この記事は単行本・アニメ未収録の重大なネタバレ情報を含みます。 |
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概要
天竜人(世界貴族)の最高位にして、世界政府の最高権力者である五老星。
そんな世界最高権力者たる彼らさえもはるか上座から見下ろす謎の存在。
シルエットのみの登場で、性別・年齢・容姿等は現時点では一切不明だが、特徴的な赤い瞳を持ち、「異様に長い頭(王冠にも見える)」「背丈に対して下から伸びた腕」など特徴的な身体が窺える。
800年前に世界政府を創設した20人の王たちの誓い「虚の玉座」に座る権限を持っており、表向きには存在しないとされている世界にたった一人の王と思われる人物。虚の玉座に座る者がいればそれは「世界の王」であるとステリーの台詞を介して説明されており、彼(彼女)の立場を明瞭に語るならば、正に文字通り「世界の王」という事になる。
聖地マリージョアのパンゲア城に住んでおり、普段は城内の「花の部屋」で虫や植物と戯れている模様。
その時のカットで描かれた手のサイズの蝶との対比、上記の頭の長さや腕の位置、ローブを長々と引きずるような歩き方などを踏まえると、子供ほどの身長しかない可能性がある。
なお上述の通りその存在は隠されているが、側近や五老星など直轄の部下に当たる人物は当然知っている他、サカズキなども詳細は分からないまでも「五老星より上の存在がいる」ことは勘づいている模様。
ちなみに現状では種族も不明。人間である可能性が高いが明言されてはいない。
虚の玉座
世界の中心であるパンゲア城に存在している玉座。
玉座とは言うものの、この玉座に座ることが許された王は存在しておらず、「この玉座に誰も座らない」ことで世界の平和と平等を示す為の『象徴』となっている。
この理念を体現する為に、天竜人の最高位で世界最高の権力者である五老星も複数人で構成されている。
…というのが各国要人に対しての表向きの説明だが、実は上記の通り虚の玉座に座ることができる王が密かに存在しており、それがイムであった。
これらの事実は情報操作によって一部の人間以外には知らされていない。
戦闘能力
現在のところその詳細は不明だが、影のような物体を操り攻防に利用する能力を持っている。
古強者の五老星と同格か、それ以上の実力者だと思われる。
動向
ルフィの写真を持った状態で初登場し、パンゲア城の地下の巨大冷凍室に保管された謎の巨大な麦わら帽子のある場所へと向かった(別人説あり。後述)。
その後パンゲア城内の花の部屋にて再登場し、ルフィと黒ひげの写真を切り裂き、しらほしの写真に剣を突き立てるが、ビビの写真に何か思う。
謎の人物に五老星が揃った事を告げられ虚の玉座に座ると、五老星がイムの前に跪き、イムからの指令を願った。
ちなみにこの記事の立てられた時点で本人の発したセリフは皆無。
姿についてもシルエットくらいしか情報がないにもかかわらず、大いに考察の余地があるという珍しいキャラクターとなっている。
コブラ王と五老星の会談に突如として現れた。
考察
100巻を越えても尚その存在が表舞台に出たことはなく、その存在についても多くの謎に満ちている。
その為、2023年現在はイムについての全容はほぼ推測の域を出ない。
以下にあるのは主な推測である。
その存在について
名前について
- 「イム」は漢字表記で「忌む」と読める。また逆さにして漢字表記にしたら仏教用語で因果から離れた絶対不変のことを指す「無為」となる。
- 「イム」の名はアルファベット表記だと「IMU」となる。
- アイヌには、驚くと気絶してしまう「イム」という病気があるという。驚いて気絶と言えば、服装も似たあの人物がいる。
- 似ている名前だと、例えば北欧神話に登場する「霜の巨人」ことイームが知られる。
- イムの名前は、アダムとイブの名前を合成したようにも思える。
- 「イム」という字の並びは「仏」に見えなくもない。なお、「仏」という字は「フランス」を意味するため、基本革命ストーリーのワンピースのシナリオと無関係とは思えないフランス革命との関係も匂わせる。
- 更に余談だがサリー・ナントカネットの名前の由来はフランス革命にて命を散らしたマリー・アントワネットである。ちなみに夫はルイ16世。マリージョアが彼らの居城シャンボール城をモチーフにしていた場合、さらなる意味合いを含むことが予想される。
- 古代エジプトに実在した人物としてイムホテプがいる。神官、建築家兼医者で、やがて神格化されており、ギリシャ神話の医学の神アスクレピオスと同一視される。
- 同じくエジプト関連の存在として、シルエットや眼の形状から、「死者の書」に姿が描かれているのが有名であるエジプト神話の謎の神(あるいは何らかの神の別名)メジェドがモデルと言う説も見られる。メジェドはアルファベットに転写した表記は「Medjed」で、その名は「打ち倒す者」を意味する。
リアクションを取った対象について
