概要
CV:ドン・ブラウン/吹:遠藤雅
サソリに変身するデストロン(プレダコン)の砂漠戦闘指揮官にして同軍の副官を務める。原題での名前はスコルポノック(Scorponok)。
『ビーストウォーズ』のトランスフォーマー達のビーストモードはリアルなものが多いがスコルポスは
サソリにしては
- 眉がある(本人曰く「剃っても剃っても生えてくる」とのこと)
- 白目がある(放送当時の玩具は完全な赤目)
- 目が1対しかない(サソリは4対の目がある)
など、デフォルメの効いた顔をしており、かつ本来カニ等の様にペンチ状となっている鋏だがバルタン星人の様に丸みがあり内側が空洞になった鋏をしている(これに関しては後述の機能を内蔵するには本物に寄せた構造では向いてないからだと思われる)。
この様に本物のサソリに似てない箇所が多く現実からかけ離れ過ぎているためか初期メンバーがビーストモードを会得するためのスキャンシーンにおいて彼だけモデルの生物がスキャンされるシーンが存在していない。
ロボットモード時は右手のハサミには2連ミサイルを内蔵している。左手のハサミには偵察機能やウイルス(引き剥がした相手にも感染・爆発する上に変形不能となる)を搭載した昆虫型(劇中ではハエ、玩具版は翅が一対である事以外は蜂に似ている)メカ「サイバー・ビー」を装備。このメカのカメラが映す映像(ビデオとして残す事も可能だがサイバトロンに奪われ利用された事もある)と視覚を共有する事が可能で散布するウイルスはコンボイをも苦しめ、無謀な攻撃へと走らせた。
サソリだけあって尻尾には毒針を装備しており、射出することも可能。また、タランスほどではないが科学技術の知識もあり、メガトロンがダイノボットのクローンを生み出す際は助手のような役割を果たした。
自分の地位を利用して仲間をこき使うが嫌な目に遭うとすぐメガトロンに縋り付く器の小さい一面を持つ。
そんなスコルポスだが、部下にも心を許していないメガトロンは彼を副指揮官に任命している。しかし、それはスコルポスを信頼しているわけではなく、忠誠心の高さもさることながら一番は「絶対に裏切ることのない馬鹿」だからという理由であり、要は良いように扱っているだけに過ぎない。
多くのデストロン兵士はメガトロンの腰巾着となっている彼を小馬鹿にしているが日本語版ではこれらの経緯に関しては特に触れられていない。
とはいえ、彼の存在がメガトロンを裏切り出し抜こうとする仲間達の抑え役となっており、テラザウラーの裏切りでボロボロになったメガトロンがテラザウラーのいない間に修復・復活できたのもスコルポスの功績である。ワスピーターに取り憑いたスタースクリームが参戦してきた時にも別働隊でメガトロンから離れた時に監査役も任されている(返り討ちにあったが)。
続編となる『ビーストウォーズメタルス』にも登場したが、第1話で衛星軌道上から降り注いできたクォンタムサージが基地内に降り注いだ衝撃を受けた事で基地内に入り込んでいた溶岩に転落しあえなくテラザウラーと共に死亡。わずか1つの台詞とたった数十秒間の出番であった。なお、副指揮官の地位は同じくメガトロンに忠誠を誓っているインフェルノに引き継がれた。
スコルポスと同様に第1話で死亡したテラザウラーとは違い、玩具にもメタルスバージョンは存在しない。
…というわけでもなく、一応発売はされているのだが、よりによってハッピーセットのおまけという扱いであり、日本では発売すらされなかった。下記玩具に関しても参照。
日本語版でのキャラクター
日本語版では遠藤雅の熱演もあってか愛すべき馬鹿な若造としてのキャラクターが定着しており、多くのファンに親しまれている。遠藤は当時若手俳優ということもあって、柚木涼香からイケメンだったと後に語られている。
後に遠藤はアニメイテッドにおいて、スクラッパーの吹替も担当している。
変身時や攻撃時には不良のように「オラオラ!!」と叫び、「てゆーかー」や「だしー」とコギャルのように語尾を伸ばして喋るのが癖。原語版にはないキャラ付けとしてサイバトロンに寝返ったダイノボットを羨んでいる描写がある。
また、やたらと全国のよい子のお母さん人気を気にしているようで、次回予告などでたびたび「お子さんがオラオラ真似するからとか、サソリだから気持ち悪いとか、スコルポスのこと嫌ってな~い?」、「全国のお母さんのアイドル、スコルポスで~す!」などと発言している。
他にも、ブラックウィドーに「うるさいわね、ザリガニ!」と呼ばれた時、
「いや、マジに間違える子供がいるからやめてよね」とも言っていたりする。
メガトロン音頭で最期を迎える直前にメガトロンが最初に口にした部下はスコルポスだったので一応は誰よりも忠実な部下だったと認められているのが救いか。
実写映画
