概要
断ち切られし絆とは、2020年12月5日の『きららファンタジア3RD ANNIVERSARY FES』で発表され、12月10日に配信されたメインクエスト第2部である。
また、第2部は最初からフルボイスで実装されている。
2章に第2部OPムービーが実装された(2章をクリアする必要がある)。アニメーション制作は第1部と同じくA-1 Picturesで、第2部のキャラクターデザインは奥田陽介氏が担当しているので、2017年秋アニメのブレンド・Sスタッフとはほとんど関わっている。
3章に新機能「アビリティツリー」が実装され、それ以前の2章までにも特定のクエストでことわりの実を落とすようになった。
あらすじ
この世界は欺瞞に満ちている……。
それを、私たちの手で正すんだ。
彼女たちは、平和になったエトワリアで楽しい日々を過ごしていた。
───しかし世界に再び危機が訪れる。
突如現れた、謎の魔物ウツカイ。
彼らを操る敵の名はリアリスト。
目的は聖典の破壊。
エトワリアに、新たなる魔の手が忍び寄る。
時を同じくして、きららたちの前にあらわれた謎の少女・うつつ。
彼女の故郷の手がかりを求めて、きららとランプは再び旅に出る。
私なんて、きっと虫けらみたいなものよ。
存在が小さすぎて、誰の記憶にもないんだ……。
果たしてうつつは何者なのか。
リアリストたちとの戦いの先に待ち受ける真実とは。
そして、少女達は新たな脅威からエトワリアを救えるのか───
───どんなに離れていても、なにがあっても、
わたしたちの絆は絶対になくならないよ。
(きららファンタジア 公式サイトより)
登場人物
きららファンタジアのキャラクター一覧の記事を参照。
各章リスト
題名 | メインシナリオ | 原作 |
---|---|---|
プロローグ | 『新たな旅、謎の女の子』 | - |
1章 | 『まちカドまおう』 | 『まちカドまぞく』 |
2章 | 『頼りはボディーガード?』 | - |
3章 | 『げいじゅつのみやこ』 | 『GA芸術科アートデザインクラス』 |
4章 | 『うつつはひとりぼっち』 | - |
5章 | 『ご注文はゲリラですか?』 | 『ご注文はうさぎですか?』 |
6章 | 『はじまらなかったものがたり』 | 『けいおん!』 |
7章 | 『連鎖する悪夢』 | - |
8章 | 『旅の終わりは近づいて』 | 『こみっくがーるず』 |
最終章 | 『終わってから始まる物語』 | -(※1) |
外伝(※2) | 『リアリストたちの未来』 | - |
(※1)但し、『こみっくがーるず』から萌田薫子&編沢まゆが登場している。
(※2)期間限定のイベントではあるが、後にサービス終了まで復刻、イラストレージョンズ4巻の振り返り企画に含まれているため記載する。
スタッフ
メインシナリオ制作
- シナリオ・原案:深見真
- シナリオ協力:華南恋
アニメーションスタッフ
- 監督・絵コンテ:田中智也
- キャラクターデザイン:奥田陽介
- 演出:池田愛彩
- アニメーション制作:A-1 Pictures
主題歌
- メインテーマ『Searchlight ~夢とうつつの物語~』
作詞・作曲・編曲:園田健太郎
歌:KiraraTerzett(楠木ともり・高野麻里佳・前田佳織里)
問題点
第2部に登場するきらら作品は『けいおん!』『ご注文はうさぎですか?』『まちカドまぞく』と人気作が目白押しであり、きらら作品のキャラクター(以下クリエメイト)がどのようにして敵対組織の「リアリスト」や「ウツカイ」と関わっていくのか注目されていた。
しかし、第2部のストーリーは壮絶でシリアスな展開が多く、非常に重暗いのが特徴になっている。
本作のコンセプト「かわいい日常と、はるかな冒険と。」を否定するような内容は多くのファンにとって大きな不満点となり、後に本作に待ち受ける結末の原因の一つになってしまった。
『リアリスト』への批判
きららキャラを理不尽な程痛めつけているため、第2部において尤も批判されやすい問題点の一つ。
「リアリスト」とは、第1部の「七賢者」の代わりに登場する第2部の新たなボスキャラである。しかし七賢者と違って、本作のファンから多数の批判を受ける結果になってしまった。
クリエメイトに対する仕打ち
そもそもきららファンタジアに参戦している作品は基本的に展開がふんわりとした作品が多い(『がっこうぐらし!』『RPG不動産』などのようにシリアス要素を含む作品もあるが)。
