アニ・レオンハート
あにれおんはーと
「私もそうだ!!生きて帰んなきゃいけないんだよ!!」
概要
冷静沈着で感情表現に乏しい小柄な女性。
一匹狼で、目付きと雰囲気が鋭く、顔立ちは彫が深く鷲鼻であり、寡黙でぶっきらぼうな口調。
エレン曰く「いつも怖い顔だけど怒った顔は比じゃない」。
第104期訓練兵団を4位の成績で卒業している。
憲兵団への入団を希望しているが、他の志願者のように特権獲得が目的ではなく、現実離れした無意味な世界から遠ざかりたいとの考えによるものである。上位陣の殆どが調査兵団を選択した中、彼女は当初からの宣言通り憲兵団に入団した。
合理主義を貫徹しており、立体機動でも無駄のない動きで巨人の弱点に深い斬撃を加える。
16歳の白人少女としてはかなり小柄な体格だが、父の教育により優れた格闘能力を持っている。
特に蹴り技を得意とするが、アニ自身は対巨人戦には全く役立てられない無用の技術とし、人前ではそれを熱心に教えた父を蔑みすらする素振りを見せていた。
そうした連帯性に難のある性格から孤立気味であったが、エレン・イェーガーの真っ直ぐな性格に動かされ、蹴り技を伝授することになる。エレン曰く、格闘術を披露している時の姿が一番生き生きとしていたとのこと。
彼女は自分のことを「か弱い乙女」と豪語しているが、デリカシーのないエレンからは強いから弱くないと否定されており、周囲からの自分の扱いをやや不服に思っている。
哀しい真実
以下、ネタバレ注意!
その正体は、エレンと同じく巨人化能力を持つ女型の巨人。
第57回壁外調査でエレン誘拐のために調査兵団を襲い、リヴァイ班の精鋭を多数殺害するなど壊滅的な被害を与えた。しかし、アルミンを殺さずに見逃したことが仇となって正体が露呈、巨人化したエレンや調査兵団たちに追い詰められ捕えられてしまい、最後の力で自らを結晶の中に閉じ込め眠りについた。眠りにつく最後の瞬間に思ったのは、別れ際の父の「必ず帰ってきてくれ」という言葉であった。
彼女が眠りについた後、ハンジの調査で不明とされていた出身地が戸籍で確認され、同じ104期生であるライナーやベルトルトとは同郷であった事が判明。三人が同郷であることを周囲に隠していた事実や、第57回壁外調査でのライナーの不審な言動から、二人も巨人であったアニの共謀者ではないかと疑惑がかかる。実際その通りで、ライナー(鎧の巨人)やベルトルト(超大型巨人)とは人類と敵対する「戦士」としての仲間であった。
訓練兵時代ではライナーとベルトルトとは親しい素振りを見せることはなかったが、二人からは仲間として大切に思われていたようで、アルミンがアニが拷問されていると話した際ベルトルトは激怒していた。ベルトルトに至っては恋愛感情まで抱いていたかのような描写もある。
仲間達に対しては彼女なりに情を抱いていたようで、自分達が引き起こしたトロスト区の攻防戦で多くの仲間や兵士たちを死に追いやった時には、罪悪感から遺体の前で「ごめんなさい」と呟いていた。ヒッチもアニの事を「他人と関わることを怖がっている子だった」と語っており、アニの孤立を招くような態度は、いつか殺さなければならない者たちと親しくなることを恐れ、自ら他人に対して壁を作っていた為であることが窺える。
実際にアニは104期の仲間たちのことを大切に思っており、トロスト区の攻防戦では自らの身を危険に晒してまで仲間たちを助けている。ライナーからは「戦士」としてそうした一面を批難されており、彼女自身も「戦士になりそこねた」と語っている。
なお、ウォールマリア奪還作戦の際に、アニの救出を主張するライナー達は、それを後に回し当初の予定通り「座標」の奪取を優先しようとするジークとの間で対立し、ライナーとジークの勝負の上でジークが勝利したため、アニの救出は断念されることになった。ウォールマリア奪還作戦から数年経っても故郷に戻ることはなく、未だに眠ったままのようである。
DVD特典のアニの外伝では、エレン誘拐のために当日は病欠ということにしてもらうため、その見返りに同僚のヒッチに厄介な事件を押し付けられ奮闘する姿が描かれている。エレンの誘拐が上手くいけば故郷に帰れると語っており、彼女もライナーやベルトルトと同じように故郷に帰ることを何よりも切望していた。
マーレ編のライナーの回想からやはりその格闘術から戦士に選ばれたこと、マルセルが死亡した直後は停泊船への即帰還を主張していたがライナーに説得されたこと、アルミンの予想通り5年前のシガンシナ区陥落の際にアニが女型の巨人の能力で大量の巨人を引き連れて来たこと、訓練兵時代にアニが3人の中で特に表立って壁の王の情報を探るべく行動していたこと、その最中一度だけケニー・アッカーマンと接触し危うく捕まりかけていたことが明らかとなった。
