概要
CV:コリン・マードック/吹:飛田展男
コブラの上半身と一体化した尾を持つサソリに変形するフューザー戦士。シルバーボルトと同時期に同じ場所で誕生した(シルバーボルトは程なくしてサイバトロンの戦士となった)。
ポッドのトラブルでセキュリティサーキットがオフになった事により、自分達が何者か分からなくなっていた隙をメガトロンに狙われ、トランスフォームの音声コードであるアクティベーションコード(原語版ではサイバトロンとデストロンは音声コードが異なっており、コードが同じであれば同じ陣営という理屈になるが、日本語版では「変身」と統一されているため、同じ「変身」を唱えるのにサイバトロンを敵と教えられたのを疑わなかったという少々不可解な描写となっている)を書き換えられてデストロン戦士となったが、殆ど自らの意志でデストロンに加わっている。
日本語版での口癖は「ぎっちょん!」や「ブラ~!(コブラ~!)」。彼曰く、オープニングでの「ブラ~!」の発音は下の口を意識して言うのがコツとのこと。サソリとコブラで別々に喋り、ビーストモード時のサソリの頭は低い声、コブラは高い声、ロボットモードではその中間の声(コックカワサキや丸尾君のような声質)を発するなど各々の声の高さも異なる。
クイックストライクの本体が意識不明の様子だったにもかかわらず、コブラ部分が千切れながらも動くなど別人格を持っているような描写も点在しており(サソリ部分の下半身から生えているためかサソリの頭の方からは「下の口」と呼ばれることがある)、同じフューザー戦士のシルバーボルトやタイガーファルコンとは異色な存在となっている。
性格は誕生した時点で攻撃的かつ好戦的であり、近くにいたシルバーボルトに対して一方的に攻撃してきたり、無抵抗な相手に追い討ちを加えるなど加虐趣味も持っている。しかし、戦闘力は誕生したてで未熟ゆえかそれほどでもなく、あっさり倒されることも多い。対ダイノボット戦に至っては、彼が満身創痍かつ武器を紛失していたにもかかわらず、プロレス技をかけられて敗北している。また、シルバーボルトや後輩にあたるランページのように主役回もなく、本人もこのことを気にしている。
基本的にはメガトロンに忠実でよく働くが、「いたぶる楽しみが減る」という理由でサイバトロン撃滅の中止をメガトロンに進言したり、タランスにそそのかされてメガトロンを裏切ったこともある。女戦士のブラックウィドーに鼻の下を伸ばしたり、命令に稀にそむくなど、不真面目な言動も多い。飛行して運んでもらえるインフェルノと行動を共にすることが多い。
エイリアンの宇宙船に侵入した際には川口浩探検隊のナレーションみたいなことをしており、メガトロンから「ナレーションの人」と言われ、『機動戦士ガンダム』と『機動戦士Zガンダム』の次回予告での決めゼリフまで披露している。
最期はメガトロンに見捨てられ、原人の村を襲っている最中に村を焼き払おうとした戦艦ネメシスの砲撃に巻き込まれ、一緒に行動していたインフェルノ共々死亡。その後、原人達にパーツを回収されてコブラの先端部が笛、ロボットモードの頭部が面、膝から下の足(ビーストモード時の鋏)を棒立てにされてしまった。日本語版では自我が残っていたのか、コミカルな口調で尻尾のコブラ共々「情けない」と嘆いていた。
なお、『メタルス』本編の前に先行上映された劇場版に於いては、魔術師のような軍師キャラとして想定されていたようで、「~でございます」という慇懃無礼な口調となっており、スパークを拘束されて苦しむランページに「クハハハハ!!」と笑うなど本編とはかけ離れた不気味で凶悪な印象となっている。
リミックスでは
精神崩壊したカミーユ・ビダンのような声で、『トランスフォーマー』シリーズは群像劇であるはずなのに自分の役割が脇役であることや最初は「ぎっちょんちょん」「ブラ~」というセリフが恥ずかしかったことを母に呟いていた。
このシーンのBGMはダイノボットのさだまさし風の歌が使われていて、更に有名ナレーションのモノマネを披露してリミックスの暴走を助長している(テロップまで付いている)。ものまね合戦では『刑事コロンボ』のコロンボのモノマネを披露するが、メガトロンに「良い子のみんなには分かんねーよ!」としてお仕置きされた。
コミカライズ版
コミックボンボンで連載された漫画では、第1話でブラックウィドーと共にスコルポスやコラーダに似たドローンの兵隊を率いてサイバトロン基地を襲撃する。しかし、その後はジャガーによってハチの巣にされた死体となって登場した。ほどなくしてランページのスパークを受けてゾンビ化し復活するが、何故か自分を殺したわけではないコンボイに見境なく襲いかかっていた。
余談
演者の飛田展男は無印ではテラザウラーを演じた他、後に『トランスフォーマープライム』にてラチェットを演じ、『アニメイテッド』でもファンゾーン警部やサウンドウェーブを演じるなど、岩浪美和作品では非常に重宝されている。
Transformers Energon
『トランスフォーマー スーパーリンク』の海外放送版『Transformers Energon』に登場したバルクヘッド(スプラング)の従兄弟にあたるオートボット戦士。玩具はスプラングのリカラー品(日本未発売)で、ヘリコプターのテールブームには漢字で「空中防衛官」と書かれている。
喧嘩っ早いバルクヘッドとは対照的に彼は戦略の天才であり、綿密な攻撃計画なしに戦闘に参加することはない。その武勲とオートボットへの貢献度故にメガトロン(ガルバトロン)はクイックストライクの頭に賞金をかけたが、それを狙うディセプティコンには不幸が訪れる。
アニメ本編には登場してないが、同時期に海外で発売されたコミックではテラーコンによる地球侵攻の際に東京やロシアなどを転戦し、その都度プロール(レッドアラート)やインフェルノらと共に戦っている。その後は火星のマーズベースに常駐となり、アルファ・クインテッションが送り込んだフォー・ホースメンとの攻防の末にマーズベースを守り切った。