- 「写真を切り裂いた対象」であるルフィと黒ひげは、最悪の世代にしてそれぞれDの一族。さらに、ルフィは800年間覚醒することなく世界政府が追い続けた「ゴムゴムの実(その真の名は、動物系幻獣種であるとある悪魔の実)」を食べて覚醒させており、黒ひげに関しては「その体内に悪魔の実の能力を2つ宿す前例のない存在」と、どちらも「悪魔の実」絡みで五老星を驚かせている存在である。
- 「写真に剣を突きたてた対象」であるしらほしの正体は古代兵器である。
- 「写真に何か思うところのある対象」であるビビは「20人の王」の中で唯一マリージョアへの移住を拒否したネフェルタリ家の末裔で有る事から「裏切り者」とされている。
関連項目
※ここからは単行本最新刊のネタバレを含みます。
ワノ国編終幕後、イムはパンゲア城の花の部屋にて世界地図に記されたルルシア王国に×印を付ける。同刻、民衆による革命によって王政が打倒されたルルシア王国の上空に謎の巨大な物体が出現。その物体から放たれた16本の光線はルルシア王国を民衆及びその場に潜伏していたサボを全員巻き込んで跡形もなく消し去り、その存在自体を無かったことにした。
また世界会議の期間中、虚の玉座に座っている姿をサボに目撃されたようだが、サボが情報を革命軍に共有する直前にルルシア王国を消したため、イムの存在は未だ世間には露呈していないようである。
- 考察
かつてドンキホーテ・ドフラミンゴが16発の聖なる凶弾と称した技を使っていたが、彼は天竜人の真実についてどこまで知っていたのだろうか。
他にも、エニエスロビー編にてニコ・ロビンとスパンダムのやり取りで「22年前にオハラがバスターコールを受け、その翌年に地図から消えた」と語られている。
バスターコール後のオハラやエニエスロビーを見るに、バスターコールが島や国を消すほどの火力を出せていないことから、言葉通りの意味で消滅させられるこの攻撃で消された可能性が浮上している。
また、かつてロックス海賊団が世界を揺るがす事件を起こしたゴッドバレーも、何らかの原因で地図や島そのものが無くなっており、その存在自体を隠蔽されている。
偶然なのか、旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火の成分は硫黄(原子番号16番)である。
ソドムとゴモラを焼いた火といえばアレを彷彿とさせる。
余談だが、恋するワンピースにて描かれたイムとモーダについての描写が前話共々予言のように的中していると話題になった。
また、この攻撃が行われたのは原作では1060話と、明らかに16を意識した話数になっている。
※ここからは原作最新話のネタバレを含みます。
そして、遡ること世界会議4日目。
五老星に謁見を申し込んだネフェルタリ・コブラが虚の玉座の間に通され、そこでアラバスタ王国の祖先であり、政府設立当時の「20人の王」の一人であるリリィ女王の行方、そしてDの一族について質問していると、
「!? イム様 まだコブラ王がここに‼︎」
イムが唐突に現れ、コブラの目の前で虚の玉座に腰を下ろして向かい合った。
電伝虫で一連の会話を聞いていたようで、いるはずのない「世界の王」を前に愕然となるコブラに、ある者の名を呟き何かを知っている様子を見せている。
「リリィ……」
「虚の玉座に座る王」という異常事態を前に愕然となるコブラに対し、「ムーから話したいことが二つ……聞きたいことが一つあるぞコブラ」と一方的に話し始める。
この時コブラはイムの姿に覚えがあったらしく、「20人の王」の一人ではないかと勘付いたが、遮っている。
「神の天敵」ともいわれるDの一族。それは、世界政府を作った20人の王たちの敵対勢力であり、しかし現在その名を持つ者たちは、そこに込められた意味を知らない「抜け殻」なのだという。
さらに時が流れた今、「D」に与えられた意味は変質したが、それが何なのかはイム達にもわからないとも。
世界政府を立ち上げた800年前、リリィの犯した「大失態」によって歴史の本文が世界中に散らばり、それによって今なおDの名を持つ者たちが世界に現れている。
イムはそれがリリィの失敗ではなく、意図的な行動だったのではないかと疑っており、コブラから聞き出した彼女の真の名……「ネフェルタリ・D・リリィ」を受け、彼女もまたDの一族であったと確信を得る。
自分の姿を見た以上コブラを生かしておくつもりは毛頭なく、悪魔の実の力と思しき攻撃でコブラに致命傷を負わせ、五老星と共に包囲するが、隠れて一部始終を見ていたサボが乱入。
一瞬の隙をつかれてコブラを抱えて逃げ出され、これを追撃するが、逃げている途中でコブラがサボに伝言を頼んで立ちはだかる。
結果、コブラの抹殺は成し遂げたがサボには逃げられ、さらに壁に空いた穴からこの様子を見ていたワポルも取り逃がし、危険因子として先んじて捕縛していたビビもこれに便乗して脱出。
世界会議終了後、サボの潜伏しているとみられるルルシア王国を攻撃し消し去ったものの、肝心のサボは革命軍本隊への合流に成功しており、情報の隠蔽には失敗している。