よく来た勇者よ。わしが王の中の王、竜王だ。
わしは待っておった。そなたのような若者が現れる事を……。
愚か者め! 思い知るがよい!
概要を話してやろう
りゅうおうが戦闘前に主人公へ持ちかける意外な一言。しかしこれはもちろん罠であり、話に乗ってしまうと必ず碌でもない結果となる。その結末は想像以上に悪辣なものであったことが、ドラゴンクエストビルダーズで判明。
あまりにもインパクトが強く、更に当時まだRPGが浸透していなかった頃であったためりゅうおうと言えばコレという人も多いほどの名言であり、同時に多くの作品にも派生したりパロディになったりと、
登場から30年以上経った今もなお、プレイヤーの印象に残り続けている。
一連の流れを見せてやろう
もし、わしの味方になれば世界の半分を勇者にやろう。
どうじゃ? わしの味方になるか?
本当だな?
>はい
いいえ
では世界の半分、闇の世界を与えよう!
そして……そなたに復活の呪文を教えよう!
これを書き留めておくのだぞ。
お前の旅は終わった。さあ、ゆっくり休むがよい!
わあっはっはっはっ。
この画面のままフリーズ→強制リセット。
竜王が教えてくれた復活の呪文は「レベル1で全ての装備品&アイテム無し」という無に返す呪文だった。即死じゃんとは言ってはいけない。
なおリメイク版では緩和され、竜王の城の出来事が夢オチ扱いとなり、リムルダールの宿に転送となる他、ローラ姫をかついでここまで来た場合少し台詞が変わる。
DQBでの後日談と末路だぞ、わあっはっはっはっ。
この問いに「はい」と答えた勇者の末路は恐るべきものであった。
「セカイノ ハンブン」と書かれた建物に閉じ込められ、何も得ることができず世界の全てを竜王に明け渡してしまったのである。本作の主人公がここを訪れた時にはすでに精神を病んでしまっており、なまじ「王女の愛」を身につけたままという皮肉な姿をまざまざと見せられた。
エルの考えでは、今まで真面目に過ごしてきた上、周囲から勇者であることをもてはやされてきたため、自ら自立した意思で行動を選ぶことがなく、自由に自分の道を進むことを知らなかったため、竜王の問いに純粋な好奇心を動かされ、どうなるかを知りたくて選択したのではないか、とのこと。実際に竜王と手を結ぶ意志があったわけではないというのは、問いに対して一度は断っているシーンを見ればわかる(これはリメイク版のやりとりであり、一度断った場合の話の展開そのものがビルダーズのオープニングとなっている)。
「はい」を選んだのはメタ的にはプレイヤーであることを考えると、好奇心というのは勇者の思考であると同時に当時のプレイヤーの思考だったともいえる。
なお、ビルダーである主人公に対しても、「ビルダーとしての世界を与える」というアレンジでワナにかけてくるが、この問いを含めた竜王の本性が既に知れている状態なので引っかかる道理もない。そして、それでも承諾したプレイヤーに待っているのはゲームオーバーという運命である。
ただ竜王としてもビルダーが上記のことを知っているのは承知の上だったようで、「そうだ〇〇よ。真の姿を見せる前にそなたにもあやつと同じ質問をしよう」と様式美的に聞いてきているようなセリフがあるため、竜王も断られるのは承知の上で聞いていた可能性がある。
影響を受けた作品など
ドラゴンクエストⅪ(3DS版、Switch版)では
冒険の書の世界をクリアしていくと出現するエリアで待ち構えるりゅうおうもどき(グレイトドラゴンの色違い)が同じ誘いを持ちかけた後、こちらの回答を待たずに「……と言いたいところだが わしに その権限はない。」と続ける。約束を果たせない事を正直に話す辺りはオリジナルより良心的と言えるか。
同じくせかいの はんぶんを提示されるが、「はい」を選んでも「などと、わしが言うと思うてか?!」と怒られてしまい、結局は戦闘となる。流石に子供に世界はゆずれませんか。
ダイの大冒険では
ハドラーがアバンに対して二度、言い放った。一度目は魔王時代、二度目はデルムリン島でアバンと出会った時となるが、彼からの答えはもちろん「NO」で、二度目の時は『それに・・・大魔王の使い魔に成り下がったお前に、世界の半分を与える権力があるとは思えんしな?』とさらに軽く見られることに。
大魔王自身もハドラーを使い捨ての駒として地上を与えるつもりなどなく、『使い魔』の一言は見事に的を射ていたといえる。