原作のシリアス要素があまりないクリエメイト(きららキャラ)がリアリストによって酷い扱いをされるストーリーは、多くのファンにとって不満点となった。
特に3章のキサラギと5章のココアがリアリストによって絆を断ち切られる、リアリストの行動が原因で絶望するなどの壮絶な展開は、ファンを中心に批判的な意見が多く存在した(運営側も問題があると判断したのか、以降の『けいおん!』や萌田薫子が絶望する展開はキサラギやココア程露骨ではなくなっている)。
リアリストもそれぞれ暗い過去があって行動しているものの、外伝『リアリストたちの未来』が公開されるまで彼女らの過去は不明。その上リアリストの殆どは「私たちが苦しんだから相手も苦しむべき」という自分勝手な主張をしていた。
キャラクターデザイン
第1部のキャラクター、うつつ、メディアと比較して、リアリストのデザインは全員が未成年にもかかわらず、全体的に巨乳のセクシー路線で癖が強いため、ファンから受け入れられたとは言いづらい(露出していないのはヒナゲシとエニシダの2名のみ。その内露出していたのは7名。幾らなんでも偏り過ぎだろう…)。
特にサンストーンはきららの実の妹と重大な設定があるにもかかわらず、きららと全く似ていないという、致命的な問題点である。本作の姉妹キャラは同じデザイナーが担当しているため(シュガー・ソルトなど)、キャラクターデザインを蒼樹うめ氏に統一してほしかったとの意見が多い。
ただし、キャラクターデザイン自体は全員決して悪いと言う訳ではない。批判点の理由は「巨乳や露出の高いキャラをほぼ同一化」「世界観に見合わないデザイン」になってしまったことだろう。こればかりはデザイナーではなく発注側の方が問題だったといえる。
ちなみに第1部の七賢者の中にも巨乳やセクシー担当はいるが、その以外の特徴もしっかりと作り込んでいるため、愛着深いデザインとして受け入れられていた。
総評
怒涛のシリアス展開、リアリストの冷酷非情な行動、なかなか判明しない過去、酷い扱いを受けるクリエメイト、アクの強すぎるキャラクターデザインの結果、ファンの間で賛否両論を巻き起こした。
外伝『リアリストたちの未来』でリアリストの過去と改心の様子が描かれたものの、被害に遭ったクリエメイトではなくソラによって改心する展開や(とはいえオーダーされた被害者達は元の世界に帰って記憶は消えている上に、里に在住してるコールは別人なので仕方ない面もある)、ハイプリス、サンストーン、エニシダのプレイアブル化についても批判的な意見が多い(特にエニシダに関してはただの敵役にもかかわらずプレイアブル化したり、ラスボスBGMを差し置いて専用BGMを貰ったりと過度な優遇を受けていた)。
特にリアリストのプレイアブル化については、あれだけクリエメイトに対して酷い扱いをしたリアリストが、(外伝以降は光墜ちして反省や罪悪感を感じているとはいえ)今後のイベントで他のクリエメイトと絡んでしまう可能性もあるのではと懸念した人も多かった(結局杞憂に終わったが)。
ただ、外伝を見れば分かる通りリアリストもまた人生に振り回された被害者であり、神殿側にも問題があったと判明している。その点は留意すべきである。
少し話がズレるが、第1部OPに登場したきらら作品は全てメインシナリオにも登場したが、第2部OPに登場した「キルミーベイベー」「ブレンド・S」「スロウスタート」「ゆるキャン△」はメインシナリオに関わることなく終わってしまった。
「(第2部のシナリオの酷さもあって)参戦予定だった作品の作者がNGを出したのでは?」と推測するファンもいるが真実は不明(少なくとも得能正太郎氏がイラストレーションズ3で唯一コメントがなかったり、Xで投稿することがなくなった辺り、不満はあったと思われる)。特に「ゆるキャン△」はシリアス要素皆無の人気作ということで、単に人気作を寄せ集めただけの宣伝目的の客寄せパンダと批判されてしまった。
『ランプ』への批判
第1部『封印されし女神』では、きららと共に世界の平和を取り戻すために活躍したランプ。第2部でもメインキャラとして扱われているが、第1部とは異なり批判の意見が目立つ。
メインキャラクターとして必要性のなさ
最初こそランプは聖典を憎むリアリストをどう救えばいいのかわからないと思い悩んでいた。
だが、8章ではサンストーンに捕まった挙句活躍せず、最終章ではハイプリスに聖典を押しつけるような台詞を吐いたり、「そんなこともわからないあなたに、負ける気はしないです」と明確に見下す言動をしていた(当時はリアリストの過去が明らかになってなかったとはいえ、5章でスイセンが「空腹時に聖典を見せられて殺意を抱いたり」、6章のエニシダが「聖典にまつわる音楽が賞賛し、誰も認めてくれなかった自身の呪われた歌を認めてほしかった」と言っているのにも拘らず、この答えである)。
