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概要
茶色で縞模様のヴェロキラプトルに変身するビースト戦士。
初代アニメ等ほかの『トランスフォーマー』シリーズのダイノボットとは違い、『ビーストウォーズ』においては部隊名ではなく個人名である。
世代によってはこちらの印象が強く、G1でのダイノボット部隊を見て驚く人もいる。その為、ほかのと区別する為にビーストダイノボットと呼ばれる場合も。
通称「シマシマ恐竜」「ダーダー恐竜」など。
その呼び名の通り、口癖でしょっちゅう「ダー!」と叫んでおり、その理由は「俺の名前はダイノボットだから。」との事。なお、この答えに質問主のラットルは「聞いたオイラが馬鹿だった。」と後悔している。
ロボットモードは、動物のアバラ骨を意識したデザインのボディをしており、サイバトロンの中では最も長身。
低く唸るような声でしゃべり、常にしかめた表情をしている為、威圧的な印象を受ける。獣脚類らしく性格も直情的で短気、好戦的でかつ獰猛。しかし卑怯な手段を嫌うなど「戦士」としての誇りを持ち合わせている。一例として、変身できないクローンダイノボットとの闘いでは、あえてビーストモードのままで挑んだ。また、意外に仲間思いでひょうきんな一面もある。
コンボイが彼を信頼しているのも誇り高い戦士故に後ろから撃ってくることはしないと一戦交えた際に見抜いたからである。コンボイが負傷した際は身を案じて救助へ向かったり、留守を任された際も船を乗っ取ろうとする素振りを見せなかった。
トランスフォーマーの戦史にも詳しく、G1スタースクリームの悪評も知っていた。趣味はハミガキで、好物は生肉である(公式ガイドブックより)。
武器は両目から放つビーム、刀身が回転し電流が流れるサーベル、尻尾が変形する回転盾(原語版では、「ロータリー・ブレード」で、回転する攻防一体の武器)である。
原語版では当初の変身コードがデストロン(プレダコン)の共通ワードである「テラライズ」であったが、サイバトロン(マクシマルズ)加入後は変身コードである「マクシマイズ」へと変わっている。
略歴
無印
元々デストロンの一員だったが、惑星エネルゴアに不時着した直後に目的地の地球でなかった(と思われた)事などの不満からメガトロンに対して反逆、あっさり返り討ちにされてしまう。
その後、今度はサイバトロンを乗っ取ろうとコンボイに一騎打ちを挑むが、デストロンの介入で決着がつかず、そのままなし崩し的にサイバトロンの一員になった。
しかし、元デストロンという経歴の為、当初はコンボイ以外のメンバーからスパイ容疑をかけられたり、その好戦的な性格が災いするなどして険悪な雰囲気だった。
ライノックスが悪堕ちしたのを「悪者になるのも面白かった」と冗談をいって他のサイバトロンがうけているところを、ダイノボットが一人だけ雑談に入らずに「こいつらバカじゃねーの」と呆れる一幕も。
特にラットルとはたびたび衝突し、事あるごとに揉め事を起こして喧嘩が絶えず、「あんぽんたんの醤油漬け」「おたんこなすの味噌煮込み」のようにレベルの低い罵り合いもあった。
しかし、共闘を重ねる内にお互いを認め合うようになり、良い凸凹コンビになってゆく。
メタルス
前作のラストで負傷しており、再生カプセルに入れられクオンタムサージを浴びなかったためメタルス化しなかった。未来の事が書かれているゴールデンディスクの意味を知って思い悩み、1度デストロンに戻り奪っておいたゴールデンディスクを返してしまうが、サイバトロン戦士との友情を忘れることが出来ず再びデストロンを裏切った。しかし罪悪感を拭えずメガトロンはディスクの情報を元に未来でサイバトロンと協力関係となりデストロンの邪魔者となる人類を消し去ろうと人類の祖先へと襲撃にかかる。
ディスクを渡した責任から人類、そして自身の祖先達を守る為、そして運命は刻まれているのではなく自分で刻むものと証明することと、デストロンの襲撃があまりにも激しく援軍を待っていては間に合わない為、デストロン全戦士を相手にたった1人で戦いに挑む。
生命維持の限界を超えてデストロン相手に無双し、途中でメガトロンに猿人を人質にされるも、即席で作った石器で逆転。最後の力で歴史が支配されることのないようゴールデンディスクを破壊、見事猿人たちを守りきったのだった。
そして、ラットルと友情を確かめ合い、仲間たちに感謝を述べて静かに戦死した。彼は死に場所を自分で決めた場所にできて運命をディスクの内容に沿らない自らで導けるものと証明するのであった。
コンボイはその死に「彼は戦士であり、英雄だった」と賛辞を送り、ラットル、チータスらと共に空に向けて敬礼した(この時誰よりも早く敬礼をしたのがラットルだった)。
遺体は戦士にとって名誉とされる「リサイクリング」によって葬られた。
その後、ダイノボットが作った石器は猿人が拾い、それを使って堅い木の実を割り、仲間が餌食となった大蛇を撃退した。
偉大なる戦士が残したものは、人類を守っただけでなく彼等が進むきっかけをも与えたのだった………。
メタルスダイノボット
“メタルスダイノボットだ。てれとしるぶぷれ!”
