「安全装置外れてねえぞ?
─────嘘だよ!! ド素人め!!」
「残念ながらこれはハッタリなんかじゃねえよ ”勝利宣言”だ」
CV:大塚明夫
概要
元神奈川県警所属で免許センター勤務の警察官で、元刑事。59歳。
主人公・春日一番の仲間(パーティーメンバー)の一人。
酒と女に弱く、稼いだ金は殆ど遊びに費やしており、退職金だけを頼りにしているというだらしない人間だが、警察官としてのプライドや強い正義感も併せ持っており、不正や罪は(たとえそれが自分のものであっても)決して見逃さずに追及する。
そして、後述の理由により相当金欠らしく、行きつけのバーでの飲酒をツケにしてもらうよう頼んだり、どうしようもなくなるとただの水で我慢するなど金策に苦労している。
そのせいか、春日が道で貰った「初回無料のデリバリーヘル"プ"」のチラシを派遣型風俗と勘違いし、嬉々としてチラシの番号に電話をかけている。
また、前主人公・桐生一馬の友人・伊達真は刑事時代の後輩であり、「まこっちゃん」と愛称で呼ぶほど気心が知れている。終盤で春日たちが神室町で安全なアジトを必要としていた時には、彼のツテで「ニューセレナ」を避難所として提供して貰った。
なお、足立が桐生本人のことを知っていたかは劇中では明かされなかった。
ナンバや紗栄子と同じく、続編『龍が如く8』での続投が確定している。
戦闘スタイル
- 専用ジョブ:刑事
片手棒(最初期は警棒)を武器に、警察仕込みの棒術と体術で戦うタンクタイプ。体術の中には地獄車やパイルドライバーなどパワフルな技も多い。
HPは全キャラ最大である反面、還暦間近だからか腰を痛めやすくなっており俊敏性は無い。
経歴
かつては刑事課所属として、多くの悪人の逮捕に貢献していた(そのうちの数人からお礼参りを受けることも)が、ある時「資産家の老夫婦が強盗に殺害される」という事件を扱った時から彼の人生は大きく変わり始める。
当初、近所に住んでいる失業中で前科持ちの「久住」という男を逮捕したが、容疑を固めるための捜査の過程で逆に犯行時刻に久住は全く別の場所にいたアリバイが見つかり、誤認逮捕だったことが明らかになってしまう。
足立はすぐにそのことを本部に報告したが、当時の神奈川県警本部長・堀ノ内十郎がその報告を握りつぶす事を指示。アリバイの証言をした証人には執拗に、「自信が無い」と言わせるまで「本当にそうか、間違いないか」と繰り返し問い続け、証言を取り下げさせた。
こんなことをした理由は、堀ノ内が栄転の予定が潰れるのを嫌ったから、ただそれだけであった(詳細は堀ノ内の記事にて)。
足立はこれに抵抗しアリバイ証言の情報をマスコミにリークするも、堀ノ内のコネの方が強くマスコミにも握りつぶされてしまい、足立自身は刑事課を外され免許センターへと左遷されてしまった。
その後、無実であるはずの久住はそのまま強盗殺人の罪で懲役17年の実刑判決を受け、妻子を残して獄中で自殺した(事件後足立は、当時証人として呼ばれていた久住の一人息子「隆史」への罪滅ぼしのために毎月仕送りをしており、これが理由で金欠となっている)。
こうした不正を許せなかった足立は、警視総監となった堀ノ内が、東城会を追い出した「神室町3K作戦」の際に近江連合若頭代行・荒川真澄から収賄を受け取っているという疑惑に辿り着き、彼の悪事を暴き一泡吐かそうと行動を開始する。
そして、荒川に近づくために、かつての荒川組若衆で殺人罪により服役していた春日に接近する事を考え、彼の素性を徹底的に調べ上げる。
劇中の活躍
龍が如く7 光と闇の行方
2019年、18年間の刑期を終え出所する春日を待ち伏せ、荒川と接触するための協力を持ちかけ、自分の管轄である横浜まで一緒に来るよう説得する。