外伝を見れば分かるが、リアリストたちは本当に世界の在り方に苦しんでいる上に、聖典があっても必ずしもいい方向に進むとは限らない。実際ダチュラとリコリスの回想は聖典によって苦しんでおり、むしろ聖典のせいで状況が悪化している始末である。それを知っていたハイプリスがランプの主張を聞き入れないのは当たり前で、結局ランプの主張は的外れでしかなく、自分の思想を押し付ける形になっているのが否めない。
外伝でもランプはほとんど登場せず、彼女の扱いを全く活かせていない。更にハイプリスが改心した要因にも一切関係ない。
リアリストたちが改心した後日談では流石に登場するが、ランプがハイプリスに対して告げた「聖典を信じられる日をきっとくる」の台詞も、リアリスト問題を解決に導いたわけでもないからいまいち響かない。
このような扱いから第2部におけるランプが活躍する場面は限りなく少ない。
リアリストをどう救えばいいが思い悩むも、最終的に全て丸投げ。結局リアリストとの因縁も皆無な上に、そもそもランプがいなくても物語的に成り立つため、第2部において必要性がない結果になってしまった。
第1部では召喚士を見つけ、オーダーを多用するアルシーヴを止めるというしっかりとした目的があり、最終的に問題を解決に導き、その功績から女神候補生の主席になったランプが第2部に旅の同行できた事自体がおかしい。今や女神ソラの後継者になりうる逸材に、もはや危険な旅をさせる必要がないのだ。彼女にさせることは旅の同行者ではなく、未知の敵(リアリスト)から守る為に七賢者によって護衛させるべきであろう。
こればかりは彼女を旅の同行者として送り出したアルシーヴに問題がある。しかも後述の問題点にも繋がるか…。
余談だが、リアルイベント『サマーフェスタ2022』の朗読会で、あるトラブルでサンストーンが記憶喪失に陥っているが、それでもなお神殿に連行しようとし、きららが里に保護する提案も反対していた。幾ら悪さをしているとはいえ、記憶喪失相手にこのような物言いはないだろう…。
フェンネルやそれ以外に対する反論
うつつを疑うフェンネルに幾度もランプが反論した描写にも批判が多い。
当時のフェンネルとうつつは初対面であり、またその時の不穏な状況から、アルシーヴを守る盾としてフェンネルがうつつを疑うのは当然である。フェンネルは失言こそはあれど、言ってる事自体は決して間違いではない。むしろ友達の為とはいえ年長者相手に何度も反論しまくるランプは如何なのだろうか。
また、(第2部に限った事はないが)ランプは七賢者全員、第1部の和解後も「呼び捨て」である。
元女神候補生のメディアは「様」呼びしており、改心後のハイプリスでさえ「殿」呼びしている事から、これはランプの人間性に問題があるとしかいいようがない。せめて同年代のシュガーとソルトにだけ呼び捨てにして、年長者相手には「さん」呼びにできなかったのだろうか…。
女神ソラ、召喚士きらら、クリエメイトを優遇し、それ以外の人物を冷遇する点から、もはや差別なのではとファンから不満な声も(念のために言うが、第2部以外のランプに不快な台詞は基本的に殆どない)。
【第2部】実装について
当然ながら第2部におけるプレイアブル化は実装されている。
実装自体は別に問題はないが、何故か専用モーションではないことに違和感が強いものになっている。メディアやうつつ、そしてきららが実装されているので不自然(しかもきららは【マンガ版】に続き2度目)。同じくメインキャラクターのハイプリスとサンストーンも専用モーションではないが、彼女らの実装はサービス終了発表前だったので予算的や時期的に実装されなかったと擁護はできるが、ランプの場合は7章にうつつとハッカと同時実装だったので、もはや擁護不可能である(ハッカの場合は他の七賢者同様専用モーションではないので違和感はないが)。
メインキャラクターの筈が、専用モーションが実装されていないと不可解な扱いになってしまった。
しかも★5が5つも実装されているのに、どれも専用モーションがないという不遇な扱いをされている(通常★5に専用ぶきを装備させるとペンを持ったようにモーション変わるが、これは他のキャラも同様なので専用ではない)。
総評