メガトロンがプロトフォームにダイノボットのDNAを組み込み、実験によって、生み出したクローン。
メタルス2化しており、その上、スパークにはランページのスパークの半分が使われている為、高い戦闘力とほぼ不死身と言える脅威の再生能力を持つ。しかもこのスパークは挟み込んで本来の持ち主のランページにダメージを与えかつ、ダイノボット本人には何ともないので彼への牽制も兼ねている。
主に左目のレーザーと両手の鍵爪を武器としている。
あくまでクローンであり、本人を蘇生させたわけではない為、人格的には全くの別人。そして、創造主であるメガトロンにはタメ口ながらも忠実。故に本物の彼を知るサイバトロンの面々は完全な別人で敵の1人として見ており、逆に散々煮え湯を飲まされたデストロン側は味方として受け入れている。
メガトロンがダイノボットの複製として作りだしたのは単にサイバトロンへの嫌がらせではなく、未来を記録したディスクとは異なるタイミングでダイノボットが戦死したことから、クローンを生み出すことで半ば強引に本来の歴史に戻そうとしたのである。
最終決戦にて、ランページが死んだことでスパークに異変が起き、オリジナルのダイノボットの記憶と人格の影響を受けてメガトロンのやり方に苛立ちを感じるように。そしてついにはサイバトロンに反撃の手立てとなる情報を送り、窮地のコンボイたちを救い、自身はコンボイに2度目の別れを告げた直後、ネメシスの爆発の中に消えていく。
「早く行けぇ!あばよコンボイ!!」
そして、彼の名は改めて、ラットルを始めとした仲間たちにサイバトロンの英雄として刻まれた。
人格的には別人のはずなのに元のダイノボットの記憶と人格を取り戻した理由は「ランページが死んだため」と思われがちだが真の理由は「ダイノボットがもしもの時のために残していた自身の記憶と人格を記録したディスクをラットルが発見して、メタルスダイノボットにインストール。しかしランページとのスパークの干渉でその時は覚醒しなかった」という没エピソードの名残である。テレビシリーズに先駆けて公開された劇場版でのダイノボットの作業こそが人格ディスクの伏線だった。
詳細は下記『没エピソード「DARK GLASS」』参照。
日本版ではオリジナルの記憶がないクローンという設定がメイン視聴者の低年齢層には分かりにくいと判断したからかあるいは記憶コピーが没になったゆえかメガトロンに洗脳されて復活したダイノボットのような描かれ方がされた。
実際、最終決戦の展開を考えればこちらでも違和感は無いと言えよう。
リミックス
ギャグがかなり暴走気味である。
リミックス放送前の5秒CMでは「今日は見なくていいや!うそうそ!」といきなりかましている。
原作の設定やストーリー展開を無視した話に文句を言っているワスピーターに対して、
「家族団らんの時間だ、小難しいことをやってだれが喜ぶ!
俺達がやらなきゃいけないのは体を張って笑いを取ることだ!そして皆さんの疲れた体を癒す!
