概要
カナダのメインフレーム社で制作された「BEAST WARS: TRANSFORMERS」第2、第3シーズンの日本語吹替版であり、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』の続編。
日本ではローカライズや放映権の問題で1年以上の間隔を開けた後、1999年10月から2000年3月までテレビ東京系にて放送された。
次作に『ビーストウォーズリターンズ』が存在するが、こちらは諸事情により4年越しでの日本上陸となった。詳細はリンク先を参照。
前作で取り入れた岩浪美和による脚色ネタ、声優達により時折挿入されるアドリブが、視聴者から評判が良かったことから、前作以上にお笑いネタ成分を増やしている。特に前作では真面目だった各話サブタイトルは、もはや酒を飲んで適当に考えたとしか思えない程にふざけたものになっている。
これを皮切りに本作はさらにヒートアップどころか、新たに番組放送前の5秒CM、アイキャッチ、EDすらキャラが喋りまくりになる。次回予告も予告にすらなってると言えない予告になってしまったばかりか、真面目にあらすじを解説したキャラが非難されたことすらあった。
一方でトランスフォーマーの死亡シーンが前作に比べて明らかに多く、ダイノボットの死を始め物悲しいシーンはアドリブを入れるにしても、少し切ないものになっているのが特徴。
しかし陰鬱な展開が続くのを避けるためか、番組の構成自体は「本編は最低限真面目さを保つ、OPEDでは全力でふざける」という形が定着するようになった。そのためか、最初に該当シーンを見ただけでは、そのキャラが死亡したとすぐには分かり辛いシーンもあり、タランスを演じていた長島雄一(チョー)はタランスが死んだことを把握していなかった。
玩具版等ではほぼ全員メタルス化しているのにも関わらず、ライノックスやワスピーターなど本来設定上では条件を満たしていても状況を変えてメタルス化しなかった(させなかった)キャラも多かった。さらにテラザウラーとスコルポスに至っては玩具も出ているのにいきなり何の感慨もなく死亡している。これらは全てアニメ制作におけるモデリングの負担を減らすためという大分世知辛い理由で、本場海外で人気が出なかったテラザウラーとスコルポスは速攻で退場させられたのである。そんな殺生な…。当時はまだ3DCG黎明期だったことが災いしたと言えるだろう。
ファンからの期待値も高く、「待ってました!」という声が当時とても多かったという。ビーストネオ終了後の新番組の宣伝で狂喜乱舞した子供は多かったことだろう。
初期ビースト、メタルスを経て声優からの注目度も高くなり、出演を熱望する声も増えた。しかし脚色を担当する監督の岩浪美和から「お前はダメだな(ウケるネタができない)」と面と向かって言われて凹んだ声優も何人かいるとか。
先の通り、リターンズの放送までは長い時間を空けることとなったが、これもまたファンからは放送を熱望されていた。特にネット黎明期からまめにファンと交流していたワスピーター役の加藤賢崇は、そのファンの熱を間近で見ており「やれば絶対成功する」と確信していたとか。
REMIX(リミックス)
本編中のエピソードの一部が劇場公開用に転用された為に制作されたいわゆる総集編。
な の だ が
元々海外作品である為に台詞と口パクが合っていない事を悪よu…逆手にとり、それまで放映されたシーンの継ぎ接ぎに勝手な台詞を当てはめて全く別の話に仕立て上げたいわば公式MAD。
それまでのあらすじだとか今後の展開への含みを持たせるといった要素は皆無で、本編の展開には関係無いとばかりにカオスな内容になっている。
番組開始時点からOPをキャラクター全員で合唱する上にネタを仕込むなどやりたい放題である。
最終回のリミックスでは、前話のシリアスから一転してあまりにも展開が突飛過ぎたためか、テレビ局に問い合わせが殺到。脚色担当にして現場のボスとも言える岩浪曰く、その内容はクレームではなく「今私が見ていたものはなんだったのか?」という根本的な質問がほとんどだったという。