旅の目的をしっかりと描写されたきららとうつつとは違い、ランプの行動は「リアリストをどう救えばいいのか悩む描写を入れておきながら、世界の現状を見向きもせずにリアリストを救おうとせず、(聖典と関係者に関わるもの以外は)自分が気に入らない場合は無茶苦茶過ぎる程に反論し、最終的に全て丸投げ。外伝でリアリストの救済には一切関わらない」とかなり褒められない結果になってしまった。
本作のシナリオはリアリストを槍玉に挙げられやすいが、ランプもランプで決して褒められたものではない。
むしろリアリストの主な批判点は「きららキャラへの仕打ち」くらいで、信念自体はしっかり描かれているので、単純な評価を言えばこちらの方が酷いとすら言える。
そのため、ファンからは「第1部とイベントのランプは好きだけど、第2部のランプは好きになれない」といった意見も少なくない。
ファンからは、ランプより作中で「うつつやハイプリスの関係」を描いたメディアをメインキャラクターにしてほしかったという意見が大きい。
『混沌の使者』への批判
第2部はおろか、本作全体の最大の問題点である。
リアリストの聖典破壊の目的は元を辿ると「混沌の使者」のせいであり、第2部における全ての元凶である。
散々他人の人生を振り回したり、世界を危機に陥ったりしたにも拘らず、特に報いを受けずに物語から退場しサービス終了。勝ち逃げといえる結末にプレイヤーからの反感を買ってしまった。
更に第2部だけでなく、コミカライズ版で第1部のソラを呪いを掛けた張本人であることが判明。本作屈指の問題児といっても過言ではなく、ファンからは「きらら達と対決して倒されてほしかった」と意見が多い。
外伝で「少女」である事が明らかになったが、それ以上のことは分からずじまい。
コミカライズ版で容姿が明らかになったが、やはり逃亡されて報いを受けることはなく連載終了してしまった。また、彼女の容姿は鴻巣覚氏が漫画を描く為に自ら用意したと言及し、それ以上の情報はないとのこと。
つまり、公式からの容姿の用意もなければ、立ち位置も把握していない可能性が高く、そもそも第1部と第2部ではシナリオ担当は全く異なる(第1部は木緒なち氏&KOMEGAMES氏、第2部は深見真氏が担当しているため、食い違いが発生したといえる)。
問題点(その他)
上記の他にも、性格や行動に問題があるモブキャラ、第2部5章に登場した『ご注文はうさぎですか?』の扱いの差も第2部の問題点として挙げられる。
『モブキャラ』の行動について
第2部の中盤である、3章~5章で見られた問題点。
3章~5章からは、きららたちを批判・敵対するモブキャラが登場するようになった。
3章
- 偽りの聖典を燃やそうとする街の人々(5節)
- 聖典を守ったきららたちが街の人々に批判される(6節)
- 汚染された聖典によっておかしくなった街の人々(6節)
- 街の人々がきららたちに対してリアリストの敵だと確信し、ウツカイを呼び出す(6節・7節)
4章
- ウツカイを生み出したという噂を理由にして、うつつをゴンドラに乗せないゴンドラ乗りA
- きららやうつつを神殿へ入らせない上に、噂を活用してきららやうつつに対して酷い発言をする神官
5章
- リアリスト構成員が呼び出したウツカイを倒したきららたちに対して(食糧がもらえないという理由で)批判する「美食の交易都市」の街の人
という感じで、(リアリストに利用されていたとはいえ)性格が悪いモブキャラが多数登場している。特に、3章のきららたちに向けてウツカイを呼び出した街の人々や、4章できらら&うつつに対して酷い発言をした神官は悪目立ちしている。
上記のモブキャラについてはリアリスト撤退後、きららたちに向けて謝罪や改心をする描写が全くない。
敵に利用されていたとはいえ、今作のコンセプト「かわいい日常と、はるかな冒険と。」を否定するようなモブキャラを出しているという点は一部のファンの間で賛否が分かれている。
批判を受けてか、6章以降はモブキャラの描写が改善された。
『アルシーヴ』の対抗手段について
前述のランプを旅の同行させるだけでなく、7章で致命的なことをやらかしている。
それは写本の街に襲撃してきたリアリストの対抗手段が「きららたちと七賢者全総力を送り出す」というどんでもないことをしている。その結果リアリストの罠に引っかかり、神殿の警備力が大幅に減少した上に、残りのリアリストのメンバーに好機と言わんばかりに襲撃されてソラとアルシーヴが拉致されてしまっている(そしてランプも前述通り8章でサンストーンによって拉致された)。