あぁ、明日も頑張ろうって思ってもらうんだ、笑いは心のビタミンだ!」
そしてなおも食い下がろうとするワスピーターを細切れにした。
ものまね合戦では残念ながらモノマネは披露せずコメント係を担当。チータスが披露した豊臣秀吉のモノマネが優勝したことに対して、コンピュータの判定に若干納得のいかない様子だった。
ちなみに小難しい話は30分前の作品へのあてつけではなく、原語版のほうを指しており、日本語吹き替え版であっても重々しい雰囲気は完全には変えられず、続編でより重々しくなる。
没エピソード「DARK GLASS」
ダイビングベル(42話に登場した潜水球)で、沈んだサイバトロン基地から再び様々な資材を引き上げてきたラットル。その中には、ダイノボットの記憶ディスクも入っていた。
このディスクを用い、メタルスダイノボットにインストールすれば、サイバトロンのダイノボットは蘇る。ラットルはそう考えてコンボイらに進言するも、コンボイは反対した。
メタルスダイノボットは、あくまでクローンであり別人。自分たちが知っているダイノボットではない。下手をすれば、ダイノボットが生前に知った、サイバトロンの機密情報が敵に渡ってしまう可能性がある。
コンボイを含むサイバトロンのほぼ全員が、そう言って反対した。が、ならば一人でやるとラットルは黙って勝手に出撃。メタルスダイノボットを罠にかけ、ダイノボットのディスクを強制インストールする。
ダイノボットは蘇り、サイバトロン基地に戻った。サイバトロンの皆は、驚きつつも暖かく迎え入れ、仲間が戻った事に喜ぶ。そしてダイノボット自身も、自分が死後にリサイクリングされた事を知り、満足げだった。
しかし、ブラックウィドーやシルバーボルトなどからよそよそしくされ、なおかつ、ダイノボット自身も、メタルスダイノボットの持つ獣性が徐々に露わになっていた。
なんとか周囲に対し、とりなそうとするラットル。それを見てダイノボットは、コンボイに対して「チャンスをくれないか」と進言。デストロンと戦い相手を倒す事で、本当に元に戻った事を証明しようと考え、ラットルとともに出撃する。
同じ頃、メタルスダイノボットが行方不明になった事を知り、デストロン基地内ではランページが怒り狂っていた。メタルスダイノボットには、ランページのスパークが半分入っている。彼にとっては死活問題だったのだ。
やがて、ラットルと一緒にいる事を知る。ランページはもしもメタルスダイノボットが裏切ったのなら、その身体を引き裂き、自分のスパークを取り戻すと言い放つ。
ランページと遭遇し、交戦するダイノボットとラットル。だが、ダイノボットは突如として機能停止する。
ダイノボットは己の精神の中で、メタルスダイノボットと相対していた。戦い勝った方が、この体の主となる。サイバトロンとデストロンの、それぞれのダイノボットが、精神の戦いを行う。
そして、現実では。ランページとラットルの勝ち目のない戦いが行われていた。
ボロボロになったラットルの前で、再起動したダイノボット。だが、彼はラットルを攻撃する。ランページにも迫られ、死を覚悟したラットル。
そこにコンボイらサイバトロンが救助に駆け付けた。多勢に無勢と、そのままランページとメタルスダイノボットは逃走するが、ラットルはダイノボットを救えなかった事を悔しさとともに実感するのだった。
メタルスダイノボットは、メガトロンの前に戻っていた。彼は、サイバトロンに関する情報は混乱の中で失われたと言い放つ。それを確かめるすべは、誰にもなかった。
リペアされ回復したラットルは、別れの言葉を口にしつつ、かつてダイノボットの記憶が入っていたディスクを、湖に投げ捨てるのだった。
余談
- このビーストダイノボットの玩具だが、後の『ビーストウォーズⅡ』でスラストール、『ビーストウォーズネオ』ではハードヘッドと、立て続けに仕様変更(リデコ)品が作られている。すなわち無印からメタルスまでの4作連続で、ダイノボット由来のトランスフォーマーが登場していることになる。
- また、無印の海外版では、このダイノボットの玩具のリペイント版として、ラプトルに変形する「グリムロック」というメンバーがマクシマル(サイバトロン)側から発売されていた。グリムロックはG1ダイノボットのリーダー(詳細は当該項目参照)での名前であり、色は白系。手持ちの武器もダイノボットと同じ。リペイント品であるが、金型はダイノボットと別物になっており(ただし、見た目にはほとんど同一で見分けは付かない)、皮膚のディテールなどがより細かくなっている。テックスペックで、玩具版ビーストウォーズの世界観も、G1と地続きである事が判明した。
- 5作目の『リターンズ』には未登場で、リデコ品も開発されなかった。しかし海外版の「ビーストマシーンズ」の玩具展開ではダイノボッツなる部隊が登場。ほとんどが『ネオ』と恐竜系ビースト玩具のリカラー商品なので、やたらと見覚えのある面子が揃っている。
- 死亡したダイノボットのスパークから得た恐竜DNAを使い、オラクルが生み出した戦士達という設定で、あのマグマトロンもメンバーに入っていたりする。
- 地球での姿をスキャンする前の姿はマイクロン伝説のグラップスーパーモードのリデコである。
- 玩具独自のシリーズ『変形!ヘンケイ!』にてリメイクされたのだが、それとは別に旧デザインのビーストダイノボットも登場している。ファンの間では「このダイノボットは、メタルスダイノボットがネメシスの墜落から生還し、長い年月でリフォーマットされた姿なのではないか」とも言われている。