実写映画第7弾『ビースト覚醒』にてテラーコン及びユニクロンの兵士として登場。名前は原題と同じスコルポノック。
小型のジェット機の様なビークルに変形。この形態でユニクロンから射出されて地上に飛来する。
ただ、テラーコン側の戦力ではあるものの所属やエンブレムは玩具を含めてプレダコンで統一されている。
容姿は1、2作目に登場したディセプティコンのスコルポノックと同じぐらいの巨大なメカサソリだが、顔はかなり凶暴。加えてドリル状になっていた以前のタイプと違い鋏はかぎ爪の様な形になっている。因みに地下に潜る点は共通している。
劇中では赤や緑など色違いの同型個体が大量に存在しており、中にはプライマルよりも大きな個体も数体登場していた。
劇中ではロボットモードに変形しなかったが、コンセプトアートにはロボットモードが描かれたものもある。
だいたい予想がついた方もいるかもしれないが、スコルポス要素は皆無であり、劇中では特に台詞も無く、殆どの個体がプライマル達にあっけなく倒されており、所謂やられ役のような扱いであった。
玩具
無印時に、メガビーストサイズで発売。海外版のテックスペックでは、ビーストモードは「アフリカクロサソリ(african black scorpion)」。
ロボットモードでは、頭部はフードを被るようにミュータントヘッドモードがあり、後方に引き上げる事で劇中と同様のロボットヘッドが現れる。また、劇中同様にハサミからサイバービーおよびミサイルを発射するギミックを内蔵(ただし劇中と左右逆かつミサイルの発射口が劇中では縦に並んでいたのがこちらは横になっている)。
玩具は後に、ボットコン限定品としてリカラーバージョンが発売。
隠密作戦指揮官「サンドストーム」、殺人エリート「ダブルパンチ」として発売された。
両方ともプレダコン(デストロン)所属。ただしサンドストームは通常は「evil predacon」と表記されているプレダコンの陣営の名称が「noble(高貴な) predacon」になっており、その名の通りプレダコンながら高貴かつ誇り高き性格になっている。
また、上記にあるようにトランスメタルバージョンが、後にマクドナルドハッピーミールのオマケとしても登場。同時期にダイノボットおよびブラックアラクニア(ブラックウィドー)も発売されており、ビーストモードはメカ動物形態である。
オマケゆえに変形および可動箇所は一か所のみの簡易なもの。しかし正規版ではトランスメタル、およびトランスメタル2にすらならなかったので、オマケと言えど貴重な製品化と言える。詳細は当該項目を参照。
後に『キングダム』において無印アニメの姿を忠実に再現した玩具が発売されたが、ビーストモードでのサソリの頭部が上述したデフォルメの効いた物ではなく、現実のサソリに近い物となっている。
また、この玩具はライノックスとセットで『頑強の対決』としても発売予定。
『ビースト覚醒』関連では『ボイジャークラス』、『覚醒チェンジ』が発売されており、今後『スタジオシリーズ』でも発売予定。こちらの名前もスコルポノックである。
『ボイジャークラス』は海外ではバズワージー限定だったが、日本ではトイザらス限定で発売された。
ロボットモードは前述のコンセプトアートのものとは違うオリジナルになっており、尻尾は武器として持たせることが可能。また、武器に変形するメカサソリのサンドスピアが付属している。
『覚醒チェンジ』では『覚醒チェンジアーマーセット』としてスカージとのセットで登場。メカサソリからスカージのアーマーに変形する。
『スタジオシリーズ』では紫(赤?)の個体が発売予定。サイズはデラックスクラスで、ロボットモードはコンセプトアートに近いものになっている。
余談
セイバートロンモードは2種類存在しており、前日譚を描いた『Theft of the Golden Disk』ではホバークラフト、その続編である『Dawn of Future's Past』では両腕がショベルアーム・背中がクレーンアームというビーストウォーズ本編に近い姿となっている。
上述の通り、テラザウラー共々死亡したと思われていたが、後年出版された『Beast Wars Sourcebook』で生存していた事が判明。
溶岩の中に転落した際、メタルス化と同時にステイシス・ロック状態となり生き延びており、後にテラザウラー共と共にメタルス化して復活するが、既にビーストウォーズは終結しており、そのまま惑星エネルゴアに置き去りになった。
その後の動向は不明。
関連イラスト
関連動画
結月ゆかりと学ぶトランスフォーマー「ビーストウォーズ」 スコルポス編
関連タグ
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