第1部の混沌の使者の襲撃によってソラが命を落としかねない状態になり、エトワリアの平穏が乱れる事態になったにもかかわらず、第2部においても相変わらず対策せずに敵側に好き放題させる時点で、前回の反省を全く活かせていないのである。こういう事態にならないために、神殿を厳重にすべきであっただろう。
ただし問題点は対抗手段に関するくらいだけで、住良木うつつへの信頼やハイプリスとの会話など、特に性格に難のあるキャラではない為、アルシーヴ本人としての批判は少ない。
『ご注文はうさぎですか?』と他の作品の扱いの差
5章でココア【第2部】が実装された際に発生していた問題点。詳細は「ご注文はゲリラですか?」の項目を参照してほしい。
それ以前に問題視されていた『ご注文はうさぎですか?』の優遇については「異世界でもうさぎですか?」の項目を参照。
結論
上記の問題点から一部のファンの中には、
- 「この話は何がしたかったのだろう」
- 「キャラ虐め連発のシナリオで制作はいったい何を伝えたかったのか」
- 「キャラも世界観もユーザーの心も運営の懐もズタボロにして誰一人得のない話」
- 「企画段階から無理あった」
- 「蓋を開けてみれば最悪のストーリーと最悪のキャラで全員丸々商品にならなくなった」
など、不満の声が多かった。
また「第1部でシリアス要素を持っている作品を参戦させたのが痛かった」「『夢喰いメリー』『棺担ぎのクロ。』『RPG不動産』などを第2部に参戦させていれば」との意見もある。
……が、原典のきららキャラを理不尽に酷い目に遭わせること自体がヘイト創作、原作レイプと受け取られかねないので、結局どんな作品でも批判は避けられなかった可能性が高い。即ちオールスターゲーム特有の問題点といえる。
そのため、きららキャラではなくオリジナルキャラとしてならそこまで不満は出なかったと言えるだろう(実際きららキャラが登場しない2章、4章、7章の批判は少なかった)。
第2部のシナリオ・原案を担当した深見真氏(アニメ『がっこうぐらし!』の脚本を担当した脚本家)は、ガンアクション、格闘戦、百合、そして拷問に定評がある。
『がっこうぐらし!』のような鬱々とした作品でこそ氏の本領が発揮されるわけで、ほのぼのとしたきらら作品のファンにとっては第2部のシナリオは望まない展開となってしまった可能性が高い(尤も氏が担当したアニメ版『がっこうぐらし!』も賛否両論気味ではあるが)。
そしてサービス終了へ…
第2部や悪質な課金要素が批判点となりプレイヤー数は減少し、2023年2月28日にサービス終了。結局メインクエスト第3部は作られず、未回収の謎を残したまま打ち切りになってしまった。コミカライズ版も、2023年9月26日に完結(これも5章~8章の省略による事実上打ち切り)し、第2部がコミカライズ版になる可能性もなくなってしまった。
本作で参戦していたきらら作品も一部の作品を除いて、殆どが連載終了している。
近年のきらら作品は『ゆるキャン△』『ぼっち・ざ・ろっく!』に人気がかなり偏っている状況で、本作のサービス終了によって、上記以外のきらら作品を知らない人が増えるのではないかと危惧するファンも存在する。
本作の復活を求める声
最悪な終わり方で幕を閉じてしまった本作だが、第2部の物語が中途半端に終わっていることなどから、本作の復活を求めているプレイヤーも多い。
ただ、きらら作品のクロスオーバー作品は2024年2月現在制作されていない。きらら作品にシリアスな展開(キャラ同士がギスギスしている展開など)を入れる必要があるのかという議論が昔から存在している状況もあり、多くのファンが納得出来るようなシナリオを作るのはかなり難しいだろう。
そもそもきらら作品はシリアス展開やギスギスとした漫画は別に少なくはない一方で、日常や青春を題材にした漫画が圧倒的に多く、純粋なバトル漫画は夢喰いメリーしかないため、本作のようなファンタジーの世界で戦いに無縁なきららキャラを参戦させて戦わせるゲームは、人によっては難色を示すレベルである。そのため、本作の失敗によって「ファンタジーを題材にした作品を出すのはやめてほしい」「そもそもゲームに向いていない」「きららキャラを主人公によって戦わせるのをやめてほしい」といった声も決して少なくなく、コンセプト的に成功したとは言いづらいだろう。
クリエメイトのような「原典からやってきた本人」ではなく、「元からエトワリアに住んでいる原典に似た別人」にしておけば、また受け入れていたかもしれない。
関連タグ
第1部 | 第2部 |
---|---|
『封印されし女神』 | 『断ち切られし絆』 |