漫画版
コミックボンボンにて今木商事によって漫画化された。本編と打って変わってのシリアスとなっている。ただラットルはビーストモードをデフォルメ化されている。
ギャグ描写がほとんど見当たらず、『セカンド』と『ネオ』以上にアニメとかけ離れた内容である。
コンボイは生真面目な性格で作中最強クラスの強さを誇り、アニメ版でたびたび指摘された影の薄さを吹き飛ばしている。メガトロンもひょうきんなキャラではなく、他の破壊大帝のような口調に変更されている。
因みにエアラザーは原語版に合わせて女性として描かれていた。
25話の予告で「メタルスになってない」と愚痴をこぼしたライノックスとワスピーターは晴れてメタルス化。
電子書籍で読了可能。さらに2016年7月に復刊ドットコムより単行本が発売された。
あらすじ
前作の最終回でメガトロンの策略に遭いながらエイリアンの惑星破壊兵器に激突し、散ったコンボイ。彼の捨て身の活躍で兵器は破壊されたが、その際クォンタムサージというエネルギー波が発生。それを浴びてしまったビースト戦士達はトランスメタルスへと進化。メタルのボディと第3形態「ビークルモード」を入手。さらに2つのビーストが融合したフューザー戦士が誕生。
その後コンボイは、ライノックスの尽力によって復活。正義のサイバトロン戦士と悪のデストロン軍団によるビーストウォーズはさらに続いていく。
そして、惑星エネルゴアの正体と同時にメガトロンの真の目的が明らかとなる・・・。
主な登場キャラクター
前作からの続投(メタルス含む)
- 総司令官 メタルス コンボイ → 最高司令官 メタルス パワードコンボイ(CV:子安武人)
- 密林巡査員 メタルス チータス → 機械化密林巡査員 メタルス チータス2(CV:高木渉)
- 諜報員 メタルス ラットル(CV:山口勝平)
- 陸上防衛戦士 ライノックス(CV:中村大樹)
- 特殊戦闘員 ダイノボット → 特殊戦闘兵 メタルス ダイノボット(CV:藤原啓治)
- 極地偵察員 タイガトロン(CV:遠近孝一)
- 空中偵察員 エアラザー(CV:岩永哲哉)
- 破壊大帝 メタルス メガトロン → 破壊大帝 メタルス ドラゴンメガトロン(CV:千葉繁)
- 忍者兵 メタルス タランス(CV:長島雄一)
- 空中攻撃兵 ワスピーター(CV:加藤賢崇)
- 地上攻撃指揮官 インフェルノ(CV:三木眞一郎)
- 諜報工作員 ブラックウィドー → 妨害工作員 メタルス ブラックウィドー(CV:柚木涼香)
なお、テラザウラー、スコルポスも前作から続投したものの、1話序盤であっさりと退場となった。
新キャラクター
ネタバレ項目
この項目は前作から継続しているものや日本語版のみでは把握しきれない要素も含めたネタバレとなります。下記にご注意ください。
ゴールデンディスクとは
メガトロンがサイバトロンの本部から盗みだしたゴールデンディスク。これはかつて地球人が宇宙探索計画の一環として打ち上げた探査機ボイジャーに積まれたゴールデンレコードだった。初代メガトロンはこのレコードに様々なデータと共にメッセージを書き加えていたのである。その内容とは自分達が敗北をした未来を想定した将来のデストロンへ向けてのものだった。将来トランスフォーマーのワープ技術は時空移動を可能とするのを予期しておりその暁には「太古の地球へ向かい、地球へ墜落して機能停止状態であった初代コンボイを抹殺、デストロンへの勝利へ誘導するように歴史を改変しろ」というものだった。メガトロンはこのメッセージを解読に成功。同じくディスクには当時地球に存在した莫大なエネルゴン鉱脈についても記されていたためそれでデストロンの立て直しを図るという話をエサに配下を集め着いた星エネルゴアがやはり地球であったことが判明したことで計画を本格的に実行に移していく。デストロン本部にも反逆者であったメガトロンを始末しに来訪した筈のジャガーも本来のボスの遺志であると聞かされたことで任務放棄、メガトロンに引き込まれる事となった。