以下単行本31巻第124話以降のネタバレ
124話「氷解」にてエレンが「地鳴らし」を発動させた事により全ての巨人の硬質化が解け壁の巨人が解放されたが、図らずも硬質化で眠りに付いていたアニも目を覚ました。
地下室から脱出し、別室で服を奪う為に忍び人を待ち構えていた所でヒッチと対面する。
結晶内でも意識は朧げにあったようであり、毎日話しかけ続けたアルミンに対して、普通以上の感情を抱いている。
ヒッチがアニの逃亡要求をのみ共に行動をし壁の巨人の行進を傍観する最中、自らが行ったウォールシーナで大殺戮についての心情を問われアニはその心情と自らの過去を語る。
アニも父もエルディア人ではあったがアニは捨て子であり、父は義父、つまり捨て子のアニを拾って育てただけの人物に過ぎない。しかも父は当初名誉マーレ人としての特権を得るという目先の利益のためだけにアニを育てており、アニに対して愛情のひとつも示さない。
アニもそんな義父を嫌っており、父の元を離れて戦士入りする直前に教わった格闘術で父を徹底的に叩きのめし足に障害が残るほどの重傷を与えている。
しかしそんな二人の関係に転機が訪れる。
アニがパラディ島に潜入するとわかった時、義父の心には「娘を失いたくない」という想いが芽生え、アニを呼び出して「マーレの戦士の仕事は放りだしてもいいから戻ってきてくれ」と泣きながら懇願する。アニもまた、自分の中に父親に対する愛着があったことに気付いて涙し、2人は初めて家族となる。
この時に交わされた約束があの「必ず帰ってきてくれ」であり、アニにとってはたった1人の家族と交わした何よりも大切なものであった。それを果たすためにマーレに帰ることをアニは改めて決意する。
ヒッチとの関係もかけがえのないものではあったが、アニにとっての一番はあくまで父親であった。
市場でヒッチと別行動をとって、1人で4年ぶりのパイを貪り食っているところでアルミン、コニー、ガビ、ファルコと思わぬ再会を果たす。
アルミンたちは先を急いでいたので、やむを得ずヒッチに置き手紙で別れを告げ、「地鳴らし」を止めるべく彼らに加えライナー、マガト、ピーク、オニャンコポン、イェレナ、ハンジ、リヴァイ、ミカサ、ジャンと行動を共にすることになる。
エレンに追いつく為アズマビトの飛行艇を確保するべく、それを阻止せんとするフロックらイェーガー派と戦闘になる。
女型の巨人となりライナーと共に時間を稼ぐ為前線でイェーガー派と戦った。
そして犠牲を伴い船での出港を果たすが、既にマーレ大陸に地鳴らしが到達しレベリオが壊滅したことが濃厚となると、目的を失ったことで「地鳴らし」を止める為に戦うことを放棄。
132話では今まで衝突が多かったライナーからの謝罪とガビとファルコの世話を受けいれて和解した。
それ以降は飛行艇に乗らずアズマビト、ガビ、ファルコと共に乗船。
自分の巨人は飛べるかもしれないというファルコの賭けに乗り、その予想は見事的中。ファルコの背中に乗り地鳴らしの最前線で天と地の戦いに参戦する。
アルミンを攫ったオカピの様な巨人から意識を失ったアルミンを奪還するべく歴代の九つの巨人達と交戦する。
アルミンが死さえ存在しない世界でジークを説得したことによりトム・クサヴァー、エレン・クルーガー、ユミル(104期)、グリシャ・イェーガー、ベルトルト、マルセル、ポルコらが加勢したことによりアルミンの奪還に成功する。
ジークがリヴァイに自らの首をさしだし、ジャン、ライナー、アルミンらの活躍によりエレンの進撃の巨人本体を破壊する。
そして念願の父と再会するのも束の間、光るムカデから発生したガスにより巨人化能力者とアッカーマン2名を除き父を含めた全てのエルディア人が巨人化してしまう。
エレンがアルミン、ミカサらに斃され、「地鳴らし」は停止。エレンがこの世から全ての巨人の力を根絶したことによりアニも女型の巨人の巨人化能力を失った。そして念願の父との再会の約束を果たし、天と地の戦いは終結した。
天と地の戦いから3年後、アルミン、ジャン、ライナー、コニー、ピークと共に平和を訴えるべくパラディ島へと船で向かうのだった。
関連動画
Wall Sina, Goodbye
関連タグ
関連キャラクター
104期生
ベルトルト・フーバー ライナー・ブラウン アルミン・アルレルト
マーレの戦士
ベルトルト・フーバー ライナー・ブラウン マルセル・ガリアード ジーク・イェーガー ポルコ・ガリアード ピーク・フィンガー