわし率など、強化される能力はキャラクターにより異なる。
ゾーンは数ターン持続し、持続している間は戦闘を跨いで持ち越し出来る。また、ゾーンを解除する代わりに数人の仲間で強力な効果を発動する「れんけい」も存在する。敵もゾーンに入ることがあり、敵の中にもれんけいを使ってくる種族がいる。3DS版のみ、れんけいを持っている敵は戦闘開始時からゾーン状態になっていることがある。
テンションと比べて爆発力では劣るものの、ためる必要がないため、テンポを崩さずに戦闘を続行できる。
ふしぎな鍛冶
これまたDQ8以降お馴染みだった錬金釜だが、今作では登場せず、代わって新たにふしぎな鍛治セットが登場した。鉄は当然のこと、ふしぎな鍛治なので、木製のブーメランや布製の服ですら作製出来る。だがあくまでも鍛治なので、やくそう等の消耗品は作製出来ない。
鍛治はミニゲーム方式となっており、これはDQ10で登場した職人システムを簡略化したもの。上手く鍛えられれば元の装備品よりも性能がアップする。少なくない数の勇者が使命そっちのけで鍛治職人となり日々ハンマーを振るっているという…。
Sではほぼどこでも鍛冶ができ、その場で素材を取り寄せて買う事が出来る様になり利便性が大幅にアップしている。
考察
ドラクエⅪと過去作との繋がりについて以下のような説がある。
その1
真のエンディングにてドラクエⅪはロトシリーズのはるか昔かも知れないという説が話題になった。(勇者が過去に行かなかった世界が天空シリーズか?)
クリア後に裏ボスを倒し、その後のイベントで生命の大樹が元々は聖竜であったことが判明し(マスタードラゴンとの関係性は不明)、主人公との会話の中で「光と闇は表裏一体。もし、私が闇に堕ちるときがあれば、その剣(勇者の剣)で、過ぎ去りし時を求めて・・・・」(意訳)
というセリフが流れた後、勇者の剣が反転し、それをドラゴンクエストⅠの主人公が引き抜き、竜王の城を見据える・・・・となる。
その2
パラレルワールドという説もあるので強くは言えないが、もしかすれば、ドラクエⅪの世界から何百何千という時を経てロト三部作になったかもしれない。
その3
セニカがタイムリープした時点で主人公達がいる世界とは別の世界が誕生し、そこから3に繋がる初代ロトの勇者はローシュで、11は3の表を成立させるためのパラレル的な世界で11の物語が本になったのはタイムリープしたセニカが伝えたという説もある。
(11主人公達の世界の未来と過去は収束し歴史が一つとなった為、セニカが過去に戻った事により別世界が誕生した可能性が高い)
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
参戦の希望が多かったことやリメイク版での宣伝も兼ねて「勇者」名義として参戦することになった。デフォルトカラーはイレブンだが、Ⅲ、Ⅳ、Ⅷの勇者もカラーリングとして登場している。出展作品も『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて S』になっている
もちろんスピリットとしても登場。イレブンの仲間達「勇者の仲間たち」と表記となって登場。もちろんランクはLEGEND級(☆☆☆☆)。憑依されているのはグレイグのイメージで両手剣とパワー繋がりでアイク(茶色)である。
カミュ→ベロニカ&セーニャ→シルビア→マルティナ&ロウ→グレイグと原作同様に仲間になる加入順で武器繋がりや体型や特徴に似ているなどからリンク(息吹・深緑)→ルフレ(女性・赤)とゼルダ(緑)→シーク(赤)→ゼロスーツサムス(ショートパンツ・青)&デデデ(桃)→アイク(茶色)の順に登場していく。なる。撃墜するまで次の相手は現れず撃墜していけば次の相手が出現する(二人同時の場合は両方を倒す必要がある)。