またその大魔王自身も世界の半分ではないが、ダイの実力を惜しんで『余の部下にならないか?』との交渉を提示。人間の醜さを語り、自分に勝利しても人間でないダイには英雄の座を追われるしかない現実に触れ、「無益な勝利か、自分の価値を判る者に従うか」という二つの選択を迫った。
意外なところで
ファイナルファンタジーIVアドバンスの追加シナリオ「竜騎士の試練」でこの選択と非常に似た展開がある。こちらは生殺与奪の選択であり、選択を誤ると取り返しのつかない事になる。
ポケモン不思議のダンジョンシリーズでは
「ワタシと一緒に暗黒世界を支配してみないか?」
パートナーは「ここでやられるくらいなら……。」と裏ボス側につく。
主人公にも、「暗黒の世界は素晴らしいよ?」などと誘惑するが……。
作品が作品なだけに、選択肢は“無言”、“拒絶”のいずれか。
しかし“無言”を選択するとパートナーとちょっとした掛け合いが見られるので、初プレイ時にはそちらを選択する事をお勧めする。
DQ3・4・8・11の勇者達が参戦するスマブラSPのアドベンチャーモード「灯火の星」の終盤である「最終決戦」のムービーにて、キーラとダーズがファイター達に視線を向けたのである。セリフも字幕も無いのだが、「自分の味方になれ」と推測される。
どちらかに味方をつければ、その勢力が大きくなり、キーラなら光に飲み込まれ、ダーズなら闇に飲み込まれてバッドエンドになってしまう。だが、どちらの味方にもならずにハッピーエンドになる方法もある。ただし、クリア率100%やクリアゲッタークリアには両方のバッドエンドを迎える必要がある。
なお、発売時点ではドラクエのタイトルは出典されていないのだが、ドラクエのキャラがDLCで参戦したのを知ったオールドユーザーはこれを連想したとか。詳しくはリンク先にて。
勇者(プレイヤー)が去ったゲームの世界で、残された仲間たちがバグに朽ちゆく世界の運命を自分たちの手で作り変える千載一遇の機会として登場する。
チームカオティクスで進めると、ラストステージクリア後、彼らに仕事を依頼していたDr.エッグマンが彼らへの報酬として、「ワシが世界の支配者になった暁には、命の恩人として、世界の半分をやってもよい」と言うが、カオティクスの3人からボコボコにされることになる。
スマホゲーム『勇者「世界の半分をくれるって言ったのに」』
本作のパロディと言えるゲームだが、こちらは状況が根本的に異なり、勇者に半殺しにされた魔王が「世界の半分をあげますから命だけは勘弁してください」と命乞いするところからスタートする。しかし実際には魔王がそれを反故にしたので勇者が再び魔王城に乗り込み催促するというストーリー。
ゲームフラグ操作し無に返すもの繋がり
スマブラSPにて勇者と同時にバンジョー&カズーイの参戦が告知されたが、そちらでもゲームキャラがゲームフラグを初期化してしまう事がある。
内容は、普通にゲームをプレイしていても可能な進行フラグをチートコードで3回実行すると、グランチルダがそのファイルのセーブデータを消すと言うもの。
魔王軍の幹部八魔将の一人である『魔拳将軍デルベンブロ』が自分を討伐しに来た勇者に「勇者よ、私の部下となれ。さすればラクスタの半分を貴様にやろう」という誘いをかけるのだが、その勇者はあろうことか「え、マジで!?」と嬉しそうかつ乗り気で食いつくという失態を晒してしまう。もっともその誘いは『主である魔王からの命令で「そういうもんだから言っとけ」と言われて言っただけに過ぎない』『お前程度の駒なんぞ要らん』ということで、それを知った勇者は激昂して戦闘になるが全く歯が立たず、仲間二人を置き去りにして敵前逃亡してしまう。
そして置き去りにされた女格闘家は凌辱され、同じく置き去りにされた女戦士も同じ目に遭う寸前で魔法使いの主人公が現れる。その魔法使いにもデルベンブロは同じ誘いをかけるが、倒す気できている彼はこれをキッパリ断っている。
また、後に第4章にて同じく八魔将の一人である『魔弾将軍カリコーンが光の戦士であるもう一人の主人公に対し「私の部下となれ。さすればルクスンの半分を君にやろう!」と似た様なパターンで誘いをかけるも、魔法使いの主人公と同様に謙虚で正しい心の持ち主であった光の戦士はキッパリと断っている。また、何の因果か、コミカライズを含めた書籍化している出版社は、ドラクエシリーズの生みの親であるスクウェア・エニックスである(スクエニはゲーム会社であると同時に本の出版社でもあり、合併前のエニックスから続いている)。
関連タグ
お前も鬼にならないか?:このセリフの後輩であり、こちらはきっぱりと断られている。