つまり、デストロンからの逃亡者達とその追跡者達の小競り合いかと思われた戦いは、トランスフォーマー、ひいては地球や宇宙の未来を揺るがしかねない深刻なものだったのである。
また、下記のアークのコンピューターへのアクセス情報も記されており、その情報を盗み出していたブラックウィドーだけが有していたが、後に命に関わる手術を行う事になった際自身が死んだ場合に備えコンボイにバックアップデータを渡している。
アーク
かつて、セイバートロン星での大戦グレートウォー時にて戦争で枯渇したエネルギー資源を外宇宙で入手すべく旅立ったサイバトロンの宇宙船。デストロンの戦艦ネメシスに追跡され交戦の末墜落し(劇中のイメージ映像では砲撃戦の末の撃墜とされているが実際はデストロンが乗り込まれ船内の戦闘に移って操縦機関から目を離した間に地球の重力に捕まってしまったのが原因。船内にデストロンも眠っていたのはこのため)400万年前の地球、後のアメリカの某火山に墜落。その衝撃により内部のトランスフォーマーは緊急停止状態に陥り、地球歴1985年に火山噴火の衝撃がきっかけで蘇生、地球に拡大した大戦が再開されるという歴史を辿る事となる。
メガトロンの目的は上記の通り船内のサイバトロンの抹殺であり、初代コンボイは瀕死のダメージを負わされてしまう。初代コンボイを辛うじて救命に成功したサイバトロンは歴史改変の阻止のため傍に基地を新造してアークを守る戦いに移ることとなった。
ネメシス
地球歴紀元前400万年前頃のデストロンが所持していた当時最強とされた宇宙戦艦。サイバトロンの宇宙進出を阻止し、屈服させるため、アークの追跡に使用された。追いついた末に上記の戦闘によってアークに全員突入したものの無人となってしまったネメシスもコントロールを失い、同じように北米大陸近辺の海底に墜落していた。
タランスがこれを発見、修復と改良を施し両軍が眠るアークを葬り去る切り札として隠していたのをメガトロンが発見し、決戦に利用された。
シャトル
アーク内部に眠っていた小型宇宙船。ネメシスの襲来からサイバトロンへ救いの手を伸ばそうとした人物が存在を突き止め密かに情報を送りサイバトロンは見事戦力を入手する事に成功した。そのまま持ち出される形になったためか歴史に存在は刻まれていない。
エイリアンの正体と目的
前作から惑星エネルゴアで独自に活動していたエイリアン・ヴォックの目的は実験であり、贖罪の一環であった。
彼らの起源はコミックシリーズ『G2』に登場した集合意識体スウォームである。暗黒エネルギーが自我を持った存在であるスウォームは飢餓感に苛まれ、G2デストロンの大部分、爬虫人類ジャダイ、地球人類といった様々な種族を分解・吸収し実質滅亡させていった中『良心』を欲してる事に気づいた初代コンボイが与えた事で善悪両方の精神を得た存在と化した。以降滅ぼしてしまった種族を修復するのを試み、地球人類に対しては時間を遡り野蛮さを持たない知性と理性に満ちた存在へと進化させようとした。その為に環境汚染を催さないエネルゴンを惑星全土に埋蔵し、いずれ資源としての利用法を伝えたり、人類が潜在的に求める「神」の役割を請け負って早期に高度な種族に発展するのへと導こうとしていた。他の文明を有す種族の干渉があるとこれらの目的に支障が生じかねないためトランスフォーマー達への敵対行為も異分子の排除に過ぎず、エネルゴンの鉱脈はその最終手段として衛星に偽装した惑星破壊兵器による連鎖爆破する事で地球諸共破壊する道具も兼ねていた(破壊に成功していれば地球の創り直しと時間の流れを調整し実験を再開される筈であった)。
コンボイにより惑星破壊兵器は消滅し(これにより衛星が一つに戻ったためトランスフォーマー達は自分達がいるのが地球と気づく事となった)エネルゴンの大半は消滅、初代コンボイの抹殺未遂により存在を脅かされた彼らは再度異分子の排除のためタイガーファルコンを派遣したが結果的に始末に至らずダイノボットらにより人類は身を守るために戦うという事を学んだため最終的にこの実験は成功しなかったのが窺える。
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