当初は春日からは邪険にされ、荒川が東城会を裏切ったという話も信じて貰えなかったがそれも予想済みで、春日が近江連合によって変わり果てた神室町を自分の目で見てくるのを、彼の生まれ故郷だったソープランド「桃源郷」の跡地の前で待ち受けた。
現実を自分の目で見て思い知った春日に改めて「荒川真澄に会う」という春日の目的にも重なる話を持ち掛けて協力を取り付ける。
この時春日に連絡用としてスマホを渡しており、ゲーム的にはここからスマホ関連のメニューコマンドを使用可能になる。
荒川がいる会食の現場への侵入作戦の途中、警視庁のヘリに見つかってしまうが、春日を行かせるために「俺は神奈川県警の者だ」と時間稼ぎに出る。
しかし、春日が荒川に撃たれて行方不明になった後、警察の前に身分を明かして姿を晒していたことで住居侵入などの罪を言い逃れできず、警察を懲戒免職されてしまった。
その後、春日が横浜・伊勢佐木異人町に流れ着いてから、彼の所在を掴めないでいたため、暫くは登場しなくなるが、春日が小料理屋のオーナー・浜子から、経営している風俗店の二階で住まわせてもらった所で春日の所在を突き止め姿を現す。
上述の通り春日のスマホは足立が渡したものであり、電源が入っていればGPSで所在地を追う事が可能だったのだが、ホームレス生活で長らく充電切れのままだったものを住居を得て充電できるようになったためである(「ストーリー中普通に使えてただろ」というツッコミはご法度)。
再会した際に、既に異人町で仲間になっていたホームレス・ナンバへの自己紹介も兼ねて足立が春日に執着する理由、堀ノ内との確執などを語る。以降は無職仲間として再び春日と行動を共にする。
なお、足立は免許センター勤務ではあったが、左遷でそこに飛ばされただけで元は刑事課であったため、道路交通法にはそんなに詳しくなく、相当うろ覚えである。
例えば、劇中で訪れたソープ「乙姫ランド」の店の前でデモ活動していた市民団体「ブリーチジャパン」に出くわした際に「デモは行進という手段でのみ許されるもので立ち止まってはいけない」等という法律の知識を披露して彼らの撃退に貢献するが、道路交通法が全部で何条あるかや、第一条の条文などまでは正確に記憶していない(一応130条くらいなのは知っている。実際は132条+補足&別条)。
この事は「免許センターにこそ所属していたが実際は飛ばされただけ」という経歴を知っている春日は知っているが向田紗栄子など他の仲間は知らない。終盤で足立と足立に成りすました殺し屋「ミラーフェイス」が取っ組み合いになり区別がつかなくなった時、春日が道路交通法の詳細を質問して答えさせ、片方はしっかり「全部で132条ある」ことと「第一条全文」を誦じたが、片方は「130条くらい?」「知るか馬鹿!覚えてねえよ!」と答えた
春日以外の仲間は「はっきり正確に答えた方が本物」と思い込んでいたところ、春日のみ曖昧な答えを返した方を本物と見抜いてぶん殴った。(ミラーフェイスに「公僕の癖にいい加減な仕事しやがって」と毒吐かれている)
- 決着
春日たちと青木遼(荒川真斗)との一連の騒動が終結した後、足立は思わぬ副産物を得ていた。
春日が青木に伝えた「殺人教唆の証拠になる音声データ」はブラフであり実在せず、ミレニアムタワー内の荒川組事務所をいくら家探ししても見つかるはずがないものであったが、家探しした天童陽介ら東京近江連合組員は別のものを見つけていた。それは、荒川組若頭・沢城丈のパソコンに残されていた「荒川組が賄賂を渡したリスト」である。
神室町3K作戦やその後の近江連合引き込みに際して警察組織には荒川組から多額の賄賂が流れているが、受け取る側が警察なだけあって送金ルートを巧妙複雑に分かりにくくしていた。
しかし、誰のどの口座に送金したかの詳細が記されているこのリストがあれば、複雑に散らばった送金ルートを全て正確に辿る事ができ、全ての裏を取る事ができる(天童が、青木に対し「ワシらが居ないと居られない様にしてやる」と将来の意気込みとして宣戦布告している場面があるため、これを用いて堀ノ内を強請る事で間接的に青木を操る、或いはそこまで行かずとも、宣戦布告直前に青木の言っていた「俺とお前は対等では無い」を対等にしようとしていた可能性はある)。
これによって堀ノ内の収賄の証拠を掴んだ足立は、ついに堀ノ内へ王手をかける。
匿名の情報提供という名目で堀ノ内を新神室署の屋上に呼び出して再会し、彼に収賄の証拠をつかんだ事を突き付ける。堀ノ内はちょうど駆けつけてきた部下に足立を捕える事を命じるが、時すでに遅し。
足立は、二の轍を踏まないよう先手を打っており、既にリストのデータをマスコミと警察の監察部に同時に送りつけて隠蔽ができないように白日の下に晒していた。
ついでに、様子を見に来ただけかと思われた警官は、堀ノ内の収賄容疑について監察部から遣わされた者だったのだ。
懲戒を食らって退職金も出ず、常に金欠な足立がそれをネタに脅迫して金をせびってくるモノだと思っていた堀ノ内は、既に暴露済という足立になんのメリットもない事をしている事に絶句、ソレこそが足立の見たかった顔であり、最大のメリットであった。
そのまま警官に制圧され連行されていく堀ノ内を尻目に、胸のつかえが取れた足立はそのまま屋上で空を見ながらタバコで一服するのであった。
元々は個人的な因縁からとはいえ、警察の腐敗の象徴でもあり、青木による国家支配計画の手先の象徴でもある堀ノ内を破滅に追いやった(ついでに言えば、自覚がないとはいえ青木を闇落ちさせる原因となった張本人の一人でもある)ことで、春日とは別の面から国家危機を救っており、「陰のMVP」といっても過言ではない。
余談
演者である大塚氏は過去に『3』にて、防衛大臣・田宮隆造役で出演しており、12年ぶりにシリーズ復帰となった。主人公・春日一番を演じる中谷一博氏も一作目のラスボス・錦山彰を演じているので、『7』のストーリーにおけるプレイアブル1号・2号の担当声優が過去出演経験持ちという珍しい構図を描くことになった。
外伝作品『龍が如く維新!極』では、新撰組局長「近藤勇(オリジナル版では船越英一郎)」として登場する。詳細は当該記事を参照。
なお、スピンオフとはいえ、趙天佑演じる八番隊隊長・藤堂平助共々、初めて桐生との絡みが描かれることになる。
ついでにどうでも良い余談だが、足立の最終階級は巡査だが、日本の警察官は長年、巡査でいると自動的に巡査長に昇格する。おそらくだが、久住の一件で左遷された際に降格されたと思われる。(等の本人が降格されたと言ってないため不明である。)多分元々は伊達と同じ警部補か、もしくは巡査部長の可能性が高い。
関連イラスト
関連タグ
オールド・スネーク…他のゲーム作品の中の人繋がりで、上記の「銃の安全装置が外れていない」というブラフをかけるシーンが有り、他の主要人物の中の人ネタも随所に散見されることもあってオマージュではないかと言われている。
因みに、オールドもといスネークのお気に入りである「ダンボールを使ったスニーキング」も登場しているが、コチラは足立ではなくナンバが敢行していた(また春日もホームレス村で身を隠す際にダンボールに隠れている他、スピンオフ『ロストジャッジメント』のサブイベントで、主人公・八神隆之も喫茶店強盗を捕まえるためにダンボールを使用している)。
ライダー(Fate/Zero)…アニメ作品の中の人繋がりで、そのせいか足立が解体屋(ジョブ)の極技「荒くれ職人の極み」を使うと王の軍勢にしか見えないと言われる。
チャンプ(キュウレンジャー)…特撮作品の中の人繋がりで、足立と同じく中の人ネタを使用したキャラ。